初代Galaxy Foldのメインディスプレイの解像度は2152×1536でした。アスペクト比としては約14:10といったところです。一方Galaxy Z Fold3(Fold2も)は2208×1768ですので、アスペクト比は約12.5:10と更に正方形に近づきました。
これはiPadの基本アスペクト比4:3(13.3:10)よりも正方形に近いという事です。
初代Fold>iPad>Fold3(2)という形でアスペクト比が正方形に近づきましたので、この差がゲームプレイ時に結構大きな影響を及ぼす事になっています。
まずは何も設定を変えず色々ゲームをプレイした印象を見てみましょう。
上手くディスプレイを最大活用出来ているゲーム
もちろんアスペクト比が変わっても、その最大領域までしっかり活用出来ているゲームも沢山あります。
例えば「ウマ娘」などはこの特殊なアスペクト比に対しても最大まで画面を使って表示してくれています。
レースシーンも縦長のスクリーンより迫力が増して良いと思うんですよね。
「マリオカート」なんかも同じく縦横全ての領域をしっかり活用できています。
レースシーンもご覧の通り
少し余剰帯が出るゲーム
次は「ドラクエタクト」これなんかは左右に少し帯が入ってほんの少し幅を活かせていません。
こんな感じで左右に帯が出来ます。でもこのくらいであればバランスも崩れていませんし許容範囲ですよね。
同様のパターンは「ドラゴンボールZドッカンバトル」でもありました。左右に帯が出来ますが、アイコン類はプログラム上端に配置されることになっているので少し帯部分に被るような表示になります。これはこれで実情問題ないと思います。
ちょっと「むむ?!」と思ったのは、稀にこんな感じで帯部分にゴミ映像が入ってしまう事です。プログラム上ここまで横幅が広くなることを想定していなかったという事なんだと思います。このパターンのゲームは幾つか見つけました。ギリ許容できますかね?!
横画面ゲームの例として「プロジェクトセカイ」を見てみましょう。何となく上手く誤魔化していますが上下に本来の背景とは違う背景が帯状に出ています。
あああ。これとかもう「やっちゃった」感じがありますよね。上下帯部分が想定されていない表示が出ちゃってます。
想定されていないデザインになってしまうゲーム
ここからはやや問題が生じるタイプです。「北斗の拳リバイブ」を見てください。キャラクターの顔とメニューアイコンが被ってしまってますよね。これ、本来はここまで顔が被ってしまうレイアウトじゃないんですよ。
ちなみにこのゲームをカバーディスプレイ側で起動するとこんな感じになります。これはこれで横に長すぎますね笑
ただどちらもプレイできると言えば出来るので、許容できるのはこのくらいまででしょうか。
横幅固定で挙動するゲーム
古いゲームでは横幅固定にしてあって、最初から余剰部分にデザイン背景が入るパターンのものもあります。「ポコロンダンジョンズ」なんかは典型ですね。これはこれで潔くていいんじゃないでしょうか。
プレイに必要な情報が欠けてしまうゲーム
さて、困ってしまうのはプレイに必要な情報が見えなくなってしまうパターンです。こちらは「ソウルオブエデン」ですがメニュー画面は不都合なく情報が表示されています。
ところが戦闘画面になると左上に表示されているライバルプレイヤーの名前や右上の残りタイム、更に一番下のエネルギーが溜まっていくバーが見えなくなっています。ここまでくるとプレイに支障が出てしまいますね。
Galaxy Z Fold3(Foldシリーズ)ならではの対応策
さて、こんな表示になってしまってはプレイに支障が出ますので対策を考えないといけません。
Galaxy Z Fold3(Foldシリーズ)には設定の「ラボ」というところに「アプリ毎に縦横比をカスタマイズする機能」が用意されていて「全画面」「16:9」「4:3」「アプリの標準」から選択する事で先述したような不具合や、プレイしづらいアスペクト比を調整する事が出来ます。
例えば先ほどの「ソウルオブエデン」であれば「4:3」を選んでやれば左右に少し帯が出る形でちょうど良いプレイが出来るようになります。これで表示欠けはなくなりますね!
ちなみに16:9だとこんな感じ。単画面で遊ぶなら「4:3」が最適だと思いますがゲーム自体は「16:9」でも十分遊べますよね。このアスペクト比のスマホならこの感覚でプレイされていると思います。
ほかの全画面で余計な帯バグが出るゲームも全部4:3固定にすれば解決です。
あえて「16:9」にする方がオススメなゲーム
基本的には全画面で迫力ある体験を。あるいは「4:3」にしてプログラム上問題が出るケースの補正を。という2択がオススメですが、敢えて16:9のワイド表示の方が快適なゲームもあります。
こちらは「FFBE」です。全画面だと正方形に近くてマップの表示領域が結構狭いんですよね。
16:9にするとご覧の通り。少しマップの表示範囲が左右に広がりましたよね?
そうなんです。ゲームによってはFold3の画面最大化が「縦の表示領域を拡張する」のではなく「横の表示領域を狭くする」という情報削減パターンもある訳です。こういう類のゲームは「16:9」のワイドにしてやることで本来の情報量の表示が可能になります。
同じく「ウォーキングデッド ノーマンズランド」です。街の開拓画面がせせこましい。
ワイドにすると少し上空から見下ろした俯瞰が出来ます。こういうのピンチ操作で自由に変えられるゲームならいいんですが先ほどのFFBEやこのウォーキングデッドなどはピンチイン/アウトが出来ないので「16:9」に変えてしまう事がお勧めです。
戦闘画面も見てみましょう。これが全画面表示での情報領域です。
これがワイドになるとグッと右に広がります。こうしたワイドに最適化されたゲームの場合は「ゲームの表示画面は小さくなるのに、ゲームの情報量は増える」という逆転現象が起きるんです。
他にも「16:9」がオススメなゲームジャンルがあります。
例えばレースゲーム。「アスファルト9」を見てみましょう。確かに全画面は迫力があります。
でもレースゲームの視界は上下に広いより左右の情報量が多い方がプレイしやすいと思いませんか?
他にもサッカーゲームなんてどうでしょう。「FIFA MOBILE」を見てみます。
こちらも左右に広い方が各選手の状況が良くわかるんじゃないでしょうか?
ではfpsはどうでしょうね。「COD」を見てみましょう。
これは一長一短かもしれません。確かに「16:9」の方が左右の情報が増えるので敵を発見しやすくなりますが、全画面表示の方が遠くの敵までエイムしやすい気もしました。
それぞれのアスペクトで適当に試しプレイしましたが一応MVPだったので迷惑は掛けていないと思います笑
16:9でも同様。スクショ撮影の為だけの適当なプレイすみませんでした。
さて、こんな感じでFoldシリーズの「縦横比カスタマイズ」でゲームや自分のプレイにあったアスペクト比を設定しておく事が出来るのは助かりますよね。
全画面か16:9か一長一短なケース
ゲームによっては悩ましいものもあります。
例えば「ドラゴンクエスト7」をプレイしてみましょう。まず街の中の様子を見ると全画面だとかなり広い範囲まで街の様子が見えます。
これを16:9でプレイすると左右の帯分の情報が単純に欠けます。これであれば目いっぱい広がった全画面プレイがいいですよね。
ところが戦闘シーンになると全画面はもうテキスト情報が大きすぎてモンスターに被ってしまっています。
一方16:9でプレイする戦闘シーンは余裕があっていいですよね。
つまりドラクエ7の場合、街やフィールドは全画面にすると左右に広がり、戦闘シーンは上下に狭くなるというちぐはぐなプログラムになっているという事です。
これは一長一短なのでもう好みで選ぶしかないんですけど、違和感が強いのは全画面の戦闘シーン。でも実用面で見ると全画面のフィールドの広さが役立ちそうで困りますね。個人的には、うーん・・・16:9かなぁ・・・。多くのスマホではこの感覚でプレイしてるでしょうし。
更に分割表示を活用してみる
ただ、せっかくの大画面ですから単に16:9表示にして余剰領域を無駄にするのは勿体ないですよね。という事でFoldシリーズに搭載されている分割表示を上手く活用するという手もあります。
まず「電卓」や「ブラウザ」などゲーム以外のアプリケーションを分割起動させます。
幅を調整します。今回は電卓の幅を少し広げます。
そこにゲームを置きます。
これで幅を調整してちょうど良い大きさでゲームを起動させることが出来ます。余った部分には「攻略サイト」なんかを配置しておくとめちゃくちゃ便利に使えますよね。サイトを見ながらゲームプレイが出来る訳です。
先にゲームを起動して幅調整するとゲームが横に引き延ばされた描画になったりしますので、別アプリで幅調整をした後にゲームを置くのがポイントです。逆に2分の1の幅で調整しなくても快適にプレイできるゲームであれば最初からゲームを置いてしまって問題ありません。
ただ、これ毎回遊ぶ度に「2つのアプリを分割表示させ」「左右幅を調整して」「遊びたいゲームを起動させる」みたいな面倒な作業はやってられないですよね。
そこでFoldの機能が活きてきます。この左右表示そのものを設定で記録するのです。中央の「・・・」マークをタップして3つ出てくるメニューの右端のマークをタップすると、この構成、この幅の起動を記憶できます。
こんな形でサイドメニューに「ブラウザ+ソウルオブエデン」をこの幅調整のまま起動するというショートカットが出来ました。これで今後はワンタップで自分で設定した通りの組み合わせと幅で起動する事が出来ます。この辺りがFoldカスタマイズの醍醐味です。
同じ発想で横画面のゲームでもベストなアスペクト比でゲームが起動できるようアプリの分割調整をする事が出来ます。
また「北斗の拳リバイブ」の場合はラボにあるアスペクト比カスタマイズで「16:9」を選んでもこんな感じで顔とメニューが被った状態です。上下の余剰帯も出来つつ左右の幅も微妙という感じ。つまりこのゲームは「16:9」よりもっと横長でプレイする方が快適じゃないかと思います。
そんな設定にないアスペクト比も先ほどの分割設定で上手く調整してやる事で自分にベストなアスペクト比を設定する事も出来ます。
そしてこれも記憶させてしまえばいいのです。
この技を使えば、好きなゲームを好きなアスペクト比で起動させることが出来ます。まずはラボにある「全画面」「16:9」「4:3」「標準」のうち最適なものを試しつつ、それでも満足できない、あるいは余剰スペースを有効活用したい、という場合には分割手動カスタマイズを行う事で非常に自由度の高いプレイ環境を作る事が出来ます。
例えば、横画面プレイゲームを縦画面操作のまま配置するなんて事も出来ますからもう自由自在ですよね。
これで、正方形に近づいてしまったGalaxy Z Fold3のゲーム縦横比問題を解決し、更に面白い楽しみ方も実現出来ました。普通のスマホならそのスマホで与えられたアスペクト比でプレイするしかありませんがFold3なら自分がプレイしたいアスペクトにカスタマイズ出来ます。もちろんメインディスプレイが大きいので16:9にしたとしても一般的なスマホのプレイ体験より小さく感じる事はほとんどないと思います。
Galaxy Z Fold3のアスペクト比ではゲームが快適じゃなくなるのでは?と心配されている方は、安心して楽しんで頂ければと思います。
それにしても初代FoldとFold3ってディスプレイサイズの差は僅かかと思ってましたが並べてみるとこんなにも違うんですね。想像以上でした。