CPU入れ替えを先延ばしにした代わりという訳ではないんですが、モニターの入れ替えを行いました。
LGの4Kモニター「27UD68-W」です。
●きっかけ
今まで使っていたのはIO DATAの「LCD-TV241XBR」でかれこれ丸9年使っています。24.1インチのWUXGA(1920×1200)液晶で、FHDを満たす解像度でしたので困る事が無かったんですよね。ちなみに、アナログテレビチューナーを内蔵していてパソコン触りながらピクチャーインでテレビも観られる。という面白いモニターでした。
ただ、ここ1年くらいの間に、55インチ 4K TV「VIERA TH-55AX900」を購入してPCの画面を4K/60P接続したり、4K/30p動画を撮影できるデジカメ「LUMIX DSC-LX100」を購入したりして俄かに4Kコンテンツ環境が揃ってきたので、肝心のPCモニターもそろそろ4K化しておきたいなぁ。と思った次第。撮影した動画、写真や4K Youtubeなんかを気軽にPCモニターで楽しみたいですからね。
4Kテレビ(VIERA)を買った時はスペック要件として「HDMI2.0&HDCP2.2」が外せなかったのですが、PC用モニターであってもやはり4K映像の要となる「HDMI2.0&HDCP2.2」は満たしておきたいところです。でも、なかなかこの要件を満たすモニターが出てこなかったんですよね。(まぁ、HDCP2.2に対応していても将来的に4K放送をPCモニターで受像する事は考えづらいのですが、規格関連は何があるか分かりませんので漠然とした安心材料です)
そして、ここしばらくでようやくHDCP2.2対応モニターが出始め、今月になって俄然物欲を掻き立てるモニターが発表されました。それがLGの「27UD68-W」です。設置場所の都合と座席からモニターまでの距離から27~28インチくらいがベストでしたのでサイズ的にも丁度いい大きさ。
●「27UD68-W」と「27MU67-B」
実は、LGでは2015年7月に「27MU67-B」という4Kモニターを発売しており、これが高性能ながら5万円台前半で買える非常にリーズナブルなモデルなのです。
評判も良くコストパフォーマンスに優れた機種ですが、見た目がオーソドックスで特に惹かれるものではありませんでした。
この僅か5か月後、この「27MU67-B」をベースにデザインを変えて発売されたのが「27UD68-W」です。その特徴は何といっても「超薄型ベゼル」。上と左右のベゼル部がわずか9.1mmという薄さです。今の24.1型からそれほど設置幅を変えずに3インチのサイズアップを実現します。
正直、ネットで発売情報を見た瞬間に「あ、これ欲しい」と思いました。やっぱり入れ替えるなら見た目から新鮮な方が良いです。特に我が家では左右にスピーカーを置いている関係であまり横幅が取れません。狭ベゼルモデルなら何とか置けるのでは?と考えたのも物欲を加速させました。
さて、その他の27MU67-Bとの違いは、mini DisplayPortが省かれたこと(通常のDisplayPort1.2は付いています)それから、高さ調節、左右傾け、縦回転が出来なくなった事です。その代りデザインが変わり、重量も軽くなった。という形ですね。
●最大の対抗候補「Acer CB281HKbmjdprx」
そもそもLGのモニターに一目ぼれしたのでそのまま購入すれば良い話なんですが、やっぱりそこは何か落とし穴がないか。他のモニターの方が優秀なんじゃないか。と念のため比較調査してみました。
中でも最有力のライバルはAcer「CB281HKbmjdprx」です。こちらも11月に発売されたばかりの新モデル。本製品は見た目こそ普通ですがスペックは非常に魅力的です。
LGと比較してみるとこんな感じです。
画面サイズ
LG 27インチ Acer 28インチ
→高精細な4Kと考えると1インチでも大きいAcerは魅力的
応答速度
LG 5ms Acer 1ms
→Acerは圧倒的に応答速度が速い!
コントラスト比
LG 最大5百万:1(通常1000:1) Acer 最大1億:1(通常1000:1)
→1億:1ってなに?!(笑)
グラフィックボードとのSync機能
LG AMD Freesync対応
Acer NVIDIA G-SYNCTM対応
→グラボはGeForceの方が最近はコスパがいいようなのでAcerの方が魅力?
価格
LG 約6.5万円 Acer 約6万円
→少しAcerの方が安い
またどちらも「フリッカー」を抑えたり、低解像度な映像を引き上げる(いわゆるアプコン)機能などが付いており、もちろんHDMI2.0&HDCP2.2対応、とその他の機能部分では甲乙つけがたい感じです。つまり、ここまでのトータルでは明らかにAcerの方が優秀だと言えます。
一方、LGの優れているのはパネルが「AH-IPS液晶」だという事。Acerはどんなに高画質技術が投入されていてもパネルが「TN液晶」という時点で大きなハンデですね。画質面では明らかにIPSの方が優位だと言えますし、逆に応答速度ではTN液晶の方が有利になります。
最後はこの「パネルで優位なLG」と「応答速度で優位なAcer」をどう見るか。というのが悩みポイントになりました。あとはグラフィックボードはNVIDIAに変えようと思っていたので、ここもLGよりAcerの方がいいんじゃないか。と悩んだポイントです。
色々悩んだ結果、結局最終的にやっぱり4K画質を求めて購入するのだからパネルには妥協したくない。という思いを優先させてAcerを選択肢から落とす事にしました。正直、パネルがAcerも「IPS」だったらもっと悩んでいたかもしれませんし、ゲーマーだったら間違いなくLGよりAcerでしょうね。
●その他の比較機種
ちなみに、更に他社で言えば、IODATAの「LCD-M4K282XB」もなかなかでした。
Acerに非常に近い仕様で、28インチ、TN液晶、HDMI2.0&HDCP2.2対応、フリッカーレス、超解像あたりはAcerに近い仕様。応答速度はオーバードライブ機能オンで2.2msとAcerには劣るもののLGより優秀。コントラスト比は通常1000:1しか情報なし。Sync機能はLGと同じくAMD Freesync対応。
大体似通った特徴ですが、良くも悪くもAcerとLGの間といった感じで、これを選ぶならAcerを選ぶべきだろう。と思いました。(もちろんAMD syncが欲しくて、応答速度にも拘る。となってくればIOが選択肢になってきます)
あとは、DELL、ASUS、PHILIPSなどもありますがDELLやASUSはパネルがIPSという魅力はあるもののHDMI2.0にも対応していないので土俵に上がりませんでした。PHILIPSは悪くなさそうですが他モデルと比べるとちょっと未知数な要素が多かったですね。コントラスト比が5,000万:1というのは凄そうなのでこれも有力な選択肢になると思います。
LGと同じく狭額ベゼルという意味では「S277HKwmidpp」もデザインは魅力的ですね。スペック的にもなかなかでパネルもIPSです。ただ、ちょっとHDCP2.2には対応していなさそうな上に、そもそも他の同等モデルと比べて一回り価格が高い事(約8.5万円)という点がありますので、他機種に2万円も追加してまで買うべき理由もありませんでした。
●改めて「LG 27UD68-W」で決定
LGに一目ぼれしてから他機種も色々調べまわってみましたがLGを明らかに上回っているモデルもなく、ギリギリまで対抗馬として残ったAcer CB281HKbmjdprx も「TN液晶」というところがどうしても引っかかって、ゲームよりも映像鑑賞の方がメインになる私としては応答速度よりもパネルを取る。という判断をしました。
更に、秋葉原のSHOPや価格.comで64,800円(税込)というところ、数量限定で59,980円(送料/税込)というSHOPを見つけてしまい、価格でもAcerに追いついてしまったので、もうポチらずにいられなくなりました。
スタンドもごてごてしていなくて好感が持てます。ヘアライン加工されたメタル色で割とカッコいい。ちなみに材質はプラスチックなんですがパッと見そんなにチープに見えないのがいいですね。
組み立ててみるとこんな感じ。シンプルな構造ながら非常に安定しています。
裏はホワイト。プラスチックなので高級感はありませんが、あまり目に触れる訳でもないので気にはなりません。インターフェイスはHDMI2.0×2とDisplayPort1.2。DVIはありません。最新の揃え方でいいですね。ちなみに接続が下からではなく、まっすぐ後ろから挿すスタイルです。これは壁際ギリギリに置きたい人には不便かもしれません。我が家ではスペースは取れているのでむしろ挿しやすくていいです。
従来:LCD-TV241XBR
新導入:LG 27UD68-W の比較です。
24.1インチと27インチという違いがあるのに立幅ではLGの方が小さいんですよね。さすが狭ベゼル!イカす!
厚みもこのとおり。9年の差は大きい・・・。当然重さも半分以下です。
設置した状態の比較です。こちらはこれまで使っていたLCD-TV241XBR
全く同じ場所でLG 27UD68-Wに入れ替えました。とてもスッキリ!ベゼル分の圧迫感がなくなりました。ちなみに若干画面が横長になったように見えると思いますが、これは以前のLCD-TV241XBRが16:9ではなく16:10(1920×1200)だった為です。
少し横に長くなりましたのでスピーカーに被ってしまってます。音を聴く限り大した影響はなさそうなのでしばらくこのままでいってみたいと思います。
●使用感(文字の大きさは?)
27インチ4Kということでドットピッチが小さくなって不便にならないかと少し心配していましたが、Windowsのスケーリング機能を使えば全く問題はありませんでした。
最近ではスケーリング対応(System DPI Aware)ソフトも多いので、スケーリングしたからといって文字や絵がボケたり滲んだりすることはありません。
逆に、文字が滲んでしまうアプリケーションはスケーリング非対応だという事です。この場合は滲んだまま使うか、プロパティの設定で「高DPI設定では画面のスケーリングを無効にする」にチェックを入れれば、変に拡大されずにドットバイドット表示してくれるのでどちらかを選択するしかないですね。
少なくとも画像ビューアや動画再生ソフトにおいて、スケーリング非対応ソフトなのにスケーリング表示させるのは厳禁です。単純に拡大されて精細さが失われますからね。これら画質が大事になるソフトはスケーリング対応ソフトを探す事が一番ですが、どうしても非対応ソフトを使いたい時は「スケーリング無効」にチェックを入れて使うべきですね。
このスケーリングさえ上手く使いこなせば、4Kモニターで見る写真の美しさ、動画の美しさ、を十分に堪能できます。ですから、基本インターフェイスはスケーリングで見やすく調整し、画像/映像は高精細なまま美しさを楽しむ。これが27インチクラスの4Kモニターの正しい使い方だと思います。
ネット上で「27インチ4Kモニターは文字が小さすぎるし、拡大するとボヤけるから意味がない」なんて書き込みもありましたが、全くそんな事はありません。確かに、どうしても小さい表示で我慢しなければいけないケースもありますが、基本的には使い勝手を変えることなく画像や映像は高精細な4K画質で楽しむことが出来ます。
但し作業領域の広さを求めて高解像モニターに替えたいのであれば、29インチ2560×1080や34インチ3440×1440あたりをスケーリング無しで運用する方が適していると思います。4Kモニターの魅力はやっぱり「4K解像度コンテンツ」をドットバイドットで楽しみたい!という部分ですからね。高解像度モニターを検討されている方は、よく自分のニーズを考えて購入するのが良いと思います。
さて、実は、今回モニター設置に至るまでに最も頭を悩ませたのは実はモニターの機種選定ではなく「グラフィックボードの選定」でした。次回はグラフィックボード選定について記事にしたいと思います。