ハイトスピーカーとしてDALI Alteco C1を購入し壁掛け設置しました。
我が家は賃貸物件の為、大きな穴をあける事も出来ず3kg程あるスピーカーをどうやって壁掛けしようか考えましたが、試行錯誤の結果何とか設置出来ましたので今回はその方法をご紹介します。
まず壁にフックを取り付ける
とにかく賃貸物件のNGは「大きな穴を開ける事」です。原状回復出来ないような穴はあけられません。一般的には「画びょうやピンサイズの穴」は通常生活で出来る範囲なので大家さん負担。「クギやネジサイズの穴」は通常使用を超えるので居住者負担となるとされています。
物件にも寄るのかもしれませんが、私が今の家に居住を開始した時点であちこちに画びょう穴が開いていましたので、このサイズの穴は自然許容の範囲と考えられます。(むしろ住み始めた後に気になるところは自分で埋めました)
今回、何とか画びょうレベルの穴で2.8kgあるスピーカーを掛ける事が出来ないか?と思い見つけたのがこちら「壁美人」です。
こちらは画びょう穴よりも更に小さいホチキス穴で重いものを掛ける事が出来るようになるという金具。残る穴も画びょうより遥かに小さいとされています。
壁美人には6kg~24kg対応まで色々種類があり一番小さなものでも耐荷重としては十分なんですが、真下ではなく前方に荷重が掛かる場合は耐荷重も減っていくという事で安全の為に18kgまで掛けられるP12金具を選んでみました。
180度開くホッチキスで専用針を使って止めていきます。
最初留め方がめちゃくちゃ難しくて「こんなん留められるか!?」って思ったんですが、コツを掴んだら割と簡単に出来るようになりました。(しばらく一度ガチャってなってから更に強く押し込む作業が必要な事に気づきませんでした)
少し離れたところから見るとこのような形で天井付近に設置した形。
壁美人にどうやって掛けるか?
悩ましいのはこの壁美人のフック部分にどうやってスピーカーを掛けるか?です。
Alteco C1の背面には十字上に開いた穴があり、だるま穴という形でネジ、ボルトなどを引っかける事が出来るようになっています。
ここにどうにかボルトのようなものを引っかければ良いという事ですね。
でも、フックからだるま穴に引っ掛ける為にどうすれば?と悩み、ホームセンターで良さげなパーツを探してみる事にしました。
試行錯誤の繰り返し
まず最初に選んだのはこの組み合わせ。だるま穴からボルトが飛び出るので平金具ではなくL字金具を使う事で飛び出るボルトの長さ分を吸収する考えです。
これを組み合わせてこんなパーツを作ってみました。
試作機1号
スピーカーに取り付けてみます。L型金具の穴のサイズに合わせてボルトをM5サイズにしてみたんですがどうやらスピーカーの穴はM5だとやや大きかったようです。ハマらなくはないですが一番上まで引き上げる事ができません。ちょっと失敗。ボルトの長さを吸収できたという点ではL字は正解でした。
そして、ワイヤーが長すぎました。壁美人のフックに掛けるとだらーんと前傾に垂れてしまい、ちょっと壁美人が耐えられるか分からない状態に。
そこで次に選んだのがこちら。
同じくL字ですが幅が広い金具にして穴のサイズも2サイズ小さいM3ボルトに。そして同じくM3サイズの端子が付いた1mm径の15cmのワイヤーを選択。全部をコンパクトにしてみました。実際組み合わせてみたのが下記です。
試作機2号
M3だと今度はスピーカーの穴に対してやや小さかったですが十分フック出来るサイズです。また下側にも同じく金具を取り付け背面の厚みが同じになるようにしました。
これが設置状態としては完璧!でした。
横から見てもきれいに真っすぐ揃っています。
斜め下から見てもいい感じの設置。
もうこれでいいかな?と思ったんですが、取り外してみるとワイヤーに結構折り目が付いていてちょっとワイヤーの細さ的に耐久性に不安を感じました。また長さが15cmだとホントにギリッギリでワイヤーにより負担を掛けている事が発覚。L字金具もやっぱりM3仕様だとちょっと不安です。
そこでM3サイズのパーツではなくM4サイズのパーツ、分厚いL字金具、1.5mm径の長めのワイヤーに強化してみる事にしました。ボルトもステンレスを選択。
M4ボルトでスピーカー穴にも完全フィットし、全てのパーツを頑強にした格好です。
試作機3号
頑丈さでは十分な安心感でしたがやっぱりワイヤーが長すぎてダラっと前傾になりすぎてしまう。パーツの向きを変えたり穴の位置を変えてみたり色々試しましたがどうにも30cmワイヤーでは長すぎる。後から考えれば当たり前の構造だったんですが試してみるまで完全に勘違いしていました。そしてこのワイヤーシリーズは30cmか15cmしかなく、30cmでは長すぎて15cmでは短いと八方塞がりになりました。
もうこうなったら自分で長さを微調整できるようにビス端子ではなく自分でワイヤーを締める方式しかない。と考えて「切り売りのワイヤー」と「ワイヤーロック」を買ってみる事にしました。金具やボルトは試作で使ったものの使いまわしです。
試作機4号
ちょっと切ってもらったワイヤーが長すぎましたが、フックに何度も掛けながら微調整を繰り返してフィットする長さへ。設置してみたところ若干だけ前傾になりますがちょうど設置角度としてはいい感じ。ただ下の金具はあんまり意味がないな・・・という事がわかりましたので、壁に傷が付く可能性も考え、取り外してスピーカーに標準で付いていたゴム脚に変えました。
完成機
これが最終形です。やっとこさほぼ満足できる結果となりました。強度も十分です。ゴム脚も程よい高さでこれなら壁への傷も付かない。
実際に設置したところ。試作機2と比べればやや前傾になってしまい壁美人に負担を掛けていますがこのくらいなら十分許容範囲。むしろ上部の金具が壁に触れなくなったので壁との接地面がゴム脚だけになり振動対策と壁への負荷軽減のメリットが出ます。また壁美人への負担があまり掛からない程度に前傾になるのもリスニングポイントへの角度付けとして悪くありません。
スピーカーケーブルを隙間部分に沿わせて設置完了です。
まとめ
これで前回記事にしたAlteco C1を設置した状態になりました。うん。悪くない。
下から見上げる形だと壁美人やワイヤーなどのパーツは一切見えません。
右側のスピーカーはケーブルを壁際まで引っ張りましたが、左側のスピーカーケーブルは真下に降りていて不格好ですね(笑)。これも壁に沿わせられるように工夫したいと思います。
壁美人についてはこのスピーカーのサイズ/重量を直接フックに載せるような置き方であれば前に出っ張る長さが長いため18kgタイプではなく更に大きい24kgタイプを選ぶ必要があったようです。
ただ私の場合はワイヤーで吊り下げる方式を採用し、ほとんどが下方向への荷重になるので今回の18kgタイプで十分だと思います。
それにしても壁美人の強度は凄いですね。ホッチキスの針で止めただけなのにめちゃくちゃ安心感があります。棚や収納ボックスのように設置後に負荷をかける訳ではないので、そういった意味でも問題ない気がしますね。
設置パーツの選定で無駄な試作を繰り返してしまいましたが、ちゃんと考えてパーツ選びをすればもっと無駄なく辿り着けたと思います。今回は同じような検討をされる方の参考になればと恥ずかしながら試作も含めてご紹介させて頂きました!