今感じる、AndroidとiPhoneの違いについて書いてみます。
●ホーム画面について
iPhoneは基本的にアプリやフォルダを画面に直置きするスタイルですので
PCで言えば「特定のフォルダを開いた状態」からスタートします。
そこに、好きなファイルやフォルダを置いて使いやすくする。という方式。
自由が利くのは並び順くらいで、まさにPCで開いたフォルダの中を見ているような状態です。
フォルダやアイコンを画面の好きな場所に置けます。
時計やニュース、天気予報、ステータスなどのウィジェットを好きに配置できます。
フォルダもiPhoneのような単なる「アプリを入れる箱」ではなく、
色々フィルタリングやタグ付けができるランチャーなどもあり
自分なりのデザインや使いやすさを追求できます。
様々なデザインを変える事で、全く別の雰囲気のインターフェイスを作る事ができるんですが
想像していた以上に細かくカスタマイズできる事がわかりました。
ここは、iPhoneよりAndroidの方が楽しいです。
私のDHDホーム画面
手書き風の ☆や♪や地球 はフォルダです。
その中にタグ管理をしているアプリを入れています。
●アプリについて
これも想像してた以上に違いがありました。
前回、Androidアプリは有象無象すぎる。と話をしましたが
この環境が生まれた背景にはもう少し根が深い問題がありそうです。
Androidのアプリ環境にはいろんな課題があります。
1.Androidは機種毎にスペックが全然違う事。
これでは、ハイスペックを要求するアプリは作りづらいと思います。
PCも一緒じゃないか。と言われればそうなんですが、
例えば、PCだとFF14を動かす為にはそこそこのスペックが要ります。
動作要件を知らずに買うとすれば、それは消費者の方が悪いです。
でも、現状スマホではそういう訳にはいかないと思います。
例えば、CPU MSM8255 1GHz以上 RAM768MB推奨のゲームです。
と言われても、自分のスマホのスペックを知っている人は少ないでしょう。
結局、開発者は平均スペック以下あたりで
十分動くアプリを提供するしかないと思います。
一方、iPhoneはスペックが明確です。
これは、PCというよりもコンシューマゲーム機の発想ですよね。
PSPならPSPのスペックがある程度明確です。
多少のチューンナップはあっても、開発者は快適に遊べるかどうかを
簡単に想定できます。
また、それによって性能を限界まで引き出したiPhone4専用ゲームを
作ることもできます。
AndroidはPC的な発想(機種によって能力が千差万別)でありながら
専用機(ゲーム機など)のような感覚で使わせようとしているので
矛盾が生じてしまうのです。
2.Androidは機種毎に解像度やアスペクト比が違う事。
これもスペックと同じ問題点です。
アプリ開発者は、どの解像度や比率に最適化して作るべきか
悩む事になります。
コンシューマゲーム機もテレビの解像度は異なりますが
現在は基本的に16:9の比率で制作すればいいのに対し
Androidはそれすら異なりますので非常に厄介です。
3.Androidは本体容量が小さい事。
iPhone4は16GB/32GBの容量がありますが
Androidは数百MB~数GBレベルのものがほとんどです。
これでは大容量のアプリの開発は困難です。
ほとんどのユーザがmicroSDを挿していると思いますが
カードを使っていない人、カードからの読み出しには時間が掛かる事
などを考えると
多くのユーザに使ってもらいたい開発者側からすると
本体容量の少なさは足枷です。
4.容易に外部からアプリをインストール出来る事。
マーケットから削除されたアプリも、インターネットで放流すれば
自由に入手できます。有料のアプリも、不誠実な人たちがネットで
公開しているケースもあるでしょう。
重要なのはユーザは特殊な事をせずとも、それらのアプリを簡単に
インストール出来てしまう事です。
iPhoneでは脱獄するしか方法がありませんが、
Androidではroot化せずとも可能です。
(root化した方が幅は広がりますが)
5.マーケットの審査が緩すぎる事。
Appleは厳しすぎると言われる事もありますが、Googleは緩すぎです。
先ほど書いたroot化(非正規化)する為のアプリが公式マーケットに
あったり、犯罪を助長するエミュレータソフト(Rom取得できるソフト)
などがあったりと無法度合いがiPhoneより高く、それ故に、
マルウェアが混入したアプリも結構指摘されています。
よってiPhoneでは考えられない「セキュリティソフト」のインストール
がAndroidでは推奨されます。
以上のような点がAndroidアプリを取り巻く問題点だと思います。
例えば先ほども一部触れましたが、ゲームの分野で見てみましょう。
iPhoneでは、スクウェアが、FF1・2をPSPから移植、FF3をDSからリメイクしていますし、
コナミのウイイレや、カプコンのゴーストトリック、バイオハザード、モンハン、スト4など
海外ゲームもそうですね。高解像度で容量数GBのfpsなど、
Androidではこうした本気で開発されたゲームはほとんど見かけません。
Androidが後発だから、まだ追いついていないだけでしょうか?
私はそれだけではないと思います。
もちろんiPhoneでも3Gでは動かない。などといったスペック要求はありますが
ユーザは自分が「3Gなのか3GSなのか4なのか」はほぼ間違いなく認識していますので
動くか動かないかがわかりやすいですし、
開発者は3Gでも動くように作るか4専用で作るか。などのプランニングがしやすいと思います。
解像度を気にする必要もなく(3GS以前はSD、4はHDという発想が通用する)
本体容量もさほど気にする必要はありません。
勝手に、無料でネットに流される心配も少ないですね。
Androidアプリ、有料版の8割はダウンロード数が100未満――米Distimo調査
http://
Androidには良質なオリジナルアプリが生まれにくくなっていくと思います。
そして、ユーザもますます有料アプリに手を出さなくなる。
ウイルスなどのセキュリティ問題についてはAndroidに限った話ではありませんが
iPhoneでは公式にはAppStore以外ではアプリは入手できず、審査も厳しく行われています。
そもそも実行ファイルを踏むという事が限りなく少ない。
Androidはその意味で非常にリスクが大きいですし、
Androidマーケット自体が非常に未熟であると言えます。
PCでもウイルスは問題ですが、ある程度のユーザであれば究極的にはOSを再インストールできます。
Androidではそれすら困難です。
参考)Androidを狙ったマルウェアは400%増。モバイル環境のアンチウィルス対策にも真摯に取り組むべきとき
http://
●まとめ
Androidは確かに自由です。
かつてのモッサリした時代もようやく終わり、サクサクなAndroidに変わりつつあります。
私のようなユーザにとっては非常に面白い端末だと思います。
が、マーケットの未熟さ、機種間の能力のバラツキなどから
どうしても有象無象のアプリに侵され、良質なアプリが提供されにくい環境にあると感じます。
これは、先行したか後発かの問題ではなく、そもそもの思想の違いによるものです。
スマホ=携帯と捉えるならば、ユーザに対する専門知識のハードルは極力抑えなければいけませんが、Androidは良くも悪くも「PC」ですので、そこに矛盾が生じます。
iPhoneは、携帯でもPCでもなく、新たな思想を持って生み出されました。
そういう意味では「Androidはデバイスの進化」であり、
「iPhoneはデバイスの革命」であったのでしょう。
ちなみに、私個人的にはどちらも好きです。
Androidは楽しいデバイスです。日常的なアプリも十分に揃っていますし、
むしろ日常生活ではAndroidの方が快適な気がします。
少なくとも、DHDは非常にサクサク快適で、4.3インチという大画面も良いですし
思わずパケホフラットに変えたくなりますね。
どっちが面白いデバイスかと聞かれたらAndroidだと思います。
でも、あまりいじり倒す気もない。という人にはiPhoneをお奨めします。
itunesとの連携は鬱陶しいですが、やっぱりiPhoneの方が完成されたモバイルデバイスだと感じています。
ハードとアプリの融和性の高さ、アプリの質の高さ、OSやストアなどから見えるAppleの思想は、
どちらか一台しか持たない。とするなら、
やっぱりまだまだiPhoneの方がいい気がします。