さて83インチという大画面有機ELテレビ「83C2」を導入した訳ですが、この大画面の恩恵を享受できるのは映画やテレビだけではありません。ゲーム機能もLGの有機ELテレビは優れています。
今回はLG 83C2のゲーム機能についてレビューしたいと思います。
4K120hz&HDMI2.1機能対応は当たり前
もちろん今どきの4KテレビですからHDMI2.1にフル対応しているのは当たり前です。
と言っても、LG C2のようにHDMI端子4つのうち4つ全てがHDMI2.1フル対応のテレビは多くありません。結構2つまで。というテレビが多いのが一般ですが、C2の場合はもちろん全端子フル対応です。
PlayStation 5で4K120hz&VRR対応は当然クリアですね。
Xbox Series Xでも フルスペック対応。特に4K120hzでDolbyVisionが同時稼働させられるのは最新規格の証ですね。
遅延性能も高い
有機ELですから液晶と比べてレスポンスが早く、ブレも少ないというのはゲームをするには大きな強みですが、入力遅延の少なさも際立っています。
実測レビューサイトRtingsにおけるSONYモデルとの入力遅延スコアを見てみましょう。
LG C2 | SONY A95K | SONY X95K | |
テレビ方式 | 有機EL | 有機EL | mini LED |
1080p/60hz | 10.5ms | 17.5ms | 18.0ms |
1080p/120hz | 5.7ms | 8.9ms | 9.4ms |
4K/60hz | 10.6ms | 16.9ms | 17.9ms |
4K/120hz | 5.9ms | 9.4ms | 10.0ms |
液晶より有機ELの方が遅延が小さい。というのはよく言われるところですが、その中でもLG C2は非常に優秀な遅延レベルだというのがお分かり頂けると思います。
肝はゲームオプティマイザ
そして更にLGテレビのゲーミング機能に関する肝は「ゲームオプティマイザ」と呼ばれる調整機能です。
ゲームオプティマイザは画質モードの一つで、ゲーム機を接続すると自動的に指定されるモードになります。
なかでもドルビービジョンに対応するXbox SXではドルビービジョンモードでのゲームオプティマイザに対応しています。
このモードは通常の画質設定とはUIが異なり、ご覧のように画面下部にステータス表示を出すことが出来ます。
ここでは様々な設定情報が確認できますが、左側にプレイ中のリアルタイムなfps表示もされるのでゲームをしながら今どのくらいのフレームレートが出ているのか?確認する事も可能です。
例えばPS5で数少ない4K120hz対応ゲーム「デビルメイクライ5スペシャルエディション」ではご覧のようにアクションに合わせてフレームレートが可変するのが分かります。何も動きがなければ119fpsに貼りつきますが、動き始めると100fps前後になったりする印象です。
またモードが幾つかあり、プレイするゲームに合わせて選べば基本的には最適な画質調整をしてくれます。
もちろん加えて自分で色々調整する事も出来ます。
VRRおよびG-Sync(NVIDIAの適応同期)やAMD FreeSync Premiumのオンオフ設定を手動で行う事も可能。LGのテレビはFreeSync Premiumに対応しているのも良いですね。
中でも優秀なのは「ブラックスタビライザー」と「ホワイトスタビライザー」です。これは黒階調、白階調を調整できるパラメータで、各モードでも自動的に変化しますが手動でパラメータ調整する事も可能です。
例えば、ブラックスタビライザーでパラメータを0にするとここまで暗いゲームシーンになります。それでも画面全体が暗くなるのではなくヘッドライトで照らされた道路や看板はクッキリしていますよね。
そしてパラメータを最大まで引き上げるとここまで明るくなります。明るくなると言っても、よくある「明るさ調整」ではありません。一般的な「明るさ調整」だと黒い部分も完全に浮いてしまってグレーになってしまいますよね。でもブラックスタビライザーは「暗部階調表現」を細やかに可変させていくので極端な黒浮きにはなりません。
普段はノーマルの13あたりで良いと思いますが、暗いシーンが多いホラーゲームや暗部の視認性が重要になるfpsなどゲームに合わせて調整すればゲームの雰囲気を損なわないままプレイしやすく調整できると思います。
ちなみに、ゲームプレイ中でも画質モードを「ゲームオプティマイザ」ではなく、一般映像のモードに切り替える事も可能です。ドルビービジョンではゲームオプティマイザを含めて5モードが選択できます。「標準」にするとこんな感じ。未調整の「標準」では青く薄っぺらい画になってしまいました。
ゲームオプティマイザに戻すとこんな感じ。こっちの方がしっくりきますね。
上記の例ではゲームオプティマイザの方が色乗りよく、深い表現に見えると思いますが、ゲームによっては「ゲームオプティマイザ」の方が薄い画質になってしまうので、派手で色乗りよくしたい場合に「標準」などに変える方が効果的な事もあります。「標準」はホワイトバランスを調整してやや暖色気味に振ってやると更にバランスが良くなります。但し遅延レベルなどが下がってしまうと思いますので、動きの激しいゲームをする時にはやっぱり「ゲームオプティマイザ」を選んでおく方が無難でしょうね。
前回の記事でも触れましたがリモコンの緑ボタンを5回連打すると画面上にVRR Informationを表示させる事が出来ます。出しっぱなしでリアルタイムな状況が表示されるのでこちらでリフレッシュレートチェックする事も可能。他、VRR/FIXED、解像度、色空間/色深度も表示されます。
表示は緑ボタン連打でオンオフが出来ますが、その都度右上、右下、左上、左下と表示位置を変える事が出来、HDMI接続されたコンテンツであればゲーム以外でも利用可能です。
83インチで得られる恩恵
ざっと83インチの大きさイメージを55インチ/65インチと比較するとこんな感じです。
83インチという大画面でゲームをプレイする事で色々と恩恵もあります。
迫力と精細感が凄い
もちろん「大迫力」というのは当然のところですが、4K解像度の精細さやHDR表現などがもう大画面である事でビシバシテンションを高めてくれます。
マリオカートの分割画面がデカイ
Switchのマリオカート8DXって4人同時プレイで4分割画面で遊ぶことが出来ますよね。
この分割された一つ一つのモニターが41インチくらいになりますので「分割されてちっちゃい!」と感じる事が全くありません。むしろ普通にこのサイズで十分楽しめるレベルの大きさです。
41インチモニターを4枚張り合わせた大きさというのは凄いですね。
ダライアスの横長画面も「あの頃」を思い出す
画面が小さくなってしまうという意味では異色のアスペクト比ゲーム「ダライアス」が挙げられます。これ、今までのテレビだとどうしても細長くて小さいという印象だったんですが83インチまでくるとこれも十分なサイズ感になってきます。
当時アーケード筐体では4:3の19インチモニター3枚を繋げていたそうで、これで横幅1.2mくらいになります。
一方83インチテレビの画像部分は1.83mくらいになりますので約1.5倍の画面サイズという事になります。テレビはゲーム専用筐体に対して視聴距離が長いとはいえ1.5倍のサイズになると「ちょうど体感していたあの視野角と近しい」ゲーム体験が出来るようになりました。
カーレースゲームが「実物大」になる
Xbox SXでForza Horizon をプレイしていて大画面の迫力という他に「妙にリアリティがあるな」と感じました。
そこでふと気づいたんですが、このボンネットビューってちょうど車の車幅が画面の横幅になるようなサイズ感になってるんですよね。
83インチテレビの画面サイズ横幅は1.83m。一般的な車の車幅も1.8m前後。という事は83インチテレビはまさに実際の車の中から見えるフロントガラス越しの景色の「実物大」が表現されているという事になる訳です。
我が家ではVWのGolfに乗っているんですが、ゲーム内でもGolfを選べば普段運転しているのと全く同じ車幅感、道路の路側帯とセンターラインの感覚、そして遠くに見える景色の「実物大感」を感じる事が出来るのです。これは本当に凄いと思いました。
まさに実車シミュレーター。まさに画面の向こうに現実の大きさが広がる世界。83インチというのはそのリアリティまで実現できる大きさだという事です。しかもそれが4K120hzのクオリティで表現されているのです。
まとめ
前回の記事に続いて、83C2導入レビューとして「ゲーム」に特化した記事をご紹介しました。
83インチ有機ELテレビでは映画なども勿論ハイクオリティ×大迫力で楽しめる訳ですが、ゲームにおいてはそれと同等以上の価値を発揮してくれると思います。画面の大きさではプロジェクターに負けるかもしれませんが、その画質、遅延の少なさ、滑らかさ、その上での大画面という意味では「総合力」ではほぼ頂点と言っていいレベルになるのではないでしょうか。
これから大画面でのゲームもどんどん楽しんでいきたいと思います。