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「折り畳みスマホ」理想のアスペクト比を考えてみる

OPPO Find Nが発表されたことでGalaxy Z Fold3との大きさの違いが注目されていますが、実は大きさと同じくらい「アスペクト比」が重要なんです。

Galaxy Z Fold3とFind Nのコンセプトの違い

開いた時の画面は、Galaxy Z Fold3が長方形な7.2:9なのに対しFind Nはかなり正方形に近い8.4:9です。Galaxy Z Fold3が縦に長いのに対し、Find Nは横に長いのが特徴ですね。

この辺りは前回Find Nの特徴について紹介した記事でも触れたとおり、大きなコンセプトの違いだと思います。

Galaxy Z Fold3は開いて使う事がメインです。なのでSNSもWebブラウジングも開いて使うので「縦長」の方が便利なんです。そしてサブとしてカバーディスプレイがある。という構造ですね。

Find Nは逆です。閉じた状態で使う事がメインでSNSやWebサイト閲覧は閉じた状態が中心となり、動画視聴など「横に拡張して使いたい」時にスマホを開くので「横長」になっています。

これは大きなコンセプトの違いですよね。

ディスプレイは「長方形」であるべき

ただ、どちらであっても「動画視聴」や「電子書籍」など大きな画面の方が楽しめるから「大きくしたい」訳ですよね?

もちろん大きさ自体に違いがあるのは仕方ないんですが、出来るだけスマホのディスプレイを目いっぱい使いたい。いや、目いっぱい使える様なディスプレイであってほしい。と思いませんか?

例えばマンガや雑誌を縦単ページで開いてみると、Galaxy Z Fold3はそこそこ画面を有効に使えますが、Find Nは左右の余白が全くの無駄になります。もちろんFind Nを90度回転させれば多少は余白が減りますが、それでも「正方形」に近いFind Nの方が大きな余白になります。電子書籍は長方形だからです。

Galaxy Z Fold3を横に回転させて、見開き表示にしてみましょう。やっぱりFind Nの方が大きく余白が残ります。Galaxy Z Fold3の方がよりコンテンツを大きく表示させられますね。先ほどと同じで「見開きにした電子書籍」もまた長方形だからです。

動画はどうでしょう?16:9の動画を観た時にはやっぱりFind Nは余白が大きくなります。正方形の動画なんてないですからね。

皆さん写真を1:1で撮りますか?滅多にそんなシーンないですよね?大体は4:3だったり16:9だったりするんじゃないでしょうか?写真のほとんどは長方形なのです。

ではWebサイトはどうでしょう。WebサイトやSNSも基本的に長方形で縦に長い方が見やすいと思いませんか?

もしかするとブラウザを左右分割で表示させたときなんかは「正方形」も使いやすいケースがあるかもしれません。でももはやこれはディスプレイそのもののサイズ次第だと思うんですよね。

そうなんです。世の中のほとんどすべてのコンテンツは「正方形」じゃないんです。私は断言します。「写真」「動画」「マンガ」「雑誌」「ゲーム」あらゆるコンテンツにおいてディスプレイは「長方形」の方が良い。と。

Find Nの良い点は「閉じて縦長」「開いて若干だけ横長」という構造で、スマホを90度回転させる必要がない。という事です。ただ、それを実現するためにほとんど縦横変わらない「正方形」に近づけた事は本当に正解なんでしょうか?

折り畳みスマホの黄金比

私はFind Nとの比較によって「ディスプレイは長方形の方が良い」と結論付けましたが、これを推し進めて「ベストなアスペクト比」を追い求めたいと思います。

「動画」や「写真」は様々なアスペクト比がありますし、ブラウザやSNSは純粋に縦長だと見やすい、というだけですので「アスペクト比が固定されている電子書籍」に最大フォーカスすべきです。Find Nは8.4:9、Galaxy Z Fold3は7.2:9ですが、雑誌に最適なサイズは約6.3:9(約2.8:4)です。つまり4:3のiPadが理想に一番近いアスペクト比ですが、それより若干更に細くしてやることで電子書籍のベストサイズ且つその他長方形コンテンツも無駄が減ります。

その意味ではFind Nの余白はとにかく勿体ないですし、Galaxy Z Fold3ですらまだ余白が残っているので追い込めると思います。例えば以下雑誌の見開き表示の際に余白を完全になくす為には、7.2:9から6.3:9にしてやればいい訳です。つまり、上下の余白を削ってその分縦に縮小するか、余白まで雑誌が拡大するように横に拡張するかですね。

そして当然なんですが、これは縦にして単ページ表示させた時のアスペクト比と完全一致します。まさに黄金比ですね。4:3よりもう少し細くしてやる。これが目指すべきアスペクト比じゃないでしょうか。

高さを拡張

今のGalaxy Z Fold3より小さくなるのは勿体ないので、まずは差分を拡張してみたらどうなるか見てみましょう。

左が今のGalaxy Z Fold3。右が黄金比に高さを伸ばしたGalaxy Z Fold3です。

なるほど・・・カバーディスプレイがもう細いなんてもんじゃないですね。でもいいんです!単に縦に伸びるだけで幅が狭くなるわけじゃないので別に使いづらくはならないと思います。

ただ高さがちょっと出すぎてしまいますね。これだと高さ18cmのスマホになります。大型スマホのiPhone 13 Pro MAXやPixel 6 Proが16cmくらいという事を考えるとポケットにはやや長すぎるかもしれません。

幅を縮小

では逆に、高さをそのままに幅を狭くする方も見てみましょう。

左がGalaxy Z Fold3。右が黄金比になるように幅を狭めたGalaxy Z Fold3です。

意外と悪くないですね。ほんの少しコンパクトになって取り回ししやすそうな気がします。こっちはカバーディスプレイの幅が狭くなってしまうのでやや使いづらくなりそうです。

でも、この比率。どこかで見たことがあります。そう、初代Galaxy Foldです。何と初代Galaxy Foldは黄金アスペクト比(なんと4:2.85)で作られていたんです!

驚いたふりをしましたが、実はこれは当時から分かっていて、Galaxy Foldのレビューで「大型スマホの高さで、横幅を書籍幅まで拡張した完璧な大きさ」とべた褒めしました。

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じゃ、なんでGalaxy Foldは黄金比を捨ててGalaxy Z Fold2以降若干幅を広げたんでしょうか。恐らくはメインディスプレイに余白が出つつも、カバーディスプレイを若干広げることでカバー側を使いやすくする。というバランス調整なんだと思います。

つまり、Samsungが考える最大公約数的ベスト比率がGalaxy Z Fold2や3のアスペクト比だったという事なんでしょうね。

カバーディスプレイ優先

こうなると、誰しもが考える「折り畳んだ時には普通のスマホ」「広げたらタブレット」という比率にした方がいいんじゃないか?という案も見ておきましょう。

もし閉じた状態が、大型スマホであるPixel 6 Proと同じアスペクト比にしたらどうなるかもシミュレーションします。

左がGalaxy Z Fold3。中央が閉じた時にPixel 6 Proと同じアスペクト比になるように調整したGalaxy Z Fold3です。

当たり前のことを言います。確かに閉じた時は使いやすそうな縦横バランスになりました。でも、開いたら「正方形」に近くなりましたね。

そう、これはOPPO Find Nがやった事です。こうするとスマホとして大きくなりすぎるので300gを超えるスマホになってしまうでしょう。そこでFind Nはこの比率のままサイズを小型にした。という訳ですね。正直この点においてOPPOは甘いと思うんですが、先行するSamsungとの差別化という意味では面白いと思います。

かくして折り畳みスマホは、閉じた状態をメインとして普通のスマホ比率にする(開いたら正方形になっちゃう)のか、開いた状態をメインとして黄金比を採用する(閉じると細くなっちゃう)のどちらかを選ぶしかないという事なのです。

理想のアスペクト比を目指して

このジレンマの中でどこを落としどころにするのか?

閉じた状態で片手操作もしつつ、開いた状態でなるべくディスプレイを最大限活かす。と考えた場合、私はFind Nではなく、Galaxy Z Fold3の方が「利便性の高いアスペクト比だ」と感じます。

ただもっと言うなら、私は初代Foldの黄金比が一番良かったかなと思います。確かに初代Foldはカバーディスプレイの横幅も狭く(縦も小さかったですが)使いづらいので、ほんの少しずつ縦と横に拡張して黄金比を維持しつつ今のGalaxy Z Fold3との中間くらいの大きさでまとめてくれたら美しい気がします。

高さを16.5~17cmくらいに抑えて、ベゼルを更に細くできれば非常にバランスの良い折り畳みスマホになりそうですね。

さて、現状の折り畳みスマホとしては「モアベター」な落としどころとしてメインディスプレイに電子書籍黄金比を採用するのが良いのでは?と結論付けましたが、もちろん理想は「閉じて普通のスマホ」「開いて黄金比」です。

このジレンマを突破する為に「ローラブル」というアイデアに辿り着くことになります。普通のスマホの横幅を黄金比まで広げるという事です。折り畳みスマホの宿命である「閉じた状態×2=開いた状態」という計算式を無視して、ローラブルなら好きなサイズに拡張する事が出来ます。

まだまだローラブルは技術的、コスト的に実用出来るようなものではないんだと思いますが、期待される一つの方向性だと思います。個人的にはローラブルはギミック的には面白いですが、ディスプレイ面がどうしても柔らかくなるので傷つかないように防護するのが大変だろうなーと思っています。普通のアイデアのケースではあの構造はカバーできないでしょうし。

更には「三つ折り以上の折り畳み」「折り畳み+ローラブル」など様々な構造が検討され始めているようですが、操作性、重量、耐久面などへの配慮はさることながら、どこまでいっても単なるギミックで終わるのではなく「片手操作」「様々なコンテンツ視聴」など得られる体験の最適解であって欲しいと思います。

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