勢いで買ってしまいました。DMR-ZR1。もうパナソニックの開発陣営の本気とこだわりを見て買わずにいられなかったというのが正直なところです。
あまりの人気ぶりにオーダー時点では1か月以上の納期と案内されていましたが実際は2週間くらいで到着。嬉しい!
DMR-ZR1 外観
早速開封しましたが、まず第一印象は「重い!!」想像より遥かに重かったんです。実に重量13.6kg。高剛性&低重心筐体にこだわって作られたシャーシとパネル、パーツ類は伊達じゃないって感じです。
フロント、トップ、サイドのパネル結合を見てもその拘りが見て取れます。チープさが全くない。まさに鉄の塊。
背面側から見ても本当に質実剛健といった佇まい。ブルーレイレコーダーとして考えればこの高剛性は桁違い。
全面パネルは限りなくシンプル。DP-UB9000に付いていた再生ボタン類すらなくなりました。余計なボタンで画質、音質に影響与えるくらいならない方がマシ。電源とトレイ開閉さえあればいいだろ?!というストイックを極めたデザインになっています。
リモコンボタンは「白地一色」になりました。特に青赤緑黄ボタンが濃くなってると安っぽさが出てしまうのでこれはいいですね。表面はほんの僅かだけ山なりになっていて、背面はマットでサラサラ気持ちよい仕様。
暗い場所でも視認しやすいようにバックライトが付いています。気遣いが凄いのは、暗いところだと左下のライトボタンだけ明るく光るんです。何もしてなくても。そしてライトボタンを押すと全てのボタンが白く光る。全部のボタンを光らせるというのは開発者のこだわりなんですって。
電源ケーブルも太くてしっかりしています。交換される方もいると思いますが私は基本的には純正で使いたい派。
その他の同梱物はアンテナケーブル1本と説明書のみ。シンプルですね。
設置と初期設定
テレビ下のラックに設置。本体がやたら重いのでケーブル類を設置するのも多少苦労。でもそれが心地いいんですよね(笑)
AVアンプはMarantzのSR8015。
映像と音声出力が別々のHDMIですのでテレビまでの距離に合わせて安いケーブルを買い増ししてみました。ZR1はHDMI2.0ですけど大は小を兼ねるという事で今後使い道に困らなさそうなHDMI2.1対応ケーブルで。
ホーム画面はいつもの「DIGA」です。他のDIGAと全く一緒なので、出来たらこの辺も高級感持たせてほしかったですね~。
でも個別設定メニューはやっぱり高級仕様。レコーダーでは初めてドルビービジョンにも対応しました。
そして拘りの機能を幾つかご紹介。
ハイクラリティサウンド出力設定
とにかく画質、音質を追求するなら余計な電気信号、ノイズをどこまでカットできるかが重要です。本機では「ハイクラリティサウンド」設定という事で「動画再生の時は光音声を止める、本体の表示窓を消す」などの設定が出来ます。また逆に「音楽再生時はHDMI出力を止める」なども可能。UB9000にはなかった「映像を切る」という事も出来てしまいます。動画再生時に映像を切る設定が出来る意味とは?!
表示窓点灯をやめると、普段なら表示されている情報がオフになります。窓に表示させる信号伝達すら止める徹底ぶり。
視聴中にもオンオフが出来ますが基本は設定どおり「入」で使っておいていいんじゃないでしょうか。
シアターモード
次はシアターモードです。UHD-BDを再生している時に、裏でHDDが回転しているとその振動が映像や音声に影響を与えかねません。そこでディスク再生している時は完全にHDDを停止させるというモードがあります。もちろん予約録画も止まってしまうので注意が必要ですがこだわるならもちろん「シアターモード」で視聴したいですよね。
再生専用プレイヤーにこだわるかたは「HDDなんて振動源でしかないので悪だ」と考えられると思いますが、ZR1のHDDはフローティングではなく分厚いプレートに完全固定されており、そしてシアターモードで動作を止めてしまうので再生品質に影響を与えなくする事が出来るのです。
メディアを入れて再生しようとするとまず「シアターモード」で再生するか?を確認されます。裏で録画をしている時には通常モードを選びましょう。
そしてこのシアターモードは「シアターモード終了」で終了させる必要があります。
22.2ch → ドルビーアトモス変換機能
ZR1の目玉機能です。私もこの機能が本機を買う動機の一つでした。
4K放送で稀に存在する22.2chサラウンドコンテンツ。今のAVアンプで22.2chサラウンドに対応しているものなんてありませんし、こんなコンテンツ誰が体験できるんだろう?!と思っていたんですがついに無駄なく活かすことが出来る機能が搭載されました。
22.2ch収録された音源をドルビーアトモスに変換する事で、単なるチャンネルダウンではなく「オブジェクトオーディオ」に昇華させてやることが出来るという優れ機能です。詳しくはまた次の記事でご紹介したいと思いますが、史上初の技術で22.2ch分のサラウンド感を可能な限り損なわず再現してくれる夢の機能。
我が家では6.0.6chのドルビーアトモス環境を構築しており、ローレイヤーとハイレイヤーが対になるように6台ずつスピーカーを配置しています。これで完全に自分を取り囲むサラウンド効果が体験できます。
こうなってくると22.2chコンテンツどんどん出てこい!って思いますよね。コンサートとかだと実現しやすそうですし、4K紅白歌合戦なんて22.2chで放送して欲しいです。でも今のところほとんど対応コンテンツがないんです。もちろんまだ購入して1日なので対応作品を試せていません。早く体験してみたい!
24p/30p変換と字幕輝度自動調整
4K放送は基本的に60pで信号が送られてきます。これを24p/30pに変換する設定です。何の為にフレームレートを落とすのか?という事ですが、開発陣の話によると今の4K放送の大半は24p/30pで作られているそうです。特に映画なんてほぼ24pじゃないですか。
これを4K放送は無理やり60pに変換して(同じコマを複数回重ねて)送信してきます。まずその時点で無駄なんですが、そのせいで60pの伝送容量を取られてしまってHDMI2.0だと4:2:2 12bitになってしまう。そこで、本来の24p(30p)に戻してやることで正しい情報が届けられると共に4:4:4 12bitでの伝送に引き上げてくれるという訳です。この拘りヤバいですよね。
そして字幕の輝度低減機能。確かに暗いシーンで字幕が眩しすぎるなんて事がありますよね。これはその輝度を単に落とすだけではなく「明るいシーンでは字幕も明るく、暗いシーンでは字幕も暗く」という事を自動制御でやってくれる機能なんです。特許出願されている新技術なんだとか。これ録画した動画でしか使えないのが悔しいところ。UHD BDとかストリーミングサービスの視聴でも使えると最高なんですけどねー!
字幕輝度、位置手動設定
字幕輝度の自動調整は出来ませんのでUHD BD再生などの時は手動調整が出来ます。暗いシーンが多い作品なんかでは輝度を落としておくのも良いですね。もちろん明るいシーンで字幕が読めないなんて事にはなりません。
また、字幕位置の調整も可能です。例えば通常位置よりも字幕を下げて映像の外に出してしまう。なんて事が可能です。
一方上に上げると画面中央まで字幕を持ち上げる事も可能。使い道はなさそうですが面白いですね。
その他多岐にわたる画質、音質設定
もちろん他にも画質や音質を細かく設定することが出来ます。観ているコンテンツによって出てくるメニューの数も違いますし、もちろんHDRとSDRで選べる調整も異なります。
余計な設定は全部オフにする!という硬派な方もいらっしゃるでしょうし、この辺りをディスプレイや作品に合わせて細かやに調整される方もいるでしょう。我が家はLGの有機ELテレビで観ていますので、テレビ側の設定に任せすぎずZR1で補完してやるのはアリだと感じています。HDRトーンマップなどは常時「入」でいいんじゃないでしょうか。解像感は引き上げると破綻の元なのであまりいじらない方向で。あとはどうしても暗いシーンが多くて見づらい時には「黒階調」などを微調整してみるのもアリだと思います。
ネットサービス
本機はテレビ放送、ディスク再生の他、ネットストリーミングサービスにも対応しています。
私はPrime videoを観る事が多く、NETFLIXやU-NEXTは解約してしまっているんですが、ZR1で高画質で視聴できるなら改めて考えてみてもいいかもと思います。
そして何より残念なのはなぜか「Youtube」がないこと。いやいやYoutube必須でしょうよ!UB9000にも他のDIGAでも対応していたりするのになぜ削ったし?!という事でYoutubeがアップデートで提供されることを激しく希望致します。
実際にいくつか視聴
さて設定ばかりいじっていてもしょうがないのでUHD BD再生、ストリーミング、テレビ放送、録画などを観ていきました。
やっぱり期待したいのはまずUHD BD再生です。という事で「天気の子」直撮り。
ざっと視聴して感じた事は
ただ全体的に濃いのではなく「綺麗にグラデーションで描かれる薄味のシーンもありつつここぞで鮮やかで濃い色が出てくる」というバランスでしょうか。今まで見てきたプレイヤーは濃く設定すれば濃く。薄く設定すれば薄く。という当たり前の挙動だったんですが、細かな部分まで描き分けられる解像感と、しっかり色の強さを出してくるところと両方を兼ね備えているプレイヤーだなと感じました。
鮮やかだなーという事よりも、細かく描かれてるなー!という印象が先に立ちました。
そして、サウンドは肉厚でリアリティがあり非常に満足できる音質。UB9000に対してZR1は格段に音質が上がったと言われていますが、いやもう十分でしょう。という感じで全く不満を感じませんでした。
次に普通の地デジも見てみました。左はLGのテレビそのままの放送。右はZR1での視聴です。
正直全く別物!と大げさに言う事は出来ないかなと思います。でもZR1は質感が滑らか。人の肌も、文字も、テレビ側と比べてノイズが少なく、ムラもなく完全に均一で、輪郭もキレイ。人の顔などを観ても「雑味」がなくなりとてもしっとり滑らかに描かれているように感じました。
そして何よりただの地デジ放送に対してもUB9000で培われたカリカリの画質調整が出来てしまうのが凄いですよね。ここから地デジに合わせた設定追い込みをしてみるのも面白いと思います。
ストリーミングコンテンツなども観てみましたが、総合すると全体的に印象は共通しています。
- 雑味が無くなり滑らかな画調で
- グラデーションが綺麗で解像感高く
- ここぞのところで色が映える
というトータルレベルの高さを感じる映像です。とりあえずお試しで数コンテンツ観ただけですので、これから色んな作品、放送を観ながら更に細かく設定を追い込んでいくのが楽しみです。
まとめ
以上、開封~設定からお試し視聴までの半日レビューでした。
メディアもストリーミングも4K放送も録画も楽しめるまさに最強のマルチ映像マシンとして長く楽しんでいきたいと思います。正直使い始めてみて感じるのは、これは単なる「最高のプレイヤー」+「最高のレコーダー」ではないという事です。
これまでレコーダーは「再生専用機」には画質、音質で及ばないのが当たり前。とされてきました。事実再生専用機を上回るレコーダーなんて存在しなかったと思います。その「再生専用機の歴代最高品質モデル」の画質、音質、設定全てを享受する事が出来る「4K放送」「録画」というのは、もう「単なるレコーダー」という域を超えていると思うんですよね。
DMR-ZR1とは何か?
- DP-UB9000を更に強化(画質同等以上、音質レベルアップ)したディスク再生機
- 4K 3チューナー&特注6TB HDD&22.2chドルビーアトモス変換&今まで開発される事が決してなかった最高画質を追い込んだテレビ放送再生&録画機
そう考えるとUB9000+既存レコーダーを買っても、全くZR1同等にはなりません。もちろん市場価格33万円というのは高い。確かに高いと思いますが「十分その価格に見合う価値がある」そしてそれが「唯一無二の機器」という評価が出来ると感じました。
「コスパ」で語るような機種じゃないと思いますが、こんな10年に1台と呼べるような日本の職人の結晶にはなかなか出会えません。一瞬、意識を失ってポチってしまった後は「買って良かった!」と思える一台になるんじゃないでしょうか。私はそうでした。これはそんなハイエンド神機です。
次の記事では「なぜZR1を買う決断をしたか」その理由をまとめましたので合わせてご覧下さい!
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【徹底解説】Panasonic「DMR-ZR1」購入を決めた3つの理由
パナソニック史上「最強のUHD プレイヤー」であり且つ「最強のBlu-rayレコーダー」と呼ばれる「DMR-ZR1」を購入しました。 私が購入に至った理由は公式サイトや様々なWebサイトで語られている ...
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