PCを強化したのと同時にキーボードも新調しようと思いましてREALFORCE R2 を購入しました。
皆さんご存知高級キーボードの代名詞「REALFORCE」ですが、ずーっと欲しくて買おう買おうと思いつつなかなかきっかけがなかったんですよね。今回PCを強化したついでに買うなら今しかないだろう。という事で踏み切ってみました。
特に「R2」というシリーズになって「スペースキーが大きくなり」「キーボードの奥行きが短くスリムになった」という変化があり、より自分の求めるキーボードにマッチしたというのもあります。
選んだモデル
さて、今回私が選んだのはR2SA-JP3-BKです。数あるREALFORCEの中でも最高級の中の1台ですね。
REALFORCEには種類がかなりあります。
知らない人はこちらを見るだけでも驚くんじゃないでしょうか。最近増えたゲーミング系ではなくホーム用だけでこれだけあるんです。
主に分けると下記6項目で好きな組み合わせでモデルが用意されている感じです。
種類:「フル」「テンキーレス」
レイアウト:「日本語」「英語」
キー荷重:「変荷重」「All30g」「All45g」
APC:「有」「無」
スイッチ音:「静音」「標準」
色:「アイボリー」「ブラック」
私が選んだR2SA-JP3-BKは
・フルキーボード・・・家族からテンキーは必須!と要求
・日本語・・・みんなこのレイアウトに馴染んでる
・All30g・・・せっかくREALFORCE買うんだから軽さ追求!(ここで値段が上がる)
・APC有り・・・全く注目していなかったけど付いてきたので使ってみたらヤバかった
・静音・・・ここもREALFORCEの持ち味。キー音が静かなら家族にも迷惑かけない。
・ブラック・・・こだわりのアイボリーって感じもしますが、やっぱりブラックがシンプルでカッコイイ。
という訳です。
簡単に一つずつコメントしていきます。
フルキーボード
家族からテンキーは必須!と要求がありました。普段仕事ではテンキーのないノートPCで仕事をしているので個人的にはマウスを置くスペースが広くなるテンキーレスでもよかったんですが、まぁ、数字をよく打つケースだと指の移動が最小限で済むテンキーが有利なのは間違いないですね。ちなみにテンキーレスでもキーボードの値段は同じです。
日本語配列
さすがにレイアウトは仕事でも日本語配列のものを使っています。特に英語配列は日本語切替ボタンがなかったり、エンターキーが小さかったりと普段日本のキーボードを使っていると操作ミスが間違いなく増えます。
荷重All30g
ここは少し悩みました。あまりゲームをしない我が家からすれば「変荷重」という選択肢もあります。
※変荷重とはキーによって重さが違い、手をホームポジションに置いたときに小指でタッチするキーを軽くしてあるタイプです。
All45gは一般的なキーボードと比べれば軽く、価格も安いんですよね。
All30gは更にタッチを軽くして指に負担なく軽やかに入力ができますが、軽すぎて誤タッチする事もあるといわれます。店頭で触った限りはどれも気持ちいいんですが比較するとやっぱり30gは軽いんですよね。どうせREALFORCEを買うなら多少高くても30gにして誤タッチは慣れでカバーだ!とAll30gにチャレンジ。
APC
APCとは、キーをどこまで押しこめばタッチしたと反応するか、その重さを変更できる機能です。
1.5mm、2.2mm、3mmから選ぶ事ができます。この機能、いまいちピンと来てなかったんですが使ってみると凄い効果でした。
また、浅めに設定した場合には実際にキーを深く押し込めないようにするスペーサーが2種類付いてきます。一旦キートップを全部取り外して下に敷くんですよね。
静音
ここは今回外せない要件の一つでした。とにかく静音でのタッチが脳汁出るくらい気持ちいい。
安物のキーボードは「ペチペチ」音がします。音で気持ちよさを感じることはないですよね。
メカニカルキーボードは「カチャカチャ」と機械的な音がして、これはこれで気持ちいという人も多いと思います。
REALFORCEの静音タイプは「コスコスコスコス・・・」という静かな音で何とも言えない心地よさです。
REALFORCEならではのタッチ感覚と相まって叩いている事自体が楽しい。という感じさえします。
ブラック
色も若干悩みました。邪魔にならないのはシックな黒。なんですが、私が買ったモデルは「昇華印刷」という印刷方式で印字されています。レーザー方式に対して更に文字が長年の劣化で消えづらいという強みもあるんですが、黒いキーボードに黒い文字なのでとにかく見づらいんです。
もちろん大体ブラインドタッチですし、ほぼ真っ黒な方がデザイン的にもおしゃれです。ただ、マウスだけの操作の時におもむろにちょろっとキーボード入力する時(例えばパスワードとか)なんかに見誤るんですよね。ホームポジション以外の時は意外と文字見ながら打つ事もあったのかも・・・と再認識させられました。
でもこれはデザイン性とトレードオフです。迷ったAll45gモデルで採用されているレーザー印刷は金色の文字でとても見やすいので、正直All30gでレーザー印刷があったらそっちを選んでたなぁ。って思います。
左:レーザー印刷 右:昇華印刷
実際に利用しているテーブルに置いてみました。重量感もあって、一度置いたら激しくタッチしても一切動くことがありません。この安定感。
REALFORCE Software
REALFORCEの更に凄いところなんですがAPCの設定などはソフトウェアから行うことができます。
ソフト側では何とAPC(キーが反応する深さ)をキーごとに個別設定できます。例えば、普段ほとんど使わずむしろ誤タッチになりかねないキーは敢えて深く設定しておく。なんて事が出来ます。
更に、絶対触らないぞ!というキーは完全にロックすることもできます。例えば、テンキーで「7」をタッチする時に間違って押しがちな「NumLockキー」こんなのいつLockするんだよ!ってな方はこのキー自体を反応しなくしちゃえば良いですね。
そして設定が終わったら「キーボードへの保存」でキーボード側に覚えさせることができます。
ちなみにAPCは一番右上のボタンで全体一括で「1.5mm」「2.2mm」「3mm」を切り替える事も出来ます。
ちなみに写真の緑色のインジケーターは7色くらい変えることができるのと、APCの設定ボタンを押すごとに色が変わるのもいいですね。
スペーサーで高さを変えてみる
標準のキーの深さはしっかり下がるのでこれがREALFORCEっぽくもあるのですが、せっかくAPCの機能もあるので更なる軽やかさを追求するためにスペーサーを入れて高さを変えてみることにしました。
まずはキートップを一つずつ外していきます。REALFORCEにはキートッププラーというキートップを外すための工具が標準で付いています。
スポッと引く抜く感じですね。ほとんどのキーは簡単に取れたのですが、スペースキーだけは大きくてちょっと大変でした。
全部外したキートップがこちら。ほとんどのキーは戻すときに間違うことはないですがctrlキーなどは2つあって左右同じ形をしているので間違えないようにしないといけません。
ちなみにスペースキーだけスプリングが入っています。初代REALFORCEにはなかったそうですがR2ではスペースキーが大きくなったために戻りを小さなキーと同じくらいの感覚にする為にスプリングが入れられているそう。ここだけ感覚が違うと感じて敢えて外す方もいるのだとか。
さてスペーサーは2種類。分厚い方を入れるととてもキータッチが浅くなりAPCも1.5mmのみ対応します。薄い方はちょうど真ん中くらいの深さでAPCも1.5mmと2.2mmに対応します。
こればっかりは実際に試してみないと分からないのでそれぞれ試し置きして感触を確かめてみます。
家族にも試してもらったところ、一番分厚いのは「浅くなりすぎて気持ち良くない」とのこと。何気にスペーサーを挟まないのが一番気持ちいいとの意見もあったのですが、薄い方のスペーサーは悪くない感触。これで行ってみようという結論になりました。
スペーサーを置く前がこちら
スペーサーを置くとキーの土台と同じくらいの高さになりました。ここまででキーが止まる感じです。スペーサーは非常に柔らかく弾力がある材質なのでカチッと止まるのではなくフワっとキーが触れる感じですね。
キーを全て戻して再度利用してみたところ、明らかにスペーサーなしと比べるとキータッチが軽やかになりました。「軽くなった」というより「軽やかに打てるようになった」という感覚。そして、タッチの気持ちよさはほとんど変わっていません。というよりむしろ更に気持ちよくなったかも。
ファンクションキーやテンキーなどはスペーサーがなく初期状態のままなので確かに感覚の違いを感じますが、ファンクションやテンキーを使う時は文字入力のように流れるような動作から一瞬離れますのでほとんど違和感はありません。
という事でAll30gの荷重&APCで非常に軽いキータッチが実現しました。これは正直やばいです。文字入力が進む進む(笑)
「静音All30g」も「APC」も「スリム化」も「スペースキー大型化」もREALFORCE第2世代で実現したものばかりですから、正直初代とは全く別物といっていい進化を遂げています。特に、All30g×静音×APCという軽やかさはこの世代でしか味わえない最高の打ち心地かもしれません。長年購入を躊躇していた方にも、初代を愛用されている方にも是非体験して頂きたいと感じました。
とは言いつつ店頭デモ機ではスペーサーを入れたAPCが体験できないのが残念ですね(店頭デモ機は当然スペーサーなしの標準状態)。私もAPCなんて要る?!って思ってましたが購入して初めて体験して驚いた次第です。どこか拘りのショップで是非スペーサー比較含めたデモ展示を行って頂きたいですね!
ゲーミングキーボードが最近流行っていて、REALFORCEでも光るRGBタイプが出たりしていますが、REALFORCEの神髄はこの徹底的な入力しやすさの追求とストイックな品質の高さなんだろうなと思います。
キーボードは一度買えばそうそう壊れるものでもないので長期間利用するパーツでもあります。キーボードに2~3万円というと高いと感じる方も多いと思いますが(事実、私もそれで躊躇していましたが)いざ買ってみると利用年数から考えれば十分価値のある投資だと感じました。1万円程度のキーボードを中途半端に買うなら一気にREALFORCEにいってみるのが正解じゃないでしょうか。