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グラボ Radeon R9 380 購入(4Kモニター&グラボ その2)

新しい4Kモニターを「27UD68-W」に決めたので、次はグラフィックボードの検討を行いました。今までのモニターは4K/60P出力が出来る端子が一つしかなかったからです。これがモニター本体以上に頭を悩ませるものになったのです。

●最初の検討はGTX960
まず、私は重たいゲームはほとんどしません。ですから、解像度 × fps性能の高いハイエンドグラボは不要です。一方、4K動画視聴、動画編集、エンコードなどは行う可能性があります。ただ編集はたまにするくらいですのでミドルエンドクラスのグラボが妥当だと考えていました。

ここで最有力候補になったのはNVIDIAのGTX960シリーズです。

GTX960は処理能力で褒められる事はほとんどありませんが、省電力且つ最新のアーキテクチャーであるMaxwell GM206を搭載しています。従来もHDMI2.0には対応していたものの、GM206で初めてHDCP2.2にも対応。また、H.265のハードウェアエンコード対応したのもGM206から。と動画再生、エンコードなど4K動画の扱い面からはリーズナブルなグラフィックボードだと感じました。

(参考)大解説! GeForce GTX 960「GM206」の最新機能 
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1501/29/news067_2.html

また我が家では4Kモニターと55インチの4Kテレビの両方に出力が必要ですから「4K/60p」の出力が2つ必要です。この点、ほとんどのGTX960ボードでDisplayPort1.2とHDMI2.0端子が用意されているので要件を満たします。

中でも購入対象として有力だったのはASUSの「STRIX-GTX960-DC2OC-2GD5」です。静音性能が非常に高くクロック処理も同列の中では優秀な評価が得られていました。

ビデオメモリが4GB版もありますが、こちらの2GB版は5,000円程安価です。GTX960のスペックでビデオメモリ4GBあっても有効に使えるケースが少なそうなのでリーズナブルさを求めるならこちらの2GB版が有力でしょう。

世間的には4GB版で3万円出すならもう少し出してGTX970に行った方が良いとの評価です。GTX970は価格差以上に処理能力が上がりますのでゲームも意識するならGTX970にしない理由はありません。

●Sync機能が使えるのはAMD
さて次に、購入を決めたLGのモニターにはグラフィックボードとのSync機能「AMD Freesync」が使えます。フレームレートが変化するゲームや動画コンテンツで発生する同期ズレ(ティアリングやスタッタリング)を防いでくれる機能なのですが、このSync機能を使うには当然「AMD」の対応グラフィックボードが必要になります。

そう、候補にしていたGTX960ではこの機能は使えないのです!

NVIDIAのグラフィックボードでSync機能が働くのは、前回選択肢から落とした「Acer」のモニターです。どうせなら、このSync制御機能は使いたい。でも、使うにはモニターかグラフィックボードどちらかを変えないといけない。という悩ましい状態。

でも、もうモニターはLGで決めたい!と思っていましたので、グラフィックボードの方を変える方向で調べ始めたのですが、どうにも最近のRadeonの評価は今一つです。トレンドを早くキャッチアップしているのはNVIDIAの方でラインナップも価格的にも魅力的です。

しぶしぶGTX960と同等スペックで調べたところRadeonではR9 380/285 あたりが丁度合うレンジで、何とこのシリーズについては価格も大差ない事が分かってきました。

また、昔から動画再生、編集においてはGeForceよりRadeonの方が優秀と言われていましたが、調べていくと今でもRadeonには動画再生支援機能が搭載されていたり、24p映像を60pに引き上げるFluid Motion Videoなどの高画質化機能を備えていたりと、やはり動画コンテンツメインならRadeonには優位性があるようでした。

これはむしろRadeonの方がいいんじゃないか!と思ったんですが、なんと驚いたことにRadeonは全てのモデルで「HDMI2.0&HDCP2.2」に対応していないという致命的欠点がありました。HDCP2.2はともかく、HDMI2.0に対応していなければ4K/60p出力が出来ませんのでHDMI端子が使い物になりません。(どうやら次期モデルでは対応してくるとか)

映像再生に優位性があるのに、映像に関わる規格に対応していない。という何たるイケてなさ。AMDは一体何を考えてるんでしょう・・・。公式ではまだ時期尚早。DisplayPortで十分。みたいな発言をしていますが、長期的に使いたいユーザの為にも規格はいち早く取り込んでおいた方が得だと思うんですけどねぇ。

●GTX960かR9 380か
文句ばかりも言ってられませんので最終的にこの2つに絞って検討する事にしました。

GTX960
 長所:HDMI2.0&HDCP2.2対応。H.265ハードウェアエンコード対応。
短所:購入モニターでSync機能が使えない。

R9 380
 長所:購入モニターでのSync機能が使える。動画再生では優位。
短所:HDMI2.0&HDCP2.2非対応。

モニターについては今後長く使う事を想定してHDMI2.0&HDCP2.2対応である事を評価しましたが、グラフィックボードについては今後スペックアップの買い替えも考えられるので今回はRadeonをチョイスする事にしました。

HDMI2.0については残念ですが現状4K/60pを楽しむにはDisplayPort1.2が2つあれば事足ります。一方、AMD Freesync機能は、AMDを選ばない限り使えない。という限定的な機能です。

もちろんここで「じゃ、モニターをAcerにすれば?」というのもチラっとよぎりましたが画質を求めるのに、TN液晶を選ぶのは本末転倒なので「LG+Radeon」が最適解だ。と判断したのです。

●R9 380でのボード選び
最後にボードの機種選びですが、これがまたRadeonには落とし穴がありました。

GTX960は「HDMI2.0も使える上にDisplayPort1.2も複数搭載している」ものが多く選択肢が豊富なのですが、R9 380ボードは「HDMI2.0が使えない上に、肝心のDisplayPort1.2が1つしかついていない」ものばかりなのです。

これは困った。我が家ではDisplayPortは絶対2つ必要です。かといってここでハイエンドモデルにいくのも勿体ない。

またしてもAMDはイケてない。ホントなんなんでしょう。この意識の低さ。

という事で色々探して発見したのがこのボード。R9 380でmini DisplayPortが2つ付いています。出来ればminiじゃない方がいいんですが、もはや選択肢がコレくらいしかありません(笑) いやホントにこの型番が唯一なんじゃないかしら?

改めてRadeonのラインナップの不甲斐なさを感じましたが、でもいいんです。このボードがあったのでこれを買えばいいのです。価格的には約2.7万円。幸い検討していたASUSのGTX960 STRIXと1,000円程しか変わらないので十分リーズナブルです。

●購入
このボードは期せずして非常に短いコンパクトモデルです。FANも一つしか付いていません。ケース内で十分空間が作れるという意味では悪くないですね。

ここまでRadeonにネガティブな事を書きましたが、こう見えて実はこれまでも使っていたグラボはRadeon(R7 250X)です。しかもニーズを満たしたボードも「仕方なく選んだ」風味に書きましたが、これまた今までと同じSAPPHIREのもので十分信頼がおけるモデルです。実は、この更に前の世代でもSAPPHIREのRadeon(HD6850)を使っていたので、実は3回連続SAPPHIRE Radeonという「むしろ信者なんじゃないか」状態(笑)そういう意味では今回のボードも品質では全く心配していませんでした。

今まで使っていた R7 250X(左) 新たに購入した R9 380(右)

箱ではR7 250Xの方が大きいですが、ボード自体はR9 380(右)の方が大きいです。それでもどっちも小さいですけどね。

大きさは似ていても、性能では段違い。ということで、R9 380の方はヒートシンクもビッシリ入っています。

横には大きなヒートパイプも顔を出しています。この辺り、必要な冷却性が違ってくるという事ですね。基盤の密度も凄い。

出力端子について、R7 250Xは DisplayPort1.2、HDMI 1.4、DVI-Iが一つずつ。R9 380は mini DisplayPort1.2が2つあり、HDMI1.4とDVI-Iが一つずつです。DPが2つある。というのが今回の条件ですね。

●運用
4Kモニターに映し出す時は少しドキドキしましたが割とあっけなく表示されました。解像度などの設定も自動で最適化されており、何の準備も要らないほど。

エクスペリエンスで見てみると、なんとグラフィックスは最高点「9.9」を叩き出していました。びっくり。なるほどWindows的にはこのクラスでMAXになっちゃうのね。

FF14 蒼天のイシュガルド ベンチでは2K最高品質で一応7000超え(非常に快適)は出ています。4Kはさすがにきついかな?ともかく、ゲームなどのベンチにはあまり拘らないので、4K動画が綺麗にサクサク再生されている事だけで今回の目的は十分達せられています。

ちょっと気になるのは、FF14ベンチで4K設定でまわすと途中で落ちたりするんですよね・・・。これは何が原因なんでしょう?DPでもHDMIでも発生するようです。とりあえずグラフィックドライバは全部吹き飛ばして入れなおして見ましたが、今一つ解消されません。相性系かしら。

という訳で、4Kモニター&グラフィックボードの購入となりましたので結局CPU&マザーが買えるじゃん!っていう投資額になりましたが、4KモニターはPC内部パーツよりもライフサイクルも長く長期的に使える機器ですので、ここらでアップグレード出来たのはいいタイミングだったかもしれません。

一方、グラフィックボードはRadeonの次世代に注目したいところです。HDMI2.0でのFreesync、DisplayPort1.3やHDRなど新規格を全て取り込んだモデルが2016年に出て来そうです。CPUごとグレードアップする時にはこちらも検討したいですね!
http://www.4gamer.net/games/022/G002212/20151209121/

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