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OPPO Find Nは最高に「魅力的」で最高に「中途半端」な折り畳みスマホなのでは?!

OPPO Find Nは閉じた時の使いやすそうな形状、コンパクトで握りやすそうな大きさ、開いても横長でそのまま動画視聴OK、折り目の目立たない構造、など本当に魅力的な製品ですよね。レビュー動画なんかを見てると触りたくてたまらなくなります。

でも一方で、その大きさが仇となって実は中途半端なスマホになってしまったんじゃないか?という推測を今回は記事にしてみたいと思います。

OPPO Find Nの魅力的な点

折り畳みスマホと言えばGalaxy Foldシリーズが名実ともにフラグシップです。私もGalaxy Z Fold3を愛用している訳ですがそんな折り畳みスマホユーザーからFind Nの特徴はどう見えたのか?紹介します。

閉じた時の利便性の高さが完璧

まず本体がコンパクトだという事。特に閉じたサイズは本当に握りやすそうですよね。

前回の記事で大きさ比較をしましたが、Find Nの閉じた時の大きさはiPhone 13 miniと同等。ポケットにすっと入る大きさで、片手操作でほぼ画面全てに指が届くでしょう。Web閲覧、SNS、各種アプリの操作に困る事はないでしょうし、アスペクト比も一般的なスマホに近いので各アプリケーションのデザインも不都合が生まれないと思います。

一方、Galaxy Z Fold3は閉じてしまうと非常に縦長です。縦長すぎて上の方には指が届きませんし、横幅は狭いのでWeb閲覧などでは改行が増えます。もちろん慣れてしまえばSNSもブラウジングも、果ては縦持ちで出来るゲームなんかも出来てしまうんですが、やっぱりFind Nの「当たり前が当たり前に出来るアスペクト比」「ストレス無しで片手操作できるサイズ感」は圧倒的な魅力です。

もちろんあれもこれもやろうとしたらちょっと画面サイズが小さくて物足りない。という事になるでしょう。地図を見る、ゲームをする、動画を観る。など。そんなときの為の「折り畳み」。開いて拡張する事で大きなサイズも実現している訳です。コンパクトなスマホがいいけど、大きいコンテンツで観たい時にも対応できるというこれぞ2Wayという感じ。

スペックと価格のバランスが凄すぎる

ざっと主な仕様をGalaxy Z Fold3と比較してみましょう。

OPPO Find NGalaxy Z Fold3
SoCSnapdragon 888 Snapdragon 888
メモリ/ストレージ8GB+256GB / 12GB+512GB12GB+256GB / 12GB+512GB
メインディスプレイ7.1インチ 有機EL 120hz
1920×1792(8.4:9)
7.6インチ有機EL 120hz
1768×2208(7.2:9)
カバーディスプレイ5.49インチ 有機EL 60hz
1972×988 (18:9)
6.2インチ有機EL 120hz
2268×832(25:9)
背面カメラ広角 5,000万画素(f1.8)
超広角 1,600万画素(f2.2)
望遠光学2倍 1,300万画素(f2.4)
広角 1,200万画素(f1.8)
超広角 1,200万画素(f2.2)
望遠光学2倍 1,200万画素 (f2.4)
インカメラカバー/メインともに3,200万画素(パンチホール)カバー 1,000万画素(f2.2)
メイン 400万画素(f1.8)※埋め込み型
バッテリー4,500mAh4,400MAh
指紋認証対応対応
顔認証対応対応
防水恐らく非対応対応(IPX8)
SDカード非対応非対応
NFC対応対応
おさいふケータイ非対応対応(国内版)
内蔵スピーカーDolby Atmos ステレオスピーカー Dolby Atmos ステレオスピーカー
Bluetooth5.25.2
イヤホンジャックなしなし
ペン対応なしS Pen / S Pen Pro
サイズ閉じた時:132.6×73×15.9
開いた時:132.6×140.2×7.8
閉じた時:158.2×67.1×14.4
開いた時:158.2×128.1×6.4
重量275g271g
価格13.8万円/16.1万円20万円~(国内256GB版23.7万円)

ほぼGalaxy Z Fold3と同等と言っていいと思います。

カメラはFind Nが広角5,000万画素を積んでいてOPPO自体カメラには定評があるので期待できますが、Galaxy Z Fold3もDXOMARKでも124点をマークしていますので詳細な比較レビューを待ちたいところ。

バッテリーは同等ですが画面サイズを考えればFind Nの方が分がいいんじゃないでしょうか。あとは防水非対応、おさいふ非対応、ペン非対応というあたりがGalaxy Z Fold3に劣っていますが、それを補ってあまりあるリーズナブルな価格が強みです。

スペック上はコスパで選ぶならFind N、ペンやおさいふなどが必要ならGalaxy Z Fold3といった感じです。その辺りに大きな拘りがないとすればもう「大きさ」が最大の比較点になると思います。

Galaxy Z Fold3が辿り着いていない「低折り目」&「完全折り畳み」

そしてFind Nの発表で驚かされたのは、後発でありながら華麗にSamsungを抜き去ってしまったその折り畳み技術です。

フレクションヒンジと呼ばれる構造で、完全に隙間なく閉じる事が出来てしまいます。その秘密は折り目部分。折り目部分が丸く空間を作るように曲がる事で折り目部分に無理な負担を掛けることなく閉じる事が出来ます。この構造によって完全に折り畳むことが出来ますし、更には折り目もほとんど目立たなくなります。

完全に折り畳めるので隙間にゴミや埃が入りづらく、ヒンジ機構部へのチリなどの侵入も抑えられるんじゃないかと思います。Samsungが3世代掛かっても全く辿り着かなかった課題をあっさりクリアしてしまったOPPOは凄いですね!

そして、Galaxy Z Fold3 同様「フレックスフォーム」で折り畳みの角度を付けて固定して専用のUIモードにしたり、2本指スワイプで簡単に画面分割したり、4本指ピンチでフローティングさせたり、様々なアプリケーション上の作りこみもされています。Samsungが積み上げてきた細かな部分も第1世代機で一気に追いついてきたのは、先輩を研究した結果とはいえ正直凄いと思うんですよ。

あ、ちなみに角度を付けるフレックスモードは何の役に立つのか?と思われるかもしれませんが、個人的にはスマホスタンド無しで固定して写真や動画が撮れるだけでもめちゃくちゃ便利に使っています。

この大きさをどう捉えるか?

OPPO Find Nを評価する最大のポイントは「この大きさ」が自分のニーズに合うかどうか?です。

前回の記事を中心に再度振り返ってみます。

【サイズ比較】OPPO Find N vs Galaxy Z Fold3

OPPOの折り畳みスマホ「Find N」が発表されましたね。大きさのバランスといい閉じた時のアスペクト比といいとても良く考えて作られていると感じました。スペックも十分でリーズナブル。Galaxy Z ...

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まず16:9動画視聴に関してはGalaxy Z Fold3、Find N、比較用に大型スマホのPixel 6 Proを並べると以下のような違いでした。

ご覧頂いて分かるようにGalaxy Z Fold3も面積の割には大型スマホとの差がそこまで大きくありませんが、Find Nに至ってはもうほとんど大型スマホと一緒です。

これを「大型スマホと変わらないなら、もう大型スマホでいいんじゃないか?」と感じる方もいると思いますが、逆に「大型スマホ」との違いを考えてみると「普段はコンパクトで片手操作できるサイズなのに動画視聴の時は大型スマホ級に変わる」というところが魅力的なのです。なので大型スマホでいいじゃん!というなら、大型スマホは大型じゃくてもいい操作の時もずっとデカいじゃん!と言う事も出来る訳です。

次は電子書籍を見るイメージです。電子書籍だと幅がある分大きさの差が顕著になります。大型スマホよりもFind Nの方が大きい。でもGalaxy Z Fold3は断然大きいですよね。(※大型スマホでの電子書籍閲覧はもっと高い位置に来ると思いますが比較のために底辺を合わせています)

マンガなどはFind Nくらいの大きさがあればストレスなく読めると思います。でも、雑誌などになってくると正直Find Nは実用レベルとは言えません。Galaxy Z Fold3ですら細かい文字だとキツイこともありますが、個人的にはGalaxy Z Fold3くらいが絶妙なバランスだと思っています。

見開き表示の場合、Galaxy Z Fold3は大型スマホの単ページをそのまま見開きにする事が出来ますが、Find Nだとやや単ページが小さな感じなりますね。

次の見開き写真もGalaxy Z Fold3のものですが、Galaxy Z Fold3の場合マンガなら見開きでも快適に楽しめ、雑誌もなんとか全体を楽しむ事は出来ます。Find Nだとマンガはいけそうですが雑誌はもう厳しいでしょうね。

またWebサイト閲覧ではFind Nの正方形に近いサイズが仇となって情報量が減ってしまう事にもなるんじゃないでしょうか。

もしかするとFind Nでも様々な調整が出来るのかもしれませんが、そもそも「動画」「電子書籍」「Web閲覧」「ゲーム」どれをとっても正方形より長方形の方がコンテンツとの相性はいいと思うんですよね。

実はGalaxy Z Fold3ですら、もう少し縦長にしてもらえないかな?と感じるくらいなので、これ以上正方形に近くなったら使い勝手が悪くてしょうがないな・・・と思っています。

正方形を選んだFind Nの狙いが単に「小型スマホを開いたサイズがコレだった」というのであればちょっと詰めの甘さを感じます。OPPO曰くランドスケープ比率を採用し、小型スマホをそのまま横に開いたイメージで縦横持ち替えなくてもそのまま横幅の広いコンテンツが楽しめる。という事ですが、それがコンテンツを楽しむのにベストな縦横比じゃないのであれば本末転倒な気もします。

OPPO Find N は「魅力」と「弱点」が表裏一体

ご覧いただいたように、Find NはGalaxy Z Fold3よりコンパクトなんですが、実は単にコンパクトなのではなくて、それ故に「製品コンセプトが違う」という事に気づかされます。

Galaxy Z Fold3の魅力

Galaxy Z Fold3の魅力は「ポケットの中にタブレットが入る」という事です。開くとiPad miniに近いサイズになり動画、ゲーム、ブラウジングなどを楽しめて、電子書籍なんかは抜群に相性がいい。ペン対応したのも大型画面の価値が更に引き上げられて完成度が高まりました。そして、使い終わったら折り畳んでポケットに入れる。というスマートな携帯性が最高なんです。閉じたサブディスプレイでも片手操作でSNSや簡単なブラウザ閲覧なら十分。

Find Nの魅力

一方、OPPO FIND Nは「小型スマホ」と「大型スマホ」のいいところが一体化している事です。普段は小型スマホで何でも出来る。そして小型では物足りないシーンでは開いて「大型スマホ」級で動画などを楽しむ事が出来ます。また、開いた状態で左右分割表示させれば、小型スマホ2台を並べたような使い勝手になるのが魅力ですよね。

それぞれのコンセプトを一言にまとめるとこんな風に言えるんじゃないでしょうか。

  • Galaxy Z Fold3「タブレットが閉じてポケットに入る」
    開いた状態がメインで、閉じた状態が持ち運び用のサブです。
  • Find N「小型スマホが開いて大型スマホになる」
    閉じた状態がメインで、開くと拡張して広くなります。

このそれぞれのコンセプトのどちらが自分に合うか?を考えてみると選択しやすいでしょうね。

しかし、Find Nには大きな弱点があります。それは「重量」です。

先ほど比較表に表記しつつそっとスルーした項目があります。それが重量です。Galaxy Z Fold3が271gなのに対し、なんとFind Nは275gもあります。重い!重すぎる!大型スマホのPixel 6 Proは210gですから、Find Nはズシっと来ますね。

見た目のコンパクトさに騙されましたが、Galaxy Z Fold3よりも更に重いとなればこれは結構なウイークポイントだと思います。

Find Nは「小型スマホ」と「大型スマホ」を一つにしたような魅力がありますが、じゃ「大型スマホ」を買うより何がいいんでしょうか?一つはコンパクトに片手操作できる小型スマホとしてのフットワークの軽さがあると思うんですが、それが275gもあるなら「大型スマホより重い小型スマホ」としての利用に意味はあるんでしょうか?むしろ「大型スマホ」1台で良かったんじゃないかという気がしてきませんか?

では「小型になる事」は一旦置いておいて逆に「開いた画面の大きさの価値」について考えてみます。Find Nの特徴は大型スマホと違って正方形型に面積が広いという事なんですが、正方形側に広くなって便利になるコンテンツがほとんど思いつきません。地図を開いた時??写真を見る時?くらいでしょうか。電子書籍を楽しむにも小さすぎます。となるとあとは「2画面分割表示で小型スマホ2台分として使える事」ですね。いやむしろもうその一点かもしれません。うーん・・・その為にコレを買う価値がどこまであるでしょうか・・・。

私もGalaxy Z Fold3でちょこちょこ2画面表示は使いますが、必須と言えるほど頻繁には使っていません。Webを見ながら電卓をたたく、LINEする、ゲームする、などもちろん便利なんですが、その目的の為だけにスマホを選ぶのは少し躊躇います。

Find Nはそのコンパクトさが堪らなくかわいくて魅力的ではあるんですが、コンパクトであるが故に「大型スマホ」との差別化が行いづらく、圧倒的に「重い」という足かせを払拭できるほどの付加価値が生まれにくいと感じます。

つまり、何を楽しむために折り畳みにしたのか?という根本的な目的が曖昧なのです。

Galaxy Z Fold3は、大きさに振り切っているので確かに271gという重さはありますが「大型スマホ」より大きい「タブレットサイズ」としての価値があります。電子書籍も楽しめますし、画面分割するにも十分な大きさがあります。それがポケットに入るから価値があるんです。Galaxy Z Fold3は「スマホとタブレットの2台持ち」でも得る事が出来ない体験を享受できる唯一無二の存在意義があります。これは以前記事にしましたので宜しければあわせてご覧ください。

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私個人としては、こうした特徴も全部理解した上でFind Nは魅力的なスマホだと感じています。所有欲をとても掻き立てられます。でも、これまで「折り畳みスマホ」利用経験がなく、こうした特徴を考察することなく初めての折り畳みスマホとしてFind Nを選んでしまうと「これ、6インチ台のスマホと動画視聴の大きさ変わらないじゃん」「広い画面でブラウザを見たいのに閉じた状態の方が縦横比的に見やすくない?」「わざわざ開くの面倒だな」「これなら大型スマホ1台で良かったんじゃないか」等とネガティブに感じられてしまうんじゃないかと心配しています。

OPPO Find Nが折り畳みスマホ普及の大きな一翼を担ってほしいと期待しつつも、このコンセプトが仇にならなければいいな・・・と心から思います。

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