ピュアオーディオ

LUXMAN コントロールアンプ C-800f 導入 ~検討編~

2年ぶりにコントロールアンプの入れ替えを行いました。

LUXMAN C-8f から C-800f に変更です。

C-8f と C-800f って、名前だけ見ると同じシリーズの世代違いのように感じますが結構別物です。

上段がC-800f 下段がC-8f。まるで別物。C-8fめっちゃデカイ。

今回は、C-800f 導入に当たって検討した「バイアンプ機能」についてご紹介したいと思います。

検討のきっかけ

C-8f に大きな不満はありませんでした。音質は艶やかで厚みがあり、エネルギッシュ。Jazzやクラシックの楽器の音は気持ちよすぎるくらい気持ちいい。歴代のオーディオ機器の中でも惚れ込んだ機器の一つです。

C-8f 購入時の記事はこちら

コントロールアンプ LUXMAN C-8f 導入

3月にコントロールアンプの入れ替えを行いました。 導入したのはLUXMANの名機「C-8f」です。 http://www.luxman.co.jp/product/c-8f すっかり古いモデルですし今 ...

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強いて不満をあげるとすると3つ

・中音域が少しザワつく(解像感高く分離しきれていない)
・バランス優位の仕様ながら、接続しているパワーアンプがアンバラ優位の為アンバラ接続にしているが何となく気にかかる
・リモコンがない!

リモコンがない。なんて、音質の良さの前ではどうでもいい話だろう。と思っていたんですがこれが地味にストレスでした。かといって、リモコンが付いてればなんでもいいって訳でもありません。それこそ音質的な向上が得られないなら入れ替えは出来ません。

導入検討

1.そこで眼を着けたのは同じLUXMANの後継モデル。ですね。ここで一度アキュフェーズっていうのもホント考えたんですが、以前Marantzで失敗して以来「艶やかな音作り」は自分の中で必須要件になっており、どうしても躊躇してしまいます。同じLUXMANでも古い世代のC-8fを選んでいたのは、艶やかで厚みのある音作りをしていた頃の音を求めて。という部分もありました。

2.我が家のパワーアンプはROTELのRB-1592SE×2台。これはアンバランス接続で本領を発揮するアンプです。一方、LUXMANは大体バランス接続の方が優位。ところが、最近のLUXのコントロールアンプにはアンバランス接続時だけ対応する「バイアンプ機能」がある事に気づきました。

バイアンプ機能とはコントロールアンプ側から右high、右low、左high、左lowの4つの出力を行う方式で、パワーアンプ4チャンネルにそれぞれ接続できる機能です。コントロールアンプの時点でディスクリートな送り出しが出来るので、よりピュアで雑味のない音が期待できること、またhighとlowでの音量調節が可能になります。

バイアンプ機能なし C-600f C-700u
バイアンプ機能あり C-800f C-900u C-1000f

最近のLUXMANのコントロールアンプには能力の肝となる2つの回路

 LECUA・・・回路と一体化した音量アッテネーター
 ODNF・・・歪み成分をフィードバックし、よりピュアな音質を実現する回路

があるんですが、この使われ方に特徴があるんです。

それぞれ世代があってこんな感じで搭載されています

C-1000f LECUA1000 & ODNF2.4
C-600f/C-800f LECUA1000-WM & ODNF2.4
C-700u/C-900u 新LECUA1000 & ODNF4.0

バイアンプ機能がない600と700はこんな回路図になっています。

LECUAが2つずつ直列になっていて、その先にODNFがあります。つまり4つのLECUAを使っているものの片チャンネルで1つの仕組みを通してる。だから、バランスで接続しても、必ずアンバランスに変換されてこの回路を通り、またバランスに戻すという処理をしています。フルバランスの処理になってない。という事ですね。

一方、上位モデルですが、世代順に1000、800、900と見てみましょう

80周年の弩級機C-1000fはLECUAとODNFが4セットありますので、バランス接続はバランスのまま4つの回路を通って出すことが出来ます。

この回路をアンバランスであるにも関わらず4回路全部を使い、4つのまま出力してしまうのがバイアンプ機能です。凄い。

C-800fでは、この弩級1000fの概念をそのまま継承しています。

更に最新世代のC-900uでは、4回路を継承するだけでなく、回路1つにLECUAが2つずつ搭載されています。なんだこれ。

この回路通りになっているのか一応基板写真を見てみます。

C-600f 下の方に2枚ある基板がLECUAとODNFですね。

C-700u 中央下部に同じく2枚の回路があります。

C-1000f これは凄いですね。大きな4枚の回路でスペースが埋まっています。まさにこのアンプの肝となっていることが分かります。


C-800f こちらも大きな4枚の回路基板があります

最後にC-900u 同じく4枚の回路になっています。

回路図の通りになっているのは当たり前なんですが、こう見るとアンバランス処理の600/700と、フルバランス処理の800/900/1000では全く別物だという事が分かります。世代の差もありますからこれだけで同列には扱えないながらも、バランス処理に使われる4枚の回路をアンバランスでも全て使い切ってしまおうという「バイアンプ機能」はなかなか他メーカーでは見られない贅沢な機構です。

もちろんステレオパワーアンプ1台で使うために普通のアンバランス設定も出来るんですがその場合は回路も2枚しか使いません。バランス接続に比べて勿体ない使い方になります。ところがステレオパワーアンプ2台になると、アンバランスでこの4枚を使い切ることが出来、しかもパワーアンプの入力の段階で全てディスクリートチャンネルとして使用できる訳ですから音質への好影響を期待せずにはいられませんね。

という事で解説が長くなりましたが、かくして実現したいと思っていた「スペック上で勝るバランス接続を上回るアンバランス接続」にチャレンジする機会を得たのです。今回はバイアンプ機能対応の中では最も導入コストを抑えられるC-800fを導入。もちろんC-800fにもリモコンは付いているので要件はばっちりです!(笑)

次回は実際の音出しの感想を。

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