オーディオビジュアル 映像機器

【レビュー】AWOL Aetherion MAX & VIVID STORM超短焦点用スクリーン

超短焦点プロジェクター&専用スクリーンを導入しましたのでレビューしたいと思います。

プロジェクターの選定

今回の導入はリビングシアター。昼間は明るく、ダイニングとも繋がっているのでソファの後ろに壁はなく抜けているという環境です。

プロジェクターを選ぶとすれば大きく3つに分かれます。

ポイント

超長焦点天吊り:VictorやEPSONなどが狙い目
 長所:画質コスパの良さ、セッティングしてしまえば邪魔にならない事。
 短所:天井に大きな工事が必要。配線も大変。

長焦点スタンド置き:最近流行りのXGIMI、JMGOなどのキューブ型が良い
 長所:コンパクト、設置容易性、画質コスパなどバランスがいい。流行るのも良くわかります。
 短所:我が家の場合はソファの真後ろに置くと通り道に邪魔。あるいは斜め設置で補正するのは画質的に避けたい。

超短焦点床置き:EPSON、Aladdin、JMGO、AWOLなど競合ひしめく市場に
 長所:設置が楽。プロジェクターとスクリーンの間に人が入らないので影の心配がない。投射距離が短く明るさで優位。
 短所:画質コスパが悪い。専用(ALR)スクリーンでないと最大効果を発揮しないしそれも高い。

純粋な画質で言えば、超長焦点>長焦点>短焦点 というのが同価格帯での評価だと思いますが、もちろんそこはどのグレードを狙うか?で逆転もします。最高画質を狙うならもちろん超長焦点の弩級モデルですが、それはもう別世界。ただ昨今のXGIMI、JMGO、AWOLなどの新興勢の進化度合いは馬鹿にできず、コンパクトモデルや超短焦点でも侮れない品質のものが登場してきています。

今回我が家ではリビングダイニングの環境や設置の容易性から「超単焦点」一択で検討する事にしました。

今回プロジェクターを選定するにあたって候補としたの下記モデルです。

メーカーモデル価格感主な特徴
EPSONEH-LS97048.4万円LS800の後継。3LCD方式で滑らか。虹も出ない。白が明るい。テレビ的利用に最適。遅延も少なめ。鮮やかさでは一歩譲る。
EPSONEH-LS67033万円前世代LS800より明るさもコントラストも少し落ちる下位モデルだが黒表現では上回る。
AladdinAladdin Marca MAX37.98万円XGIMI Aura2のOEM供給版。バランスが良いがどれもトップではない。自動調節機能は充実。子供向けアプリやエンタメ機能が充実しておりカジュアル志向。
JMGOO2S ULTRA 4K45万円コンパクトで明るい。コントラスト比も高い。センサー自動補正やTypeC充電のリモコンなど先進性が光る。自社開発エンジンで均一性96%超、スペックルノイズ抑制など優れるが、画質でAetherionを上回れない。
HisensePX3-PRO52万円非常に高いレベルでまとまっている一台。ただ明るさ、コントラスト、遅延など全てにおいてAetherionの後塵を拝している。
LGHU915QE56万円旧時代のエース機。暗部諧調は今もトップレベルだと思われるが、その他の画質面、スペック面でどうしても旧世代感が出てしまう。
LeicaCine 1135~145万円フィルムライクで自然な映画画質という面では他を圧倒。インチ固定という珍しいモデル。古き良き映画鑑賞最強モデルでVividな画質感は強くない。
AWOLAetherion Max67万円(想定)全てにおいてトップレベル。サファイアレンズと虹防止機能で弱点もほぼない。黒の沈み込み。艶やかさも抜群。ゲーム遅延1msも凄い。

中でも興味があったのは「EPSON」「JMGO」「AWOL」です。EPSONは3LCD方式の個性、JMGOはコンパクトながらトップクオリティ、AWOLはまさに最新鋭&最強の一台と想像しました。レベル感でいえばHisenseのPX3-PROもなかなかですが、それならAWOLの方が上回るだろうと想定しました。あとLiecaはちょっと別物かなと。

検討に当たり実機確認を行っていきました。

EPSON EH-LS800、EH-LS670
検討時点ではEH-LS970は未発売(というか検討し始めのころは未発表)でしたので、EH-LS800とEH-LS670を候補として確認しました。

こちらはLS670。サイズ感が良いですね。

どちらも驚くほど滑らかでまさにフィルムライク。一枚の絵を投影している感じで美しい。格子状のドット感も感じない。明るさも十分。ただ、HDRなどの輝度、色鮮やかさではやや劣ります。まさにちょっと前のテレビ映像という感じで、昨今の圧倒的なメリハリのHDR映像。みたいな表現は出来ない印象です。

LS670よりもLS800の方が格上。だけど黒表現はLS670の方が上回るかも。という事前情報でしたが店頭環境で見る限りは違いは判りませんでした。どっちもいい。

こちらがLS800。横幅の大きな上級モデル。

両モデル総評としては「悪くない」です。とにかく悪くないんだけど、吸い込まれそうな圧倒的な映像でもない。という評価。滑らか画質という点では他モデルよりしっくりきますし、感動もないが不満もない。

Aladdin Marca MAX
アラジンと言えば天井照明にプロジェクターが付いたカジュアル機をイメージしますが、そのアラジンが作った本格的な超短焦点プロジェクターがMarca MAXです。それもそのはず元となっているのはかつて一定評価を得ていたXGIMIのAuraの2代目Aura2です。OEM的にベースを使いまわし、ソフトウェア周りを独自アレンジしたのがMarca MAXなので素性は確か。

実機映像としては、これも悪くないと思いましたがEPSON同様、引き込まれるほどの鮮烈さはなく比較的穏やかな映像。そしてDLP方式特有のギラギラざらつくスペックルノイズがかなり目立ちます。特に虹のようにギラギラした画質感はちょっと見ていて辛かったです。エンタメコンテンツやカジュアルなデザインなどは特徴的ですが、画質という面で本機を候補に残す必要はないかな?と感じました。

JMGO O2S ULTRA 4K
これは最有力候補になると想像していた1台です。実機確認時にEPSONと並べて比較しましたが、その鮮やかさ、輝度が圧倒的に素晴らしい。まさに有機ELテレビで見るようなメリハリのある映像です。ギラつきもほぼ感じません。

上がEPSON EH-LS670で下がJMGO O2S ULTRA 4Kですが下が明らかに赤いのはスマホカメラとの相性の問題です。実際は赤くなくて肉眼で見ると色温度は上下ともに同じです。

ただ、格子ドットが目立ちます。2mほどの距離から見てもくっきりわかる格子。なんか網戸の向こうから見ているような映像にがっかりしました。スペックルノイズ(ギラつき)も徹底的に抑えられているのでMarcaMAXより綺麗だと思いましたが、格子は逆にこちらの方が酷い。

こちらは画面拡大したところです。赤いのは無視していただいて文字に格子が見えるのが分かりますよね。

一方こちらはEPSON EH-LS670。フォーカスは甘くなりますが格子は見えなくなります。

左がJMGO。右がEPSONです。解像感は明らかにJMGOが高いですがザラザラした画質です。

この3メーカーの強み、弱みを簡単にまとめるとこんな形。あちらを立てればこちらが立たず。

EPSON(LS670/LS800)Aladdin Marca MAXJMGO O2S ULTRA 4K
鮮やかさ、黒の沈み×
ギラつき無し×
格子ドット無し×

ほか、LGも見てみましたが特に秀でたところもなくピンと来ない。

そうなると最新モデルであるAWOLのAetherion MAXに俄然興味が移ります。

でもAetherion MAXは未発売・・・どころかまだKickstarによるクラウドファンディングで支援を募集している状態。2026年3月31日までクラファンの支援期間となっており、希望額を達成すれば4月から順次発送との事でした。

実機が見られないので、公式情報や先行的にインフルエンサー達がテストしたYoutube動画などから推し量ったのですが、結論としてはこれまでの弱点を全て克服し、圧倒的な性能で登場するモデルだと感じました。

・画面の端まで完全にフォーカスが合う「PixelLockテクノロジー」
・レインボーノイズを99.999%低減する「Anti-RBEテクノロジー」
・ネイティブコントラスト6000:1の「Noirsceneシステム2(EBLアルゴリズム、7段階絞りIRIS)」
・VRR、ALLM、DolbyVisionゲーミング対応に加え、1msという圧倒的低遅延というゲーム適正
・Rec.2020を110%カバー
・光透過率、コントラスト、色精度を引き上げ、熱にも強く長時間品質の変わらない「希土類コーティングサファイアガラス」を採用
その他、IMAX ENHANCED、ダイナミックトーンマッピングなどとにかく他を圧倒するこれでもかという技術投入です。

候補にしていた他のモデルが決定打に欠ける中、このクラファンに飛び込んでみようと思いました。海外のクラファンという一抹の不安もありますが、AWOLは信頼のあるブランドですし、何より公式発売では70万円近くする想定のプロジェクターが30万円台で買えてしまうという事ですから、その価格感にも惹かれました。

最後の判断材料として、同じAWOLが出している現行モデルLTV-3500PROの実機を確認しました。

LTV-3500PROを見る限りギラツキ無し、格子ドット無し、という事で弱点はほぼゼロ。映像の鮮やかさは店頭では何とも判断付かない環境でしたが、そこはスペック情報やyoutuberたちを信じてみようと。。

Aetherion MAXの到着&スクリーンに投影

クラウドファンディングの投資を決めたのが2月。そして支援期間が3月末に締め切られ、あとは到着を待つばかり。となりましたが、実際の発送がなかなか掛からず、やきもきして待ち続けることに。そしてついに5月末に我が家に到着しました。発送を待つ間に普通に市販されたらどうしようと心配しましたが、なんとかそこは先行者入手が守られた格好。

こちらが到着したAetherion MAX。

おおお。でかい!いや、大きさはコンパクトな方が当然いいんですが、この存在感には説得力を感じます。

背面側にはアンビエントライトが付いており近未来感を感じさせる佇まい。

そしてクラウドファンディングなので海外仕様のまま送られてくるだろうと思っていましたが、なんとちゃんと日本発送分は「PSEマーク」「技適」取得モデルが届きました。AWOL最高!

この辺りのプロジェクターはリモコンも簡易的なものが多いですが、Aetherion Maxはめちゃくちゃしっかりしたリモコンが付いてきます。ボタンを押すと発光する作り込み。

Aetherion Maxは電源をオフにするとレンズ部分のカバーが閉じる仕様で、無使用時にレンズにホコリや傷がつかない配慮がされていますが更に専用カバーも付いていました。利用を終えたらこのカバーを被せておけば安心。本体を傷つける事がありません。

そしてクラウドファンディング特典として3Dメガネが2つ、UltraPremium HDMIケーブルが付いてきました。太っ腹。

改めて外箱に印字されている仕様を確認。IMX ENHAND、ドルビービジョン、REC.2020を110%カバーなど基本スペックが高いのはもちろん、ドルビービジョンゲーミング、VRR、ALLM、そして1msという超低遅延を実現したゲーミング性能も半端ないです。我が家の有機ELテレビより遅延が少ない化け物プロジェクター。

そしてAetherion Maxを投影する先はVIVID STORMの超短焦点用 電動立ち上げ式 ALRスクリーンです。

こちらも今回の為に購入しました。

同梱物も色々ありますが、左端に見えるUSBスティックをプロジェクター本体に挿せば、プロジェクターの電源操作と連動してスクリーンも展開、収納する事も出来ます。

スクリーンボックスを置いてみました。この為にスピーカーも買い換えましたし完璧なサイズ感です。

試しにスクリーンも上げてみました。おお。いい感じ。ややグレーなのが特徴的で表面がギザギザ構造になっていて下からの光はしっかり反射し、上からの光は吸収するようにできています。まさに下から投影する超短焦点専用の設計。

背面から見るとこんな感じになっています。

いざ投影。最初の電源投入までは少し不安もありましたが無事メニュー画面が出ました。

でもまず大変なのはスクリーンとのサイズ調整です。多少の台形補正は機能としてありますが、補正するとその分解像度を殺すことにもなるので基本的には正対設置をしっかりやりたいところ。その上で微修正だけ補正で行うというのが良いのですが、これがとにかく難しい・・・。取り急ぎ仮設置なので大体のところで一旦視聴してみることにしました。次にフォーカス調整。これはビシッと合わせることが出来て上の方も下の方も隅までフォーカスがしっかり合います。これがPixel Lockの凄さか。と実感。

まず昼間の多少光も漏れる環境にもかかわらず、明るさ、発色ともに十分美しい。色味の調整がやや難しいですが精細感は圧倒的です。4K動画を見るとまさに実物大の世界が前に広がっているような気分。

夜になって暗い環境で確認すると更に精細さが高まり、びしっと引き締まった映像になります。まるでテレビを見ているような映像の安定感。4K HDR動画なんてまさに吸い込まれるような映像美です。これが超短焦点最新鋭最強モデルの画質か!と驚嘆するレベル。

110インチスクリーンと83インチテレビの違い。完全に83インチが子供に見えます。テレビよりスクリーンは50cmほど手前に設置していますのでその分更に大きく見えます。83インチテレビに対してスクリーンは130~140インチほどあるくらいの体感差。

ゲームも大迫力・・・というか画面全体が視野に収まらないくらいの距離で楽しめます。いや楽しい。

動きの激しいゲームはさすがに辛いですがボードゲームやRPGなんかはいいかもしれません。

床置きだと微調整しづらいのでルミナスを組み合わせて専用のプロジェクター台を作りました。これで1cm単位くらいでの微調整が可能です。

またスクリーンボックス自体の下にアカシアの集成材を敷き高さもピッタリに調整しました。

改めてAetherion Maxの解像感、鮮やかさ、黒の沈み込みは本当に素晴らしく、投影した状態からスクリーンを立ち上げるとちょっとした感動を覚えます。

部屋の照明を点けて明るい状態からスクリーン収納している様子がこちら。スクリーンボックスにカチッと収納されていくのが気持ちいい。

凄く鮮やかで、メリハリがあり、黒も沈み、文句のつけどころのない高画質・・・と言いたいところですが、白っぽいシーンでギラギラした感じが結構出てしまうという弱点も見つけました。

JMGO O2S ULTRA 4Kと比べて明らかに格子感はない、EPSONと違ってビシッと引き締まった解像感。でも「ギラっとザラっとしている」のです。これはいわゆるスペックルノイズです。

3m位離れればかなりマシになりますが、それでも一旦気になった以上3mの距離でも分かってしまいます。ましてや我が家の視聴距離は2m程度しかありませんので、めちゃくちゃ気になります。

フォーカスをやや甘めにずらしたりしてもさほど改善されません。色々コンテンツを見てみましたが、やはり白など明るい色のベッタリしたシーンだとギラツキが気になります。逆に暗めのシーンならほぼ気づかない。ですから実写映画や古い映像などではほとんど意識する事はないのですが、明るいシーンの多いアニメやゲームだと途端にギラツキが気になってしまいます。

例えば「響け!ユーフォニアム」のように色白の人の顔がアップで投影されたりするとキツイ。響け!を大画面で観ることを楽しみの一つにしていただけにこれは辛い。ゲームは正直引き続き83インチ有機ELで楽しめばいいかな?と思っていましたが、アニメでストレスを感じるのは厳しいですね。

Araddin Marca MAXのようなドぎついギラ感ではないものの、明るい色の場面ではずっとザラつきを感じる画質。でもJMGOのクッキリ格子と比べれば断然マシ。という感じ。

EPSON(LS670/LS800)Aladdin Marca MAXJMGO O2S ULTRA 4KAetherion Max
鮮やかさ、黒の沈み×
ギラつき無し×
格子ドット無し×

うーん。総合点では確かにAetherion MAXが強い。4K HDR動画とかめちゃくちゃいい。だけど、完璧じゃないというところにちょっとモヤモヤが残ります。EPSONならこのザラつきはないんだろうなと。でもここまでの黒の沈み込みはEPSONでは絶対に出せないだろうと思います。

ただ我が家の息子は「全くといっていいくらい気にならない。有機ELテレビより綺麗だと感じる」と言っています。気になるかどうか?は人によるレベルなのかもしれません。

改めて店頭で他モデルを確認

EPSONならスペックルノイズは原理上ほぼないはず。と思い、最新のEH-LS970も見たかったので改めて店頭でも見直してみる事にしました。

EH-LS970をきちんと見てみましたが、スペックルノイズは皆無。ですが僅かにドット感を感じます、また白いシーンで何となく均一ではない走査線のような黒い横線を感じました。ただこれはたまたまそのお店の環境でそう見えただけかもしれませんので改めてきちんとチェックしたいと思っています。※下記映像上端が波打っているのはスクリーンの問題です。

またやはりカリカリな解像感ではなくソフトフォーカスで黒の沈みも弱いと感じました。左はBENQの長焦点、右がEPSONのEH-LS970ですが、明らかにBENQの方が解像感が高かったです。ただこれはこれでアニメなんかを見るには優しい画質で良い気もします。

そして結構モデルによってこのノイズ感が違う事に気づきました。

例えば超短焦点ではありませんがValerionのVision Master Pro2とVision Master Maxを比較してみました。同系の2モデルなので強み弱みも同じかと思いきや細かく見てみるとMastar Pro2は格子が見えるがスペックルノイズは小さい。Master Maxは格子が見えないがスペックルノイズが強い。という感じでした。特にVision Master MaxはAetherion Maxと兄弟モデルと言っていいモデルですが、その格子の無さ感、スペックルノイズの雰囲気が全く一緒でした。

改めてUMGO O2S Ultra 4Kは解像感と輝度の高さはさすがですが、格子とギラツキ両方の弱点を併せ持っているので、やはり近距離で視聴するには向かないモデルだなと思いました。

HisenseのレーザーTVと呼ばれる超短焦点プロジェクターも初めて見ましたがUMGO同様、格子とスペックルノイズが酷かったです。

まとめ

ついに導入したAetherion Max。その解像感、発色、黒の沈み込みなど期待を上回る高画質でした。ただそれ故にギラつきは気になってしまいます。3mくらい離れてみればそんなに気にならないのですが、我が家のように2mの距離で視聴しようとすると人によっては気になると思います。

ただ超短焦点は他のモデルもまだまだ一長一短。そう考えるとAetherion Maxの強みはやはり感嘆に値しますし、息子はギラつきも全く気にならない、と言います。むしろ店頭のEPSONの方が色々残念な点があるとの事。

私としては気になる点もありはしますが、それを上回る高画質感を感じるコンテンツも沢山あります。まずは心ゆくまでAetherion Maxを楽しみながら、改善アップデートが来てくれることを楽しみにしたいと思います。

-オーディオビジュアル, 映像機器
-,