Xperia Z1を購入しました。
銀座ソニービルの先行公開に3度足を運び、有楽町のスマートフォンラウンジでもdocomoの他の冬モデルと比較吟味した結果、これは「買いだ」と確信して、発表日に予約&発売日に購入しました。
●Z1の感想の前に、J ONEの使用感から・・・
前回、HTC J ONEを入手したという記事を書きました。
約1か月使用して、そのヌルサク度合いにAndroidはここまで成長したのか。と本当に驚きました。
とはいっても、やっぱりiPhoneのように「触ればいつでもサクサク」という感じではありません。
色々開発者オプションをいじったり、カクつかないアプリを探したり、重く感じたらメモリをクリアしたりしながら、やっと自分に使いやすいサクサクな環境を作っていく。という感じです。
Androidといえばそういう試行錯誤が付き物で、ある種Android「らしい」ところかなぁ。と思っていましたが、それでも昔のAndroidと比べれば格段に進化していて、ずっとiPhoneをメインにしてきた私でもJ ONEは十分実用レベルだ!と感じました。
ちなみに私のヌルサク度チェックは結構シビアだと思います。
2年くらい前(CPUがS3(1.2Ghzデュアルコア)くらいの頃)に「Androidはもうヌルサクになった!昔のAndroidとは違う!」なんて言われてましたが、確かにAndroidとしては進歩してるんでしょうが、iPhoneとはまるで違うなと感じていました。何もいじらないメニュー画面ではサクサクかもしれませんが、アプリを色々入れたり、使い込むとすぐに化けの皮が剥がれるというのが実態でした。
ですが、2013年夏モデルであるHTC J ONE(S600/1.7Ghzクアッド)では、使い方次第で十分納得できるレベルになっていたのです。アプリを200個程入れても環境を整えてやれば快適に運用出来ていました。
元々「本命はZ1」と考えていた私ですが、J ONEを手にしてからは案外J ONEで十分なんじゃないか、いやむしろJ ONEにも優位性があるんじゃないか?とさえ思う程でした。
●Z1とヌルサク度について
ところが今回実際にZ1を購入して比べてみると、これは本当に申し訳ないですがZ1の圧勝でした。
もうJ ONEのそれとは次元が違います。もう頑張る必要も、追い込む必要もありません。
どのアプリの挙動も軽く「重くなったからメモリ解放」みたいな作業もほぼ必要ありません。
このヌルサク度はiPhone5(iOS7)をも上回ります。
「追い込むのもAndroidならでは」と感じていた自分の概念が完全に変わりました。
Androidがついに「スタート地点に到達した」のです。
私が言うヌルサクとはシビアだと先ほど書きました。
当時も今もですが、よくテストでメニュー画面をシャッシャっとスワイプで切り替えたり、Webブラウザ上でだーーっと高速スクロールさせてヌルサク度を確かめている人がいますが、私はソレは「最低条件」であって、ヌルサクの判断基準ではないと思っています。
私の場合は大体ブラウザならジリジリゆっくりとスクロールさせて、わずかなカクつきや、ガクつきが一度も発生しないかを確認。それも複数のブラウザアプリで違いがないかを確かめます。それからGoogleプレイストアのアプリ検索で50個以上引っかかるようなアプリ(例えば検索ワード「Twitter」)を検索してみて、完全に表示しきる前にサラサラっとスクロールして引っ掛かりがないか。などを見ます。実際に所有した後は様々なアプリを実際に試してみて挙動を確かめます。
J ONEでは、Googleプレイストアやサムネイル表示型のTwitterアプリ、Facebookなんかはカクつきますし、快適ものを見つけるのに20種類くらいアプリを試しました。この為「機能的には好きだけどカクつく」「カクつかないけど機能が物足りない」などというジレンマの中でアプリを選択する必要があったのです。
一方、Z1はどのTwitterアプリでもまずサクサク動きます。このストレスのなさは別次元です。まさにこれこそがiPhoneがいた地点です。Androidがついにこのクオリティに達したのは本当に驚くべきことです。今後私の中でAndroid機は完全に「これ以前」と「これ以降」に分けて評価する事になりそうです。
正直なところS600とS800でこれほど違いが出るとは思っていませんでした。J ONEとZ1では大した差はないだろう。と思っていたのが申し訳ないくらいです。ちなみに、同じ冬モデルのAQUOS ZETAはガクガクでしたので同じS800の冬モデルなら全部良いかというとそんなことはないと思います。少なくともZ1は加えてGPUやそのチューニングなども含め優秀なのだろう。ということです。
AntutuのスコアでもJ ONEは2万程度。Z1は3万~3万5000程度と1.5倍以上の差があります。
ここまでくると、私がずっとAndroidの欠点だと言い続けてきた「指の追従性」の不満も少なくなり、まさにiPhoneと同レベルになってきている実感があります。
●処理能力について
ベンチマークテストだけでは実際の違いがイメージ出来ないので、以前も試したゲームのロード時間比較をしてみました。
Asphalt8のレース開始に掛かる読み込み時間です。
Z1とiPhone5はほぼ同等。J ONEだけ引き離されて遅い。という結果になりました。
こうした処理能力も、
Z1はiPhone5級なんじゃないかと思います。
この処理レベルを5インチフルHDで実現しているのは凄い事です
。
●ドロワーの不具合?について
数日間使ったところXperia標準ホームのドロワーに不具合を発見しました。
カスタム並べ替えでフォルダ管理をしていたのですが、なぜかフォルダの外に飛び出しているアプリがあったのです。おかしいなぁと思ってもう一度フォルダに入れようとすると、既にフォルダにはそのアプリがありました。つまり何故か複製されているのです。片方だけ消すことも出来ず、ドロワー上に同じアプリが2つ存在する事になりました。細かく検証していませんが、どうもアプリの更新(アップデート)が掛かるともう一度ドロワーにアイコンが生成されてしまっている気がします。
また「Camera」というフォルダを作って関連アプリを入れていたのですが、これもいつの間にか展開されて外に飛び出していました。先ほどと違うのは「Camera」というフォルダ自体もなくなっていて、あったはずの場所には「フォルダ」という名前の全然別のフォルダが勝手に生成されていました。
この不具合は再起動しても直る事がなく、とりあえずXperiaのホームを初期化しましたが、再度検証は行っていません。私は他のホームアプリを使うので実質的な問題はないのですが、Xperiaホームアプリを使う方は気を付けた方が良いかもしれません。きっと修正アップデートが来るものと思いますが。
●カメラについて
Xperia Z1の大きな売りの一つが「カメラ」です。
SONY自身が「カメラからスマホを再定義する」と言い放ち、コンデジと同等の1/2.3レンズを搭載、2000万画素とF値2.0というカメラ機能を搭載してきました。
ただ、正直なところこのカメラ画質は大満足という訳ではありませんでした。
明るいんですが白飛びも酷かったり、何か曇ったような画になる事もあったりと、安定しない感じで、気軽にバランスのとれた写真を撮るならiPhoneの方が良い場合もありそうです。
・プレミアムオートだと8M画素固定&16:9固定
・マニュアルだと20M画素が選択でき4:3固定
となるのですが、色々撮り比べてみたところ、必ずしも20M画素の方が精細とも言い切れず
写真によってどちらが良いか変わる印象です。
こちらなんかはよく撮れている方じゃないでしょうか。プレミアムオートでそのまま撮影したものです。陽が沈み始めた頃ですね。
こちらもどうでしょう?同じくプレミアムオートでそのまま撮りました。
また標準の撮影モード以外では「タイムシフト連写」がやっぱり面白いですね。撮影すると前後1秒ずつの計61枚の連続写真が表示され、丁度良い表情の一枚を切り出す。なんて事が簡単に出来るんですがこれは想像以上に便利でした。単なる遊び機能かと思いきや、意外に重宝する場面もありそうです。
ただギャラリー上は選んだ1枚だけしか残りませんが、実際ストレージには撮影した全61ファイルが常に保存されていくのは困りものです。設定で保存するかどうか選べるようにしてもらいたいところ。また、タイムシフト連写では2M画素に限定されるのも勿体ないと思います。処理スピードとの兼ね合いもあるんでしょうがもう少し頑張って欲しかったところ。
他にも面白い撮影機能がいろいろありますが、この機能自体も追加していけます。「Motiongraph」「Wikitude Places」「モーションショット」の3つを追加で入れてみました。
カメラ機能はキレイに撮れることもありますし、他のスマホと比べれば頑張っていると思います。ただ「スマホを再定義する」なんて大それたアピールがしっくりくる程他のスマホ(例えばiPhone)を引き離しているかというと、そんな程はない。むしろ一長一短なことさえある。と思うのです。ネットでの情報を見るとグローバル版ではアップデートが来て画質も向上しているようですので、au版のアップデートも期待して待ちたいと思います。
●バッテリーの持ちと発熱について
心配の一つだったバッテリーの持ちですが、iPhone5から乗り換えてもそれ程違いは感じませんでした。iPhoneは100%の状態が長めで、Androidはすぐ99%、98%と落ちていきますので、早く減っているイメージもありますが、数時間経って比較してみるとさほど違いはなさそうです。Web閲覧しまくる。ゲームしまくる。とかでなければ朝家を出て、夜帰って来るまでは何とか持ちそうです。
ちなみに何も操作せずスリープ状態だと1時間1%ほどしか減りませんし、gpsやBluetoothなども常時オンでも観察する限りほとんどバッテリー消費に影響を与えていないようです。
充電については、2Aの出力ケーブル&アダプタで充電すれば1時間で40%くらい充電されます。0%からフル充電まで2.5~3時間程度です。十分な早さです。
発熱について低い時は20度台ですが、Web閲覧等基本操作時は30度台、パズドラをやると40度台まで上がる事があります。今まで最大45度まで上がった事がありますがさすがに持っていて熱いですね。充電中は35度前後で落ち着いています(40度超えの状態から充電開始しても充電中に35度くらいまで下がって安定します)
●液晶画面と視野角について
液晶の色温度についてネットでは尿液晶と言っている方もいますが、これは通常の色温度の範疇だと思います。私は以前は高い色温度が好きでしたが、最近は比較的低目が好きなので丁度良い感じです。J ONEも低かったですしね。色味も悪くありません、濃すぎないので自然だと思います。
また発売前から「視野角が狭い」という欠点が言われていました。確かにJ ONEやiPhone5と比べて、いや、他のほとんどのスマホと比べてZ1のVA方式の液晶は視野角が狭く、斜めから見ると白とびします。実際何度もデモ機で試しましたが確かに斜めにすると明らかでした。ですが、これも実際使い始めてみると大した問題ではなく、実用上は全く問題ないことがわかりました。
むしろ、購入後に気づいたんですが、Xperiaはタッチセンサーパネルの電極模様が液晶上にうっすら見えていて、そちらの方が断然気になります。家の蛍光灯下ではまず気になる事はありませんが外に出て太陽光の下で使ったり、また室内でも真黒な背景の時には目障りな程模様が見えてしまいます。これは正直残念です。他のスマホではほとんど見られない現象です。
●まとめ
今回はZ1標準の基本性能、機能部分をご紹介しました。
使い始めて1週間ですが、こんな快適なAndroid機は初めてなので本当に驚いています。
本体サイズは5インチの割にずいぶん大きく、重量も他機種と比べると一回り重い機種ですが実際に使い始めるとすぐに慣れてしまいました。これはこれで心地よくなり始めています。
最後に購入コストを簡単にメモしておきます。
本体一括で購入したのですが70,560円+頭金1,050円を取られました(笑)
ただ、クーポン、auポイント、量販店の購入ポイントなどを合わせれば約4万円で購入できた事になります。その後iPhone5をドスパラで34,000円で売却しましたので差引すると大体6,000円程のイニシャルコストという事になるでしょうか。月額費用はスマバリ、毎月割がそのまま適用されるのでスマパス込みで4,500円くらいになりそうです。
発売日に6,000円で手に入れて、ランニングコストが4,500円と考えれば今回もまずまずリーズナブルな購入になったのではないかと思っています。