さて、次は画質と音質の調整項目について紹介しましょう。この項目が細かい程画質の追い込みが出来ますね。
画質設定項目
まず本機では、「あざやか」「標準」「省エネ」など10種類の映像モードがあります。「あざやか」から「HDR効果」までの8種類はベーシックな項目調整だけが可能な基本モード。中でも「HDR効果」はSDR映像を「HDR」のように引き上げてくれる注目のモードです。そして最後の「シネマ1」「シネマ2」はもっと細かな設定まで出来る完全ユーザ設定モードになります。
まず基本的な画質設定です。ここでは基本となる「輝度」「コントラスト」「明るさ」「全体の色味」などを調整できます。「明るさ」を上げると完全に黒が浮きますので明るさはどんな状況でも50までですね。
そしてオプション項目として「ノイズリダクション」や「TrueMotion」などの調整機能があります。地デジではノイズリダクションを強めに、その他コンテンツではオフが良さそうです。TrueMotionはカクカクをヌルヌルに変える機能で映画やアニメなどには最早必須とされている機能ですね。概ねオンで良いと思います。
続いて詳細設定は特定のモードだけでしかできないプロ設定です。コントラストや色域、ガンマ標準などを設定できます。特にダイナミックコントラストは影響が大きいので注意が必要です。
そして詳細調整の一つ「ホワイトカラーバランス」です。微調整で追い込んでいく項目ですね。
同じく詳細調整の「カラーマネジメント」です。色は赤、青、緑、シアン、マゼンタ、イエローの計6種類に渡って、濃さ、色合い、輝度を個別調整できます。ここが色の追い込みの肝ですね。
この辺りを正確なキャリブレーションなしに自由にいじっていくとおかしな事になっていきますので、実際にキャリブレートしてみた方々の設定値を試しに入れてみます。
この辺りに全項目設定値が紹介されています。
http://ca.rtings.com/tv/reviews/lg/b6/settings
Youtubeでも紹介している方がいます。
https://www.youtube.com/watch?v=HXwFi3E1K0g&feature=youtu.be
この結果で言うと非常にシネマライクな温かい映像調整がされます。暗い部屋で映画作品を観るリファレンスにするのもいいですね。
ただゲームや地デジを観るには少し色温度が低くなりすぎる印象です。ゲームはもっと派手に、地デジはもっと見やすい設定にしていくのもいいでしょう。(正確性を求めるか、煌びやかな画質がいいか、疲れない設定がいいか、などこの辺りは個人が自由に調整するのが良いと思います)
HDRとドルビービジョン対応
そして、実はHDRコンテンツを表示させると、先ほどの10モードとはまた違ったモードが登場します。
例えばNETFLIXでコンテンツを検索してみましょう。新宿スワンは作品情報に「HD」という文字がありますね。これは標準的な画質のコンテンツです。
次にこちら「ハウスオブカード」は「Ultra HD 4K」ですから、4K解像度で作品を楽しめます。
そしてこちら「火花」ではドルビーマークにVISIONがついてドルビービジョン作品である事が分かります。このドルビービジョン再生が出来るテレビは現状LGの本シリーズだけですから、実質LGのテレビユーザだけの為にドルビービジョン配信している事になります。凄いですね。
さて、本作品を再生すると右上に「Dolby Vision」と表示されました。これはテレビ側がドルビービジョンコンテンツである事を認識し、自動的にモード設定を変えた事を示しています。
この状態で設定画面に戻ってみましょう。先ほどまで存在しなかった「ドルビービジョン」という映像モードが新たに登場しています。そしてまたこの設定の中で詳細項目を調整できるのです。
今のところ「ドルビービジョン」と「HDR(HDR10)」の時だけ、それぞれに合わせた映像モードが出てくるようです。例えばPS4ProでHDR設定したFF15を起動させると、FF15の起動時に右上に「HDR」と表示され、映像モードが変わります。
HDRの場合は下記3種類から選ぶ形でスタンダードはプロ調整が可能です。
逆に言えば、基本の10モードはあくまでSDRコンテンツの為の調整項目であり、HDRコンテンツは全く別に調整する事になるのです。いや、さすがこの辺りは凄いですね。
音質調整
続いて音質調整も見てみましょう。本シリーズはオーディオメーカーとして有名なharman/kardan社のサウンドチューニング技術が投入されており拘りのサウンドを作っています。
上位モデルのE6Pと比べればB6Pはスピーカーにそこまで力を入れていませんが、外面から全くスピーカーが見えないモデルながらなかなか本体スピーカーも悪くありません。
再生中の映像に合わせて自動でサウンド設定を切り替える「スマートサウンド」。リモコン内蔵のマイクで室内の音響を確認して最適な音質を設定する「マジックサウンド」など、テレビ本体の音声設定としては非常に興味深いエンジンを積んでいます。
また、左右バランスや、疑似5.1チャンネルサウンドモード、更にはイコライザーまで付いています。
テレビのスピーカーでイコライザー調整できるものは珍しいですよね。これまたなかなか侮れません。
では次はいよいよ調整した上での画質チェックを行ってみたいと思います。