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【解説】音楽再生にもサブウーファーは有効?バイアンプとの共通点と相違点

スピーカーの鳴りが少し弱いな、低域の押し出しが足りないな、となった時、もちろんスピーカーやアンプの「入替」というのは基本の考え方になると思いますが、アンプもスピーカーも気に入っているという場合には「増強」という発想も出てきますよね。

ピュア的な発想からは「アンプをもう1台追加してバイアンプにしよう!」というアイデアが生まれてきますし、サラウンド派からすれば「サブウーファーを足そう!」というアイデアが出てきます。この2つは全く異なるアプローチに見えて意外と似ていると思う訳です。

シングルアンプ

最もシンプルな構造は一つのアンプに一組のスピーカーという接続です。シングルワイヤかバイワイヤかはあるにせよ駆動という意味では一つのアンプで2台のスピーカーを鳴らしている訳です。

アンプが力不足だと、低域が弱くポンポン鳴ったり、中高域も透明感が出せずゴチャついたり、高域が伸びなかったりします。基本的に音を出すときに低域再生にはパワーが要ります。そこに負担を持っていかれると中高域の音もなんだか弱弱しくなってしまう。という事ですね。

そこで送り出すアンプを2台にするバイアンプという発想が出てきます。

バイアンプ方式

バイアンプでは1台のアンプが主に中高域ユニットを担当し、もう1台のアンプが低域を担当します。

こうする事でアンプAは「低域だけに全力投球」出来るので低域の力強さが増します。アンプBは負担の大きい低域を受け持たなくて良いので「中高域だけ」を鳴らし切ればいい訳です。こうする事で中高域も低域も両方が強化されます。更に副次効果として低域と中高域を別々の駆動で動かすことで低域のノイズが中高域に悪さしなくなり、より中高域の透明感が増すと言われています。

あるいは同じバイアンプでも1つのアンプで1つのスピーカーを受け持つブリッジ(ステレオアンプをモノラルアンプとして使う)という方法もあります。BTL接続と呼ばれたりしますね。

先ほどの中高域と低域を分ける方式と違って、受け持つスピーカーごとに"対"にする方式で、より低域の力強さが増すと言われています。

というのもアンプの負担は基本的に「中高域」よりも「低域」の方が大きいんです。イメージを分かりやすくするために中高域が10kgの荷物。低域は15kgの荷物。と考えてください。

先ほどのバイアンプでは「アンプB」は20kgの荷物ですが「アンプA」は30kgの荷物を背負っている事になります。そこで1台のアンプで「1本のスピーカー」を受け持つ事にすれば1つのアンプの負荷は「25kg」で済みます。つまりより低域の力強さにアンプが力を発揮できるという事です。

一方、帯域を分ける事で享受できていたメリットはなくなりますので中高域の伸びや透明感を重視したいなら帯域を振り分けるバイアンプ。力強さを重視したいならブリッジで受け持つスピーカーを分けると良いとされます。

サブウーファーもバイアンプ方式?

一般的にサブウーファーはアクティブサブウーファーと呼ばれるタイプが多くアンプを内蔵しています。

何となく「サブウーファー=低域用のスピーカー」というイメージで捉えられることが多いと思いますが、サブウーファーはスピーカーではなく「アンプ一体型スピーカー」です。もっと言えば「アンプを買ったらスピーカーユニットがくっついていた」と逆のイメージで考えるくらいの方が理解が深まるかもしれません。

先ほどのアンプを2台駆動させるバイアンプと全く同じで、アクティブサブウーファーはまず「アンプ」を追加しているんです。そしてメインのスピーカーでは物足りなかった低域を「ユニットごとアンプBに取り付けた」構造です。

これによってアンプAはユニットAのスピーカーだけを受け持てばよくなりますが「重低音」部分の負担からは解放されますので、先ほどのバイアンプ理論と同じで中高域の伸びや透明感は強化され、低域の濁りの影響を受けなくなります。一方でサブウーファーは独立したアンプで独立したユニットを動かして低域を駆動させますので「低域に全力投球」出来て低域の力強さ、沈み込みを作り出せるのです。

つまりサブウーファーとバイアンプは全く違うアプローチに見えて、やっている事は「全く同じ事」なのです。いえ、むしろアクティブサブウーファーとはまさにバイアンプ方式のスピーカー拡張なのです。

ですからサブウーファーの追加は単に「低域の強化」ではなく「中高域の改善」にも繋がるとも言える訳ですね。しかもサブウーファーは1つのアンプで1つのユニットを駆動させる事が基本なので、1つのアンプで複数筐体の低域ユニットを駆動させる必要がないというブリッジの良さも併せ持っていると言えます。

もちろんギリギリまでの低域はメインスピーカーに受け持たせて、メインスピーカーでは出せない重低音の領域をサブウーファーに持たせるケースもあるでしょう。その場合はメインスピーカーの負担はほとんど減らないかもしれませんが、メインスピーカーでは鳴らしづらかった低域~重低音を朗々と鳴らせるようになる事で全体の厚みが増すという効果が得られます。

更にサブウーファーを2台用意すればアンプが合計3台になる事になる訳です。指向性の改善のために左右それぞれにサブウーファーを用意する事がありますが、実は効果はそれだけでなくそもそも負担の大きいウーファーユニットをそれぞれ1台1つ駆動させる最強の駆動方式とも呼べるかもしれません。

サブウーファーは邪道?

サブウーファーがピュアオーディオ的に「邪道」に見えてしまうのは、1つの音源に対してメインとなるスピーカーとは異なるスピーカーを同時に鳴らしてしまっている違和感だと思います。もちろんアンプもアクティブサブウーファーに搭載された全く別のアンプを採用しているので相性や組み合わせの妙が崩れる印象がありますよね。

サラウンド派の人から見れば、サラウンドスピーカー、ハイトスピーカー、トップスピーカーなど複数のスピーカーユニットでそれぞれの音を鳴らすのは当たり前だと思うんですが、ステレオピュアな発想からすれば「中高域」と「低域」で別のスピーカーに分けてしまったら音色も変わるし、メインスピーカーの音じゃなくなってしまう。と感じられると思います。

これは確かに事実で、その音が好きで導入したスピーカーというのは決して中高域だけが好きで買った訳ではなく、低域の鳴りや響きも含めて選んだはずです。そして計算された筐体の作り、高域から低域までの調和と一体感、そうしたもの全部で「一つのスピーカー」なのですから、一部の帯域の音を外出ししてしまうのは「邪道」だと思います。私もそう思います。

ですが、スピーカーもスピーカー単体では鳴りません。アンプの存在と、そしてそのアンプの音色も乗っかって「アンプ×スピーカー」の組み合わせが音を作っていく訳です(もちろんもっと上流の機材にも色付けされます)

ですからスピーカーとアンプの組み合わせ方を楽しんだり、自分好みの追及をしていく事もまたオーディオの楽しみだと言えます。なので一方でこのアンプにこのスピーカーは合わない。相性が悪い。という事も起こるでしょう。

でもアクティブサブウーファーは「アンプとスピーカーユニット」が一体化して開発されています。そのスピーカーの為のアンプ。そのアンプの為のユニット。iPhoneがハードもソフトも垂直開発している為に相互に最適化されているのと同じく、アンプとスピーカー部が互いの為に開発されているおかげで「相性は完璧」なのです。

低域再生に特化した作りこみ、そのユニットを最大限活かす為のアンプ作り、相互に知り尽くした上で開発がされているという点では、先ほどのアンプ×スピーカーの相性で言うなら低域に関しては満点の組み合わせを用意してくれた機材という事も出来ますよね。

そして重低音領域は音色の違いや指向性が鈍く、どちらかというと輪郭、響き、沈み込み、強さ、など音の押し出しに関する要素の方が大きい帯域です。もしバイアンプ化してスピーカーユニットを分けるとすればこの「重低音領域」が一番違和感が少ないでしょうから理に叶っています。

つまるところ「何と何を組み合わせるか」という関係性の中で「アンプとスピーカーを分けて帯域をまとめる」か「帯域を分けるがアンプとスピーカーを一体化するか」なので、どちらも「どこかを分けて」「どこかをまとめる」という特徴がある訳です。

その中で音色が左右されづらい「重低音部分」を最大限駆動させるのに適したアクティブサブウーファーに任せるというのはピュア的な発想としても十分取り込めるアイデアになるんじゃないかな?と感じました。

もちろんその結果としてのユニット性能やアンプ部分の性能についてアクティブサブウーファーにピュアハイエンドなレベルのものはあまり見かけません。アンプとスピーカーユニットが合体しているにも関わらず数万円からせいぜい数十万円までで収まってしまう世界なので実際に聴いてみて「音」をどう評価するか?というところかもしれません。

音楽再生にもサブウーファーは選択肢になる

我が家ではMozart Grand SEとTD316SWMK2を組み合わせて使う事にしましたが懸念していた音色の分断や違和感などは全くありませんでした。クロスオーバーのポイントによっては良し悪し出てくると思いますが、上手くセッティングしてやればとても自然な繋がりの音を鳴らしてくれると感じています。

もちろんサブウーファー=AVアンプによるセッティング。と考えてしまうとサラウンド志向が強くなりますが、スピーカーから直列でサブウーファーのスピーカー端子で繋いでやればピュア的なユニット拡張(低域ユニットの追加&駆動するアンプの分離)を実現する事も出来ますので、アンプの力量不足やスピーカーユニット由来の低域不足に対しては自然な低域強化に繋がると思います。

対応しているかどうかはサブウーファーにもよりますが、アンプ側にサブウーファープリアウトがない場合でも、アンプからアクティブサブウーファーのスピーカーinに繋いで各スピーカーに展開するやり方や、アンプから先にスピーカーに繋いでそこからアクティブサブウーファーのスピーカーinに繋ぐ方式など、スピーカーケーブルで接続していく方式もあります。

そういった意味ではアクティブサブウーファーを「単なる0.1chのサラウンド用」と考えるのではなく、バイアンプ化して低域ユニットを拡張するという発想で音楽再生にも取り込んでみるとまた新しいサウンド体験に繋がると思います。今保有している機材、検討している機材がどういった接続に対応しているか?というのは確認の上で実践しましょう。

もちろんアンプもウーファーも追加しなくても完璧な音が鳴っているという環境があればそれこそが最強だと思います。その点ではサブウーファーは不足を補う追加機材的な側面がある事は否めません。ただ一方で、敢えてそこを純度の高い専用機材に任せるというのはピュアオーディオの世界で言えば「スーパーツイーターを追加する」という発想にも通じますし、マイナスを補完するのではなく、更にプラスに拡張すると考えてみると面白いと思います。

前回の記事でサブウーファー追加をご紹介していますのでご興味ありましたらそちらもご覧頂けたらと思います!

【レビュー】サブウーファー ECLIPSE TD316SWMK2 を導入しました

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