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【レビュー】PSVR2 基本設定とシネマティックモード 4K120hz&HDR対応チェック

PSVR2のシネマティックモード(大画面2D表示)は4K × 120hz × HDRを出力できる!という事ですから早速チェックしていく事にしました。

※後述しますがPSVR2のパネル自体の解像度は片目2000×2040でシネマティックモードではフルHD(1980×1080)までの表示となるようです。4K出力との関係性も見ていきたいと思います。

基本設定項目

PSVR2ではPSVR2本体の設定画面があるので先にこちらをざっと確認していきましょう。

まず最初に起動したときにもセッティングする事になるプレイエリア項目です。プレイエリアの範囲設定、床の位置の設定、境界の表示感度などを設定します。私は最初境界表示を「中」にしていましたが、プレイしているとやたら境界の網目やコントローラーの赤いアラートが出て邪魔だったので「弱」にしています。

そしてPSVR2の目玉機能の一つである「視線トラッキング」のオンオフが出来ます。顔を動かさなくても視線を移動させるだけで操作出来てしまうのは本当に便利で先進的。ゲーム内のメニュー画面なんかでも視線をそっちに向けるだけでアクティブにしてくれます。

次はヘッドセット自体の設定。レンズ間距離を調整する事で右目と左目の距離調整をしてフォーカスを正確にしてくれます。そしてここにもありました目玉機能2つ目「VRヘッドセットの振動」のオンオフです。これがまた臨場感を高めるのにめちゃくちゃ役立ちます。

何かにぶつかった時、地上が揺れる様なシーンなどでヘッドセットもブルブルっと震えるので、本当にそこにいるような感覚を味わえます。もちろんコントローラーも振動しますので、顔と両手が振動すると今までの何倍も「臨場感」を感じるんですよ。例えばGT7だと壁にぶつかった時にもゴーグルがブルっとしますので刺激は小さいながらも「ぶつかっちゃった!」という感覚を体でも感じられます。

そしてここでシネマティックモードの画面サイズを変えられます。視界いっぱいまで画面表示させるか、少し遠くに大画面ディスプレイがあるくらいのサイズ感にするか。15段階で調整できました。一番小さくすると2m先に80インチくらいのディスプレイがあるサイズ感で一番大きくすると1.5m先に155インチくらいのスクリーンがあるイメージです。

よくこうしたヘッドマウントディスプレイは映画館の数百インチの感覚と言われます。それは視野角という意味ではそうなんですが、実際には155インチスクリーンを1.5m先に置いた感じという方が正しいです。ただ上手く脳を騙せば映画館の巨大スクリーンと感じられなくもない。というイメージ。そして映像出力設定はここから入ります。

シネマティックモードの映像出力設定

先ほどのPSVR2設定画面の「映像出力」を選ぶと、ここでヘッドセットの120hz出力とHDRオンオフが出来ます。しかしこの時点ではグレーアウトしていて設定変更ができません。よく説明を見るとPS5を「120hz非対応のテレビに繋いでいる時にヘッドセットだけは120hz出力する」という時に設定できるようです。HDRも同じく「HDR非対応のテレビに繋いでいる時にヘッドセットだけはHDR出力する」という設定ですね。

下にPS5自体の映像出力の設定画面へのリンクがありますのでそこに移動してみます。

すると今度は「PSVR2使用中はこの設定を変更できません」となっています。ここを変更したければ一度ヘッドセットを外す必要があります。と言ってもPSVR2の電源を切ったり、ケーブルを抜いたりする必要はなくて、PSVR2の電源が入っていても単にゴーグルを頭から外すだけでここの設定がアクティブになりました。

ここで「オフ」にしてやると、今度はPSVR2側の120hz出力を「オン」に出来るようになります。

こんな感じでグレーアウトではなくなりました。

オンにしようとするとヘッドセットを外してもテレビにはHDMI出力されないよ。と注意が出ます。テレビが映らない!と焦らないよう、PSVR2を止める時はもう一度ここに戻ってきてオフにする事でテレビの出力が出来るようになるという事ですね。

「OK」を選ぶとご覧のようにテレビが120hz対応していなくてもPSVR2側は120hzとなります。

HDRに関しても理屈は同じですね。

なぜこんなややこしい事になっているかというと、PS5自体の映像出力はテレビとPSVR2に同時に出ているからです。実際にプレイするとPSVR2をプレイしている間もテレビにはそのPSVR2の映像がずっと出力されています。こんな感じで誰かがPSVR2を被っていてもその画面がテレビで確認できるのでどんなプレイをしているのか外部からも分かりますし、初心者がPSVR2をプレイする時も外から操作指示が出来て便利なんですよね。

ただこの時に、PS5はテレビとPSVR2に同じ出力しか出来ないのでテレビが120hz対応出来ていない場合は強制的に60hz以下に落としますしPSVR2にも60hz以下で出力してしまう。という事ですね。これはHDMI接続されていてPS5側が判定してしまいますのでテレビの仕様に引っ張られてしまうという事です。

つまり片方に120hz、もう片方に60hzという出力は出来ないので「テレビが非対応でPSVR2だけ120hzで出したいならテレビ側の出力を止めるよ」という設定が出来るという事ですね。だから先程これを選ぶとテレビ側の出力が止まるので注意!というメッセージが出たわけです。

逆に、元々120hz&HDR対応テレビにHDMI接続しているのであればここの設定は一切いじらなくてOK。PSVR2側の120hz出力はグレーアウトのオフままで正解。という事です。(このオフは120hz出力しないという意味のオフではなく、テレビが非対応の場合でもオンにするか?の質問なので、テレビが120hz対応していればここはオフでもPSVR2で問題なく120hzで出力されます)

テレビが120hz非対応、HDR非対応、という方は上手くこのセッティングを行って頂ければと思います。

シネマティックモードでの4K120hz&HDRを試してみる

デビルメイクライ5SEをPSVR2内で起動させてみましょう。PSVR2内の大画面でデビルメイクライがグリグリ動きます。めちゃくちゃ滑らか。

PSVR2を被ったまま映像出力設定を見に行くとご覧のとおりVRRで120hzまで表示出来ている(つまり対応テレビに出力したのと同じ出力がされている)事が分かります。

もちろんVRRを切ると明示的に「120hz出力」と固定されますね。

120hz非対応のゲームに切り替えるとご覧のとおり60hzとなります。

PSVR2のシネマティックモードでもこうして自動で切り返されるのは非常に便利ですね。

さて、では次に解像度ですが映像出力情報を見る限りPS5上の出力解像度は「3840×2160」つまり4K出力となっています。しかしながら冒頭でも記載したとおりPSVR2のパネル解像度としては片目あたり「2000×2040」で、そのパネル内に16:9の長方形に浮かぶように映し出す事になるので、シネマティックモードの解像度は「1980×1080」のフルHDとされているようです。

つまり「PS5からは4K出力しているが、PSVR2での表示はフルHDになる」というなかなか面白い仕様ですね。YouTubeアプリで4Kコンテンツを見てもアプリ側の出力は確かに「2160p」になっていますがPSVR2で見ている画面はフルHDになる。という事です。

PS5は繋いだディスプレイに応じて自動で最適な解像度をセットしますので、通常4Kディスプレイに繋がない限り4K出力しないはずなのですがPSVR2では「2000×2040」が2枚、合わせて「4000×2040」という仕様の解像度になっているのでPS5側が4K解像度に足りていると判断しているのでしょうか?

でも計算すると通常の4K 3840×2160=829万4400画素に対して、PSVR2は4000×2040=816万画素で4Kに足りていません。PS5の出力判断の謎ですね。そしてそのパネルの一部を使ってフルHD分のシネマティックモードを表現している訳ですが、PS5はその判断もしていない?という事になるんだと思います。確かにディスプレイフル解像度の一部を使って映像を表示させるというのは通常のテレビでは起こらない表示方法ですからね。

ということで、本記事のタイトルにした「4K対応」という点では、正しくは「PS5からは4Kで出力されるが、パネルの一部に映像を表示させる方式の為、実態として映像コンテンツはフルHD解像度となる」という表現になると思われます。

いずれにせよPSVR2が「120hz&HDR」対応の「有機ELディスプレイ」を搭載しているというのは凄いですね。フルHD表示になるとはいえこのスペックを100インチ以上の体感で楽しめるんですから、大画面体験という意味では最高のPS5ディスプレイの一つと言っていいかもしれません。事実PSVR2内でヌルヌル動きます。

シネマティックモードはどのくらいの画面サイズに見える?

ちなみに我が家では83インチ有機ELテレビ「LG OLED 83C2」を使っています。部屋はこんな感じ。ソファの視聴位置から2mくらいのところに83インチテレビがある環境です。

PSVR2を被って画面サイズを変えていくとこれがどんな大きさに感じるのかご説明します。

まず一番小さい画面にした時にはまさにソファから2m先の83インチテレビを見ているのと同じくらいの大きさになりました。(ゴーグルを付けたりずらしたりしながら現実に見える世界の大きさと対比させてみました)

但し、PSVR2だと真っ暗な場所に少し離れたところに画面が浮いているように見えるので、実際にはもっと小さく感じました。60インチくらいのテレビを見てる感覚かな。再現するとこんな感じでしょうか。あんまり大きく感じないですよね。

ちなみにPSVR2の画面サイズは小さくするほど文字が潰れます。大きい方が粗く見えるんじゃない?と思うかもしれませんがそれはドットバイドット表示であるならば。です。PSVR2の場合はドットが可変している訳ではなくてその領域のドットだけを使って同じ映像を再現している訳ですからグラフィックは粗くなります。正直ゲームプレイするには厳しい粗さです。

次に画面サイズを7~8段階くらい(ちょうど15段階設定の中間)まで上げると1.8m先に95インチのスクリーンがあるのと同じ感じになりました。あくまで感覚です。仮に部屋に実現させたとするとこんな感じでしょう。

文字の粗さは大分軽減され、視野角的にもグラフィック的にもシネマティックモードを楽しむならこのくらいがベストなんじゃないかと思います。但し画面を大きくすると必然的に画面が自分に近づいてきているように感じます。これがヘッドマウントディスプレイのカラクリですね。

さてでは画面サイズを最大まで上げるとどうなるか。というと1.5m先に155インチスクリーンがあるように感じます。155インチですから部屋に置いたとするとこんな感じでしょうか。これがきっとフルHD表示の解像度サイズなのだと思います。

ただ、れはどうにもやりすぎです。155インチという大きさがやりすぎなんじゃなくて、そんなスクリーンを「1.5m」という近距離から見るのがやりすぎです。これでゲームをすると画面端のパラメータはそっちの方に顔を向けないと確認できないレベルになります。

映画を観るにせよ、ゲームをするにせよ、実体験としてはちょうど画面設定は真ん中くらいに合わせるのがいいんじゃないかと思いました。フルHDよりもぐっと解像度は落ちているはずですが結果的にグラフィックの粗さを許容できるちょうどいい塩梅です。

83インチ有機ELテレビと比較すると?

ではPSVR2の「HDR×有機EL」の画質はどれほど綺麗か?!という事で、4K HDR 有機ELテレビ比較で勝負できるレベルかというと、これはもうしょうがないですが「全く相手になりません」

圧倒的に、段違いに、次元が違うレベルで「有機ELテレビ」の方が綺麗です。

こちらはGT7タイトル画面のスクショですが、PSVR2で観ると正直この画像より更に「粗く」「色も薄く」見えます。

次にこちらは83インチ有機ELテレビの直撮りです。ちょっとスマホ撮影で文字のフォーカスが甘くなっていますが、この鮮やかさで実際はフォーカスもビシっと決まっています。とにかく鮮烈に美しい。

ですから、PSVR2を画質という点で評価するなら、シネマティックモードではないVR対応ゲームであってもやっぱりFHD液晶テレビくらいかな?という感じです。色味はそれ以下のプロジェクターといったところ。

とはいえ初代PSVRの頃は「テレビと画質比較」するようなレベルですらありませんでした。普通に映像コンテンツを楽しめ、HDR感も感じ、十二分に大画面ゲームプレイが出来るという点では、もう普通のプロジェクターならPSVR2で十分じゃないか?と言って良いレベルまで来たと思います。

ですから普段55インチくらいまでのテレビでゲームや映像を楽しんでいる方はPSVR2を第2のメインディスプレイとして十分に活躍させられるんじゃないでしょうか。我が家のようにテレビも83インチとかを置いてしまっている場合にはそっちが凄すぎるので映像コンテンツやゲームをプレイするなら断然有機ELテレビです。でも「仮想現実でのゲーム」を楽しむという面ではPSVR2は最強だと思います。

画質面ではQuest2と比較してそこまで差はないとはいえそれでも選ぶならPSVR2です。更には「120hz&HDRに対応」「ハプティックフィードバック(ゴーグルも振動)」「アダプティブトリガー」「視線トラッキング」などなどハードウェアの作り込みも徹底されていますし、Quest2と違って装着時に顔面が痛くなるような事も皆無。そしてフルサイズゲームもPSVR2の方が充実してくると思います。

今からVRゲームを堪能するならPlayStation5&PlayStation VR2に行っちゃいましょう!というのが私のオススメです。

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