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PlayStation VR レビュー【コンテンツ編3】DRIVECLUB VR

PlayStation VRの有料コンテンツレビュー2回目は「DRIVECLUB VR」1本だけを紹介します。

基本的に最近ゲームは全部ダウンロード版と決めているんですが、今回はPS VRでは初めてパッケージ版を購入しました。

このゲームはVS VR購入初日に体験版をプレイし、酔いまくって完走できなかったトラウマがありますが、PS VRに慣れてきた今改めて挑戦です。

酔いについて

体験版レビュー時に「私は買えません」と断言したほど酔ったゲームですが、なんと製品版ではだいぶマシになりました。

理由はいくつかあります。

理由1.操作方法を「モーションコントロール」にする

スティック操作ではなく、コントローラーをハンドルと見立ててモーション操作するのです。これでスティックのような過敏なハンドル操作ではなく、実際の車のように緩やかなハンドル操作になり、酔いにくくなります。

理由2.酔いにくいコースから慣れる

実は体験版のコースは短い距離で何度もコーナーがある市街地で、ただでさえ酔いやすいコースだったのです。製品版では自然コースでゆっくり慣れるところから始まり、途中で体験版コースにたどり着きますが、その時には結構慣れて酔いにくくなっています。

理由3.VRならではの視点に慣れる

初めて体験版をプレイした時には、VR体験に感動して不必要にキョロキョロしたり、逆にテレビでのレースゲームと同じ感覚の視点移動をしたり、と「VR」での正しいプレイの仕方。に慣れていませんでした。後述しますが、VRにはVRならではの視点の使い方があったのです。

以上の理由により、体験版でトラウマにまでなったDRIVECLUB VRが製品版ではファーストプレイで12連戦してもほとんど酔わない状態になったのです。凄い。でも調子に乗ってドリフトチャレンジでスピンしてたらさすがに酔いました。

VRならではのプレイとは

DRIVECLUB VRは一般のレースゲーム同様いくつかの視点でプレイできますが、断然おすすめはデフォルトの運転席視点です。むしろこれ以外を選ぶ意味がありません。

通常のレースゲームでも運転席視点だとこんな感じでプレイしますよね。

でも、テレビでプレイするときは「ハンドルの向き」と「自分の視界/視点」は基本的に同じです。これって、実際の車の運転と比較すると明らかにおかしかった事に気づきました。

例えばこんなシーン。左の車と競りながら抜き去ろうとしているところですが、わずかに視点が左向きになっていますよね。顔を左に向けてライバルカーを見ているからです。

当たり前に感じるかもしれませんが、これテレビでプレイするレースゲームでは起こらない視点です。なぜならハンドルはまっすぐ向けたまま視点だけを左に向けているからです。(従来のゲームなら左を見ようとするとハンドルを切るしかなく車自体が左に曲がってしまいますよね。)

ちょっと大げさですが、逆に右後方から迫ってくる車との距離を測るために右のサイドミラーを見ます。もう完全に正面の道路は見えていません。でも、ハンドルはまっすぐなままなので普通に走っているんです。

ここで初めて気づきました。「ああ、実際の運転と、今までのゲームの運転の違いってここか!」と。

今までのテレビのレースゲームは、常にド正面を向きながらしか運転できなかったのです。またバックミラーなどを見るときも、正面の道路を見ながら視点移動しなくても同時に見えていました。そんなの絶対嘘ですよね。

実際の運転では曲がり角を曲がる時にはそっちの方を見ますし、バックミラーを見るときにはちらっとそっちに視線だけを動かします。

DRIVECLUB VRでは運転するときの自分の顔や目の動きを現実の運転どおり再現しています。「ちらちらミラーや横を見ながら距離感を詰める」といった実際の運転と同じ事が出来る(むしろ勝手にそうしてしまう)というリアリティが半端じゃないんです。

また、このように自然に視界を動かすことが「酔いづらさ」にも貢献しています。子供の頃、バスなどで酔わないようにする為に「車の進行方向を見る」というアドバイスをもらった方もいるでしょう。それと同じです。テレビでのレースゲームに慣れているとつい視点を固定しがちですが、VRでは進行方向を意識して視界を移動させるのがいいですね。

では、DRIVECLUB VRでの走行シーンをいくつかギャラリー的に紹介しましょう
田舎の道

天井の黒部分が多くて視界が狭く見えますが実際にプレイしている時の視界は下の赤枠みたいな印象なんですよ。

雪景色

走っている最中にフロントガラス覗き込むようによそ見

夜間のコースはこんな感じ

右から現れた車を焦って見る。ガラスの汚れや反射も全部ゲーム内の演出です。

ゴール間近で花火が上がる

残念な点

ここまでリアルなレースプレイが出来るようになると、もう既存のテレビ画面の中を眺めているレースゲームには戻れないと思います。ただ、そうなってくると従来のレースゲームに全ての面で追いついて欲しいと感じてきます。

1.グラフィック

他のPSVRのゲームは解像度が低いなりに楽しめるんですが、DRIVECLUB VRでは「もっと高画質にして欲しい!」と強く感じます。スピードメーターの文字が読めない。遠くの車がチカチカする。風景も今どきのレースゲームと比べると断然ショボい。など。他のゲームなら受け入れているところに「欲」が出てしまうのは「既存で存在するゲームのVR版」だからかもしれません。私は通常版のDRIVECLUBもプレイしていましたし。もちろん「PS4Pro」でのプレイは前提です。

また、これもPS VRそのものの仕様ですが、もうちょっとずつ視野角が広ければもう完全に実車感覚になるのに!と感じます。この辺りもいい出来だからこそ「次の欲求」を感じさせてしまうんでしょうね。次世代VR機で視野角ももう一段階拡張される事を期待したいです!

2.視点が乱れまくる

他のPS VRゲームでもたまに起こる「だんだん画面が左や右にズレていく現象」がDRIVECLUB VRではめちゃくちゃ酷いです。レースしている最中にもどんどんずれていきます。例えば車が横回転するようなクラッシュをした後など全く視点がずれています。

例えば下記。意図的に右側を向いているんじゃないんです。真正面を向いて座っているのに右にズレた視界になっているんです。仕方ないので体を右に向けるしかありません。

メニュー画面もこんな感じで正面に見えているべきなのに

ちょっと左に寄ってます。

これとか本当はメニュー画面に正面に座ってるはずなんですよ。メニューを見ようと思ったら顔を左に向けないといけません。この左ズレが本当に多い。

「オプションボタン長押し」でのオートキャリブレーションは全く通用せず、試行錯誤しながらじわじわ戻るか、何かの折にパッと切り替わるのを待つしかありません。

また視界のズレだけでなく、たまにガタガタと視界が揺れたり、ハンドルがガクッと上に持ち上ったりするキャリブレーション乱れも起こります。プレイにも影響が出ますし、正直仮想現実世界を楽しんでいるのに興覚めしてしまいます。

100%は無理かもしれませんが、基本的にはソフトウェアアップデートで修正できるはずなので至急やって頂きたい点ですね。

コストパフォーマンス:80点(フルプライスですが長く遊べるので良いと思います)

グラフィック:60点(つい高画質レースゲームと比較してしまいます)

仮想現実感:80点(実際に運転している時の顔や目の動きがかなり再現されます)

酔いにくさ:40点(普通のコースはほとんど酔いません。頻繁なカーブや上下動で若干酔いを感じます。ドリフトチャレンジでグルグル回ったらさすがに酔います)

操作性:80点(基本的にコントローラーなので迷う事はありません)

おススメ度:★★★★

酔う事さえなければ、このレースゲーム体験はおすすめ。体験版で操作方法をモーションコントロールにし、視点にも気を使いながらプレイして「うーん、少し酔う感じがするなぁ」くらいであれば多分大丈夫です。レースゲームとしては本格派系(歯ごたえあり)なので、レースゲーム自体が凄く苦手な方にはレベルが高いかも?

レーシングホイールへの物欲

まだまだ粗削りなVRですが、ゲームの革命である事は間違いありません。DRIVECLUB VRもこれまでのレースゲームに足りなかったものが何か?を教えてくれました。20年以上変わらなかったレースゲームのプレイ感覚がついに変わったのです。こうなってくると本当にハンドル型のコントローラーが欲しくて欲しくて堪らなくなります。

T300RS欲しい・・・。並行輸入版でも3万円以上します。

そしてスタンドもないと困る。これも2万くらい。

セットで買うと6万円くらいするので、PSVRが余裕でもう1台買えちゃいます(笑)

ゲーム1本の為だけに買うには高すぎますが、それでも「欲しい」と思わせる体験がDRIVECLUB VRにはありました。ハンドルの重さ、衝撃、戻り(フォースフィードバック)、足で弾きながらのブレーキングなど、想像するだけで溜まりません。(昔、PS2の頃にフォースフィードバック付のハンコンを利用していましたが、その頃のものでも十分よく出来ていましたし)

試しに奥さんにこれ買っていい?と写真見せたら「邪魔だから絶対だめだ!!」と言われました。まぁ、いざとなったら関係なく買いますけどね。

 

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