さて、4Kテレビを調べてみる 3回目は規格/フォーマットの話をしたいと思います。
引き続き調査対象としているテレビは下記主要メーカー現行モデルです。
東芝 J10X、Z10X
SONY X8500B、X9200B、X9500B
パナソニック AX900、AX800、AX700
SHARP UD20、US20
どんなに画質や音質が優れていても、規格対応が遅れていると4Kコンテンツを最大限楽しめません。どちらも大事。ということで、いくつか規格上のポイントを整理しましょう。
●4Kコンテンツ再生能力
・HDMI 2.0&HDCP 2.2
この2つは4K/60P再生を行うための必須規格です。これに対応していない4Kテレビは実態として「4Kテレビ」とは言えません。さすがに調査対象機種は全てクリアしています(一部アップデートが必要な機種もありますが)
・HEVCデコーダー搭載
4K放送はH.265/HEVC形式にエンコードされて配信されます。つまり、テレビ側でデコード出来ないと再生出来ない訳です。これは「ひかりTV 4K」や「4K アクトビラ」など様々な4Kコンテンツ配信に最低限必須な機能となります。調査対象のTVではパナソニックのAX700だけが非搭載ですね。ちなみに東芝の前モデルZ9Xなんかもまだまだ人気機種ですがデコーダーは搭載していません。
但し!HDMIやHDCP規格とは異なり、これはデコーダー搭載のチューナーを外付けすればクリアできる規格です。
・カラーフォーマット
ここは拘るかどうかは人それぞれですが、再現されるカラーフォーマットにも規格があります。4K Blu-rayと言われる「ULTRA HD BLU-RAY」の規格フォーマットは、色差信号4:2:0、色深度は10bitと定められました。今から4Kテレビを買うのであれば、最低限このフォーマットへの対応はクリアしたいところ。そして、このフォーマットについては東芝、パナソニックはクリアしていますが、SONY、シャープはクリアしていません。
東芝、パナソニックは「4:4:4&8bit/4:2:0&12bit」ですが、SONYとSHARPは4:2:0でも8bitの色深度しか対応していないようです。実際のところは全く十分な画質だと思うのですが、ディスクフォーマットの規格上の画質を最大限発揮させられないというのはやっぱり残念ですよね。
という事で4Kコンテンツ再生の基本能力で言えばこんな感じでまとめられます。
東芝 ・・・Z10X、J10Xとも、全てクリア
SONY ・・・全機種カラーフォーマットだけ残念
SHARP ・・・全機種カラーフォーマットだけ残念
パナソニック ・・・AX900、AX800は全てクリア、AX700だけHEVCデコーダー非搭載
●4Kコンテンツ配信対応
再生能力が分かったところで、実際に4K放送が受信できるテレビはどれか?という事も重要ですね。
主な4Kコンテンツ配信は下記が注目されています。
1.4Kアクトビラ
2.ひかりTV 4K
3.スカパー4K(Channel4K)
4.Youtube 4K配信
何とテレビ単体でこの4つ全てに対応している機種はありません。今後対応予定を含めても。です。
ひかりTV・・・東芝、シャープ、SONYは対応。パナソニックはAX900が対応予定か?
アクトビラ・・・パナソニックAX900は対応。SONYは春頃対応予定。東芝、シャープは非対応。
スカパー・・・4K放送チューナーが必要な為、東芝Z10Xのみ。
Youtube・・・パナソニックAX900、AX800のみ 4Kネイティブ再生可能。
という具合でバラッバラです。クリアしている数で言うなら、1位は東芝Z10XとパナソニックAX900の3コンテンツ、2位はSONYの2コンテンツです。
そこで!もう各テレビの対応に頼るのではなく、外付けのチューナーを付けてしまう!というのがお薦めじゃないでしょうか。
それがSONYの4Kメディアプレイヤー「FMP-X7」です。
http://www.sony.jp/bravia/products/FMP-X7/
" data-src="https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/21eah8OPSQL._SL160_.jpg" />SONY 4Kメディアプレーヤー (スカパー!プレミアムサービスチューナー内蔵) FMP-X7
このFMP-X7をテレビに繋げば、アクトビラ、ひかりTV、スカパー全て4K受信可能です。
BRAVIAなら操作も親和性があるのでSONYで揃えるのが一番だと思いますが、これだとYoutubeの4Kネイティブ再生だけが出来ません。よってパナソニックAX900/AX800 + FMP-X7 の組み合わせで購入するのが、唯一の4コンテンツ制覇となる方法だと思います。
補足1)
外付けの4Kチューナーという意味では、SHARPのTU-UD1000もあります。
http://www.sharp.co.jp/4k-recorder/products/tuud1000.html
こちらは単体で録画まで出来るんですが、ひかりTVやアクトビラの受信には対応していない様子です。なので、それならFMP-X7に外付けHDDを付けた方が良いと思うんですよね(ちゃんと4K画質での録画もできます)
補足2)
Youtubeであれば実は4K対応グラボからテレビに繋いで再生する。という手も採れるかもしれませんから、PC接続も視野に入れるならその限りではないかもしれません。(そのPC接続についてもパナソニックはHDMIの他に、DisplayPort1.2を搭載しているので4K接続の幅広さでも侮れません)
補足3)
実際に視聴するとなると、スカパーは当然アンテナの設置が必要ですし、ひかりTVに至っては自宅の回線が「フレッツ」でないといけません。この辺りのハードルもなかなか高いと思います。
●その他の4K対応、規格
最後に、SDカードに入れた4K動画を再生できるか?ですが、実はこれもパナソニックのAX900とAX800しか対応していません。
ここまで見て頂いて分かると思いますが、4Kコンテンツ再生能力という意味ではパナソニックは非常に優秀です。4Kコンテンツ再生というある意味一番大事なテーマで見るなら「パナソニック AX900/AX800 + SONY FMP-X7」を選ぶのが正解でしょうね。
その他、ARCやMHLなんかも気にされる方がいるかもしれません。ARCは全ての機種で対応していますが、MHLはバージョン3に対応している機種がSONYしかないと思います。