ピュアオーディオ

RB-1592SE バイアンプ化 1か月レビュー

前回の記事でROTELのパワーアンプ「RB-1592SE」を2台バイアンプ化した話を書きました。

RB-1592SEをもう1台追加してバイアンプ化してみた

我が家では弩級ステレオパワーアンプROTELのRB-1592SEを使っているのですが、今回同じRB-1592SEをもう一台追加してバイアンプ化を行いました。 理由 元々RB-1592SE以前は、同じR ...

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あれから1か月近く聴いてきて、いくつか繋ぎ変えも行った印象をまとめてみます。

まず、バイアンプ化した当初はカチャカチャ接続を切り替えて数曲比較をしていたのですが、それだけでは本当の違いが見えてこない事が分かりました。

私の想像では低域が強くなるなら全ての音源で強くなる。透明感が増すなら全ての音源で増す。と思っていたのですが、実際は「音源によって反応がまるで違う」という事が分かってきました。

敏感に反応する音源と、あまり反応しない音源があったり、もともと低域が強いからといって必ずしもそこが強調されるとも限らない音源があったり、更には悪い部分が強調されてより悪くなるような音源もありました。ピュアの世界では機器構成によって「良い音源は更に良く、悪い音源は更に悪く」というのは割とある例ですが、そんな単純なものでもない多様な傾向があったのです。

そこで1~2週間くらい聴いて、また次の設定に替えて、という感じでしばらくいろんな音源を聴いてみてから替えてとしてみるとそれなりに音の違いが見えてきました。

まず、振り返って考えてみるとシングルアンプ(バイワイヤ接続)の音の印象は下記採点です。

アンプが1台なので低域のバランスがやや弱く、スピーカー側のBASS設定やトーンコントロールで低域を持ち上げた方が心地いい曲もありました。一方中高域は少し強く出て、特にボーカル周りが強い印象。

目指す理想は全体バランスが取れ、透明感も立体感も増すことです。基本的に点数は「量感」をイメージしています。中高域については「質」もイメージしていますが、低域は完全に「量」の値です。なので「10」を頂点として超えすぎるのも良くない。という指標で付けてみます。

高域(RCA)×低域(XLR)

実はバイアンプ化した最初の印象は高低振り分けも左右振り分けも「ん?シングルアンプとそんなに変わらない??」という感じでした。でもちょっと捻って「高域RCA(アンバランス)×低域XLR(バランス)」接続にすると、どの音源でも明らかに低域の量感が増し、高域も透明感が出て大きな音の変化を感じたのです。これは凄い!今までやや非力だった音源は心地よく低音が広がります。これはいい!と思って1週間くらい聴いていたんですが、さすがに低域が強すぎる音源が多い気がしてきました。もうブオンブオン部屋に響く曲が沢山。

高域(RCA)×低域(RCA)

そこでしばらくしてから低域側もアンバランス接続に戻してじっくり聴いてみる事にしました。すると最初に感じていた印象とは異なり、中高域の透明感もしっかりありつつ帯域バランスも良くなる事が分かりました。ただ今度は逆にやや低域が弱い。ピッタリ合う曲もかなり増えましたが、それも優等生的な感じは否めません。

もちろんトーンコントロールでいじってもいいんですが、うちのコントロールアンプ(ラックスマンC-8f)は何もいじらない「ストレートモード」の音質が高いためトンコンを使ってしまうと中高域のキレが少し落ちるジレンマも。標準でいけるところまでいきたいんですよね。

左右振り分け(RCA)

じゃ、また違うアプローチで。と今度はアンプを左右スピーカーで振り分ける方式にも戻してしばらく聴いてみました。驚いたのは「中高域」の音も変わった事です。高低振り分けよりも厚みと立体感が増し、力強くなりました。これは好印象です。本来、その分透明感は失われるはずですが聴感上はメリットが上回る印象。ただ低域が再びかなり強めに出るようになりました。音源によっては低域が強く出すぎますが、多くの音源でシングルアンプより良い方向に変化しているのは好印象。

まとめ

今はまだ左右振り分けで様子を見ていますが、中高域の透明感や帯域バランスという優等生的な音(高低バイアンプ)を取るか、全体の立体感、厚みが増すが低域がやや暴れる音(左右バイアンプ)を取るか。これは悩ましいところです。

なぜなら「音源によってそれがいい方にも出れば悪い方にも出る」からです。元々良い音源を聴くときはアンバランス高低振り分けが良く、元々やや物足りない音源を聴くときは左右振り分けが相性が良いようでした。だから左右振り分けが暴れるといってもそれは音源によります。音源によってはこれでも大人しくてもっと低域が欲しくなるものもあります。例えばYoutubeの音を流すくらいであれば「左右振り分け」が力を発揮するようでした。

もう機器の違いのレベルを遥かに超えて音源の振れ幅の方が大きいんですよね。聴く音源ごとに設定が変えられれば全部心地よく聴けるんですけど。みんなどうやって制御してるんでしょ。

それにしてもROTELのパワーアンプ。なかなか楽しませてくれます。RB-1592SEは既に販売終了しているので、今はROTELだと弟分の「RB-1590」か、モノラルの「RB-1581SE」あたりが近い選択肢になるでしょうね。どちらも非常にコスパのいいパワーアンプなんじゃないかと想像しています。

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