AVアンプ/サラウンド

【レビュー】ハイトスピーカーに DALI Alteco C1 を導入しました

現在我が家のサラウンドは11本のスピーカーで11チャンネルを構成しています。そのうち4本をイネーブルドスピーカーからハイトスピーカーに変更しましたのでご紹介します。

どちらもサラウンドを構成するスピーカーで、ドルビーアトモスやDTS:X、Auro-3Dなどのイマーシブサウンドを体験するのに重要な位置づけです。

イネーブルドスピーカーについて

まずこれまで採用していたイネーブルドスピーカーについて。

ドルビーアトモスを楽しむ場合、トップスピーカー(天井埋め込み等)を使う事で天井から音が降り注いでくる体験ができますので一番良いんですが、我が家で天井スピーカーを設置するのは非常に困難でした。

そこで天井からの音を疑似再現する為に「イネーブルドスピーカー」を設置していました。上向きにスピーカーを配置する事で天井に反射させて返ってきた音を「上空からの音」として再現する方式です。

これはこれで非常に計算されたテクノロジーできちんと高い位置の音が再現できていたんですが、上向きに音を出して天井に跳ね返らせるというトリッキーな方法ですので、音のクリアさに欠け漫然となる印象がありました。そういった意味で天井から音が鳴っているか?と言われるとちょっと微妙なところ。また設置の都合でペア1.5万円程度の小型のONKYO SKH410を選んでいましたので、スピーカー自体少しステップアップしたいという思いもありました。

イネーブルドスピーカー設置例(我が家ではこの図に近い環境を作っていました)

SKH410を設置した時の記事はこちら。フロントスピーカーの上に置けず苦慮しました。

AVアンプ「SC-LX59」購入レビュー3【イネーブルドスピーカー SKH-410 設置】

DolbyAtmosやDTS:X環境を作る為、SC-LX59にイネーブルドスピーカーをセットします。 今回イネーブルドスピーカーとして採用したのはONKYOのSKH-410です。 参考価格ペアで2万円 ...

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ハイトスピーカーという選択肢

ドルビーアトモスを楽しむ。という点では「トップスピーカーが無理ならイネーブルドで誤魔化す」というのが常套手段なんですが、もう一つ「ハイトスピーカー」という選択肢もあります。

我が家ではAVアンプにDENONの「AVR-X4700H」を採用しており、これがもう一つのイマーシブサウンド規格「Auro-3D」に対応しています。ドルビーアトモスやDTS:Xがスピーカー位置によって何もない空間に音像を作り出すオブジェクトオーディオ方式なのに対し、Auro-3Dは完全なチャンネル方式で全チャンネルハイレゾ対応なども出来る規格。このAuro-3Dは高さの立体表現をする為にフロントやサラウンドスピーカーの真上に「ハイトスピーカー」を配置する構成を推奨しているのです。

Auro-3Dレイアウト例(スピーカーの数によって様々な構成がありますが、メインスピーカーの真上にハイトスピーカーを配置するのが基本となります)

最近は、PlayStation 5やNintendo Switch、テレビ放送などを疑似的にAuro-3Dにアップミックスする「Auro-Matic」テクノロジーを使って楽しむことが多いため、Auro-3Dのスピーカー配置に興味がありました。

実現したい事

  • イネーブルドスピーカーからステップアップしてスピーカー自体のグレードを上げたい事
  • イネーブルドの天井からの反射音ではなく、実際に高い位置にスピーカーを配置して直接リスニングポイントに向けて音を出すことで「音像」をハッキリさせ「音質」もクリアにしたい事
  • Auro-3Dの推奨配置という意味でもハイトスピーカーを試したい事

この3つの理由から、イネーブルドスピーカーを廃止しハイトスピーカーに変更する事にしたのです。

ちなみにAuro-3Dの推奨配置としては「フロントハイトスピーカー」と「サラウンドハイトスピーカー」になりますが、我が家ではサラウンドハイトの位置ではなく「リアハイトスピーカー」位置を採用する事にしました。

DENONのマニュアル上でも次のような記載があり「Auro-3D」と「ドルビーアトモス」の両方を楽しむにはこのレイアウトが最上という事でした。

もちろんAuro-3Dだけを楽しむなら「サラウンドハイト」の方がモアベターなんでしょうが、そもそもAuro-3Dの純正コンテンツはほとんどなく、実際には「ドルビーアトモス」や「疑似Auro-3D」の体験が大半になるでしょうから私のニーズにはこの構成がベストと判断しました。

我が家の天井は2.6mで平均的な天井高よりやや高いと思いますのでその点でもより高いところにスピーカーを設置する効果は高いと考えられます。

ハイトスピーカーの選定

さて、ではどのスピーカーを購入するか?ですが、どうせハイトスピーカーを配置するならリスニングポイントに音が下りてくるようにやや角度を付けて設置がしたい訳です。

一方で、我が家は賃貸なので大げさな設置金具を取り付ける事は出来ない。というところもあり、壁から急角度で吊り下げる。というのは現実的ではありません。ですから通常ブックシェルフよりハイトスピーカーとして考えられたデザインのものが良かったんですよね。

そこで今回はマルチパーパススピーカーの異名を持つ特殊な角度のスピーカーDALIのAlteco C1をチョイスする事にしました。ペアで5万円でこれまでのSKH410からステップアップするにもちょうどいい価格帯です。

このスピーカーは、イネーブルドスピーカーとしての用途、ハイトスピーカーとしての用途に最適に作られており、更には通常の壁掛けフロントスピーカーやニアフィールドスピーカーなど様々な用途で使える為「マルチパーパス」の名を冠しているようです。

ただ実態としては平置きしてイネーブルドスピーカーとして使うか、壁に掛けてハイトスピーカーとして使うのが最適ではないかな?と思います。

購入しました

今回はフロントハイト、リアハイトの2ペア使うので2セット購入。

箱を開けると説明書とゴム脚(高い脚と低い脚の2種類)が出てきます。

更に発泡スチロールを取り出すとスピーカー2本が寝かされていました。

カバーを外したところ。今回は白い壁に掛けるので壁に馴染むようホワイトモデルを選択。とても美しいボディだと思います。

サランネットを外す特殊なスピーカーながらDALIらしいユニットが出てきました。思ったより高級感のある作りですね。ウーハー下部周りにスポンジが置かれている事と、左側にUP/DOWNスイッチがあるのが特徴的。

立ててみるとこんな感じです。ハイトスピーカーとして使う場合はこの向きですね。前傾になっており音が斜め下に向かって飛ぶ構造になっています。この角度こそが壁に無理な負担を掛けずに下方向に音を飛ばす肝になります。

背面はこんな構造。上部にケーブル端子が来て、背面には壁掛け用の穴が開いています。

ケーブル端子はプッシュ式になっている為、Yラグやバナナプラグは使用できません。細めのケーブルが良いですね。

これが2ペア4本となります。白色が映えます。

設置

設置は思ったより苦労しました。先にも記載した通り我が家は賃貸なので大きなネジ穴などは開けられません。画びょうレベルの穴だけでこのスピーカー(2.8kg)を設置する必要があります。実際に壁掛けした方法についてはまた別の記事でご紹介したいと思いますが、なんだかんだ苦労してようやく設置することができました。とてもシンプルに掛かっているように見えて見栄えも悪くありません。

サランネットを外すとスピーカーっぽさが出て個人的にはワクワクしますが、部屋の佇まい的にはサランネットは必須ですね(笑)

これでも下向きに角度が付いている状態ですが、更に本体にあったUP/DOWNスイッチを「DOWN」にセットする事で更に25度下向きに音が出るようです(どんな内部構造なんだろう)

物理的に斜めにデザインされた構造に加えて、更にリスニングポイントに近い角度に音が降り注ぐことになります。このハイトスピーカーとしての適正ぶりはなかなか他のスピーカーには見られない点で、私が本機を選んだ大きな理由でもあります。Alteco C1凄い!

という事でご覧のようにリアハイト2本を設置しました。

次にフロントハイトですが、フロントは大型テレビとスピーカーの上に設置する事になるのでこれまた大変でした。

スピーカーケーブルがだらんと垂れ下がるのが美しくありませんが、一応ケーブルはクリーム色を選択し少しでも馴染むようにしました。

選択したのはカナレの4S6クリームです。50mで足りたんですがロールが100mしかなかったので仕方なく100mを購入。大量に余りましたがしばらく使う用途はなさそうです・・・。

音出し

まずAVアンプ側で設定を変更します。これまでイネーブルド(Dolbyスピーカー)だったものを

ハイトスピーカーに変更します。

どちらのケースも、ドルビーアトモス、DTS:X、Auro-3Dをサポートしていますね。

次に距離と音量をセットアップ。フロントハイトまでは2.8m、リアハイトまでは2.5mでした。

いざテスト。という事で、私のアトモスチェックの鉄板、Gears of War 4の輸送機のシーンです。

きちんとリアハイト、フロントハイトに輸送機が上空後方から前方に飛んでいく音が再生されました。アトモスとして音源が配置されている事を確認して一安心。

スマホで撮影したので動画はマルチチャンネルではありませんが、どんな音のシーンか雰囲気はお分かり頂けるかと思います。

私がDALI Alteco C1 を選んだ理由をまとめてみます。

DALI Alteco C1 を選んだ理由

  • 斜めのスピーカーデザインで斜め下に音が飛ぶ構造になっており、ハイトスピーカーとして設置するのに適している
  • 更に25度音の方向を下向きに変えられるスイッチがあり、益々リスニングポイントに音を向けやすい
  • ホワイトモデルが用意されており白い壁にもマッチする
  • 1本2.8kgで賃貸の壁掛けも可能な重さ
  • ペア5万円というサラウンドスピーカーとして用意するのに絶妙な価格感
    (サラウンドスピーカーって本格的な価格を出すにはもったいない気がしつつも、あまりにチープだと音のバランス崩しそうで気になる・・・というジレンマがありますよね)
  • 音を綺麗に出すDALIであれば、同じ系統の我が家のinfinityスピーカー群とも音質の相性が良さそう!

そして何より、やっぱり反射音ではなく実際に部屋の高い位置から音が出ているのは気持ちがいいですね。トップスピーカーがないので真上から音が降り注ぐとまではいかないかもしれませんが、高いところに音源が飛び回っている雰囲気は十分に再現できると思います。

今後色んなコンテンツで効果を楽しんでいきたいと思います!

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