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【レビュー】ELAC VELA FS407導入

プロジェクター導入計画の第一弾として、まずはスピーカーの入れ替えを行いました。

現在:Vienna Acoustics Beethoven Concert Grand Symphony Edtion

現在使用しているスピーカーはVienna AcousticsのBeethoven CGSEです。

遍歴を書き出すと長いのですが、第一期の完成はinfinityのIRS-EPSILON。ピュアオーディオとして一旦上がりまで辿り着き、そしてそれを全てリセットしました。この時点でピュアオーディオは終わり。と誓ったんですが、その後、あくまで映画、ゲーム、映像コンテンツなどを楽しむための第二期としてAVアンプ中心のシンプル構成としてVienna Acoustics Mozart CGSEを導入。艶やかで大好きな音色でしたがスケール感が足りず、今のBeethoven CGSEに移行しました。ピュア目線というよりは映像に対するサウンドステージの観点です。

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狙い通りスケール感は出ましたが
・中低域がやや膨らみ中高域がマスクされるケースがある
・低域の量は出ているが沈み切らず、パンチ力もやや足りない
・高域がややざらつき、伸び切らない

という弱点を感じてプリメインアンプとしてLUXMANのL-550AX2を導入。AVアンプからの2重プリ構成にして問題をある程度解消しました。

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大満足!というまでは行きませんが、大きな不満もなくなり快適に鳴らせていたと思います。

プロジェクター導入に向けてスピーカーを見直し

不満なく鳴っていたBeethoven CGSEですが、今回プロジェクターの導入を検討。自立式のスクリーンを設置しようとなった時にスピーカーが邪魔になることが分かりました。

現在の環境は下記のような配置です。

図示すると下記の通り。スクリーンをここに置くためには左の壁の出っ張り、右端のラックより手前に置く必要があります。

とはいえ、あんまり手前に置くと視聴距離が短くなりすぎる。右端のラックは固定として仮にぎりぎりに110インチスクリーンを設置するとこうなります。

スクリーン設置時の懸念

1.中央ラックが邪魔 →対策)機器類は右端のラックに移動させましょう
2.サブウーファーが邪魔 →対策)テレビとスクリーンBOXの間に移動させましょう
3.これが問題。メインスピーカーがスクリーンの後ろになってしまう。

サブウーファーは指向性もほぼないのでスクリーンの裏で鳴っててもいいと思うんですが、メインスピーカーはそういうわけにはいきません。スクリーンの後ろから鳴らすと音が籠ってしまいます。

解決案

解決案1)スクリーンをサウンドスクリーンにして音を透過させる
解決案2)スピーカーをスクリーンの左右端に移動させる

サウンドスクリーンとは、スクリーンに小さい穴がポツポツ空いていて、音が通りやすくしてある専用スクリーンの事です。

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これであればスピーカーがスクリーンの後ろでも「ほぼ音質劣化はありません」。しかし「画質はそれなりに犠牲になります」

光が後ろに抜けるので輝度や鮮やかさが落ちてやや薄くなるという問題もありますが、視聴距離が2mくらいしか取れないとそもそも「穴が見えます」。4K画像を映しても穴のポツポツ空いたスクリーンに映しては台無しです。ザラザラした映像になってしまいますよね。

サウンドスクリーンは大前提として「暗い部屋」で「3m以上離れて」観る事で成立するものだと思います。我が家のようにリビングで2mの距離で観るとなると画質劣化が気になって仕方ないと思います。実際店頭でサウンドスクリーンに投影されている映像を観てみましたが2mくらいまで近づくと完全に穴が分かります。画質がザラザラして見えます。

しかもBeethoven CGSEは横幅はキャビネットだけだと19cm、スパイクを含めても30cmと比較的スリムで設置しやすいスピーカーですが、奥行きはそれなりにあって40cmです。テレビとスクリーンの間を40cm以上確保しようとするとスクリーンが更に前に出ることになります。

よって解決案1は無し。スクリーンは「サウンドスクリーン」ではなく「ノーマルスクリーン」を選びたいと思いました。

次に解決案2。ですがスクリーンの左右にスピーカーを移動させるとこうなります。

中央のラックはやや後ろに下げて、サブウーファーもピッタリ収まることが分かりました。ただBeethovenを左右に持ってくると奥行きが長すぎてかなり前にせり出します。しかも下手するとスクリーンの映像に被る可能性もあります。かなり邪魔。

ということで案1も案2もイマイチという事が分かりましたが、サウンドスクリーンは大前提として無しなので、スクリーン左右に置いて収まりの良いスピーカーに買い替えるのがベストという判断をしました。

スクリーンボックスは2.6mほどになりますので、若干余裕を持たせて横幅25cm×奥行き25㎝程度のスピーカーがあれば丁度良い事が分かりました。

目指すはこんなバランスです!

候補はELACかPIEGAに

この幅、奥行きともに25cmという条件のスピーカーがなかなか見つかりません。実は奥行き25cmとなるとブックシェルフでも選択肢が少ないレベル。以前使っていたMozartでもスケール感が足りないと思っていましたので、できれば同等サイズのトールボーイで探したい。

そして出来れば最新モデルが高い場合は前モデルの中古やアウトレットをリーズナブルに手に入れたい。というところから下記モデルを候補にしました。

奥行高さ重量定価(税込)
ELAC VELA FS407229266100019.1kg79.2万円
ELAC Carina 247.4216245107016.4kg39.6万円
ELAC Solano FS28726030098519kg50.6万円
PIEGA Premium501157210101021kg60.5万円
PIEGA Premium5.2190220102021kg69.3万円

この中ではFS287がやや大きいかな?それ以外は許容範囲内と言えそうですね。

なかなか実機で比較試聴できないので、まずこれらのモデルについて生成AIと壁打ちを行いながら、音質の特性を推し量って見ることにしました。

透明感スケール感情報量高域の伸び中域の太さ中域の芯の強さ低域の量低域のアタック
ELAC VELA FS4074.55.04.05.05.04.04.54.05.0
ELAC Carina 247.43.04.03.04.04.53.03.03.03.5
ELAC Solano FS2873.53.54.04.04.03.53.54.04.0
PIEGA Premium5014.05.03.55.05.03.03.53.04.0
PIEGA Premium5.23.54.53.54.55.03.03.53.54.0

※生成AIによる評価はインターネット情報からの切り取り想定なので、信憑性はそこまで高くありませんが複数の生成AIと壁打ちしながら、概ね遠からずな評価に着地しているのではないかと思います。

他にPIEGAではCoaxx 311(ハイエンドブックシェルフの前モデル)、TP5、TP7(Premiumシリーズより一段グレードを下げたコスパモデル)なども考えましたが、ブックシェルフはやはり低域の量感的に厳しい。TPシリーズはELACと勝負するには厳しい。という事で選択肢から外しました。

ただこの壁打ちを繰り返した結果からも、VELA FS407が一歩抜けてるかな?という感覚です。

実はVELA FS407とPremium501はHiViやステレオサウンドなどのグランプリ評価ではライバル関係にあった2台でした。

VELA FS407PIEGA Premium501ほか受賞機
ベストバイWinter2018(40~70万)1位4位同1位KX-5P、Sonetto3
ベストバイSummer2019(40~70万)1位3位同1位KX-5P、同3位Sonetto5
ベストバイWinter2019(40~70万)2位3位
ベストバイSummer2020(40~70万)2位3位1位KX-5PX、同3位Sonetto5
ベストバイWinter2020(40~70万)2位4位1位KX-5PX、3位Sonetto5
ベストバイSummer2021(40~70万)5位(FS287新登場2位になった為)3位1位KX-5PX、同3位Sonetto5
HiVi Grand Prix HiVi PRIZE スピーカーシステム
AEX(オーディオ銘機賞)2019銀賞Premium701が銀賞同じく銀賞にMAGICO A3、TAD E1TX、FOCAL KANTA N2など
VGP2019(ペア60~100万円部門)金賞Premium701が金賞入賞はAria948,KX-1000P、Turnberry/GRなど

記事掲載された写真を見るとVELA FS407のテーマカラーは「ホワイト」だった事が伺えますね。他にもVELA FS407とPIEGAのPremiumシリーズはライバルっぽい扱いが多く、Premium501よりは少しだけVELA FS407の方が上位と見られていたようです。もちろん雑誌の評価ですから好みもあれば政治的な部分もあるとは思いますが、それでも多くの評論家がクリプトンのKX-5PシリーズやソナスファベールのSonetto5と並べて一定の評価をしていたモデル何だろうと思います。

FS247.2も良いけれど・・・

ELACのVELA FS247にはオリジナルの「247」と後継モデル「247.2」があります。

実際に店頭で試聴してみましたが少し低域が膨らむ印象がありました。オリジナルに対して247.2は中域~低域の繋がりを厚くし、クロスオーバーも調整されており、情報量が多く、滑らかさも増しているのだと思います。ただこの膨らみが家でも出るのであれば、オリジナル407の方がハイスピードでタイトな音出しと言われますので我が家には合うかな?と思いました。もちろん最新モデルは割引も少ないので無理にマイナーアップの高額な407.2を選ぶより、リーズナブルに407を探す方がコスパも良いかなと考えました。

ほか、Carina247.4も試聴しましたがやや大味でスケール感はむしろ感じるものの407.2の方が上質に感じました。FS287は聴き疲れしない自然な音とされますが247.4の印象から想像するにやや退屈な音になってしまうかもしれません。

実機試聴の想像からもELACで行くならVELA FS407で間違いないだろう。と思いました。

色はホワイトで

VELA FS407にはブラックハイグロス、ホワイトハイグロス、ウォルナットハイグロスの3色があります。

「ハイグロス」と付いているようにどれも光沢のある高級感のある仕上げとなっていて美しい。

振り返ってみると我が家ではこれまでウッド調のスピーカーばかり使ってきましたので、この機会にガラっと雰囲気も変えてみようと思いました。プロジェクターを使う暗がりで目立たないブラックか、明るい状態で部屋の雰囲気を軽くカジュアルにするホワイトか。というところで今回は各雑誌でもテーマカラーになっていたホワイトにチャレンジしてみることにしました。スクリーンボックスもホワイトにしようと思っていたのでその組み合わせ的にもアリだなと。

導入設置

いざ、VELA FS407の導入。まずは箱から慎重に取り出します。

ホワイト・ハイグロスの表面に傷がつかないように1本ずつ丁寧に開梱。

想像通り白がオシャレでいい感じ

このスピーカーは背面下部に切れ込みがあり、ここがバスレフになっています。

覗き込むとこんな感じ。キャビネット中央まで空洞になっています。底面にバスレフがある事で背面バスレフとは異なり壁際に設置しても影響が少なく、床に低音が自然に広がっていく効果があります。この辺りミドルレンジながらしっかり作りこまれていますね。

天面はマットな手触りで背面から前面に向けて傾斜が付いています。

中級機以上で搭載されるELACの象徴とも言えるJET ツイーター(FS407はJET5)。このツイーターで艶、透明感のある美しい高域を表現します。そして同じくELACと言えばギザギザした振動版の軽量&剛性の高いAS-XRコーン。これも歪みのない透明感の高い音に繋がっています。

スパイクプレートはさすがに重量級。スパイクとスパイク受けも標準で付いています。

スパイク類も取り付け設置してみました。暫定的に薄い御影石ボードを敷きました。

スパイク部分はこんな感じで仕上がります。

音を出してみる

無事設置が終わりました。今までのテレビ横から部屋の両端にスピーカー設置場所を変更。かなりワイドに鳴らす形になりました。

実際音出しをしてみましたが、とにかく一番心配だったスケール間は問題なさそうです。Mozartの時のようなスケールの小さい音ではなく、Beethovenに近いスケール感が出ています。高域の刺さりもなく、コンパクトなキャビネットから全体域の厚みも感じさせながら鳴ってくれてホッとしました。

もちろん最初はややぎこちなく、高域が少し刺さる感じもありましたが、鳴らしこんでいくに従って馴染んでいきます。

お、全然いいじゃない!

これだけコンパクトなサイズにして、またVienna Acousticsという艶の王者のようなメーカーから変更して、硬くキンキンしたり、低域がスカスカになったらどうしようと思っていましたが、そういった事もなくしっかりミドルレンジ以上の音がしていると感じます。

特にワイドなセッティングになった事でスピーカーの存在が強調されず、このスピーカーの特性も相まってふわっと空間全体に音が広がります。高さも感じることができスピーカーよりも遥かに高い位置のテレビ画面や周囲から音が広く表現されているのは予想を上回っていました。コンパクトなサイズでこれだけ空間を大きく作れるのか。と。

弱点は?

Beethoven GCSEからVELA FS407に変更して、設置の変更もあって広い空間表現ができるようになりましたが、音質そのものという意味では凄く進化した、大きく劣化したという部分もなくある意味安心したところです。とはいえ弱点が無いわけではありません。

まず、Beethovenで課題だった「中低域が膨らむ」「低域が沈み切らない」という点は解消されていません。

これはBeethovenの時に感じてLUXMANのL-550AX2を導入することで多少緩和されたのですが、VELA FS407に替えた事でまたこの弱点が強調されたように思います。色々コンテンツを試してみましたが、Switch2のマリオカートワールドを試したときに思っていたよりも酷い事に気づきます。

まず低域が沈まない事により、中低域あたりに全ての低域が留まって団子になってしまいます。その結果中域がマスクされてBGMが引っ込み、やや籠る感じになります。但し、高域の主張は悪くなくSEはクリアになっています。

BGMか効果音か、どちらを重要視するかはプレイヤーによって違うと思いますが、私はどのゲームでもBGM重視派で、ポップなシーン、重厚な世界観など音楽に浸りながら楽しむ、その為には効果音は最低限で良い。というスタンスです。

これまでの環境ではこの調和が上手く出ていたのですが、VELA FS407に替えた事でBGMがあまり聴こえなくなってしまったのです。もちろん音量を上げればBGMも聴こえます。でもその分今度は効果音が五月蠅くなる。マリオカードワールドはBGMとSEの音量調整などは出来ませんのでアンプ側での調整が限界です。

AVアンプ側でマルチチャンネル、ドルビーサラウンド、DTSサラウンドなど色々試しましたが、Auro3Dが一番マシかな?という結論です。その他のゲームや動画コンテンツなどではそれほど違和感はないものの、セリフが若干マスクされて聞き取りづらくなるという弱点はある気がします。

といってもこれはVELA FS407の素性が悪い訳ではなく、プリメインアンプのL-550AX2がA級40W出力という事もあり、まずはアンプ側の駆動力不足、そしてAVアンプと2重プリにしている(パススルーではなく敢えてラインで繋いでいる)事によってモッサリしてしまい、複雑に多重化されたハイスピードな音の処理と相性が良くないのだろうと思います。

オーディオボードも新調してみた

計画していた通り、スクリーンボックスの左右にスピーカーを設置するにあたり、30cm四方のオーディオボードを導入しました。

高域の刺さりを完全になくし、中域の回復、低域の沈み込みなど多少改善する事も期待して、今回は木材加工販売のマルトクショップさんでピッタリ合うものを作ってもらう事に。

色々調べて床鳴りを防ぎ、先ほどのような課題を解消する方向に働くボードとして下記スペックで仕上げることにしました。

ボードの仕様

樹種:タモ集成材 ⇒低域を沈ませ、高域を柔らかくする狙い。集成材で反りの心配をなくす。
厚み:40mm ⇒しっかり厚みを持たせて床と分断する
サイズ:30cm×30cm ⇒当初からのプラン通り
面取り:上面5R/下面 糸面(+磨き) ⇒下面はRを作らずしっかり床に密着
塗装:自然オイルクリア(両面) ⇒カビや色移りの心配をなくすが音に影響を与えない

こういう細やかな条件に見合ったボードをリーズナブルに手に入れるには、指定通り作ってくれるショップにお願いするのが一番ですね。

実際に届いたのがこちら。敢えて狙ったのですがまさに自然の木の質感。です。

厚みも十分。30cm×30cmと小さいサイズなだけに4cmという厚みが強調されますね。

御影石ボードと入れ替えてみました。

サイズ的にギリギリ一回りする感じで厚みも4cmあるので、地震などでズレてガタンと落ちてしまうと危険ですが実際設置してみるとかなりの安定感がありました。どちらかというとスピーカーがズレるより、ボード自体が動く方が可能性が高いと思います。

音についてはまだVELA FS407がエージング途中で変化していっている事もあり、ボードそのものによる激変は感じませんが少なくとも悪い方向への変化はなく安心して使えるボードになりました。

まとめ

VELA FS407についてはホワイトのルックスも気に入りましたし、佇まいがとても良いです。肝心の音もさすがアッパーミドルクラスと呼べるレンジの音で、透明感も高く、滑らかなところもさすがELACという感じがしますね。特にサイズを大きく上回るスケール感、空間表現については目を見張りました(耳を聞き張りました?笑)

当初はプロジェクターとの共存の為に止むを得ないダウンサイジングで、まぁ妥協できるスピーカーを探そうか、くらいのテンションでしたが、なんのなんの。これはBeethoven CGSE以上に愛着を持てるスピーカーと出会ったかもしれません。

弱点についてはこのスピーカーが悪いというよりも、アンプの駆動力や相性もあると思いますのでこの点は次回掘り下げていきたいと思います。

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