さて、Zenfone2を手に入れましたので、我が家にある中で同等クラスとしてよく挙げられる3機種を中心に比較してみる事にします。
●ASUS Zenfone2(4GB/64GBモデル)
●SONY Xperia Z3(au版 SOL26)
●Huawei honor 6 Plus
●ベンチ比較
まずネットで見つかったZenfone2とXperia Z3のベンチ比較です。
これで見ると、Zenfon2はXperia Z3やiPhone6と同クラスで、わずかに性能が高い事が分かります。honor6Plusも検証したかったので、上記ベンチを実際に自分でも試してみました。
多少数字の違いはあれど、Zenfone2とXperia Z3は概ね先のサイトと同じような力関係になっていると思います。他にAntutu 3DとPC MARK (Work Performance)も回してみました。
Antutu 3Dは3D性能も含めた総合処理ですがZenfone2が抜きんでていますね。特にXperia Z3に総合スコアで1万ポイントも上回っているのは大きいと思います。
またPC Markは、Webブラウジングや動画再生、編集作業など一般的な処理に対する負荷レベルを測るものでゲーム以外の処理能力を見るには適したベンチです。ここでは総合スコアはZenfone2ですが、各項目も見るとhonor 6 Plusが肉薄していました。
所詮ベンチマークですから鵜呑みには出来ませんが、Xperia Z3から乗り換えた恩恵はありそうです。
他にもこちらが多くの機種でベンチ比較されていますので参考になると思います。
http://socius101.com/ranking-of-benchmark-for-smartphone-in-2015-autumn-ver1-post-5053/
●サイズ比較
次にサイズ感ですが、これは比較に挙がりやすそうな他モデルも含めてカタログスペック比較をしてみましょう。
Mate7はさすがに6インチなので一番大きいですが、注目はZenfone ZOOMやiPhone6sPlusは大きさも重さも6インチ級だという事です。
左から Mate7、Zenfone2、honor6Plus、XperiaZ3、Ascend P7(参考)です。
Zenfone2は5.5インチクラスで見るとそこそこコンパクトだと言えます。少なくともiPhone6sPlusよりも小さくて軽いので5.5インチラインナップの中では持ちやすい方ではないでしょうか。でもインチに対するサイズ比率ではHuaweiが圧倒的ですね。
左から、Zenfone2、honor6Plus、Xperia Z3の厚みです。
最薄部ではZenfone2は一番の薄さですが、中央が盛り上がっている為、実際に持った感じでは一番厚みを感じます。ここでもhonor6Plusはバランスが良いですね。
●基本機能関連
UI
Zenfone2には専用のUIが用意されていますが、フォルダが多段階層に出来なかったのでその時点で却下です。使い慣れたNOVAにすぐ変えました。
ちなみにZenfone2では標準のIMEがATOKです。Xperiaの標準IMEであるPOBoxやGoogle日本語入力も悪くはありませんが、やっぱり辞書のクオリティや使いやすさなどATOKが一番だと思います。Zenfone2ではこのATOKが標準IMEになっているのがいいですね。ただ、ストアアプリのATOKと違って拡張辞書や学習などが制限されているので物足りない方はストアアプリ版を購入した方が良いと思います。
アプリ
オリジナルアプリが山盛り入っていてドロワーを埋め尽くしています。特徴的なのはPCや他のデバイスとリンクさせるアプリが多い事。友達と写真を交換しよう!タッチパッドにしてPCを操作しよう!とか今どきのトレンドを押さえている感じがして悪くないですね。ほとんど使いませんが、それぞれの質は低くなさそうです。
また、ストアアプリの中には動かないアプリも結構ありそうです。今は対応済みですが「星のドラゴンクエストが動かない」「デレステがギザギザカクカクだ」などの問題がネットで話題になっていました。これはストアアプリの多くがスナドラでチューニングされていて、Zenfone2に搭載するAtomだと相性が悪いケースがあるからです。今は星のドラクエも動いていますし、デレステの挙動も普通です。時間とともに運営が対応してくることもありますが、提供開始直後はプレイできない!というアプリがちらほらありそうですね。
「ゴシックは魔法乙女」などはインストールすら出来ません。
micro SDへの移動
Xperia Z3では出来なかった「アプリのmicroSDへの移動」が出来ます。これは本当にありがたいです。Androidのバージョンによってアプリの移動は許可・禁止が決められていましたが、加えてメーカーの判断があったので、アプリの移動が出来るかどうかは機種依存です。
Zenfone2で「Amebaアプリ」の情報を見ると「SDカードに移動」というボタンがありますのでmicro SDにアプリを移動させることが出来ます。
インストール時にmicro SDをインストール先として優先させる事も出来ます。全てのアプリをSDにインストール出来るわけではありませんが内蔵ストレージの圧迫をかなり軽減する事が可能ですね。
honor 6 Plus も同じく移動可能です。
一方、Xperia Z3で「Amebaアプリ」の情報を見ても「SDカードに移動」ボタンはありません。Xperia Z3ではAndroid5.0以降にしていてもSDカードにアプリをインストールする事が出来ないのです。
ボタン
電源ボタンが上にあるのは押しづらくて仕方ありませんが、画面ダブルタップでスリープ解除できる機能も付いているので良しとしましょう。Xperia Z3にも搭載されていた機能でこれは常用していたので使い勝手を変えなくていいのは助かります。また、NOVAではダブルタップでスリープするというジェスチャー設定が出来ますので、ダブルタップのみでスリープのオンオフが可能になります。電源ボタン使わないですね(笑)
また、ボリュームボタンが背面にあるのもイマイチですが、慣れてしまえば大した不満ではないので許容しましょう。
また下部のナビゲーションバー(戻る、ホーム、メニュー)がZenfone2は液晶パネルの外に物理的に印刷されています。いつでもホームボタンが見えているので使い勝手が良いですが、暗いところでは見えない為、感覚で押すことになります。
ちなみにhonor6Plusではこのナビゲーションバーの配置やボタンをカスタマイズできます。ここに通知バー(クイックメニュー)も配置できるので大型化する最近のスマホとしてはありがたい機能です。
挙動
Zenfone2の挙動自体ははXperia Z3と比べても悪くありません。各アプリの動き、処理能力もほぼ同等の感触があります。これはおよそベンチ通りな気がしますね。
色
色温度はZenfone2の方が高く、そしてアッサリしています。Xperia Z3は特に低い色温度でしたのでZenfone2の方が色温度はバランスがいいと思います。
Xperiaはホワイトバランス調整が細かくできますが、元々Z3はかなり青に触れていますので、色温度の調整がかなり難しいです。
Zenfone2は色温度をダイレクトに調整できるのでバランスを崩さず簡易的に好みに合わせられます。またデフォルトの色温度も程よい感じです(Xperiaに慣れている人には黄色く見えると思います)
ちなみにhonor 6 Plusは色温度を操作するだけの簡単設定。この辺りは各メーカーの個性が出ますね。
画質そのものは、Xperia Z3が最も鮮やかな印象を受けました。Zenfone2は色によっては薄く表現される部分があります。また、インチ差もあるとは思いますがZenfone2は解像度が低いグラフィックなどでは粗さを感じます。もう少しアンチエイリアスが掛かってもいいかな。と思いますが許容範囲ですね。
明るさ
ネットでも「暗い」と言われていたZenfone2ですが、明るさ最大にすれば他のスマートフォンと違いはありません。ただ、常に最大運用だとバッテリー消耗が激しいのと、外に出た時にはこれ以上上げられない。という限界値の低さは感じます。
最大輝度で比較するとこんな感じです。左からZenfone2、honor6Plus、Xperia Z3。Zenfone2が一番暗めです。先ほど記載した通りZenfone2はナビゲーションバーのボタンがパネル外にあるので見づらいですね。
設定することはないと思いますが、最も暗くするとこんな感じ。Xperia Z3は設定できるレンジ幅が非常に広いです。
バッテリー
これはもう少し検証が必要ですが、確かに持ちが悪そうです。グングン減っていきます。QC2.0対応なのでちょこちょこ充電しやがれ。という事なんだと思いますが重いゲームをやってたら速攻で枯渇しそうです。
ただ、Zenfone2には「自動起動マネージャー」という機能が用意されていて、バックエンドでの起動を停止することでバッテリー消耗を防ぐ。という設定が可能です。例えばLINEを無効にすると、本当に通知も来なくなります。ただアプリアイコン自体をタップするとちゃんと起動して動きます。LINEなんかは停止すると問題がありますが、意図した時しか使わないツール系アプリや滅多に使わないアプリはガシガシ無効にしておくのが良いと思います。
とりあえず、ある程度設定した上でスリープ状態で放置したところ1時間あたり2.6%ずつくらいバッテリーを消耗していました。
同様の機能はhonor6Plusにもありました。この辺りは近い設計コンセプトですね。
最近のモデルには結構搭載されている機能の一つで、この設定に気付かないと「LINEがずっと通知されない!でもたまに通知されている気がする」といった現象が起こります。
実際には一度起動すると最小化されていてもアプリが終了するまでは通知されますし、完全に終了させると通知されなくなる事から起こる状態なのですが、知らない人は「通知されたり、されなかったりして不具合じゃないか」と思われているケースがあるようです。
その他
その他興味深かった点をいくつか。
Xperia Z3は耳に当てると電話に出られる。握っていると消灯しない。など非常にスマートな機能が盛りだくさんでした。honor6Plusにもこんな感じで様々なアクションが用意されています。「ダブルタップスリープ解除」と「端末を耳に近づければ通話応答になる」というのはもはや標準機能と言っていい範疇になってきましたね。
「手袋をしていてもタッチできる」という機能も今やどの機種にも搭載されてきていますが、honor 6 Plus独特なものとしてポケットに入れた時の誤作動を抑制する「タッチ無効モード」というのは良い発想ですね。
また、honor 6 Plusのアプリごとにモバイル通信とWifiの許可設定できる機能も面白いです。
Zenfone2でも「耳に電話をあてると着信応答が出来る」という機能は当然搭載されています。「もしもし着信応答」という機能名はどうかと思いますが・・・。
Zenfone2で個人的に嬉しいのはスクリーンショットを「マルチタスクボタン」長押しで撮れるという事です。Zenfone2はボリュームボタンが背面にあって電源ボタンとの同時押しも癖がありますから、液晶画面側のボタンでスクショが撮れるのはとても便利。しかもシャッター音も標準でオフになっています。
その他、Zenfone2は標準のクイックメニューが使いやすいです。メモリ解放や先ほど紹介した自動起動マネージャーなどを標準で配置していたり、右上の人のシルエットをタップするとユーザの切り替えも行えます。他人にちょっと貸すときなんかは切り替えて渡せば標準ホームに標準アプリだけ並んだ状態で使わせる事も可能です。
こうした便利な機能類は機種によって異なりますが、Androidがかなり進んでいる部分ではないかと思っています。知れば知るほどスマートな使いこなしが出来るようになっていきます。自分の機種にはどんな機能がついているか是非「設定」の中を隅々まで見てみましょう。
もちろん機種依存の機能の他に、ストアアプリのTaskerなども組み合わせれば、更に多様な挙動カスタマイズが出来るところもAndroidの楽しいところですね。
今回はZenfone2、honor6Plus、Xperia Z3の3機種を中心にベンチマーク比較から、端末の基本部分について色々チェックしてみました。
私はXperia Z3からZenfone2に乗り換えた訳ですが、想像していた以上に快適な端末で驚いています。次は、スピーカーやカメラ画質などについてご紹介していきたいと思います。