さて「サラウンド環境改善プロジェクト2021」の第2弾は今回最大の投資となるAVアンプの変更です!
現在のAVアンプを選択した経緯
今使っているDENONのAVR-X4700Hは2020年10月に買ったもので利用し始めて約3か月になります。そもそもの目的はPS5とXbox SXを楽しむためにHDMI2.1各機能且つ4K120hz対応のAVアンプを導入する事でした。
今世代機のAVアンプは4K120hz入力が1つしかないモデルしか発売されなかったので迷ったんですが、当時はまだPS5もXbox SXも発売されてなくて何の検証も出来ないので一旦買ってみよう!と飛び込んだ機種。
ただ蓋を開けてみるとチップ不具合でXbox SXは4K120hzでAVアンプを通せない事が分かり、Xbox SXに関してはeARC接続するしかありませんでした。結果的に4K120hz入力はPS5分の1つあれば良いという事になった次第。
流れを整理するとこんな感じです。
これまでの流れ
1.PS5とXbox SXの4K120hzを通す為に対応AVアンプが欲しい
2.でも4K120hz入力が2つ付いているアンプがない(仕方ないので1入力で妥協)
3.AVアンプのチップ不具合でXbox SXは4K120hzを通せない事が発覚
4.PS5はAVアンプ経由、Xbox SXはテレビからeARCで逆流しか運用方法がない
5.あれ?じゃ結局AVアンプの4K120hz入力はPS5の1つしかどうせ使わない(2つ入力があっても余らせることになる)
何でしょう。やりたかった事とは違うんですが結果環境としては丸く収まった感じ(笑)
ちなみに、入力が1つしかない、チップに不具合がある。というのはDENON、Marantzなど対応AVアンプ全ての共通仕様なのでモデルを変えたところで同じ結論です。
現在のAVアンプ「AVR-X4700H」の不満点
我が家のサラウンドは7.0.4の11チャンネルですがフロントスピーカーはプリアウトで別アンプ駆動させますので「9チャンネルアンプ&11チャンネルプロセッサー」に対応しているAVアンプが必要でした。
当時比較検討となったのはDENON 「AVR-X4700H」とMarantz「SR6015」です。
それまではパイオニアのAVアンプを使っていたんですが4K120hz対応機が出てこなかったのでDENONかMarantzを検討する事になりました。私の感覚では「パイオニアはオールマイティ」「DENONは低域が強く映画向き」「Marantzは繊細な音で音楽向き」というイメージ。
Marantzは見た目もかっこいいし悩んだんですが、どうしてもSR6015は線が細いという情報もあったこと、またモデルグレード的にDENONが1段階上(本来AVR-X4700Hと同格なのは日本未発売のSR7015)で数万円しか価格差がありませんでしたので、この差ならDENONにしよう。と決めたのです。
当時の購入記事はこちら
本ブログでもサラウンドセッティングなどを何度か紹介しており、実は結構満足度は高かったんです。
でも、アップミックスサラウンドを楽しんでいる時にどうも低域の強調が強いな~と感じるようになりました。特に最近はハイトスピーカーも設置し、サラウンドの見直しも図りつつ色んなコンテンツを楽しんでいましたのでちょっと気になる。
また、Auro-3D デモディスクに収録されていた音楽コンテンツのレベルが非常に高く、Youtubeなんかでも結構高音質に聴ける動画がありますのでAVアンプ経由の「音質」も重要だな・・・と再認識し始めました。
そしてこれがある意味良くなかったんですが、よし!試しに我が家のピュアライン(DELA→USB DAC Supremo)と比べてみよう!と思い同じ曲をDELAからAVR-X4700HにDLNAで再生してみました。違うのはDAC部分だけです。
ピュアライン DELA→Supremo→C-800f→RB-1592SE×2台→IRS-SIGMA
AVライン DELA→AVR-X4700H→C-800f→RB-1592SE×2台→IRS-SIGMA
これが驚愕。全然音が違う。解像感も、アタック感も、音の芯の強さも。ピュアラインに対してAVラインで聴く音は「DENONだから低域が強い」とかそんな次元ではなく、解像感が低く全体的に籠っていると言わざるを得ない音。躍動感がなく鈍い音なので聴いてて楽しくない。
昔はAVアンプもパイオニアの最上位8シリーズを使ってたんですが、最近はアンプ数が事足りるミドルレンジのAVアンプにして「フロントはプリアウトで外出しすればいいだろう」と高を括ってました。でも、そもそもAVアンプ側でDAC処理をし、音の味付けもしているので「プリ」として音質に重要な役割を果たしている事を痛感(いまさら・・・)
いや、理屈では分かってたんですよ。たとえフロントをプリアウトしてもAVアンプの特性は色濃く出るという事を。でも、音楽はピュアラインで聴くし映画やゲーム中心だからいいだろう。と。だからピュア音源の再生は敢えてしないようにしてたんですよね(笑)
でもやっぱりダメだと気づきました。純粋な音楽ファイルだけじゃなく、映像作品を観るのも、ゲームをするのも、テレビを観るのも、Youtubeで音楽動画を観るのも、やっぱりAVアンプによる基本の音作りは非常に大事。実は最近ピュアラインの向上を考えていたんですが、一旦そっちは置いておいてAVラインの見直しの方が重要だ。と感じて、たった3か月しか使っていないAVR-X4700Hを買い替える決意をする事にしました。
AVアンプ強化検討
ステップアップという意味ではDENONの上位であるAVR-X6700Hという選択肢もあるんですが、色々情報を見ているとこのレンジのモデルとしてはSR8015の方が明らかに優れている様子でした。
試しに今回気になったDACパーツを見てみます。
発表会の時に公開されたのがこちらの基板写真。X4700HとX6700Hではコンデンサーなど違いがある事が分かりますよね。確かにAVR-X6700Hの方がレベルが高そうです。
一方こちらがSR8015のDAC基板です。おお全然違う!MarantzとDENONは同じ兄弟シリーズで開発のベースも同じかと思ってましたが結構メーカーでも差がありそうですね。
では内部基盤全体の構造を見てみましょう。
まずAVR-X4700H
電源部のカスタムコンデンサーは15,000μF×2で、定格出力は125W。この数値自体が必ずしも絶対的な性能を表すわけではありませんが物量投入とそのアンプの想定グレードがイメージしやすいと思います。左下に電源ブロックがあり、右側にはヒートシンクの上下に基盤があります。これが9チャンネル分のアンプですね。
上位のAVR-X6700Hはどうでしょう
電源部のカスタムコンデンサーは15,000μF×2で、定格出力は140W
左下の電源部の構造は似ていますが各パーツは高品質なものが使われている部分もあるようです。右下の11チャンネル分のアンプが全て独立した基板になっているのが上位モデルっぽさを出してます。
次はMarantzのSR6015
さすがDENONの兄弟機です。パッと見る限りAVR-X4700Hに酷似していますよね。左下に電源ブロック、右側にヒートシンクに挟まれた2枚のアンプ基板。と構造が一緒です。電源部は12,000μF×2で、定格出力は110W。やはりパワーで見るとX4700Hより一回り下位レンジとして作られている事が想像できますね。Auro-3Dに対応していないというのも4モデルでこれだけです。
では本命のMarantz SR8015を見てみましょう
これだけ全然違いますね!中央に大きなトロイダルコアトランス電源が鎮座しています。まさにピュアラインのパワーアンプのような作り。そしてその両サイドにヒートシンクがありその外側に11チャンネル分のアンプ基板がある構造。定格出力はX6700H同様の140Wながらコンデンサーは22,000μF×2を搭載。圧倒的にパワフルな作りになっています。
プリアンプ回路として電流帰還型のHDAM-SA2が採用されていますし、電源、プリ回路、DACなど音質に影響を与える基礎部分でSR8015は一段抜きん出ている気がします。
こう考えるとAVR-X4700HはDENONの音の特性というのもあったとは思いますが、根本的にエンジン部分が非力だったという事も出来そうです。AVR-X6700Hはチャンネル数こそ増えていますが大幅な音質UPには繋がらない予感がしますね。
もちろん基盤だけを見て音作りの何が分かるのか?というのはその通りなんですが、各モデルの違いを比較する事でこのメーカーがどのモデルに本気になっているか?は推測できます。
順当にグレードを上げているDENONに対してMarantzは下記図比較を見ても感じる通りSR8015だけ特別感を出しすぎなんですよね。SR8015はSR6015の上位ではなく、完全に独立モデルとして設計されている感じがします。SR8015にはピュアに通じる技術を投入しているというのは嘘じゃない気がします。
HDMI2.1対応やサラウンド効果部分は基本的に同じ設計になっているので(SR6015がAuro-3Dに対応していないというのはありますが)、あとはこの音を出す基本部分の違いが大きく出てくるものと思います。X6700HとSR8015との価格差は5万円程ありますが、これは価格差以上にSR8015はレベルが高いと感じました。
9チャンネルアンプではDENONの勝ち AVR-X4700H>SR6015
11チャンネルアンプではMarantzの勝ち SR8015>AVR-X6700H
という予想なんですがどうでしょうか?
ちなみにDENONには更に上位の13チャンネルAVアンプ「AVC-A110」が君臨しています。これはSR8015同様22,000μF×2のコンデンサーで、定格出力150WとDENONの本命といったアンプ。
現時点の「HDMI2.1」4K120hz対応AVアンプとしてはこのDENON AVC-A110とMarantz SR8015がそれぞれのメーカーのトップモデルとなります。
今回は、DENONの傾向からピュア傾向に近づけたい狙いもあり、ネットでも評価されている「情報量の多さ」「高い解像感」「自然なサラウンドの繋がり」に期待してMarantz SR8015に買い替えてみようと思います!
設置~音出しレビューはこちら