映像機器

LG OLED 55B6P レビュー【4】画質チェック

さて、いよいよB6Pの画質チェックに入っていきましょう。

均一性(ムラ)

まず最初に見て頂きたいのは圧倒的なユニフォーミティ(均一性)です。液晶テレビも明るい部屋で見れば結構ごまかされてしまいますが、実は構造上輝度ムラが避けられません。

下記は部屋を暗くして表示させた液晶テレビ(AX900)です。四隅が少し暗くなったり、下の方に黒いムラが出来たり、全体的に横のラインがうっすら何本も入っているように見えます。

全く同じ環境、同じソースをOLEDのB6Pで表示させてみます。いかがでしょう。全くムラがありませんよね。四隅まで含めてバッチリ同じ輝度、色が保たれています。これが有機ELの画質です。液晶とはもう比べ物になりませんね。

部屋を明るくして同じ画面を見てみましょう。「ハメ込み合成ではありません」と言いたくなるくらい破綻のない表示です。心配していた明るさも十分です。

地デジ画質について
次に、地デジをチェックします。とにかくLGのOLEDは「映像処理エンジンが酷いので地デジは観てられない」と言われる事があり、特にノイズや髪の毛が黒くベッタリ塗りつぶされるといったような批判が多かったようです。

さて実際に見てみると、確かにデフォルトの設定では言われているような画質感がありました。ただ、前回ご紹介したような設定を一つ一つ丁寧に追っていくと、全く問題のない十分な画質になったように思います。

何より映像の印象に影響を与えるのは「コントラスト」です。コントラストの値が高く、且つ「ダイナミックコントラスト」が強めに掛かっていると指摘のとおり黒がベッタリして必要以上に濃く地デジ放送に適さない画になります。この辺りを調整してやればグッと印象は変わります。もちろん薄いコントラストよりも、メリハリのある画が好きだ、という方は敢えてダイナミックコントラストを少し掛けるのもアリだと思います。

更にノイズリダクションを強めに振りつつ、シャープネスも若干上げておきます。あとは「輝度」「明るさ」などで微調整していけばそこそこ満足できる画になると思います。

下記はコントラスト強めに振ってある例ですが、地デジながら解像感も悪くないと思います。

LGのOLEDは黒潰れが酷い、地デジだと髪の毛とかがベッタリ塗られたようになっている。と批判されるのは、とかく量販店などの展示機でコントラスト強めに調整されている画を観ているからではないでしょうか。調整すればいくらでも「液晶っぽい画質」にすることは出来ます。

結論として本機の地デジ画質は並といったところでしょうか。そもそもOLEDが得意とする黒の沈み込み、コントラスト表現などは一般放送(ニュース、バラエティ、スポーツ等)ではあまり必要とされず、むしろ明るく階調豊かな方が馴染みます。そういった面からも液晶テレビっぽい画質が地デジには向いていますし、本機でもそっち寄りの調整をしてやれば良いですね。

PS4Pro(FF15)HDRチェック

HDRでは単純にコントラストが上がったという次元ではなく、映像そのものの色、表現、リアリティが変わりました。以下はスクショなのでテレビを通した画面ではありませんが、どんなところが違ったのかご説明します。

SDR:タイトル スクリーンショット

HDR:タイトル スクリーンショット

パッと見た印象が既に違いますよね。月は明るく、空はより青く深く、文字の輪郭もクッキリしました。

でも「あれ、月が白飛びしてない?」と感じますよね。これはFF15のプログラム上のHDRとしてこのように設定されているという事です。そのまんまSDRモニター(そこまでの輝度とコントラストを表現できないモニター)で見ると当然白飛びします。だからHDR非対応テレビではHDRがオンに出来ないようになっているんですね。

ではこれをB6P(OLED)で見るとどうなるか、直撮り写真を見て見ましょう。でも、先に謝っておきます。HDRを写真に撮って凄さを見て頂くのは無理でした。。

SDR:タイトル 直撮り

まずはSDRです。これだけでも「え!?」って思いませんか。さっきのスクリーンショットのSDRとは全く異なり、色が深く、コントラスト表現も高まり、美しい映像になっています。

そうです。これがOLEDの凄さ。です。OLEDは非常にコントラストが高く、深い沈み込みや、澱みのない美しい表現が出来るテレビなので、そもそもが「HDR」のようなものなのです。

ではHDRコンテンツにしたらどうなるのか。

HDR:タイトル 直撮り

はい。すみません。撮影しきれませんでした。

明らかに暗く見えますよね。これは月に輝度焦点を合わせたからです。実際はこの月の明るさで、暗い部分もここまで沈みながら、実際はグラデーションも豊かでSDRのような情報量を維持しているのです。そして、色も更にメリハリのある美しいものになっています。

そもそも考えれば当たり前の話ですね。実際の風景写真でも明暗の差が激しいところで撮影すると白飛びするか暗部が潰れるかになります。それを解決する為にHDR撮影でそれぞれの輝度に合わせた画像を貼り合わせたりする訳です。

つまりカメラで言うところのHDR撮影とは、実際の風景を加工して(ある意味)SDR化する技術だ。という事もできますね。テレビのHDRは逆です。SDRモニターでは白飛び、黒潰れするレベルの映像でプログラムしておいて「HDRテレビならそれを正しく表現できる」ようにするのです。

だから、更に逆の逆でもう一度それを写真に収めようとしても、風景写真のように高輝度部が飛ぶか、暗部が暗くなるか、しかない訳です。両方の階調を見せるためにSDR化してしまっては元も子もありませんしね。

という訳で、言い訳がましくなりましたがHDRの良さを写真にすることは出来ませんでした。HDRのスクショを今一度見てください。白飛びしています。これがHDRテレビだと白飛びしないレベルにまで輝度が上がるという事です。暗部も同様です。そして、それが非常に高いクオリティでメリハリと均一性のある映像として表現できるのがOLEDだ。という事ですね。

イメージとして拡大しておきます。実機とはほど遠いですがこれでもHDRの凄さは少し分かるんじゃないでしょうか。

SDRスクリーンショット(プログラム上の画)

HDRスクリーンショット(プログラム上の画)

SDR B6P直撮り

HDR B6P直撮り

他にも別シーンのスクリーンショットでHDRとSDRの違いを見てみましょう。スクショなのでB6Pで観ている画ではありません。

SDR:朝の光

朝の陽射しですが、少し暗めの光でそんなに暑そうには感じませんね。

HDR:朝の光

HDRになると、明らかに陽射しが強くなって「暑そう!」という雰囲気が出ます。それでいて陰の部分も深くなってリアリティが増しています。看板の白飛びやキャラクターの服の黒潰れが気になりますが、これがHDR対応テレビだと描き切ってくれる。という事です。

SDR:夜の街灯

遠くの青い光、地面の照り返し、ベンチあたりに注目してみましょう。

HDR:夜の街灯


HDRだと印象が変わります。煙のようにぼやけていた青い光は、くっきりとしたエレメントに。地面の照り返しも強くなり石の質感にリアリティが出ました。ベンチも街灯によって照らされている事が分かりますね。

つまり、HDRというのは単に明るい、暗いという事ではなく「存在のリアリティが増す」という事なのです。

ちょうど先ほど例に出した写真で「HDR合成した写真」にリアリティがないのと同じように、明暗が中庸になるほど現実味が落ちます。それを押し広げてリアリティを表現するのがHDRだと考えて頂ければと思います。またHDRを一度見てしまうと、SDRには薄いフィルターが掛かっていて、不明瞭でぼやっとした画に見えてきます。

まとめ
HDRの凄さをSDRで伝えるのは無理だ。という事が分かりました(笑)

冗談はさておき、B6Pは思っていた以上に高画質だと感じました。画質調整があまり効かないというような情報もありましたが、実際に調整すると基本項目はしっかりと調整が可能です。

例えば、地デジではコントラストを弱め、ノイズリダクションを掛け、輝度と明るさを調整する事で非常に液晶ライクな画質になります。それでいてOLED特有のメリハリ、黒の深さ、澱みない均一性、と強みがありますので考えていたよりずっと地デジも綺麗です。

そして、4K HDRコンテンツでは、コントラストを強め、ノイズリダクションはオフにし、輝度、明るさ、色合い、シャープネスなどを調整しながら追い込んでいくと非常に鮮麗な画になります。特にHDRではちょっとした光のメリハリが強いだけで、こんなにもリアリティが変わってくるのか。と驚きも感じます。

そもそも液晶に対してOLEDは「黒を沈め、メリハリとコントラストを高める」という意味でHDR的な表現が出来るテレビです。ですから「OLEDで見るSDR」「液晶で見るHDR」は似た雰囲気になると思います。そして「OLEDで見るHDR」はもう一段階ステージが違ってくる。という事ですね。(もちろん、Z9DやDX950といった最高品質の液晶テレビだと同じ液晶でもその表現力は格段に違ってくると思います)

一方気になるのは「TrueMotion」機能です。カクカクした映像を滑らかにしてくれる機能でアニメなどでは欠かせませんが、これの効きと調整が甘い気がします。以前使っていたAX900では気持ち悪いくらいヌルヌルに動いていましたので少し物足りないですね。

もう1点気になっていた最高輝度ですがこれも実際使ってみると十分でした。ハイエンド液晶が1000nit超なのに対し、本機は800nitに満たないレベルですがコントラスト比が非常に高い為、眩しさも感じますしHDR表現もしっかりできています。むしろ黒の沈み込みからくるコントラスト感が圧倒的なので800nitとは思えない明るさを感じます。

とはいえ、更なる高輝度によってより表現も豊かになっていくと思いますので、今後の進化に期待したいところです。

2018年に向けて8K放送も現実味を帯びてきました。
http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1701/11/news134.html

ますますテレビの買い時は難しくなってきていて、2017年の高額モデルに手を出すのが本当にいいのか悩ましいところです。そういう意味では2016年モデルでありながら2017年と同世代パネルを持ち、HDR規格対応も申し分なく、且つ非常にリーズナブルなB6Pは「コレしかない!」というくらいコストパフォーマンスの高いモデルではないかと思います。

また、もっと高額な液晶テレビと比べても「コスパ」という言葉では括り切れない画質クオリティを持っていると感じました。

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