OPPOの折り畳みスマホ「Find N」が発表されましたね。大きさのバランスといい閉じた時のアスペクト比といいとても良く考えて作られていると感じました。スペックも十分でリーズナブル。Galaxy Z Fold3の対抗馬として強力なライバルになると思います。
スペックと価格のバランスがいい!
まずOPPO Find Nは性能コスパが非常に高い折り畳みスマホだと感じました。
基本仕様
- メインディスプレイ:1920×1792 120hz 7.1インチ 有機EL
- カバーディスプレイ:1972×988 60hz 5.49インチ 有機EL
- SoC:Snapdragon 888
- メモリ/ストレージ:8GB+256GB / 12GB+512GB
- カメラ:広角 5,000万画素(f1.8)+超広角 1,600万画素(f2.2)+望遠光学2倍 1,300万画素(f2.4)
- バッテリー:4,500mAh
おサイフケータイには非対応なようですが、しっかり基本を押さえたスペックで個人的には十分満足な性能だと感じます。そしてこれが約13.8万円&16.1万円で登場するというのはGalaxy Z Fold3と比べれば価格破壊と言っていいと思います。
何せ、ちょっとしたハイエンドスマホと同じ価格帯、同じスペックレベルで「折り畳み大画面」になるんですから。
カバーディスプレイのアスペクト比がいい
そしてFind NがGalaxy Z Fold3と大きく異なるのはカバーディスプレイのアスペクト比が一般的なスマホに近いバランスになっているという事です。これであたかも普通のスマホのようにカバーディスプレイが使えますよね。ここは素直にあっぱれ。
サイズ感で言えばちょうどiPhone 13 miniと同じくらいで、むしろFind Nの方が幅広な印象。カバーディスプレイでもiPhone 13 miniを触っている感覚で操作できると思います。
ディスプレイ領域を塗りつぶすとこんな感じです。Galaxy Z Fold3は細すぎると言われることもありますが、そもそも縦に長いので実際は横幅としてはFind Nや iPhone 13 miniとそこまで変わりません。意外と握りやすくて使いやすかったりするんですよ。
メインディスプレイでの「電子書籍閲覧サイズ」を推測してみる
OPPO Find Nについては既に操作感、カメラ、画面分割などの機能などは実機を用いたレビューが様々上がっていますので、本記事では写真から推測する「電子書籍閲覧」の最適度を考えてみたいと思います。
なぜなら、私が折り畳みスマホを選択している大きな理由の一つが「電子書籍」を楽しみたいからです。Galaxy Foldシリーズを使う前は普通の大型スマホを使っていましたが、それでも電子書籍を読むには結構辛いサイズでした。それが折り畳みスマホにする事によって本当に快適に電子書籍が楽しめるようになったのです。
もちろん「動画」「ゲーム」「ブラウジング」などが大画面で快適になったというメリットはありますが、正直それだけの用途であれば大型スマホでも許容できます。まぁGoogle MAPなんて折り畳みのメインディスプレイだと抜群に見やすい訳ですが、それでも普通のスマホで見れなくはありません。
そのくらい「電子書籍」は普通のスマホと決定的に使用感が変わるのです。
Galaxy Z Fold3、Find N、そして大型スマホ代表として Pixel 6 Pro、iPhone 13 Pro MAXを比較してみましょう。写真はほぼ実際の大きさ対比になっています。こう見るとFind Nは開いた横幅はあるものの、かなりコンパクトな作りであることが分かりますね。
開くと縦に長いGalaxy Z Fold3と、比較して正方形に近く幅広なFind Nと、どちらが電子書籍閲覧に適しているでしょうか?
縦持ちでの単ページ表示
この状態で電子書籍(一般的な雑誌やマンガの1ページ)を閲覧すると最大表示でご覧のようなサイズ感になります。
雑誌やマンガの縦横比をそのまま当てはめると、Pixel 6 ProやiPhone 13 Pro MAXは盛大に余白が残ります。※実際はもう少し上に書籍が配置されますが比較のために底辺を合わせています。
さすがにこの小ささではマンガは読めても一般雑誌は辛いですね。
Find Nも横幅が広いスマホなのでかなり左右に余白が残りますよね。大きさとしても雑誌類は文字が小さく読みづらいと思います。
その点Galaxy Z Fold3の大きさは雑誌閲覧まで耐えられるサイズ感で、余白も少なくディスプレイをギリギリまで上手く活かせていますね。
横に広く持って見開き表示
では、見開きで開くとどうでしょうか。Galaxy Z Fold3とPixel 6 Proは横に向けて幅広にします。Find Nは縦持ちの方が横に広いのでそのままで当てはめてみましょう。
こちらもPixel 6 Proは非常に余白が残りますね。(iPhone 13 Pro MAXも同じくらいのサイズなので割愛しますが同等の感覚だと考えて下さい)さすがにもうこの小ささでは閲覧は厳しいですね。マンガだとギリギリでしょうか。
次にFind Nですが、ここでもやっぱり余白が大きめに残ります。横にしたGalaxy Z Fold3と縦持ちのFind Nは高さは同じくらいですが、Galaxy Z Fold3の方が横に広くなるので電子書籍の見開きも大きく表示できるんですよね。その分Galaxy Z Fold3の方が余白少なくギリギリまで画面を活かせるという事です。
そもそもの大きさがGalaxy Z Fold3が大きく、Find Nがコンパクトなので純粋な大きさの違いはありますが、それを差し引いてもGalaxy Z Fold3の方が電子書籍を読むのにディスプレイを広く使えている事が分かります。
私がGalaxy Z Fold3を使っている実感だと、見開きで読むにはGalaxy Z Fold3の大きさでもギリギリかな?と思いますのでFind Nでは小さすぎるんじゃないかと思います。
16:9の動画視聴のサイズ感
では、次に16:9の動画を試聴したイメージを比較してみたいと思います。
先ほど同様3モデルとも横幅が広くなる最大画面を想定してみます。
何という事でしょう。Find NはPixel6 Proで観る動画とあまり大きさが変わりません。Galaxy Z Fold3もそこまで大きくはありませんが、一般的な大型スマホより更に大きく視聴できる事が分かります。
Find Nの大画面はワイド動画の視聴というシーンではほとんどそのメリットが生まれないという事ですね。
ちなみに実は私はGalaxy Z Fold3を縦持ちにしたままYoutubeを観る事がよくあります。※比較のために底辺を合わせます。
見てお分かりの通り、Galaxy Z Fold3の縦持ちでの16:9動画視聴は、Pixel 6 Proでの視聴とあまり体感が変わらないのです。ですから、縦持ちのまま普通のスマホを横にしたような大きさで視聴しながら、他の動画検索が出来るのでとても重宝しているんですよね。
大きさ順としては
縦持ちGalaxy Z Fold3 < Pixel6 Pro < Find N < 横持ちGalaxy Z Fold3
となりますがGalaxy Z Fold3のハイブリッドな使い勝手の良さが際立ちます。
Webサイト表示イメージ
では最後にWebサイトの表示イメージも比較してみましょう。(実機検証ではなく縦横比からハメ込みを行った想定です)
縦持ち表示
Find Nは横幅が広いせいで情報量はどうしても少なくなると思います。一般的にWebサイトは縦に情報が広がるので縦長のスマホの方が情報表示は多くなります。Find NでWebサイトを見たいならカバーディスプレイ側で見ましょう。という事でしょうね。
左右分割表示
左右幅を取るためにGalaxy Z Fold3は横に回転させます。Find Nはそのまま縦持ちで。
今度はFind Nの方が情報量が多くなりました。Find Nの最大の強みは「縦横持ち替えずに、左右分割が最適化出来る」という事じゃないでしょうか。日々使っているとこの差は結構出てくると思います。
まとめ
実機を触ることなく単なる写真からのみの推測ではありますが「コンテンツ視聴」という点でGalaxy Z Fold3と比較すると下記特徴があると思いました。
魅力的なところ
- 縦持ちで幅の広いデザインなので動画視聴時も持ち替えることなく、縦持ちのまま楽しめる。
- コンパクトでありながら、左右分割での情報量も多くWeb閲覧などが出来る
- 幅広な使い方が向いていないシーンではカバーディスプレイで普通のスマホ的な利用をすれば良い
惜しいところ
- 電子書籍はGalaxy Z Fold3に比べて余白が大きく、画面サイズを活かせていない
- 特に見開きは読めるサイズではなさそう
- 16:9動画では一般的な大型スマホを横持ちして観るのとほとんど変わらず画面サイズを活かせていない
OPPO Find Nはコンパクトな折り畳みスマホとして、その性能も、価格も申し分ない端末だと思います。個人的にかなり魅力的な端末だと感じています。縦横持ち替えることなく、ずっと縦持ちで最大限楽しめるのもいいですよね。
また画面分割などの機能も結構作りこまれているようですし、折り目が目立たず完全に閉じる事が出来る構造はGalaxy Z Fold3を上回る完成度です。何よりカバーディスプレイで普通のスマホ感覚で使えそうなのがいいですよね。正直、Galaxy Z Fold3を買っていなければ買ってしまうスマホですし、多くの人に「初めての折り畳みスマホ」としてオススメできるんじゃないかな?と思います。
但し、電子書籍での無駄な余白や、動画視聴で画面サイズがあまり活かせていない事を考えると、「画面分割」で利用しないのであれば正直、普通の大型スマホでも十分では?という気もしてしまいます。持ちやすいコンパクトさが逆にメリットを活かしきれなくなっているのも事実でしょう。何のために開いて拡張したいのか?がイメージできてないと価値を活かせない端末になってしまいます。またコンパクトなのにGalaxy Z Fold3より重い275gというのも残念。これで230gくらいなら良かったですよね。
そういう意味ではGalaxy Z Fold3の大きさとアスペクト比は本当によく考えられていると思います。そしてSペン対応したというところもFind Nにはない大きなアドバンテージでしょうね。
- 折り畳みである事の必然性を最大限発揮できているのがGalaxy Z Fold3
- 普通のスマホの延長線上で、実用レベルの画面分割や大画面で写真や地図を閲覧出来る良いとこどりなFind N
という感じでしょうか?!
いや、でもFind Nのリーズナブルさはいいと思いますよ。大型スマホを買うなら思い切ってFind Nにトライしてみる。というのは全然アリな選択だと思います。
次の記事では、加えてもう少し深く考察してみました。
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