AVアンプ/サラウンド

【解説】賃貸にトップ(天井)スピーカーを設置する方法

ついに我が家にもトップスピーカーを設置して13チャンネルサラウンドを実現しました。

長年11チャンネルまでは実現していたんですが、どうしても天井スピーカーを実現することが出来ず、イネーブルドスピーカーやらハイトスピーカーやらで11チャンネル最適化を行ってきました。

しかしSR8015を購入した事をきっかけに「13チャンネルプロセッサー」を活かさないのはもったいない。いよいよトップスピーカーにもチャレンジするか!と決意したのです。

天井にスピーカーを設置するには?

本来のトップスピーカーは「天井に埋め込む」「天井に取付金具を打ち込む」といった設置方法が基本です。ところが我が家は賃貸住宅なので大きな工事はもちろん、スピーカーを吊り下げる様な金具を打ち込むことはできません。

インターネットで「天井にスピーカーを設置する方法」を探しても「木材を壁際に立ててそこにスピーカーを設置する」という解説で「天井」と言いつつ実際は「壁掛け」ばかりでした。

私がやりたいのは「本当に頭上にスピーカーを設置する方法」なのでこれらの解説では意味がありません。

天井側にスピーカーを設置するなら壁際に2×4の柱を立ててそこから横に柱を這わせて固定する方法が確実ですがかなり大げさになります。

逆に現実的な方法としてはやっぱり「突っ張り棒」を利用する方法かな?と思いますが、頭上から突っ張り棒が落ちてきたら怪我の元です。しかも我が家の場合は3.5mもの長さの突っ張り棒が必要になりますので、そんな長さで耐えられるものがあるかも心配です。

そこでハイトスピーカーを設置した時に利用した賃貸でも壁にフックを付けられる「壁美人」のアイデアを組み合わせる事にしました。

「壁美人」とは、専用のプレートをホッチキスの針で壁止めすることで重量のあるものも吊り下げられるようにするもので、画びょうよりも小さな穴しか開かないので賃貸でもよく利用されているパーツです。

更に、ステンレス製の頑丈な突っ張り棒でそれを吊るすのです。

そしてもちろんスピーカーも落ちてこないようにしないといけませんので、突っ張り棒にしっかり取り付けられる方法を探す必要があります。

突っ張り棒の設置

さて、では論より実践です。

まずは強力突っ張り棒を購入しました。0.9mm厚のステンレスのパイプで結構頑丈です。殴られたら死ぬレベルのステンレスパイプ。377cmまで対応するモデルを買いましたが、更に430cmまでの長さのモデルも用意されていました。

最長に伸ばした状態で耐荷重15kgと十分な荷重性能があります。

そして次に壁美人(耐荷重12kgのものを2枚×両端で2セット)で万全を期したいと思います。

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そしてワイヤーとワイヤークリップ

更に、ダメ押しでターンバックルと端子付きワイヤーを用意しました。

3.5mに伸ばした突っ張り棒を脚立の上で持つのは非常に不安定でしたが何とか一人で設置。そして壁美人を壁に打ち込み、そこからワイヤーで突っ張り棒を引っかけて支える構造を採りました。

そして壁美人と突っ張り棒をワイヤーで括りつけます。

その際、ワイヤーで突っ張り棒を一周させます。これで突っ張り棒は動きようがなくなります。

更にダメ押しでターンバックルと端子付きワイヤーでもう一回り

これで万が一突っ張り棒がずり下がって落ちても耐荷重12kg×4枚の壁美人に引っ掛けたワイヤーで吊る事が出来ます。つまり「突っ張らない」ただの棒であっても壁美人のワイヤーだけでぶら下げる事が出来る構造にすることで2重の防衛線を張った事になります。

これなら突っ張り棒じゃなく3.5mの木材を吊り下げるだけでもいいかな?と思ったんですが、何気にステンレス突っ張り棒が軽くて強そうだったので結局「突っ張り棒」にしました。

反対側も同じように構成します。こちら側は壁美人と突っ張り棒の高さが同じくらいになってしまいましたが出来るだけ締め付けてワイヤーが外れないようにします。

こちらもターンバックル&端子付きワイヤーで2重ワイヤー状態を作ります。

更に視聴位置の真上に設置という事で、照明のシーリングファンの上に突っ張り棒が来るように設置。本当に大型地震などで突っ張り棒も壁美人も耐えられなかった時でもシーリングファンにぶつかって、真下にそのまま落ちてくる事を防ぐ最終防波堤としました。

突っ張り棒にスピーカーを取り付け

次に、いくら突っ張り棒が落ちてこなくなったとしても「スピーカー」だけ落っこちてきては話になりません。スピーカーもしっかり突っ張り棒に固定する必要があります。

そこで用意したのは次の3つのパーツ。ホームセンターで色々悩んでこの組み合わせにすることにしました。

これらを今回トップミドルスピーカーに採用するONKYO D-22XMの背面ネジ穴に取り付けます。

こんな感じで付けられました。純正パーツでも何でもありません。ホームセンターに売っているパーツの組み合わせです(笑)

いよいよ突っ張り棒に設置。突っ張り棒に挟み込んでボルトを締めます。ブラブラする事もなく突っ張り棒と一緒に回転するくらい締め付け出来ました。これで突っ張り棒からスピーカーが落ちてくることはまずありえません。

下から見上げるとこんな形で金具類は一切見えません。

ケーブルカバー(フラットモール)でケーブルを這わせる

突っ張り棒にスピーカーケーブルを付けただけではケーブルがだらんと床まで垂れ下がってしまいます。これをアンプまで届けるためにフラットモールを付けていきます。

以前ハイトスピーカーのケーブルを下におろしたときとは違い今回はケーブルを曲げる必要もあるのでこういう曲がる部分のカバーも買いました。

ちなみにこのフラットモールには両面テープが付いていてそのまま壁に貼る事が出来るんですが、このシールがとても強力で外すときに壁紙ごと剥がしてしまいます。

そこで壁紙用の両面テープを利用する事にしました。

これをモールの剥がしたシール部分に貼り付けます。ちょっと短くて弱い場合は少し長めに貼っていくんですがこの「はがせる両面テープ」結構高いんですよね・・・。1巻1.5mしかないし・・・。

こんな感じでケーブルを通して壁に設置していきます。

カーブ部分はどうしてもケーブルが露出するので、別途買ったカバーで隠せばとても綺麗に仕上がります。

そしてフロントハイトスピーカーのケーブルのところまで這わせてきて

この2本をやや幅広のモールでセットで下までおろします。

これで完成。正面から見た時にもハイトスピーカーとトップミドルスピーカーのケーブルが一緒に下りてきているので1本のモールですっきりまとめられました。

モールまでの距離はケーブルがむき出しになってしまって少しダサいですが、そこは白いケーブルをチョイスしているのでまだ何となく目立ちにくいですよね。

逆側も下から見上げるとこんな形でモールまでケーブルを伸ばしています。

まとめ

ご覧のような形でトップ(天井)スピーカーを賃貸でも設置する事が出来ました。埋め込みと比べれば見た目はダサいですけど、まずは実現する事が大事なので十分満足です。

何と言ってもスピーカーが落ちてくる。という事故を防ぐ必要がありますので今回私が意識して採用した方法を改めてまとめます。

ポイント

  • 耐荷重15kgのステンレス製強力突っ張り棒を使う
    →突っ張り棒の中でも強いものを選ぶ
  • 耐荷重12kg×4枚の壁美人にワイヤーで突っ張り棒を括りつける
    →ワイヤーで突っ張り棒を1周させて締め付けるとともに、別ワイヤーで2重構造に
  • 照明の傘の上を通して「突っ張り棒」が真下にそのまま落下するのを防ぐ
    →万一何かあった時に少しでも怪我を避けられるように
  • スピーカーは軽量なものを選ぶ
    →今回は初めてでしたので1本700gという非常に軽いものを選びました。それでも迫力のあるサラウンドを聴かせてくれます。耐久性が十分確認出来ればもう少しグレードの高いスピーカーを試しても良いですね。
  • スピーカーもしっかり固定する
    →ボルト留め出来るしっかりした金具で完全固定する

ご覧のように複数防波堤を作り、2kg弱のスピーカーを耐荷重15kgの突っ張り棒で支える。更にその突っ張り棒とスピーカーを耐荷重48kgの「壁美人」で支えるというオーバースペックの組み合わせの対策を採りました。

賃貸でもこういう耐久性のある構造を安価に作る事が出来ますので、同じように賃貸で天井スピーカー設置に悩まれている方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

但し、あくまで私の個人的なアイデアですので、皆様も実践される場合は自己責任でお願い申し上げますm(__)m

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