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「春のヘッドフォン祭2013」に行ってきました

恒例のヘッドフォン祭です。
http://www.fujiya-avic.jp/user_data/headphone_fes.php

今回の個人的な注目は
・HM-901の発表会(今度こそ最終完成版か!)
・AK120(AK100の2倍の価格の価値はあるのか!)
・fiio X3(ついにX3が登場か!)

というDAP3本です。

Shureのハイエンドイヤホン「SE846」やFitEarのユニバーサルイヤホン「Parterre」も興味があったんですが、試聴するのにそこそこ並ばないといけない事とFitEarの335DWを超えるレベルではないだろう。と勝手に想像して今回は試聴は見送りました。
もちろん聴きたいのは聴きたいので、いずれeイヤホンさんででも試聴したいと思います(笑)

では、早速それぞれのDAPの感想(試聴レビュー)です。

●iriver Astell&Kern 「AK120」
正直言って、AK120にはあまり期待していませんでした。
まず、スペック的にはDAC部分のWolfson WM8740がAK100のシングルから、AK120でデュアルに変わった事。また、クロストーク、S/N比など基本性能の向上。という事で、何となくマイナーバージョンアップなイメージを持っていました。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20130509_598632.html

そして、そのベースとなるAK100の音自体について、前回の祭の時にR10やHM-901と比べて物足りないと感じていたからです。

ただ、値段がAK100の倍以上となる、12.9万円という自信たっぷりな設定だったので、どれ程のものか期待していたのも事実です。

というわけで早速聴いてみました。

まず一聴して感じたのは
「あれ。なんか普通にいいじゃない!?」って事。
音に元気もあるし、低域もしっかりしてる。そして解像度高くクッキリした音になってる。

確か半年前にAK100を聴いたときは、何となく眠たい非力な音だなぁ。と思っていたので、こんなに普通に聴けることにびっくりしました。

むしろ、半年前にAK100を聴いた時の自分が思い違いをしていたのか。と思って、そばにあったAK100も聴かせてもらいました。

左がAK120 右がAK100

久々にAK100を聴いたところ、力強さがなく、どの音域もキレが弱く、優等生と言えば優等生。まったり眠たい音が鳴っていました。

「これこれ!俺の記憶してるAK100の音はやっぱりこれだよ」
と半年前の記憶が間違ってなかったことを再確認(笑)

とすると、AK120はこれ凄いぞ!って話です。
もうAK100とAK120では全く別の音が鳴ってます。

正直なところ、半年前の記憶に遡ったR10やHM-901と同等の音が鳴っている!と思いました。
そりゃ12.9万なんて値付けをするくらいですから、そのクラスの音じゃないとおかしい訳ですが、それでもAK100からのあまりの変貌ぶりに驚きました。

AK100の時から、そのコンパクトなサイズ、操作性、質感などモノとしての形には文句がなかったので、少しサイズが大きくなったとは言え、このコンパクトなフォルムでこの音は凄すぎだと思います。しかも、今後のアップデートでDSDにも対応と来てる。

「これは買いのDAPだ!」と直感しました。

ですが、いや待てよ。心に残る最強のDAP「HM-901」としっかり比較しなければ。
ということで、半年ぶりにHM-901を試聴しました。

●HiFiMAN 「HM-901」
HM-901は、AK120と比べると当然ながらデカい。ゴツい。
ポケットに入らない。という事がそれだけで相当ハンデです。

とは言いながら、このサイズは以前から分かっていたこと。アンプとの2段重ねを考えればマシです。今回のものが最終形だと思いますが、形や大きさは変わらず。という事ですね。

ところで前回、HM-901の欠点として「音量のステップ幅が大きいので最適な音量が取れない」と書きましたが、今回はそこまで悪い印象は持ちませんでした。やっぱりステップ幅は大きいのですが、これならまぁ、運用できるかな。というレベル。前回より改善されたのか、私の感覚が変わったのかはわかりません。

それよりも使いやすいと思っていたジョグダイヤル式の操作が、今回はすこぶる操作しにくい。思ったようにくるくる回らないのでストレスに感じました。個体差の可能性も高いですが、こういう当たりはずれがありそうなのもHiFiMANへの不安の一つです。

という事で肝心の音を聴きました。
感想としては「やっぱりコレいい・・・!」って事。

音の輪郭や分離感が抜群でありながら、力強さや豊かさが同居してる。という死角なしの音。
これまでのHiFiMANのイメージを完全に覆す解像度の高さがあります。

確かにAK120でも同じような印象を受けたんですが、どことなくHM-901の方が楽しく感じます。
座りながら試聴してたんですが、気づいたら自然と足でリズムを取っていました。

●HM-901とAK120
でも、期待からくる思い込み。ってことも考えられる。と思って、
急いでAK120のブースに戻って、全く同じ曲をもう一度AK120で聴いてみました。

AK120の音は、さっきの感想と変わりません。
でも、わずかにHM-901より劣っている事に気づきました。

キレと深みが足りないのです。
HM-901に比べるとわずかにAK120の方が音がボヤっとしてる。
そう。AK100に感じた弱点と一緒です。

AK120でその弱点はすっかり克服され、キレキレになった。と思っていましたが、
HM-901はそれよりももう1枚上手だった。という印象です。

AK120では、自分の足が自然とリズムを取る。なんて事はありませんでした。
なんだそれ?って感じかもしれませんが、でもそれって決定的な差だと思うんです。

正直なところ、これは嬉しさ半分、残念半分。といったところでした。
AK120がHM-901と同じ音だったらなぁ。。。

●Fiio 「X3」
最後に、かれこれ長い間期待して待っていたFiioのX3の実物がついに登場したので聴きにいきました。先ほどまでのDAPとは違って、X3はリーズナブルな価格設定であると言われていましたので、これで抜群の音質だったら選択肢に入るなぁ。と期待していた訳です。

音の感想としては「う~ん。こんなもんか~」という印象。
AK100と比べれば、力強く迫力もあって、華やかな音が鳴っていますし、悪くないと思ったんですが、なんというか荒っぽいというか雑というか、濃いというか・・・要するに精細さが足りないんですよね。

AK100とどっちが良いか?と聞かれれば、なかなか悩ましいところ。という感じです。
個人的にはAK100よりX3の方が好きな音かなぁ。と思いましたので、これが3万円程度で発売されればお買い得なんじゃないでしょうか。

ただ、AK120やHM-901には及ばない音だと思います。

●まとめ
という事で、今回は初めてイヤホンを試聴せず、DAP4種だけで終わってしまいました。

結論としてはこんな感じです。

・HM-901
音は最高。でも操作しづらい。デカイ。

AK120
音は相当良い。サイズもデザインも操作性も悪くない。でも・・・高い。その割にHM-901と比べれば音も劣る。

AK100
やっぱり眠たい音。これが好評なのが未だによくわからずにいます。

X3
眠くはない。でもキレもない。音の印象としてはただ「濃い」感じ。

モノとしてはAK120は相当完成度が高いと思います。総合得点では断然AK120。
でも、肝心の音が1番じゃなかった。という点で、DAPとしては既に敗者なんですよねぇ。
何て悩ましいんでしょう(笑)

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