2023年11月Amazonのブラックフライデーを見ていて「ロボット掃除機が欲しい!」と思い立ちました。我が家は床に散らかってるものが多く導入してこなかったんですが、最近のモデルは相当賢くなってるんじゃないかと調査を決意。
知識ゼロからのスタート
今まで買った事がないロボット掃除機。知識はゼロです。「あれでしょ?ルンバでしょ?でも他にも色々あるらしいね。家電量販店でよく見るよ」これが私の知識。
一応カメラを使ったセンサーで自動マッピングしてくれたり、障害物を避けたり、そして自分でベースに戻って充電するというくらいは聞きかじってるんですが、モデルによって何が違うのか?メーカーによってどんな特徴があるのか?は全く知らない状態。
インターネットで勘所を探る
まずはロボット掃除機の比較サイト、レビューサイト、ランキング形式での紹介サイトなどを流し見してみました。
およそ分かったのは、世界ナンバー1のiRobot ルンバ。世界2位のECOVACS。それに次いでRoborock、新進気鋭のDreame。この4メーカーがほぼ頂上4メーカーだと思いました。他にAnker、Switchbotなどもありますがこれらは比較的リーズナブルモデルとしての評価が高い模様。
我が家ではスピーカーなどにガツガツ当たられると困る、カーペットもあればケーブル類も這っているので、買うなら能力の高いものがいいかな?と思いiRobot(アイロボット)、ECOVACS(エコバックス)、Roborock(ロボロック)、Dreame(ドリーミー)の最強を調べてみる事にしました。
最初に目を付けたのはECOVACS「X1 OMNI」と「T20 OMNI」
Amazonブラックフライデーでお得に見えたのはECOVACSのX1 OMNI。通常158,000円が37%オフの99,800円。他T10 OMNIというモデルが149,800円から47%オフの79,800円。
ただX1 OMNIやT10 OMNIは2022年モデル(型落ち)だから安くなっているようで、後継の2023年モデルとしてX2 OMNIとT20 OMNIが出ていました。最新&最高級のX2 OMNIは何と239,000円もします。実売20万円切りくらいまでいけますがそれでも値段が2倍に跳ね上がります。一方、T20 OMNIは13万円程度で買えそうなのでX1 OMNIよりもう一声で買えなくもない。という価格レンジ。
最高級モデル | 2番手モデル | |
2023年 | X2 OMNI(実売20万円) | T20 OMNI(実売13万円) |
2022年 | X1 OMNI(実売10万円) | T10 OMNI(実売8万円) |
ここで照準をX1 OMNIとT20 OMNIに合わせてみました。
X1 OMNI | T20 OMNI | |
年式 | 2022年モデル | 2023年モデル |
吸引力 | 5000Pa | 6000Pa |
障害物回避力 | 高い | やや劣る |
モップ洗い | 水 | 温水(より汚れが落ちる) |
モップ乾燥 | 熱風(より乾く) | 温風 |
モップリフト | なし | あり |
なるほど。今どきのロボット掃除機は吸引してくれるだけじゃなくて水拭きまでしてくれるのか。それは是非採用したい。しかもカーペットを通るときはモップを自動で持ち上げて濡れないようにするギミックやモップを洗浄乾燥してくれる機能があったり。
▶カーペットに来たら自動でモップを持ち上げて浮かしてくれるモップリフト
▶ベースに戻ったら自動で洗浄&乾燥
ただ、それにしてもこの2モデル、なんて嫌らしい機能差なんでしょう。「最強モデルの型落ち」と「2番手モデルの最新機種」が結果同じくらいの価格になり機能面では一長一短あって決めきれなくなる白物家電あるあるです。
この流れは良くないんです。なぜなら結局「最強モデルの最新モデル」を買うしかない!という判断に陥りがちだからです。ちなみに最強のX2 OMNIも加えるとどうなるか。
X2 OMNI | X1 OMNI | T20 OMNI | |
年式 | 2023年モデル | 2022年モデル | 2023年モデル |
吸引力 | 8000Pa | 5000Pa | 6000Pa |
障害物回避力 | 最強 | 高い | やや劣る |
モップ洗い | 温水 | 水 | 温水 |
モップ乾燥 | 熱風 | 熱風 | 温風 |
モップリフト | あり(1.5cm) | なし | あり(0.9cm) |
形状 | スクエア型 | 丸型 | 丸型 |
ほらやっぱり。いや、そうでしょうね!もうX2 OMNI圧倒的最強じゃないですか。そして値段も最強。これはズルい。正直X1とT20の比較で明らかにこっちが良い!となっていれば妥協しやすいんですが、そこが一長一短になってしまうと、もうどれも選べなくなってしまいます。
左:X2 OMNI 右:T20 OMNI
しかもX2 OMNIは掃除機の形状も「丸」から「スクエア」になりやや四角形になったことで角っこの隅までしっかり掃除できますと来てる。
10万円レベルのお金を出して長く使うのであれば、あまり中途半端なものを買うよりいくところまで行った方がいい気がする・・・という白物家電あるあるに完全にハマってしまい、一度仕切りなおすことにしました。
ルンバ最強モデル「s9+」と「コンボj9+」も悩ましい関係だった
次にルンバ最強を調べてみるとECOVACS以上に悩ましいモデル状況だと分かりました。
ルンバでは最強の吸引力の高級機「s9+」があるんですが水拭きに対応していない。そして水拭きに対応している最高モデル「コンボj9+」は吸引力ではs9+に劣るというジレンマ。
s9+ | コンボj9+ | |
年式 | 2022年 | 2023年 |
吸引力 | iシリーズの4倍 | iシリーズの2倍 |
水拭き | なし | あり |
障害物回避 | なし | あり |
形状 | D型 | 丸型 |
まずもってルンバは他メーカーが示している吸引力「●パスカル」というスペックが公開されておらず、自社モデルとの対比で語られています。吸引能力はブラシや構造など色んなものに左右されるので「単純なパワー比較で能力差を図るべきではない」と言いたいのかもしれませんがめっちゃわかりづらい。s9+はj9+の2倍の吸引力があるという事なんですがそもそも「2倍ってなに?」って感じです。
左:s9+ 右:コンボj9+
そして形状もs9+はD型で先ほどのX2 OMNI同様隅っこまでしっかり掃除ができる形状をしています。でもs9+には水拭きがない物足りなさと、障害物を回避せずガンガン当たっていく!という弱点があります。
ECOVACSには全部入り最強の「X2 OMNI」がいましたが、ルンバはその唯一無二の最強モデルが存在せず、この2モデルのどちらかを選択せざるを得ないのです。ルンバ最強モデルが欲しい人はどっちを選ぶんだろう・・・と思いました。
カタログスペックから4大メーカーを細かく比較してみる
という事で、一旦整理する形でカタログやネット情報ベースではありますが、ここからは4大メーカーを比較しながら進めていきましょう。
比較最強7モデル
ECOVACS(エコバックス)最強モデル DEEBOT X2 OMNI
ECOVACS(エコバックス)2番手シリーズ DEEBOT T20 OMNI
iRobot(アイロボット)最強の吸引力 ルンバ s9+
iRobot(アイロボット)水拭き対応最高モデル ルンバ コンボj9+
Roborock(ロボロック)最強モデル S8 Pro Ultra
Roborock(ロボロック)高性能コスパモデル Q Revo
Dreame(ドリーミー)注目のAIロボット掃除機 DreameBot L20 Ultra Complete
左:Robotrock S8 Pro Ultra 右:DreameBot L20 Ultra Complete
※後に触れますがRoborockは最新モデルのS8 Pro Ultraよりも、先代のS7 MaxV Ultraの方が優秀という声もありました。
吸引力&水拭き
まずは一番核となる吸引に関する比較から見てみましょう。
ECOVACS ECOVACS iRobot iRobot Roborock Roborock Dreame DEEBOT
X2 OMNIDEEBOT
T20 OMNIルンバ
s9+ルンバ
コンボj9+S8 Pro Ultra Q Revo DreameBot
L20 Ultra
Complete形状 スクエア型 丸型 D型 丸型 丸型 丸型 丸型 吸引力 8000Pa 6000Pa iの4倍 iの2倍 6000Pa 5500Pa 7000Pa ブラシ シングル シングル デュアル デュアル デュアル シングル シングル サイドブラシ 3束×1基 3束×2基 5束×1基 3束×1基 3束×1基 3束×1基 3束×1基 水拭きモップ デュアル回転 デュアル回転 なし フラット
前後運動フラット
デュアル振動デュアル回転 デュアル回転&
エクステンド
まず形状は丸型が主流ですが、なかなか丸型だとスムーズに隅っこの吸引が出来ません。ここはスクエアやD型が優位だと思います。
吸引力についてはローエンドモデルは2000Paレベルのものもあり、5000Paあればハイエンドとされています。そんな中6000Paというのは一部メーカーのトップクラスでしか実現していない吸引力です。そしてL20UCの7000Pa、X2の8000Paに至っては業界でも突出した吸引力だと言えます。iRobotは自社モデルとの対比としてしか語られていませんが、j9+がミドルレンジであるiシリーズの2倍となると各社6000Paクラスと差し支えないのではないでしょうか。s9+はそれ以上と考えますがX2の8000Paまで至るかどうかは何とも言えないところです。
さてブラシとモップ部分については実際の裏面写真を見ながら確認してみましょう。
最初はECOVACS 左:X2 OMNI 右:T20 OMNI
X2 OMNI は左上にサイドブラシが1基付いています。毛は3束出ていますね。そしてメインの吸引部分は20cmのロングブラシ。下の方に2つの円形のモップが付いています。このモップは1分間に180回転するもので加圧しながら拭いてくれます。
T20 OMNIは左右にサイドブラシが付いています。メインブラシはやや短い16.8cm。モップ部分は共通で1分間180回転のモップが2枚付いています。モップサイズはやや小さいようです。スクエア型のX2の方が壁ぎりぎりまで寄ってゴミを掻き入れてくれ感じがしますね。
続いてはiRobot ルンバです。左:s9+ 右:j9+
s9+は左上に一つサイドブラシがあります。短い毛が5束付いていますね。またメインブラシは非常に長くしかもデュアルです。D型をしているので壁際ギリギリまで掻き入れられそうです。この辺り確かに単なるパスカル値では表せない吸引能力を感じさせてくれます。水拭きは出来ないのでモップは付いていません。
コンボj9+も左上にサイドブラシは1基。毛は3束です。s9+よりは短いですがデュアルブラシになっていますね。モップがないように見えますがコンボj9+は水拭き対応です。普段は天面にあるモップがウイーンと稼働して下記のような場所に移動してきます。
特に回転も振動もなく前後に雑巾がけのような動きをする事で水拭きをしていくようです。
次はRoborockです。左:S8 Pro Ultra 右:Q Revo
S8 Pro Ultraは左上にサイドブラシが1基。毛は3束。中央にそれほど長くはないですがデュアルブラシが搭載されています。下部には大きなモップ。2か所が1分間3000振動し600gの過重で床に押し付けて水拭きするそうです。結構強力な雰囲気ですね。
Q Revoも左上にサイドブラシ1基。毛は3束。中央にシングルブラシという構成(サイズが小さいように見えますが写真の切り取りの問題で実際はS8と同じ大きさです)こちらはECOVACSのように円形のモップが2つついており加圧しながら1分間に200回転するそうです。ECOVACSより20回転多いですね。
最後にDreameBot L20 Ultra Complete
やはり同じく左上に3束のサイドブラシ1基。長さが普通のシングルブラシ。そして加圧しながら回転するデュアルモップです。他のモデルと比較すると非常にオーソドックスでさほど特徴は感じない見た目ですね。ただ、L20UCにはモップエクステンドという機能が搭載されており、壁際ではモップが稼働して外に張り出し端っこまで水拭きしてくれます。これは驚きの機能ですね。また、L20UCはベースステーションで洗浄液が自動投入される機能も付いており水拭き機能への本気度が伺えます。
※洗浄液は各社考え方が違い、ECOVACSなどは専用洗浄液も用意していますが基本は不要のようですし、Roborockは洗浄液非推奨のようです。
モップ洗浄機能
さて、水拭き機能が付いているモデルは全てベースに水タンクがあり、そこから本体に自動給水してくれます。この辺りのモデルは自動給水が当たり前ですね。そして水拭きが終わって戻ってきた後ベースステーションでモップを洗浄、乾燥してくれる機能に違いがありました。
ECOVACS ECOVACS iRobot iRobot Roborock Roborock Dreame DEEBOT
X2 OMNIDEEBOT
T20 OMNIルンバ
s9+ルンバ
コンボj9+S8 Pro Ultra Q Revo DreameBot
L20 Ultra
Complete水拭き機能 あり あり なし あり あり あり あり モップ自動洗浄 温水 温水 - 非対応 水 水 水 モップ乾燥 熱風・温風 温風 - 非対応 熱風 熱風 熱風
これはECOVACSが優秀です。モップを温水で洗浄することで強力に汚れを落としてくれます。そしてそのモップをX2 OMNIは熱風で乾燥させてくれるという事ですね。T20は温風なのでやや低い温度なんだと思います。
残念なのはルンバ コンボj9+です。水拭きに対応しているにも拘らずモップの自動洗浄に対応していません。ステーションベースに戻ってきてもモップが濡れっぱなしという事でしょうか。これは気になりますよね。iRobotはロボット掃除機とは別に水拭き専用のブラーバというロボットを持っているので、2in1へ力を入れるのが出遅れているのだと思います。
RoborockやDreameBotは洗浄こそ水ですが乾燥は2モデルともに熱風なのは良いと思います。
ここはECOVACS X2 OMNIの勝ち。ついでT20 OMNI、Roborock、DreameBotでしょう。残念ながらルンバは相手になりません。
本体の環境対応能力
家の中にはいろんな環境がありますが障害物は回避するのか?どこへでも行けるのか?そんな環境への対応力を比較してみましょう。
ECOVACS | ECOVACS | iRobot | iRobot | Roborock | Roborock | Dreame | |
DEEBOT X2 OMNI |
DEEBOT T20 OMNI |
ルンバ s9+ |
ルンバ コンボj9+ |
S8 Pro Ultra | Q Revo | DreameBot L20 Ultra Complete |
|
モップリフトアップ | 15mm | 9mm | - | 天面まで | 5mm | 7mm | 10.5mm& 自動着脱 |
段差越え | 2.2cm | 2cm | 2cm | 2cm | 2cm | 2cm | 2cm |
障害物回避 | あり | あり | なし | あり | あり | あり | あり |
本体の幅 | 32cm | 36.2cm | 31.2cm | 33.9cm | 35.3cm | 35.3cm | 35cm |
本体の厚み | 9.5cm | 10.35cm | 8.9cm | 8.7cm | 9.65cm | 9.65cm | 10.38cm |
落下防止反応 | 2cm以上 | 2cm以上 | 10cm以上 | 10cm以上 | 4~7cm? | 4~7cm? | ○ |
まずはモップリフトアップ。これは水拭きモップがそのままカーペットをベチャベチャにしないよう、カーペットではモップを持ち上げて床に触れないようにできる機能です。X2 OMNIの1.5cmリフトアップするのは安心感がありますね。ルンバ コンボj9+は天面までグイっと移動させますので完璧です。
▶X2 OMNIの1.5cmリフトアップ
▶コンボj9+の天面まで持ち上げるモップ
Roborockは比較するとやや物足りないかな?と思いました。そしてここでもDreameBot L20UCは秀逸の機能を搭載しています。毛足の短いカーペットでは10.5mmリフトアップして対応、毛足の長いカーペットを感知すると自動でベースステーションに一度戻って、モップを取り外してまたカーペットに戻ってくる「モップ自動脱着機能」が搭載されているのです。賢すぎる。
次に段差越え。どのモデルも2cmの段差を超えられるようですがX2 OMNIだけ2.2cmまで超えられます。この2mmがどれほど違うのか何とも言えませんが敢えてここに差別化を持ってきている以上、ちょうど2cmくらいの段差だとX2 OMNIは力強く乗り越えてくれるのかもしれませんね。
そしてカタログベースでは一番比較しづらい障害物回避ですが、ルンバs9+はこの障害物回避の機能が備わっていません。そもそも前面にカメラも付いていないのでここは大きく見劣りするところです。この1点だけでもs9+は選択肢から外すべきでは?と感じます。一方コンボj9+はしっかり障害物回避機能が備わっています。ECOVACSやRoborockも障害物回避能力がありますがDreameBot L20UCはAI+3D物体回避システムで比較しても優秀なようです。更にはLEDライト自動点灯などの機能も素晴らしいですね。
▶L20UCは暗い場所では自動でLEDライトを点灯させる
さて次は本体の幅と厚みです。幅がコンパクトなほど狭いところでも通れますし、高さが低いほどラックの下など隙間に入っていく事が出来ます。この点では幅はECOVACSのX2とルンバs9+が優秀ですね。丸型ではない点も有利に働いています。厚みはルンバの圧勝です。T20 OMNIやL20UCは直径も大きく、高さもあるのでこの辺りの小回りは弱そうですね。
最後に落下防止機能これは階段など大きな段差を見つけたときにそれ以上進まないようにする機能です。ECOVACSは何と2cmの段差すら落ちないようにしてくれるようですがむしろ2cmならそのまま進んで欲しいですよね。実際2cmの段差は超えていくと言っている訳ですし。逆に10cmくらいの段差がない限り突き進んでしまうモデルは行ったら戻ってこれなくなりますよね。この辺実際にはそれぞれのモデルで賢い制御がされてるんだろうと思います。
カメラ&マッピング機能
マッピング機能はどのモデルも優秀だと思います。利用比較していないので実際にはどれが賢い、どれがイマイチなどあるんだと思いますが、ここはカタログベースでの調査としては結論無しとしたいと思います。
どのモデルも掃除を予約したり、特定場所のみの掃除、進入禁止エリア、など細かく指示が出来るようでこの辺りの機能差もあまりないように思いました。ざっと見る限り機能実装としてはどれも十分だと思いましたが、結局どのくらい賢いか?ですね。ここは実際のレビュアー達の評価を後述します。
ベースステーションの大きさ
※本体が収納される基地(ドック)については各社呼び名が違いますがここでは便宜上「ベースステーション」で統一します。
ロボット掃除機は掃除機本体の大きさも重要ですが、最後に戻る自分の家「ベースステーション」もなるべくコンパクトな方がいいですよね。ただベースステーションにはゴミを自動収集して溜めておく機能や、水拭きの為の清水と汚水を溜めるタンクが必要なのでどうしても大きくなってしまいます。容量とコンパクトさはバーターにもなりますが少し見てみましょう。
ECOVACS | ECOVACS | iRobot | iRobot | Roborock | Roborock | Dreame | |
DEEBOT X2 OMNI |
DEEBOT T20 OMNI |
ルンバ s9+ |
ルンバ コンボj9+ |
S8 Pro Ultra | Q Revo | DreameBot L20 Ultra Complete |
|
ベース幅 | 39.4 | 44.8 | 39 | 40.1 | 42.6 | 34 | 42.6 |
ベース奥行き | 44.3 | 43 | 31 | 41.7 | 51.4 | 48.7 | 49.9 |
ベース高さ | 52.75 | 57.8 | 49 | 41.5 | 45 | 56.1 | 60.65 |
ゴミ捨てサイクル | 60日 | 60日(3L) | 1年 | 数か月 | 60日(2.5L) | 60日(2.7L) | 75日(3.2L) |
水タンク(清/汚) | 4L/3.5L | 4L/4L | - | ? | 3.5L | 5L/4.2L | 4.5L/4L |
ゴミ捨てサイクルについては水拭き対応モデルはそれほど差がないかな?と思います。水拭き非対応のS9+だけ1年に1回のゴミ捨てで良いという異常なまでの溜め込み方ですね。水タンクはちょっと容量差が調べきれませんでしたがこれもさほど大差ないと思います。トータルで見るとDreameBot L20UCが少しずつスペックが高い感じがしますね。その分本体サイズも大きい。
では次はベースステーションの大きさです。並べて上から見下ろしたイメージです。
s9+は水拭き非対応なので別格として、水拭き対応モデルの中で奥行きの短いコンボJ9+に合わせて線を引いてみました。それほどどれも変わりませんが、DreameBotのL20UCやRoborockのS8 Pro Ultraはやや奥行きが長いと感じるかもしれませんね。横幅も大事ですが奥行きが長いと置き場所が悩ましくなると思います。
次に高さです。
これも最も低いのはコンボj9+でした。横幅も比較的小さいですし良いですねコンボj9+。T20 OMNIとL20UCは高さが際立っていてちょっと圧迫感を感じるかもしれません。
大きさという面ではルンバ コンボj9+の圧勝。次いでS8 Pro Ultra、X2 OMNIと続く感じでしょうか。何気にQ Revoは横幅が狭くてスリムなのは良いですね。
その他
ほかにもロボット掃除機を比較すべき点はいろいろあると思います。ただあまり考慮しなくて良いかな?と思ったのは、本体の重量、最大稼働時間、見守りカメラの有無などです。一通りの掃除を自動でやってくれれば良いので、この辺りの性能差は気にしないで良いと思います。
またカーペットでは吸引力がブーストされる機能、目地に沿って掃除してくれる機能、水拭きを強力にする機能、ベースステーションのクリーニング機能、など色々固有の差別化ポイントはあるようでしたが、一律的に比較することが困難でしたので今回は割愛しました。そのあたりの機能に惹かれて掃除機の選択をするのも良いと思います。
カタログベースでの総合比較
さてでは比較してきた要素をまとめて振り返ってみましょう。
ECOVACS | ECOVACS | iRobot | iRobot | Roborock | Roborock | Dreame | |
DEEBOT X2 omni |
DEEBOT T20 OMNI |
ルンバ s9+ |
ルンバ コンボj9+ |
S8 Pro Ultra | Q Revo | DreameBot L20 Ultra Complete |
|
形状 | スクエア型 | 丸型 | D型 | 丸型 | 丸型 | 丸型 | 丸型 |
吸引力 | 8000Pa | 6000Pa | iの4倍 | iの2倍 | 6000Pa | 5500Pa | 7000Pa |
ブラシ | シングル | シングル | デュアル | デュアル | デュアル | シングル | シングル |
サイドブラシ | 3束×1基 | 3束×2基 | 5束×1基 | 3束×1基 | 3束×1基 | 3束×1基 | 3束×1基 |
水拭きモップ | デュアル回転 | デュアル回転 | 水拭き なし |
フラット 前後運動 |
フラット デュアル振動 |
デュアル回転 | デュアル回転& エクステンド |
モップ自動洗浄 | 温水 | 温水 | - | 非対応 | 水 | 水 | 水 |
モップ乾燥 | 熱風・温風 | 温風 | - | 非対応 | 熱風 | 熱風 | 熱風 |
リフトアップ | 15mm | 9mm | - | 天面まで | 5mm | 7mm | 10.5mm& 自動着脱 |
段差越え | 2.2cm | 2cm | 2cm | 2cm | 2cm | 2cm | 2cm |
障害物回避 | あり | あり | なし | あり | あり | あり | あり |
本体の幅 | 32cm | 36.2cm | 31.2cm | 33.9cm | 35.3cm | 35.3cm | 35cm |
本体の厚み | 9.5cm | 10.35cm | 8.9cm | 8.7cm | 9.65cm | 9.65cm | 10.38cm |
落下防止反応 | 2cm以上 | 2cm以上 | 10cm以上 | 10cm以上 | 4~7cm? | 4~7cm? | ○ |
ベース幅 | 39.4 | 44.8 | 39 | 40.1 | 42.6 | 34 | 42.6 |
ベース奥行き | 44.3 | 43 | 31 | 41.7 | 51.4 | 48.7 | 49.9 |
ベース高さ | 52.75 | 57.8 | 49 | 41.5 | 45 | 56.1 | 60.65 |
ゴミ捨てサイクル | 60日 | 60日(3L) | 1年 | 数か月 | 60日(2.5L) | 60日(2.7L) | 75日(3.2L) |
水タンク(清/汚) | 4L/3.5L | 4L/4L | - | ? | 3.5L | 5L/4.2L | 4.5L/4L |
カタログスペック上で見るとX2 OMNIの優等生ぶりが光りますね。必要な要素を全て押さえた全部入り。という感じがします。ここまでを簡単に評価してみます。
モデル | カタログや準ずる情報のみでの評価 |
X2 OMNI | 形状、吸引力、水拭き機能、自動洗浄&乾燥など仕様上の弱点が見当たらないモデル |
T20 OMNI | 吸引力でX2に劣るものの、それ以外は優等生。本体もベースもやや大きいのが残念。 |
s9+ | 吸引力は確かに凄いんでしょうが、水拭きが出来ない、障害物が回避できないというのは致命的 |
コンボj9+ | 非常にバランスが良くT20 OMNIと甲乙つけがたいが、モップの洗浄/乾燥機能がないのが痛い。 |
S8 Pro Ultra | モップ、洗浄乾燥など機能実装としては申し分ない。吸引力などその他の機能は平均的。 |
Q Revo | S8の弟分。必要な機能は網羅。デュアル回転モップなど違いもあるが突出したところはない印象。 |
L20UC | 吸引も水拭きも優秀。モップ自動脱着やエクステンドなど独自機能が良い。本体もベースも大きい。 |
他者の調査結果を参考に加えていく
ここまではカタログベースでの仕様評価でした。実際に試したわけではないので「想像」の域を出ません。ここからは最終候補として最強王者の「X2 OMNI」死角の少ない「S8 Pro Ultra」独自の機能で差別化を図る「L20UC」の3モデルに特に注目。更に「Q Revo」も加えながら他者のレビューを見ていきたいと思います。残念ですがX2 OMNIの下位互換のT20 OMNIやiRobotはこの時点で脱落です。
※ちなみにQ Revoは国内2023年12月発売なのでまだ実検証情報がほとんどありません。先行している海外の情報のみとなります。
家電批評などの商業誌はどう評価しているか
まずはガジェット系雑誌群。家電批評、GETNAVI、MONOQLO、GoodsPressなどでの取り上げられ方を見てみましょう。もちろん商業誌である以上「恣意的な評価」が混じらないとも限りませんが、どのような機能をどう評価しているか?についてはやっぱりカタログベース以上の価値があります。
最近号まで確認しましたが最新モデルまで網羅して比較しているのは「家電批評」だけでした。
家電批評ランキング
1位 Dreame DreameBot L20 Ultra Complete
2位 Roborock S7 MaxV Ultra
3位 iRobot ルンバ コンボj9+
4位 ECOVACS X2 OMNI
私のカタログ評価との違いに驚きました。まずもってRoborockはS8 Proよりも先代のS7 MaxV Ultraの方が優秀との事でした。毛髪の取り残し、音が大きい、アプリの機能が劣るなどだそうです。ただここはソフトウェア含めた成熟度由来の部分もありそうでS8 Pro Ultraも概ね同等の力があると見て良いかもしれません。
そしてランキング4モデルとして見ると、まずL20が1位。なるほど。と思いました。ロマン溢れる技術投入がされているので只者ではないとは感じていましたが「家電批評」での評価としてまず「障害物回避能力」が抜群に高いとのこと。これはカタログ上では全く分からない事なのでとても参考になります。そして、吸引力、水拭き、マッピングなど死角がなく、消耗品同梱物も多いという実評価ならではのポイントも挙げられていました。弱点があるとすればベースステーションが大きいこと。とまさに私も気になったところだけしか挙げられていない事を見ると、本当に実際に使ってみても弱点がないんだろうと思います。
つぎにX7 maxV Ultraですが、吸引性能は4台の中で最高。ただ水拭きは弱いという評価でした。
X2 OMNIが弱いとされたのは「マッピング」と「障害物回避」でした。私が候補から外したコンボj9+は障害物回避はそこそこ優秀なようですね。ただコンボj9+と比べたらL20UCが完全上位という評価になっています。
家電批評では16項目に及ぶ細かい点数付けでしたが、ざっくりまとめるとこんな評価になるようです。
1位 L20UC | 2位 S7 MaxV Ultra | 3位 コンボj9+ | 4位 X2 OMNI | |
吸引性能 | ○ | ◎ | ○ | ○ |
水拭き性能 | ○ | △ | △ | ◎ |
障害物回避 | ◎ | ○ | ○ | △ |
マップ | ◎ | ◎ | ◎ | △ |
ちなみに、S7 maxVやコンボj9+にはモップ乾燥機能がなく、モップの匂いやメンテを考えると結構な差別ポイントではないか?と思うんですが触れられていませんでした。S8 Pro Ultraは乾燥機能も付いていますしので最新モデルのメリットはあると思うんですけどね。またS7 MaxVはモップリフト機能もありませんのでそもそも水拭きは弱いと思われます。
ほか、MONOQLOでもベストとして「L20UC」が紹介されていましたので軒並み「L20UC」の評価が高い印象ですね。GETNAVIやGoodsPressは最新モデルまでの評価がされていませんでした。
ランキング系サイトではどう評価しているか
次に参考にしたいのはランキング系Webサイトです。比較的アップデートが頻繁に行われているのが「mybest」です。
このサイトではミドルレンジやローエンドモデルも含めてコスパ含めてランキングとして出しているので必ずしもハイエンドの最高級モデルが1位という評価にはならないようです。
- X2 OMNI は11位(4.11点)
- S8 Pro Ultra は12位(4.09点)
- L20 UC は27位(3.81点)
- X2 OMNIの評価
ゴミの吸い残しは少ない。マッピングも回避性能も良い。逆に台や脚を避けて吸い残しが出る事も。高さ10cmまで潜れ、2cmの段差も乗り越える良機という評価でした。 - S8 Pro Ultraの評価
モップは外せるがカーペットにテープが張り付くのでモップは常時付けておいた方が良いとの事。一方モップが5mmしか上がらないのでカーペットに引っ掛かることもあるとか。全体を通してみると吸い残しは少なく吸引力は良い。稼働音も静か。 - L20 Ultra Completeの評価
モップの脱着を始めその機能性は高く評価。一方大きめなので台の下に潜れない、カーテンを壁と認識するなどで「通った場所はゴミを残さない」が「そもそも通らない場所が多い」という評価でした。
先ほどの家電批評とは打って変わってL20UCの評価が低いですね。L20Uはめちゃくちゃ賢いので逆に色んなものを避けてしまう。あと大きいので入れない場所も多い。というのが弱点のようですね。また稼働音もL20UCは他の2モデルと比べてやや大きいようです。
ちなみにコンボj9+は22位(3.92点)でした。
海外レビューサイトはどう評価しているか
さぁ、日本の商業誌やランキングサイトを見ましたが、次は海外の評価を見てみたいと思います。個人的には海外レビュアーは忖度なく冷静なレビューをしてくれる印象があり信頼しています。
※L20 Ultra に「Complete」が付くのは日本限定で付属品が違うだけのようです。海外レビューでは「L20U」と表記します。
まずはAndroidPolice
このサイトの評価を簡単にまとめると以下のとおりでした。
- X2 OMNI 8.5点
- S8 Pro Ultra 9.5点
- L20 UC 7.5点
- Q Revo 9点
ここではX8 Pro Ultraの評価が高い結果となりました。
- X2 OMNIの評価
・カメラの出っ張りがなくなったことで家具の下に潜りこみやすくなった。
・自動洗浄良し。ベースステーションのサイズ感良し。消耗品の付属が少ない。アプリに癖はあるが優秀。
・床掃除素晴らしい。障害物回避も良好だがケーブルは避けない。長方形の形状は円形より家具に引っ掛かりやすく脱出を手助けする事も。
・水拭き賢い。モップリフトアップも良い。モップの洗浄乾燥も良い。洗浄液はあってもなくても良い。 - S8 Pro Ultraの評価
・マップ作成時に様々な設定、定義などができるが「部屋の削除」が出来ないので架空の部屋で立ち往生することも。
・多彩な障害物を認識できる。ケーブル、靴、カーテンなど見事に避ける。難しい状況からも脱出する。
・吸引やモップの柔軟なカスタマイズ。吸引は効率的で信頼性がある。音も静か。
・モップの機能性も良いが頑固な汚れは一度では取れない。洗浄乾燥最高。洗浄液は推奨されていないが入れると洗浄効果が上がった。 - L20 Ultra Completeの評価
・自動識別のマップ作成。但しRoborockよりも正確でない。一部手動再作成する必要がある。
・木目に合わせた掃除、洗浄液自動追加、きれいでなければ再洗浄、モップエクステンド、リフトアップや脱着など機能の良さ
・吸引力良し。モップ掛けは洗剤を使用しても頑固な汚れに苦戦。他モデルに劣る。AI機能で2度目の掃除をして綺麗にするがその分時間が掛かる。
・障害物回避に慎重になりすぎ周囲の掃除されていないスペースが大きくなる。途中で物体を取り除いてもずっとそこに障害物があるような振る舞いをする(どけてもそこを掃除してくれない) - Q Revoの評価
・障害物回避機能はS7 Max Ultraと同一のもの
・5500Paだが1回で汚れや誇りをすべて取り除いた。ミドルレンジのモデルとして非常に優秀
・Sシリーズのモップと比べて不満はない
・トータルではSシリーズに劣るが、価格を見れば非常に優秀
X2 OMNIがスクエア型になったのは隅まで掃除出来て良いと思っていましたが、家具に引っ掛かる、ハマると抜け出せないというデメリットもあるんですね。またL20Uの回避能力が高いのもプラスに考えていましたが逆に「避けすぎる」というデメリットは興味深い視点でした。
次はNETZWELT
- X2 OMNI 8.7点
- S8 Pro Ultra 9点
- L20 UC 9点
- X2 OMNIの評価
・背が低く家具の下にも届く。暗い場所や夜間の掃除の為のLEDサポートがない
・マップ制度は十分だが、分割、結合、仮想境界線などの設定はした方が良い
・部屋を正確に移動し、障害物を回避するが小さいケーブルなどは認識しない
・椅子の間に挟まる、ローボードの下敷きになる、などで救助が必要な事がある
・隅の掃除は良く、幅も狭いので狭い場所もいける。2.2cmを越えられる。リフトアップ良い。
・吸引力、拭き取り力が非常に高い。 - S8 Pro Ultraの評価
・マッピング、障害物検知優秀。ケーブルなどは吸い込むかも。
・吸引力良し
・モップ掛けは最良とは言えない。回転式の方が良いのでは(X2 OMNIのように)
※他2モデルより先行したレビューなのとアプリなどについての考察が多かったです。 - L20 Ultra Completeの評価
・暗闇でも障害物を検知。カメラ技術が高い。
・椅子の脚などに衝突することがほとんどなく2cm前で停止。ケーブルは12㎝手前で停止
・吸引は最高レベル(X2には劣る)。カーペットも問題なく掃除。コーナーに完全に入ることはできない。
・拭き取りは同等以上。モップリフトアップも良し(X2には劣る)
最後はYourLifeUpdated
このサイトではX2 OMNI とL20Uの比較レビューを確認しました。
L20U 7点:4点 X2 OMNI
マッピングはL20Uの勝ち。X2は四角いので角をぶつける。L20Uのモップ脱着やエクステンドなどが良い。L20Uは洗剤自動投入もある。暗いところをLEDで照らせる。といった感じで全体的にL20Uを褒めるシーンが多かったですね。ただ吸引力はX2が上とのこと。また障害物回避は同等との評価でした。
ちなみに中国の口コミを見ていると「X2 OMNI」と「L20U」だと「X2 OMNI」を推す人が明らかに多い印象でした。
海外Youtuberはどう評価しているか
正直日本のYoutuberで同世代最新モデルを複数比較できる人はほとんどいませんが、海外では割と比較レビューが見つかります。多くの比較サイトがありますがそのうちいくつかを貼っておきます。
上の動画では最後に次のようなスコア評価がされていました。
- X2 OMNI 74点
- T20 OMNI 80点
- S7 Max Ultra 86点
- Q Revo 80点
- L20 UC 74点
なんとX2 OMNIやL20UCよりもT20 OMNIやQ Revoの方が良いという結果です。これも興味深いですよね。
8分20秒あたりから部屋の掃除をし始めていますがX2 OMNIが同じところで無駄な動きを始めたり、人が救助に向かうシーンが何度か出てきます。L20Uは一切放置出来ているのが良くわかります。
X2 OMNIはキワキワまで壁に沿えているのが分かります。でもL20Uもモップ含めて優秀ですよね。X2 OMNIは前面カメラなのでどうしてもキョロキョロしがちです。
L20UとS8 Pro Ultraとの比較で4対1でL20Uの勝ちと評しています。特に端までの水拭き、ナビゲーション、LEDなどの立ち回りでL20Uの評価は高く、それに対してS8 Pro Ultraは個性が発揮されなかったようです。
吸引力は同等。モップリフトなどの優位さもあり3対2でX2 OMNIの勝ちとされています。
上の動画ではQ Revo と S8 Pro Ultraの比較勝負がされており何と8対5でQ Revoの勝ちという結果を出していました。
ざっと見ていると、やはりこの3モデルでの評価はそれぞれマチマチで、必ずしもどれが最強とも呼べないように思えました。ただ実際に動いている動画を見ていてわかってくるのはL20UとX2 OMNIでは結構な違いがあるという事。
- L20Uはとにかく賢く動く。無駄がなく、華麗に障害物を避けるので見ていて気持ちがいい。でも取りこぼしがある。
- X2 OMNIは比較するとバカみたいな動きをする。行って戻ってを繰り返したり、ぶつかったり。でも最終的に角まで含めて吸引しきる。
- X8 Proは良くも悪くもこの中間というイメージがしました。
- Q Revoは2番手モデルでありながらS8 Pro Ultraを上回る要素もありトータルで勝るとも劣らない事を示した。
カタログベースでは気づかなかった「スクエア型は一長一短ある」「回避能力が高すぎるのも時として一長一短になる」といった視点は勉強になりました。
ここまでの各レビューでの評価結果を一覧にしてみます。
▶ポジティブ評価は青 ネガティブ評価は赤
ECOVACS | Roborock | Roborock | Dreame | |
X2 OMNI | S8 Pro Ultra | Q Revo | DreameBot L20 Ultra Complete | |
家電批評 | 4位 | 先代が2位 | 未発売 | 1位 |
mybest | 11位 | 12位 | 未発売 | 27位 |
AndroidPolice | 8.5 | 9.5 | 9 | 7.5 |
NETZWELT | 8.7 | 9 | 未検証 | 9 |
1対1対決 YourLifeUpdated | 4 | ー | ー | 7 |
Vacuum Wars | 74 | 未検証 | 80 | 74 |
1対1対決 M1M Tech Channel | ー | 1 | ー | 4 |
1対1対決 M1M Tech Channel | 3 | 2 | ー | ー |
1対1対決 Cordless Vacuum Guide | ー | 5 | 8 | ー |
X2 OMNIは比較的厳しめの評価。S8 Pro UltraやL20UCは落差が大きいですが評価する人は抜群に評価している印象です。少ない検証ながらQ Revoは安定感がすごいですね。
最終評価
では、最後にスペックと他社のレビュー情報を踏まえて頂上候補4モデルについて本記事独自ポイントを付けてみます。
ECOVACS | Roborock | Roborock | Dreame | |
DEEBOT X2 omni | S8 Pro Ultra | Q Revo | DreameBot L20 Ultra Complete | |
ゴミ吸収力 | 3 | 2 | 1 | 2 |
水拭き力 | 3 | 1 | 1 | 2 |
モップリフト/脱着 | 3 | 0 | 1 | 3 |
モップ洗浄&乾燥 | 3 | 2 | 2 | 2 |
マッピング性能 | 1 | 3 | 3 | 2 |
ナビゲーション | 1 | 3 | 3 | 3 |
障害物回避 | 1 | 2 | 1 | 3 |
隅まで収集 | 1 | 0 | 0 | 0 |
隅まで水拭き | 0 | 0 | 0 | 1 |
力強く速く動く | 1 | 0 | 0 | 0 |
狭い低い所の潜り込み | 1 | 0 | 1 | 0 |
家具に引っ掛からない | 0 | 1 | 1 | 1 |
ベースの設置性 | 1 | 0 | 1 | 0 |
騒音 | 1 | 1 | 1 | 0 |
同梱品の充実度 | 0 | 0 | 0 | 1 |
合計ポイント | 20 | 15 | 16 | 20 |
価格 | 239,800 | 229,900 | 163,900 | 229,800 |
コスパ(1pあたり価格) | 11,990 | 15,327 | 10,244 | 11,490 |
独自スコアの結果としてはX2 OMNIとL20UCが同ポイント1位。そして3位にQ Revoが入る結果となりました。Q RevoはSシリーズの良さを踏襲しながらむしろ総合力ではS8 Pro Ultraを上回る下剋上を果たしておりコスパも圧倒的。
各社トップモデルとは言えそれぞれに特徴(得意不得意)がある事がよく分かりましたね。
一言で特徴をまとめると
- バカで無駄な動きも多いけど掃除力が高い ECOVACS X2 OMNI
- マッピング優等生でそつなく掃除する Roborock S8 Pro Ultra
- とにかく華麗に避けまくり、ゴミまで残してきてしまう DreameBot L20 Ultra Complete
- Sシリーズに負けない能力でコスパ最強 Q Revo
- ECOVACS DEEBOT X20 OMNIを語るなら・・・
仕様的には圧倒的に強いX2 OMNIでしたが3台の中では比較的バカだという事が判明してしまいました。とにかくグイグイ突っ込んでいってハマって出られなくなるとか、繊細な回避をせず触れながら進むとか。でも憎めないのは「結果」を残すという事ですよね。「掃除力」を取るならX2 OMNIでしょう。温水でモップを洗いますし、リフトアップも段差も一番派手に対応してくれます。でも何気に一番コンパクトで狭いところにも入っていけるスマートさも持ち合わせています。どこまでもゴミを拾い続ける元気№1。 - Roborock S8 Pro Ultraを語るなら・・・
最後に、X2 OMNIやL20UCの個性に隠れて地味ながら実は実力派なのがS8 Pro Ultraです。正確にマップを作り、掃除もちゃんとやる。洗浄も乾燥も足りないところはほとんどない。障害物だってきちんと避ける。どんな仕事もしっかりこなすけど、水拭きは弱めでリフトアップも5mmというところからも伺える全体的に控え目で真面目な子。 - Dreame DreameBot L20 Ultra Completeを語るなら・・・
一方、障害物をしっかり回避し、暗い場所でも活躍するクレバーな掃除機がL20UCです。最先端技術が存分に投入された未来を生きる賢い1台で動きを見ていてめちゃくちゃ気持ちがいい。でも賢く避けすぎてうっかりゴミも残してきてしまう事があるお茶目さん。そしてガタイが大きくて狭いところには入っていけないので、そこにもゴミも残しちゃう一面があります。水拭きは端っこまでしっかりやるんですけどね。ロマンとドヤ感に溢れる目立ちたがり屋。 - Q Revoを語るなら・・・
正直ノーマークだった1台。吸引力、障害回避力という重要な点で上位モデルにやや劣るのは仕方ないが、水拭き、洗浄&乾燥、設置性、マップとナビゲーションなどはまさにトップモデルに並ぶ力を持っている。ど真ん中の力では及ばずとも、エリートなバランス力を持ちながらトップに食らいつく偉大なる2番手。
ドラゴンボールで例えるなら、X2=孫悟空、S8Pro=孫悟飯、L20UC=トランクス、Q Revo=ベジータみたいな感じだと思いましたが皆さんいかがですか?(笑)
もちろんこれらネガティブな評価部分は他の最強モデルと比べれば・・・という相対評価であって、基本的にはどのモデルも高い次元で完成されていると思います。あとはこの中の何を優先したいか?で検討していきましょう。各レビュアーの皆さんがどこを重要視するか?でランキングの結果が変わってきたというのが良くわかる調査結果でした。
我が家に導入するならこの候補順
- 個人的な好みで言えば、私はズボラで楽をしたいという思いが強いので「障害物を先に片付けなくても良い」「暗い部屋に電気を点けに行かなく良い」「引っ掛からずにきちんと帰ってくる」という点でL20UCを推したいかなと思いました。そして多少ゴミを吸い込めなくても端っこはモップエクステンドで最後拭き取ってきてくれればOKなんじゃないかと期待します。X2 OMNIといってもゴミ収集は完璧じゃないですからね。それ以上にL20UCが障害物を回避しすぎてしまうのか?ですが、私の場合まずは「楽したい」方が勝ってしまうかも。
- その次はコスパ要素も加味してQ Revoを推したいと思います。といっても値段で妥協している訳ではなくトータルでS8を上回るスコアを持ち、X2よりも賢く振る舞い、ベースステーションもコンパクト。めちゃくちゃゴミを強力に吸わなければいけないとか、障害物に細心の注意を払わなければいけないというような住環境でなければQ Revoで困ることは何一つないんじゃないでしょうか。
- そしてやっぱり捨てがたいX2 OMNIです。ついバカ呼ばわりしてしまいましたが、動画によっては非常に巧みに障害物を避け、壁ぎりぎりを沿うように吸引していくX2 OMNIの姿は気持ち良さすらあります。グイグイ突っ込んでいくのも頼もしい。動画によって無駄な動きをしたり、ハマって脱出できなくなっているシーンがあったのが気になってしまうんですよね。部屋の環境的にそこまでギリギリな場所がなければ特にそういう問題も発生しないと思います。
2023年最強モデルはずばりコレ!と言うのは難しいというのが結論ですが、個人の性格的な好みで言えばL20UCが合う気がします。もう相性ですね。皆さんはいかがでしょうか。自分が求めるもの、環境などと照らし合わせて最適なロボット掃除機を選択頂ければと思います。
※本調査は私自身がロボット掃除機を検討するにあたって調べた結果です。主観的な解釈も含まれている事をご容赦頂けますと幸いです。
そして2024年へ・・・
Q Revo MaxV
そろそろ導入モデルを決めようと思っていた矢先に海外でRoborockからQ Revo MaxVというモデルが発売されたという情報を得ました。Q Revoの上位モデル?でしょうか。
Q Revo MaxV 主な特徴
- 7000Paの吸引力(Q Revoから1500PaUPしてL20Uと同等に)
- 毎分200回転のモップ(Q Revoと変わらず。X2 OMNIは180回転)
- 60度温水洗浄(X2 OMNIは55度。Q Revoは水)&45度の温風乾燥
- モップリフト(Q Revoより3mmUPの10mmまで上昇)
- モップエクステンド(L20Uと同じ機能が付いた!)
- メインブラシリフト(モップ専用時にはメインブラシをリフトさせる。騒音も低減)
- 暗闇でのLEDライト(L20Uと同じ機能が付いた!)
- AIカメラによる障害物回避(L20Uと同等レベル?!)
いやいや、Roborockのマップ技術と安定感に加え、L20UCとX2の強みを全部取り込み、ブラシリフトなる新たな機能まで実装・・・ってもうこれが最強じゃないですか・・・。
日本では発表もされていない新モデルですが海外では発売開始されたようです。日本でも販売されるんでしょうか?
Legee D8 & Lulu
ほかに、2023年12月に発売が予定されているHOBOTのLegee D8 & Luluという製品がミドルレンジながらなかなかツボを付いた商品です。
Legee D8 & Lulu 主な特徴
- 5000Paの吸引力(控えめながら必要十分か)
- 毎分1300振動&800g加圧のワイドフラットモップ
・HOBOTが言うにはデュアル回転よりもロスが少ないとのこと
・本体端までモップが届くのでエクステンドの必要もない - D型構造で隅もカバー(ルンバs9+のような形状で、X2 OMNIより引っかかりにくいのでは?)
- メインブラシの前に吸気口を作ることで毛などをブラシが巻き込むのを防ぐ機構(特許出願)
- 本体の中のゴミを圧縮して多くのゴミを蓄えられる機構
- AIスマートスプレーで汚れに対して水を散布
- LiDARセンサー
- 洗浄&温風乾燥
- 7mmのモップリフト(S8 Proより高くまで)
- コンパクトな本体(直径34cm&高さ9.75cm)
- コンパクトなベースステーション
ミドルレンジモデルなので名ブラシが毛だったり、吸引力なども多少控えめですが、D型形状、コンパクトな本体&ベース、洗浄乾燥、モップリフトアップ、考えられたモップ機構や吸気口、スプレーなどの独自性などなかなか拘った投入がされていて興味が沸きます。
Dreame X30 Pro
そして、Dreameは地元中国ではX30 Proという新モデルを既にリリースしているようです。
DreameBot L20UC | DreameBot X30 Pro | ECOVACS X2 OMNI | |
吸引力 | 7000Pa | 8300Pa | 8000Pa |
モップ洗浄 | 水 | 60度温水 | 55度温水 |
給水/汚水タンク | 4.5L/4L | 4.5L/4.5L | 4L/3.5L |
はい。最強ですね。ただ海外でのLシリーズが中国でのXシリーズなのかと思いきや、中国での前モデルのX20やX10と呼ばれるものもL20Uとは微妙にスペックが違っていたり、それとは別にL30Uというモデルの情報があったりと、もう国によってかなり発売モデルにバラツキがあって情報がつかみきれません。L20UCの「Complete」というのも日本独自だと言いますし。
日本ではL20UCが発売されたばかりなのに、海外では次々と後継モデルが出ているというのは恐ろしい世界ですね。
終わりに
知識ゼロから調べ始めたロボット掃除機ですがこれは果てしない進化の道だと思いました。吸引力はひたすら上がっていくでしょうし、各社互いの機能は全部取り込んでいくと思います。更に国によってモデルが違う、日本最強を調べていたら海外にはもっと強い奴がいる事が分かった・・・という感じでこれは泥沼。
深みにハマって永遠に買えなくなる前に、ここだ!と思ったモデルを買うのが正解だと感じました。