ピュアオーディオ

Marantz NA-11S1 導入

コントロールアンプを入れ替えて抜群に質が上がったオーディオ環境ですが、それだけに浮かび上がった「JPOPなどで中高域が薄くなる」という弱点の解消と「もっと音場の広さが欲しい」という贅沢な欲求を満たす為、上流を見直す事にしました。

コントロールアンプ LUXMAN C-8f 導入

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我が家の音源再生は基本的にPCですから、もちろん見直す上流とは「DAC部分」です。

これまで使ってきたUSB-DACはNorth Star DesignのIntenso。OPPOのHA-1から変えた時は厚みは減ったものの音がスッキリして好みの傾向に変化して評価してきたDACです。ですが、前回も書きましたがオーディオは「組み合わせ」です。他の機器を替えると、また違った影響が出てきます。

コントロールアンプをC-8fに替えた事で、非常にドッシリとした低域と艶やかで透明感のあるボーカルが実現しましたので、DACを替えてここに「音場」「中高域の主張」が加われば完璧だと思ったのです。

候補に挙げたのはOPPO Sonica DAC、DENONのネットワークプレイヤー DNP-2500NE、SACDプレイヤー DCD-SX11、Marantzのネットワークプレイヤー NA-11S1、SACDプレイヤー SA-14S1、LUXMANのDAC DA-06あたりです。

やはり話題という意味ではSonica DACです。価格も10万円というリーズナブルさですが今はまだ在庫不足でなかなか手に入りません。ただSonicaが得意とする解像感より、やや苦手と思われる音場や艶を今回は重視したいという事からSonicaを選択肢から外しました。

次にDENONですが、DNP-2500NEはさすがに格下かな。と思いましたが、DCD-SX11は非常に魅力的に見えました。我が家ではCDプレイヤーがなくなっていますので久々にディスクプレイヤーを保有してもいいかな。という思いもありました。DENONの特徴はMarantzとは違って、コントロールアンプC-8fで良くなった「低域」「質感」「艶」といった長所を更に押し進めてくれる印象でこれはこれでチャレンジしたいグレードアップに感じました。

同じような傾向としてはLUXMANのDA-06も挙げられます。DAC専用機としての期待感もありますね。ただDENONのSX11に対してDSD11.2Mhzに対応していないという点や、肝心の音場の広がりを与えてくれなさそう。という雰囲気でしたので選ぶならSX11かな。と思います。

他、エソテリックやアキュフェーズなんかも候補になるかな。と思いましたがやはり私の好きな傾向ではなさそうです。

色々悩みましたが、まず今回は初志を大事にしようと、最も音場の広さと中高域に期待が持てるMarantzのNA-11S1を試す事にしました。SACDも再生出来て同じDACエンジンを積むSA-14S1もアリかと思いましたがUSB-DACとしての質がNA-11S1よりやや落ちるような情報もありましたので、素直にNA-11S1で決まり。少し残念なのは、これまで使ってきたDACはPCM384kHz、32bit、DSD11.2Mhzまで対応していましたので、PCM192kHz、24bit、DSD5.6Mhzに規格対応がダウンしてしまう点です。ここは規格より基本的な音質が大事、と割り切って諦める事にしました。

導入

外観はこんな感じ。厚みもそれなりにあってしっかりした作りです。

天板も美しく、分厚さを感じさせます。このあたりはさすが中級以上の機器といった印象がありますね。

リモコンはプラスチックですが一般的な家電リモコンよりズッシリ重く、質感がとてもいいですね。

音質チェック

実際に色々な音源でチェックしてみましたが、正直な気持ち一長一短か。といった感想です。

良くなった点

・音場が広くなった

これは目論見通りです。十分な広がりを感じます。

・中高域がしっかりした

これも目論見通りです。JPOPなどで感じていた中高域の物足りなさが払拭され、完全にフラットになりました。

・各音の主張が強くなった

解像感が上がったとも思いませんし、情報量が増えたといった印象でもありません。でも今まであまり聴こえてこなかった音が聴こえるようになりました。これは少し埋もれていた中高域の楽器の主張が強まった為だと思います。また高域と低域の伸びが高まりレンジの広さを感じます。

残念な点

・ボーカルの艶と透明感がやや後退した

むしろ艶は上がるかと思っていたら当てが外れました。何となくボーカルの乾きやキツさを感じます。特に私は刺激の強い音が苦手なので女性ボーカルでは耳に刺さる事もあります。

・全体的に面白みのない音になった

高域、中域、低域の全てのバランスが取れました。どの音域もしっかりしています。音の広がりもあります。ややボーカルが引っ込み気味ですが総じて楽しい音に変わってしかるべきです。が、何となく以前より面白みがなくなったと感じるのは音が優等生的になったからかもしれません。強さもあってフラットに音が出ていますが余韻や空気感がなんとなく減りバランスの取れすぎた音になった印象です。これは完全に好みの話なので、良い悪いではなく好き嫌いの問題です。

・プレイヤーによってカチカチとリレー音がうるさい

ファイル再生時はもちろん、プレイヤーによってはシークバーで再生部分を移動させただけでカチっと鳴ります。さすがにカチカチ言いすぎなので、カチカチの少ないプレイヤーを選ぶべきか、操作性や音質を重視すべきか悩んでしまいます。

ちなみにNA-11S1では

フィルター1:解像度重視。エコー少なめ。クリアで力強い音質。

フィルター2:空気感重視。ポストエコー多め。アナログで艶っぽい音質。

という2つの音質傾向を切り替えられます。確かに記載どおりの傾向になるのですが、個人的には「いい部分を両立させてよ」と感じてしまいます。それぞれの良さが出ているとも言えますが、それぞれの良さが消えているとも受け取れてしまいます。ボーカルの乾きを解消するにはフィルター2ですが、それでも以前の環境に比べればまだ足りません。とりあえずフィルター1の良さも捨てがたいですが艶を少しでも補う為フィルター2をメインにしています。

では、DACをIntensoに戻すか。と言えば、これはこれで戻れないクオリティです。音場やレンジの広さなど確実に音の質が上がっているからです。以前のIntenso環境を「JAZZ100点、POPS60点、クラシック80点」だとすれば、今回のNA-11S1環境は「JAZZ90点、POPS85点、クラシック85点」といったところ。JAZZの”気持ち悪いくらい気持ちいい”トロけるような音が少し減退したのが残念ですが、オールジャンルOKになったので今更前の環境には戻せないですね。

ちなみにDSD再生ですが、確かに5.6Mhzまでは再生できて11.2Mhz音源は再生できないので、11.2Mhz音源はプレイヤー側でPCM変換して出力するしかありません。何となく気になるので5.6MhzにダウンコンバートしてDSDとして再生させる事にしました。

今回はUSB-DACが欲しかったので以上のような選択、感想となりましたが、NA-11S1はネットワークプレイヤーとしては上位モデルとなります。NAS接続、ヘッドホン接続なども含めて楽しむ分には非常に良い機種じゃないでしょうか。もちろん音自体も「悪い」訳ではありません。各機器の組み合わせの中で「より好みの方向へ変化するか」を期待しているので、決して機器単体での良し悪しを語っている訳ではない事も補足致します。

前回の記事では「やっぱりオーディオって面白い」と締めましたが、今回は「やっぱりオーディオって難しい」という言葉で締めたいと思います。

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