Windows10の無償アップグレードが始まってから10か月。あと2か月で無償期間が終了しますね。
ここへきてマイクロソフト社による半ば強制的なアップグレード誘導が加速してきていますが、一方で「意地でもアップグレードしないぞ!」というユーザも多いようですね。
私は無償アップグレードが始まった瞬間にWindows10に替えましたから正直高みの見物。といった状態なんですが、はたから見ているとどっちもどっちだなぁ。という印象。
●アップグレードを求めるマイクロソフト
まずWindows7や8.1ユーザはマイクロソフトの使用許諾に守られていますので、サポート期間も終わっていないのに強制的に違うOSに変えられる謂れはないと思います。その意味で、マイクロソフト社のちょっとズルい誘導はやりすぎかなぁ。と思います。
特に動かなくなるソフトや周辺機器がある場合、ユーザがその利用権利を奪われる筋合いは全くないと思います。ITリテラシーの高くない方は対処もできないでしょうし、代替ソフトや機器を探すのも苦労されると思います。
ただゆくゆくはOSもアップグレードが必要ですし、Windows10では同OSの中でアップデートを繰り返す方式に変わります。今後はiOSやAndroidのように一度手に入れればそのデバイスでは無償でアップグレードしていくスタイルに変わるのだと思います。この思想は今のIT時流に合っていますし、これからのOSに求められる機能、セキュリティ、クラウドとの常時連携などから見ても理解できます。そしてサポート云々を理由に必要もないのに有償でアップグレードさせられる。という文化が終了するのですから歓迎されるべき思想でしょう。
特に今回は旧思想のOSだったWindows7や8.1ユーザについて、新思想のOSに無償で移行できる方法を1年間提供してくれた訳です。
機種メーカーがアップデートしてくれないのに2年縛りを待たずにサポートを打ち切っていくAndroidと比べれば圧倒的に理に叶った配慮です。ただデスクトップOSというこれまでの特性と、サードベンダーの取り組み状況を見ると、もう少しやり方を考えないといけませんし、ユーザの声やサードベンダーへの働きかけなど広く取り組む必要があるかもしれません。
●アップグレードを拒否するユーザ
一方で、ITリテラシーもそこそこ高く、Windows10に替えてもそれほどネガティブな影響も受けないにも関わらず「Windows10へのアップグレードを回避するぞ!」と息巻いている自称「IT通」なユーザもちらほらいるようでこれはとても残念です。
「実際に使ってみて問題に直面した」のであればその情報を流していただきたいのですが、場合によっては「使ってもいない」「問題にも直面していない」のに「最新OSを批判したいだけ」の方もいるようで、そんな主張は正直何の役にも立たない上にITの発展にとっても阻害でしかないと思うのです。
マイクロソフトから見ても、古いOSにしがみつかれるのはサポートコストの負担にもなりますし、そもそもセキュリティ上も望ましくありません。リテラシーの低い方が不安がるのは分かりますが、今回の例では「レジストリを書き換えてまでアップグレードを回避しようとする方々」や「自分はアップグレードしない」と主張して周りの人にもアップグレードしない方がいいんじゃないか?という空気を広めている方々もいるようです。
多少でも周りの人より詳しいと自覚している方は「最新のOSにしない俺かっけぇ」アピールではなく、もうちょっと役立つ情報を出してもらえるといいのに。と思いますね。
例えば
「私の場合はこういう問題が起こったので古いOSのまま使っていますが、問題なさそうな方はセキュリティ面からも最新OSに変えておく方が望ましいですよ。最悪何か起こったら今回の無償アップグレードなら前バージョンにすぐ戻せますし、今後PCを買い替えたときにいきなりWindows10に突入するよりも、無償期間の今試すのは十分意味があると思います。但し、絶対に利用できないと困るアプリケーションがWindows10に対応しているかは事前にネットで調べておくと安心だと思います。ほとんどのケースはそのまま、あるいはアップデート、あるいは互換モードで動きますが、稀に動かないものも存在します。」
みたいなメッセージだととても理解できますし、検討の参考になります。
ということで、マイクロソフトのやり方もイマイチだし、妙な抵抗勢力によってリテラシーの低い方まで惑わされてるし、どっちもどっちだなぁ。と思った次第。