WindowsPhone(IS12T)がauから発売されましたね。
世間では、マップガーとかマケプレガーとか日本対応アプリ全然ねーとか
サービスレベルの低さが指摘されています。
一方、操作感は抜群のようで、そのヌルヌル動く感じに批判の声をほとんど聞きません。
しかし!
私が個人的に興味があるのはそういった要素だけではなく
DAP(音楽プレイヤー)としての質にも興味津々な訳です。
●私はWindowsPhoneの音楽機能にも興味がある!
なぜなら、MicrosoftのZUNE HDというDAPは、一部では相当高品質と言われており
話を総合すると、iPodはもちろん、S-MASTERのWALKMANより上であるばかりか
高音質DAPと評価される機器達と互角以上の力を持つと言うのです。
ところが、ZUNE HDはそもそも日本では発売されておらず
本国アメリカでも既に生産が終わりました。
そう、今後は「WindowsPhone」に搭載されるからです。
純粋なDAPではなく、様々な機能の複合機であるスマートフォンになることで
もちろん低品質になる可能性はありますが、iPodとiPhoneの関係において
必ずしもiPhoneのDAP音質が低くなかった事(むしろ高音質なくらい)を考えると
WindowsPhoneのZUNE(DAP機能)にも期待せざるを得ません。(というか期待したいという願望)
ということで、店頭で実機を触ってみました。
●まずは触ってみた感想
世間で言われるように「ヌルヌル」なのは間違いないですね。
非常になめらかで引っかかり無く、且つスピーディーに動きます。
ただ、動きの演出から「サクサク感」はあまり感じず、あくまで「ヌルヌル」動く印象です。
特に、フリック入力なんかはヌルっと感が強いですね。
あ、フリックの進化形である「カーブフリック」はいいと思います。
元々フリックが出来る人は1日あれば慣れると思いますし、入力も速くなると思います。
また、ブラウザの挙動が非常に高速でこれは素晴らしいと思います。
どのAndroid機もここまでの快適さは実現出来ていないと思いますし
iPhone4を超えているといっても過言ではありません。
一番縮小時に文字が見づらいのは残念ですね。
仕様的な面では、外部メモリが使えないのはやっぱり残念です。
それであればこの時期なんですから64GBモデルで出して欲しかったですね。
SkyDriveに誘導したいんでしょうけど、本体・外部・オンライン3つ揃えてこそ
競合から抜きんでる事ができると思うんですけどね。
●そしていざ音質チェック!!・・・と思ったのだけど
えーと。デモ機に音楽ファイルが一つも入ってません。
えーと。外部メモリ対応しないので自分のファイルも試せません。
うーむ。これは困った。
●起死回生の荒技
そして思いつきました。
デモ機のIS12Tに、勝手にDropboxの試用版をインストールwww
自分のIDとパスでオンラインストレージにアクセスしてみました。
見える。見えるぞ!!俺のファイル達がwww
ということで、まるで自分のスマホかのように
Dropboxから自分の音楽ファイルを再生。
手持ちのUE18Proを直挿しして試聴。
●肝心の音質
第一印象としては悪くないです。
どの音域もちゃんと出ていて、全体的にはフラットな音作り。
必要十分な音が出ています。
後で自分のiPhone4でもDropbox上の同じファイルを再生してみましたが
iPhone4の方が少し大味で籠もった感じです。
次にCK4+STEPDANCEも試しましたが
こっちはやっぱり情報量も多く、音の深み、広さが違う印象です。
かなり短い時間の試聴印象なので、改めてチェックが必要ですが
記憶に残るイメージでは
CK4+STEPDANCE > IS12T直 > iPhone4直 でした。
是非またじっくり聴き比べたいと思います。
●最後のお手入れ
DropboxのID入力とか、1文字ずつ入れれば良かったんでしょうけど
さくさくフリックで入れてしまった為に、変換候補に自分のIDが残ってしまいましたw
仕方ないので、IS12Tの設定画面で、入力の変換候補キャッシュを削除。
Dropboxもログアウト後、念のためIDが自動入力されることがないか確認の上、アンインストール。
もう痕跡を全てキレイさっぱり消して立ち去りました。
●ということで総評
WindowsPhoneの感想ですが
ヌルヌル動くし、写真撮ったり、音楽聴いたり、ブラウジングするにはいいと思います。
iPhoneやAndroidと比べても十分な完成度です。
ただ肝心のアプリやサービス部分はまだまだでしょうし、メニュー画面のカスタマイズもできないなど
本当に総合的に使いやすくて楽しいスマホになっているか。と言われると
今の時点では、iPhoneの総合力が1位なのは変わらないと思います。
また、iPhoneはAppleだけの孤高の機種であるのに対し
WindowsPhoneは色んなメーカーが、色んなデザインや機能を搭載して出してくると思います。
この面ではどちらかというとAndroidに近い特性を持っています。
iPhoneと同じレベルのハードウェアの完成度と
Androidと同じようなラインナップの幅広さが兼ね備わるなら
相当強いスマホになる可能性があると思います。
WindowsPhoneが力を持ってくれば、Androidは駆逐されるかもしれませんね。
Androidの本当の強みは「自由さ」にあるのですが、それを享受出来ているのは一部のマニアだけで
ほとんどのAndroidユーザは「デザイン」「日本独自の機能(オサイフやワンセグなど)」「キャリア」などの
要素で選択しています。
例えば、かわいくて、おしゃれで、おさいふやワンセグ等が付いたWindowsPhoneが
全てのキャリアから出されたとき、どれくらいのユーザが「それでもAndroidの方がいい。なぜなら・・・」
と語れるでしょうか。
「ハードウェア・OS基本部分の完成度」
「ソフト(アプリ)の多様性と充実度」
「それらを取り巻くサービスとエコシステムの完成度」
スマートフォンにはこの3つが揃うことが重要だと思います。
ただでさえAndroidは有料アプリが売れない環境にあり
Androidへのアプリ提供にメリットを感じない開発者達も多いと聞きます。
Androidの問題点は以前も記載しました。
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Android Desire HD(001ht)とiPhone 4の両機持ちになって10日が経ちました。 今感じる、AndroidとiPhoneの違いについて書いてみます。 ●ホーム画面について iP ...
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現時点で、Androidはエコシステムの形成に失敗しており
それによって、ソフトの充実度が図れずにいます。
それでいて、ハードウェアの完成度が一番低いんですから、
このままでは勝ち目はないと思いますよ。
もちろんWindowsPhoneもスタートに成功したとは言いがたいです。
Ver7.5を世界初で日本で発売したのに、日本をないがしろにしたマップ。
日本をないがしろにしたZUNEマーケットプレイス。日本対応アプリも全然揃っていない。
また、おさいふやワンセグを積まなかったばかりか、キャリアメールもLismoも積めていない。
現時点のサービスレベルの低さを考えると、満を持して出したというよりは、
Androidの攻勢やiPhone5の発売にビクビクして勇み足で発売したと言われてもやむを得ません。
一方、徐々にAndroidによるファッション性、選択肢の豊富さ、他社サービスを受け入れる自由さに対して
多様性を排除し続けるiPhoneも、継続的な普及という意味では盤石とは言い切れません。
今後、この3つ巴がどうなっていくのか非常に楽しみですね。
個人的には、オンラインストレージや独自オンラインサービスなども方法によっては結構差別化に使えると思いますので、各社どんどん切磋琢磨して、良い物を作り出していって欲しいと思います。
●ちなみに・・・
ビジネス用途という分野で見ると、また大きく違って来ると思います。
WindowsPhoneの、Office機能、PCとの連携、クラウド(Office365)連携、
またWindowsで動く様々なソフト・ハードを提供するサードパーティーとの協調などは
うまくハマってしまえば、ビジネスではWindowsPhone一択という世界を作れるかもしれません。
このあたりも、コンシューマ市場にどう影響を与えるのか興味深いでしょうね。