前回の記事で32インチ4K60hz液晶モニターについて検討経緯をご紹介しましたが、その結果購入に至ったEW3280Uについて設置レビューをしてみます。
内容物チェックと組み立て
到着したEW3280U。外箱はシンプル。
Perfect for Entertainmentと書かれているとおり、本モニターにはHDRiという独自のHDR拡張機能と2.1チャンネルスピーカーが搭載されており映像も音もしっかり拘って作られています。またDCI-P3 95%カバーでクリエイティブなシーンでも、またアイケアや様々なカラーモードで通常作業にも最適なバランス機だと思います。リフレッシュレートは60hzなので高リフレッシュレートを求めるゲーミングモニターという位置づけではありませんね。
台座と支柱。このメタリックグレー×ブラウンというカラーのようで、ブラック、シルバー、ホワイトが中心の液晶モニターのデザインの中でとてもオシャレな色だと思います。
電源ケーブル、HDMIケーブル、USB Type-Cケーブル、リモコン、リモコン置きです。
本機の特徴の一つはリモコン。よくある汎用チープなデザインではなく、きちんとデザインされたリモコンがいい。リモコン置きまで付いてるなんて面白いですよね。
リモコン置きに置いて見るとこんな感じ。台座の中に納まるようになってます。
さてでは台座を組んでいきましょう。
支柱を取り付け、台座を組み合わせれば完成です。
外観
EW3280Uを外観を見ていきましょう。32インチはやっぱり大きい。でも台座デザインがシンプルで収まりがいいですね。設置スペースを取らないのが良いと思います。
左下にはBenQのロゴ。その下に音量ダイヤルが付いています。基本的にリモコンで音量は変えられますがダイヤル操作も簡単でいいですよね。
右下には本機の特徴的な機能「HDRi」の文字が。HDRを更に美しく鮮やかに表現してくれる独自機能です。
裏側にはスティックとボタン。こちらで各OSD設定を操作できますが、これも全部リモコンで出来るのでほぼ使う事はないでしょう。
支柱部分の蓋が取れてここにケーブルを通すことが出来ます。
背面上部にはこれまた本機の特徴である5Wサブウーファーが搭載されています。
SUPERIOR SOUND BY treVoloの文字。前面にステレオスピーカー、背面にサブウーファーの2.1ch仕様。音にこだわる人は外付けスピーカーを利用されると思いますが内蔵でも音にしっかり拘られているのはいいですね。
足元の台座部分にリモコンをセットすれば完成。リモコン、ブラウンカラー、落ち着いたデザインなど流行りのゲーミング系とは真逆のテイストですがこれはこれでとても気に入りました。大人なモニターという感じです。
初期チェック
まずはこれまで使っていたPCラックに設置。PCデスクも買い替え予定ですがまずはここで接続チェックです。
今までは4K28インチで150%スケーリングで使用していましたが、32インチになったことで125%のスケーリングで運用できるようになりました。実質WQHD超えです。ご覧の通り、情報量の多いWordpressでブログを書きつつ左に参考情報などを配置できるようになりました。今までよりも余裕が出来て作業性が抜群に。
動画編集もタイムラインに6つレイヤーを置くことが出来てこれは捗りますね!
Excelも広大。59行×AQ列まで標準で表示できます。
ではリモコンでOSDを操作してみます。リモコンにはそれぞれダイレクトなボタンが用意されていて基本的な設定メニューにはワンボタンで飛べるのが楽ちん。従来のポチポチ本体で操作する面倒なやり方と比べれば圧倒的な快適さです。
HDRモード
HDRiボタンを押すとHDRモードが起動。これはWindows側のHDRが「オン」の場合にはシネマHDRi、ゲームHDRi、DisplayHDRが選択出来て「オフ」は出来ません。Windows側でHDRが「オフ」の場合は、下記4つ全てが選べるようになります。
Windows側のHDRがオフの場合は、BenQ独自のHDR化機能でHDR表現をしてくれるんですが、もうシネマHDRiなんてめっちゃくちゃ眩しい。明暗のコントラストが最大級に効いて、本物のHDRよりもコントラスト差が大きく出ます。確かに鮮やかなんですが間近で見ていると目がやられる勢いです。でもWindowsのHDRをオンにしてHDRコンテンツを見た時にはビシっと引き締まって濃く、シャープで、締まった絵になります。対してゲームHDRiはコントラストがなだらかになり、色味も落ち着きます。黒潰れ、白飛びしにくいモードなのでHDRのメリハリを残しつつ情報量も多くしたモード。DisplayHDRは一番標準的で見え方もシネマとゲームの中間くらい。HDRっぽさを楽しみたければDisplayHDRがいいと思いました。HDRコンテンツの場合はもちろんHDRオンで。SDRコンテンツの場合はWindowsのHDRもオフにしてHDRモードも「オフ」が一番見やすいかもしれません。
HDRモード
WindowsHDRオンの時(HDRでの運用)
- シネマHDRi 色温度が下がり派手な色付け、コントラストが強い。でもコンテンツによってはビシッと引き締まって美しい。
- ゲームHDRi コントラストが抑えられ黒つぶれ、白飛びを軽減。でもHDRっぽさは出せている
- Display HDR 最も標準的なHDRモード。無難なモードなので迷ったらコレ。
WindowsHDRオフの時(SDRでの運用)
- 3つのモードは疑似的なHDR効果を作ってくれる印象。でも、HDRの時より更に鮮やかになります。
- オフが選択できるようになる。基本的にHDRコンテンツを見る時以外はオフがいいと感じました。
音声シナリオ
イコライザーのデザインのボタンを押すと「音声シナリオ」が立ち上がります。
それぞれ音質を変えてくれるのでシーンに合わせて選ぶ事ができます。
音声シナリオ
- ライブ/ポップ
標準的なバランスで声も肉厚。もっともエフェクト感が少なく基本はコレを選んでおくのが良さげ。 - シネマ
ややドンシャリ気味になる。派手さは出るが中域が薄くなる印象も。 - トーク/ボーカル
今度は逆にカマボコ傾向。ボーカルの周波数帯だけ残して他をカットしているような印象なのでスカスカに聞こえる - ゲーム
ソフトな音作りになり、少し籠った感じにも聞こえる - ロック/パーティー
全体バランスはよく低域を強調したサウンド
個人的には「ライブ/ポップ」がバランスが良いと思いました。シネマやトーク/ボーカルは使いどころがあまりないかなぁ。という感想でした。もちろんリモコンで音量調整が出来ます。便利。
ちなみに私はPC用にはクリプトンのKS-1 HQMを使っているんですが、比較するとこれはもう断然クリプトンの方がいいです。ロック/パーティーで感じた低域の量感とは違って、芯のある強い低域、解像感高くクリアなボーカル、など音質という観点では比較にならないほど。
ただ比較しなければモニターのスピーカーでもそこそこ聴ける。というか真剣な音楽鑑賞とかでなければ全く十分な音質だと思いました。
ブルーライト軽減
これはかなり変化するので、色温度をざっくり上げたい、とか眩しさを軽減したいとかで変えてもいいモードです。普段はマルチメディアにしておくとちょうどいいかなという印象。オフィス、閲覧はかなり色温度が低くなります。ePaperを選ぶと完全に白黒になります。
カラーモード
先ほどのブルーライト軽減以外に色んなカラーモードがあります。Rec.709なんてモードもありますし、Macbookのカラーに忠実な色表現をしてくれるM-bookなんていうモードもあります。Macbookを繋ぐときはこれですね!もちろんType-C(Thunderbolt)入力も付いています。普段は標準にしておいてもいいですが、作業中心なら「ブルーライト軽減」が良さげ。
B.I.+
輝度自動調整機能です。これはかなり優秀で、色んなカラーモードを選んだあと緩やかに部屋の明るさに合わせて輝度を変えてくれます。ちょうど眩しくないくらいまで輝度を落としてくれるので常に「オン」にしています。
その他設定
他にも自分で細やかに画質調整などが出来ますが、基本的には先ほどまでのプリセットで切り替えるだけでも十分多彩な選択ができますのでよほど追い込む理由がなければ触らなくてもいいかな。と感じました。
まとめ
設置から初期設定までご紹介しました。
EW3280Uはゲーミングモニターでもなく、クリエイター向けプロモニターでもありません。どちらかというとカジュアルな万能モニターなんですが、そんな中でも「HDRiという独自HDR効果」「2.1チャンネルの拘りスピーカー」などエンタメ性の高い設計になっていると感じました。
その他基本的なところもしっかり押さえられているのは安心感ありますよね。
モデル | EW3280U |
画面サイズ | 32インチ |
形状 | フラット |
パネル | IPS |
輝度 | 350cd/㎡ |
DisplayHDR | 400 |
コントラスト比 | 1000:1 |
応答速度 | 5ms |
リフレッシュレート | 60hz |
色域 | DCI-P3 95% |
USB Type-C | 1(60W給電) |
スピーカー | 2W×2、5Wサブウーファー |
10万円以下で買える32インチ4K液晶モニターとしてEW3280Uは非常に優等生で、且つブラウンカラー、リモコン、HDRi、2.1チャンネルスピーカーと愛着が沸く特徴が散りばめられた名機だと思います。