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【解説】Galaxy Z Fold7のアスペクト比が正方形に近づいたのは正解だと思う理由

Galaxy Z Foldシリーズは徐々にメインディスプレイのアスペクト比が正方形に近づいてきています。個人的にずっと嫌だったんですが、最近はこれが実は正解なんじゃないか?と感じるようになりました。今回はそう思うに至った理由を解説していきたいと思います。

メインディスプレイは4:3が至高だと信じてきた

Galaxy Z Fold3を使っていたころ「折り畳みスマホ」の理想的なアスペクト比は4:3だという記事を書きました。

「折り畳みスマホ」理想のアスペクト比を考えてみる

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折りたたみスマホを開いて大画面で使う時の用途と言えば「書籍を読む」「動画を観る」「ゲームをする」「Webサイトを見る」などなんですがこれらのコンテンツは基本的に長方形で作られていることが大半です。電子書籍、マンガなどは大体4:3の比率で単ページが作られていますし、動画は更に16:9などの横長のコンテンツも多くあります。ゲームも長方形がバランス良いように開発されているでしょう。

そこで先ほどの記事でもこんな結論付けをしていました。

以前の結論

世の中のほとんどすべてのコンテンツは「正方形」じゃないんです。私は断言します。「写真」「動画」「マンガ」「雑誌」「ゲーム」あらゆるコンテンツにおいてディスプレイは「長方形」の方が良い。と。

だから正方形に近くなるのはサブディスプレイとのトレードオフだと思っていた

歴代Foldのディスプレイアスペクト比を見ると、カバーディスプレイのアスペクト比が超細型から徐々に21:9に近づいてきたのに対し、メインディスプレイは徐々に正方形に近づいてきました。


メインのアスペクト比カバーのアスペクト比
Fold25.2:1821:9(小型)
Fold222.5:1825:9
Fold322.5:1824.5:9
Fold421.6:1823:9
Fold521.6:1823:9
Fold621:1822:9
Fold720:1821:9

閉じた状態の横幅を広げると当然開いた時の横幅も広がります。

【イメージ写真】

メインディスプレイを長方形にしておこうとするとカバーディスプレイは長細くなって使いづらい。カバーディスプレイを使いやすいバランスにするとメインディスプレイは横幅が広がり正方形に近づいていく。

つまり、Foldシリーズの歴史は「メインディスプレイを最大限使いやすくするアスペクト比」から「カバーディスプレイを使いやすくするアスペクト比」に徐々に舵を切っていったと考えてきました。このトレードオフは避けられないのでどちらかを妥協するしかない。と。

でも今は正方形に近い方が適切と考える理由が出来ました

それはSNSの変化です。

最近、外出中にある展示物の写真をスマホで撮っていて気づいたんですが、スマホを横向きにして写真を撮っているのは自分だけで、若い女性達は全員スマホを縦持ちのまま写真を撮っていました。

あ、横長の写真を撮るのは古いのか・・・と今更ながら気づいてしまったんですが考えてみれば当たり前の話です。今の若者たちは縦長に持ったスマホで写真を見るので縦長の写真の方が画面にフィットする訳です。LINEで送る時も、インスタを見る時も、Xを見る時も、スマホを横回転する人なんていないですよね?これは写真だけでなく動画も同じです。みんな動画撮影も縦長で撮るのが当たり前になっています。

ここで重要なのはスマホを横回転させるかどうか?です。もちろん今でも動画コンテンツを観ている時は横回転させている人が大半です。でもtiktokなどはどうでしょう?

例えばtiktokではこんな感じの縦長動画が大半です。(普通のスマホならほぼ全画面で観られますが、Foldの場合は横幅が長く正方形に近いので左右の黒余白が大きくなってしまいます)

普通のスマホ(iPhone)とFold7のメインディスプレイで比較すると16:9の縦長動画だとこんな感じ。Fold7は左右の余白が無駄ですが逆に横幅に余裕があるので目いっぱい高さも取れるという利点もあります。

そして、そんな縦動画の中でスワイプしていると急に横長の動画も出てくるのです。

そう。元々動画は横長という当たり前のコンテンツルールの世界に縦型動画が急速に普及したことにより、縦動画と横動画が混在して流れてくる時代になりました。tiktokなんてスワイプしてどんどん動画を切り替えていくと縦動画と横動画が入り混じっていることに気づきます。

横長動画の場合普通のスマホの縦持ちだと小さくなりすぎてしまいますよね?

でもFold7なら十分な横幅があるので縦持ちのまま十分な大きさで動画を楽しめます。

確かに映画を見る時は横回転、SNSを見る時は縦持ちなんて使い方が今までの主流でしたが、現在のように「縦動画」と「横動画」が混在して次々と出てくるようなスタイルになってきた時にいちいちコンテンツごとにスマホを持ちかえるでしょうか?きっとそんな事しないですよね?

Youtubeも通常は横長コンテンツがメインですが、ショート動画は縦長です。

Galaxy Z Fold7のメインディスプレイなら横動画も縦動画もどちらも必要十分なサイズ感で楽しむことが出来ます。スマホを持ち換える必要がありません。

となった場合、どうでしょう?ディスプレイの縦横比はどちらか方面に長い長方形ではなく、縦でも横でも無駄の少ない「正方形」がモアベターな比率という事になってくるのです。通常動画とショート動画でどちらかの画面サイズを大きく妥協したり、頻繁に持ち換える必要がなくなる。それが正方形に近いGalaxy Z Fold7の強みだと気づきました。

まとめ

今までも縦コンテンツ、横コンテンツ両方が存在しました。最適に閲覧できるようにスマホを回転させればいい訳です。でも最近はそれらが一つのアプリの中で混在するケースが出てきています。そうなると一つのアプリの中で縦持ちにしたり横持ちにしたりする事はないな。という事に気づきます。

そうなったとき、Galaxy Z Foldはより正方形に近い方が無駄のないアスペクト比になります。もちろん電子書籍、Web閲覧、ゲームなどの時に正方形より長方形の方が使いやすいケースも多々あります。しかしながら、昨今のコンテンツ事情の変化を見るに正方形に近づけているというのは決して「カバーディスプレイ」とのトレードオフによる妥協とは言い切れず、メインディスプレイだけの価値という観点で見た場合にも縦横混在時代に最適化した結論であるような気がしました。

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