ピュアオーディオ

DAC North Star Design Intenso 購入(プリ&DAC 入替 その2)

前回はDACプリ「HA-1」のDAC部分だけを活用し、別途プリアンプ「RC-1580」を追加した記事を書きました。

プリアンプ ROTEL RC-1580 購入(プリ&DAC 入替 その1)

ここ半年くらいで見直してきたオーディオ環境ですがいよいよ大詰めという事で今回は上流の要、DACとプリアンプの見直しを図りました。 その1の今回はプリアンプ ROTEL RC-1580 です。 ●きっか ...

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今回はいよいよDAC部分も別にして、完全に「HA-1」からの脱却に踏み込みます。

●検討
DACの検討も色々考えましたが、最終的にはNorth Star Design社 vs ROTEL社 の一騎打ちとなりました。

ROTEL社「RDD-1580」を選びたい最大の理由は、私のプリ&パワーがROTELである事です。単に見た目や所有感だけの問題ではなく、ROTEL社で統一することで一貫した音作りとバランスの良さを感じることができるだろう。と考えました。「もうここまで来たら全部ROTELにでいっちゃえ!」っていう誘惑もありました。

仕様的な魅力はフロントパネルにもUSB端子があり、気軽に音楽データをUSBメモリなどを経由して再生できること(これはHA-1でも出来たので)。DACチップは安定のWolfson WM8740。またDACチップだけではない徹底したこだわりの音作りにも期待できます。一方で弱点は対応規格。DSD非対応もさることながら、PCMも24bit/192kHzまでしか対応していないので新たにDACを導入するにあたっては物足りないところです。

特にHA-1はDSD 11.2Mhz、PCM 32bit/384kHz、DACチップも流行りのES9018というところで、申し分のない規格対応だっただけに、ここから格落ちさせるのには抵抗感がありました。

もちろん、DACの性能は規格やチップだけでは決まりませんので、仮にDSDからPCMコンバートがあったとしても最終的に出てくる音が優れている可能性も十分あります。いや、むしろDACの本質的な性能の前には、規格やチップなどは補助的な要素に過ぎないとも思うわけです。ですから、DSD 11.2Mhzネイティブ再生出来る安価なDACよりも、PCM変換されて再生されるけれど優秀なDACの方が高音質だという事は十分ありえます。

そう考えると、RDD-1580はとても魅力を感じるDACでした。

そして、もう一つ検討したのがNorth Star Design社のシリーズです。
上位モデルSupremoから、Excelsio、Impluso、Intensoとグレードも多様で、Incanto、Fluxioのようにヘッドホンアンプを内蔵したものまで選択肢が豊富です。

North Star Design社DACの優れているところは、HA-1と同じESS社製のDACチップ 9016や9018を採用しており、どのモデルでも32bit/384kHz&DSD11.2Mhzネイティブ対応している事です。HA-1からの移行と考えるならこれは魅力的です。

実は、OPPO HA-1を買おうと検討していた時もNorth Star Design社のDACは比較対象にしていました。でもその頃はまだDSD 5.6Mhzまでしか対応しておらず、11.2Mhzまで対応している「HA-1」に魅力を感じて候補から外した経緯があります。その後、North Star Design製のDACもDSD 11.2Mhzまで対応するアップデートが図られたんですよね。

今回はまずリーズナブルに機器のセパレート化を図りたかったので、Supremoはもちろん魅力でしたがImplusoやIntensoから検討してみることにしました。この2機種を比較すると仕様的にはImplusoの方が上位でバランス端子も搭載しているという強みがありました。一方で、Webでのレビューを見てみると、むしろImplusoよりも安価で下位モデルのIntensoの方が良い音の傾向がする。という情報もあり悩ましいところでした。

もちろん、ROTEL社のRDD1580も相まって非常に悩みましたが、将来的にSupremoや同等レベルへのステップアップを見据えて、今回は規格対応が十分であり、安くても上位モデルより力強さがあると評価されたNorth Star Design社のIntensoを選ぶことにしました。HA-1のDACチップがES9018なのに対し、IntensoはES9016とチップのグレードは一つ落ちますが、その音作りは専用機ならではのものがあるだろうと期待した部分もあります。

●North Star Design 「Intenso」外観
North Star Design社のDACはシルバーのフロントパネルが特徴的です。ブラックモデルもありますがやっぱりこのラインの入ったシルバーデザインがNorth Star Designっぽくていいですね。Intensoはフルサイズよりは少し小さく幅が30cmとコンパクトです。

奥行きは短く、天板には放熱用?に穴が開いています。ただA級アンプのHA-1と違ってほとんど熱は持ちません。

背面もとてもシンプル。コアキシャル×2、オプティカル×3、USB×1という入力で、出力もアンバランス1系統のみ。

重さもHA-1に比べて格段に軽く、DAC機能部分だけに意識を向けて作られた雰囲気がしますね。

●音出し
まずはドライバをセットしたり、アレコレ事前準備。ちょっと試行錯誤しましたが何とかDSD 11.2Mhzを認識するところまで漕ぎつけました。Intensoも初期モデルはDSD 5.6Mhzまでしか対応しておらず、2万円のアップグレードが必要になりますので、無事最初から11.2Mhz再生ができてホッと一安心。

さて、いよいよ満を持してHA-1とIntensoの音質比較です!この対決が非常に興味深い結果となりました。

結論から言います。この2機種のDAC機能「甲乙付けがたい」です。

■HA-1→RC-1580→RB-1592SE→IRS-SIGMA
高域から低域まで高解像で鳴っています。特に中域回りの音が華やかで各楽器の張り出しも強く、情報量も多い。その為ソースによっては少しゴチャついて音が騒がしく感じることもありますし、何となく中域あたりに音楽がぎゅっと押し込められた印象になります(これは駆動力不足の時に起こりがちな音の傾向です)ただ、高域も低域もしっかり出ていますし、Jazzなどの良録音ソースでは抜群の臨場感を感じることが出来ます。

■Intenso→RC-1580→RB-1592SE→IRS-SIGMA
HA-1より輪郭がしっかりし定位感も増しています。問題視していた中域回りも音がスッキリし、課題であったゴチャ感がかなり緩和。中域の張り出しが少し弱まった為に全体域がよりフラットになった感じがします。音の派手さ、ボリューム感で言えばHA-1より少し減って各音の輪郭がクッキリした印象。またソースによっては若干ドライで、POPSなどではボーカルより上(中域~高域)が細く尖ってしまう曲もあります。全体の純度で言えばHA-1より質が上がったと思います。

今回の目的は中域のゴチャ感解消だったので、Intensoの採用は確実に目的を満たす方向に改善しました。ここが当たりだったのは本当に幸いでした。ですが、Intensoも万能という訳ではありません。元々騒がしい曲はIntensoの方がビシっと引き締まって上質な音になり、元々細めの音で録音されている楽曲ではHA-1の方が華やかに感じます。必ずしも大編成か小編成か、デジタルかアコースティックかというカテゴリーで甲乙が発生する訳ではありません。ソースによってIntensoが良かったり、逆にHA-1の方が合っていたりします。高品質録音のJAZZ、オーケストラなどはどちらで聴いても非常に良い音です。

さて我が家ではどちらを採用するか?ですが、今回は目的を持って検討し、それがIntensoによって改善された訳ですからIntensoを採用したいと思います。ですが、人によってはHA-1の方を評価されても何らおかしくないと思います。

まずIntensoでしか出せない音があり、Intensoでは物足りない場合、我が家ではウラワザとしてAVアンプのDAC機能を使うことで質は落ちるものの広がりのあるぶ厚い音を楽しむこともできます。(AVアンプと言っても32bit/192kHzまでのハイレゾ対応DAC搭載で、フロントUSBはDSDまで対応していますから侮れません)

またオーディオプレイヤーソフトも、メインはInfinityBlade、次点でTuneBrowserでしたがこれはHA-1の華やかさあっての事。Intensoの場合は逆に昔メインで使っていたAIMPの力強さが良い相性でした。今回の機器構成ではInfinityBladeとAIMPを使い分ける事になりそうです。全体の音のバランスという面から「脳内リファレンス」としていた「HA-1→RB-1582MK2→IRS-OMEGA」の時もAIMPが非常に心地よかったので、ある種そのバランスクオリティに追いついたという事かもしれません。

●OPPO HA-1を再評価する
Intensoはとても良いDACだと思います。さすが専用機といった音の純度を感じます。ですが、それゆえにHA-1の能力の高さも再評価することになりました。

IntensoはDAC専用機で17万円(税抜)。プリアンプのRC-1580はヘッドホン端子はあるもののほぼプリアンプ専用機として16.8万円(税抜)します。

一方のHA1は単独でDAC機能、プリアンプ機能、高性能ヘッドホンアンプ機能の3つの機能を持つ複合機でありながら15.5万円(税抜)で買えてしまいます。単純に一つの機能だけのコストで考えれば5万円程度です。その上、操作性もよく、バランス端子も搭載し、フロントUSBからの入力やBluetoothにも対応。あれもこれも盛り込んでこの価格というのは本当に凄いですね。

そして、プリ部分もRC-1580と比べてそこまで大きく劣っている訳でもありませんし、DAC部分の性能に至ってはIntensoに引けを取らないクオリティなのですから大したものです。

正直なところ、HA-1のコストパフォーマンスは非常に高いと思います。20万円以内でDACやプリを導入したい。と考えている方には有力な候補になると思います。逆に、将来的なステップアップを見据えるなら各機能のクオリティが高いからこそ複合機であることのジレンマも出てきますね。我が家の場合はDACもプリもまだステップアップの余地があると思っていますから、このタイミングで複合機を卒業しておくことが大事だと考えました。この先も、Intensoでソース相性で現れる「線の細さ」を解消できるのは、DACのグレードアップなのか、はたまたプリアンプによる補完なのか、DACではRDD-1580はどうなんだろう?Supremoならどうなんだろう?、プリもROTELの最新モデルならどうなんだろう?なんて考えるとワクワクしますね。プリアンプを独立させておく事で、こうしたステップアップもトライしやすくなります。

今回のDAC&プリ入れ替えによって、下記のような機器構成になりました。概ね各機能をセパレート化する事が出来ましたので、やっとオーディオセットとしてスタート地点に立ったかな。という感じです。

今後他にも手を付けるとすれば、サラウンド規格の進化を見ながらAVアンプの新調。その際、AVプリ+サラウンドパワーアンプにセパレート化するのも面白いと思っています。あるいはDDCを試してみる。というのも面白いでしょう。上流にネットワークオーディオプレーヤー、CDプレーヤー、などを導入してみるのも面白そうです。現時点では専用機器としてのネットワークオーディオプレーヤーは仕様的に物足りないものが多いのですが将来は期待したいですね。

そしてこれは面白いところなんですが、実はメインオーディオ環境をしっかり整えるほどに、元のソースの影響も受けやすくなっています。ですから、ソースによってはPCスピーカー「KS-1HQM」の方が良い音(心地よい音)に感じることもしばしば。ここがまたオーディオの奥深さですよね。

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