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Samsung Gear IconX レビュー1(機種選び)

Samsungの完全ワイヤレスイヤホン Gear IconX を購入しましたのでレビューしたいと思います。

Gear IconX とはSamsungが販売している「完全ワイヤレスイヤホン」です。最近流行りのコードレスのBluetooth対応イヤホンですね。

ここしばらく完全ワイヤレスイヤホンを色々比較していて、本命と目していたゼンハイザーの「MOMENTUM True Wireless」の音を確認した上で、結局これが自分の中で最強と判断して購入に至りました。ゼンハイザーが2018年12月20日に発売した最新モデルなのに対し、発売から1年以上経ち完全に旧世代と言えるIconXを購入することになったのかご紹介していきましょう。

コーデックについて

完全ワイヤレスイヤホンを比較するのに重要なスペックの一つが「対応コーデックの種類」です。もちろんイヤホン自体の作りこみが音質に影響するのですが、コーデックによっても音源の良さをどこまで引き出せるかが変わってきます。

SBC・・・標準的なコーデック。今となっては低音質。音源ファイルで言えばMP3みたいな位置づけ

AAC・・・主にiPhone向けの高音質コーデック

aptX・・・Androidに対応した高音質コーデック

aptX HD・・・Androidに対応する更に高音質なハイレゾ対応コーデック

LDAC・・・SONY独自規格でXperiaなどで対応。新しいAndroidOSなら対応している?AACやaptX系より更に高音質

Samsung Scalable codec・・・Samsung独自規格。Galaxyのみに対応した専用高音質コーデック

他にもaptX系はどんどん進化してきていますが主に上記のようなイメージで少なくともaptXやAACに対応したものを選ぶのが基本になってくると思います。

ちなみに私のGalaxy Note9では下記選択ができるようになっています。「SamsungHD」っていう知らないものもありますね。

完全ワイヤレスイヤホンを試聴する

まず店頭で色々評価の高いイヤホンを試聴してみました。

Jabra Elite 65t

店頭でも評価が高く1番人気とされているケースもあります。非常に素直な音で、ああ完全ワイヤレスイヤホンっていうのはこういう音なのか。と最初の基準にした音。個人的に充電器への給電は今どきType-Cにして欲しいんですが、いまだにmicroUSBというモデルが多いんですよね。これだけでちょっと抵抗感が出ます。
ドライバ:ダイナミック型
コーデック:AAC、SBC
接続:NFMI
稼働:連続5時間使用+充電器10時間

Bluetooth:5.0

充電器接続:microUSB

Amazon AlexaやGoogleHomeなどとも繋がるトレンドを押さえた仕様。人気があるのも頷けます。

EARIN M-2

人によっては最強と呼ぶモデルのようです。非常に小さくて左右同じ形状をしているので間違えそうですが何とM-2はどっちを耳に入れても自動的に左右を割り当ててくれる仕様だそうです。イヤホンの常識が覆りますね。なのに充電器はmicroUSBです。うーん。

ドライバ:BA型

コーデック:AAC、aptX、 SBC
接続:NFMI
稼働:連続4時間使用(充電器含め14時間)

Bluetooth:4.2

充電器接続:microUSB
Jabraと比べるとドライバがBA型になりコーデックもaptX対応です。BA型にしても音の分離感をそこまで感じず、どちらかというと全体の音が一体として聴こえる印象でした。悪く言えばちょっと籠った印象。解像感重視という訳ではないんでしょうね。
オーディオテクニカ ATH-CKR7TW

満を持して登場したオーテクのハイエンドモデル。DACにAK4375を積み、高音質を売りにしていたのでかなり期待して聴いたんですが、低域が弱く迫力のない音に感じました。高音域も少し細い印象ですが解像感は悪くなかったと思いますのでイヤーピースなどで調節すればいい感じになるかもしれません。オーテクもmicroUSB。まぁ、オーテクですからね。

ドライバ:ダイナミック型

コーデック:AAC、aptX、 SBC
接続:NFMI
稼働:連続6時間使用(充電器含め15時間)

Bluetooth:5.0

充電器接続:microUSB

Bang&Olufsen Beoplay E8

これも高級モデルの中で人気のあるモデルですね。M-2よりはシャッキリしていて、オーテクよりも低域が出ているとてもバランスの良い音に感じました。この価格帯の中では音質的には無難に選べるモデルな気がします。ただ、コーデックがAACにしか対応していなかったり、稼働時間が公式値として少し短かったりという点をどう見るかですね。またここも充電はmicroUSBです。

ドライバ:ダイナミック型

コーデック:AAC
接続:NFMI
稼働:連続4時間使用(充電器含め12時間)
Bluetooth:4.2
充電器接続:microUSB

SONY SP900

SONYはちょっと孤高の存在感が強いのは私の印象だけでしょうか。SP900は真のBA型イヤホンという感じでとにかく音の分離感が高く、聴いた中では解像度№1でした。それでいて低域が弱いわけではなく、量感はそんなにありませんが芯のあるアタック感がありとても良質な低音という感じ。低域の量感をイヤーピースで調整できるならこれは一番好みに合う音でした。(だったら低音重視のSP700を選べば・・・って気もしますね)

ドライバ:BA型

コーデック:AAC、SBC
接続:NFMI
稼働:連続3時間使用(充電器含め9時間?)
Bluetooth:4.0
充電器接続:USB Type-C

メモリ:4GB内蔵(スマホに繋がなくてもイヤホンだけで音楽が聴ける。その場合は6時間)

さすがソニー。充電がType-Cです。わかってる。内蔵メモリを積んでいるので、音源をイヤホンに入れておいて直接再生する事が出来るのもいいですね。電池の持ちは悪いですが仕様面では抜かりない感じです。

ゼンハイザー MOMENTUM True Wireless

私の中のド本命。何なら一度も試聴せず買ってもいいかもって考えてたくらいです。非常に高品質なヘッドホンを作るブランドで我が家でも2本購入した事があります。音も癖がないので十分期待できる。と思っていたんですよね。コーデックなどスペックも非常に優秀でさすが最新モデルといった感じ。充電もType-Cですし文句なし。

ドライバ:ダイナミック型

コーデック:apt-X、apt-X LL、AAC、SBC
接続:NFMI
稼働:連続4時間使用(充電器含め12時間)
Bluetooth:5.0
充電器接続:USB Type-C

発売日を迎えると徐々にレビューも増えてきましたがネットでの評判が2つに分かれていてとても不思議でした。ある人は「低域は控えめで、中域から高域が伸びる音。どちらかというとカマボコ型でゼンハっぽくはない」という感想。またある人は「低域の主張が強すぎて籠ったような音」と言います。好きか嫌いかではなく音の傾向自体が全く逆の感想なのが謎だったの実際に聴いてみました。私の感想は完全に後者でした。

低域バリバリで量感が凄く、中域以上がマスクされるレベル。正直こんなアンバランスな音は厳しいな。と感じてしまいました。イコライザーでチューニングすればいいのかもしれませんが、ちょっと期待しすぎていた為に落胆が大きかったのが正直なところ。そしていまだになぜ感想が人によって真逆になるのかが分かりません。接続したプレイヤー(スマホ)や再生アプリの違いなのか?でもそうだとすると他のイヤホンの評価も分かれるはず・・・。まさか個体差なんて事はないよね。と思い、有楽町ビックと池袋ビックで違う個体で別の日に聴いてみましたがやっぱり私の感想は全く同じ。謎は深まるばかり。

NUARL NT01AX

気を取り直して最近人気が出ているNUARLを聴いてみることにしました。こちらはほとんど期待しないで聴いたんですが、ゼンハイザーのような極端な癖もなく、やや低域も強めですがそこそこ聴きやすい音だと感じました。また、稼働時間が圧倒的に長く目を疑いました。公式値どおりだとしたら凄いですね。充電回数が激減しそうです。価格的にも比較した他モデルよりやや安いので選びやすいと思います。

ドライバ:ダイナミック型

コーデック:aptX、AAC、SBC
接続:独自のMCAテクノロジーで接続切れがかなり抑えられる?
稼働:連続7~10時間使用(充電器含め24~35時間)
Bluetooth:5.0
充電器接続:microUSB
ここまで最新仕様ですがやっぱり充電はmicroUSB。このカテゴリは出遅れが酷いです。
Samsung Gear IconX

そして私が結局購入したのがこちらです。コーデックがaptXやAACに対応していないので普通のスマホだとSBC一択という旧世代イヤホンですが、Galaxyと繋いだ時だけSamsung Scalable codecという専用コーデックになりこれがとても高音質。という特徴があります。

実際に聴いた音は「とにかくバランスがいい」という事。低域も力強くしっかり出ていて量感、アタック感ともにある。中域~高域もマスクされることなく十分に伸びる。解像度が一番だったSP900と比べると解像感はやや落ちて丸くなる印象。良く言えば音に一体感があり艶っぽさもある。悪く言えばやや眠たい音。

ドライバ:ダイナミック型

コーデック:SBC、Samsung Scalable codec
接続:独自の接続方式で高い接続性
稼働:連続5時間使用(充電器含め10時間)
Bluetooth:4.2
充電器接続:USB Type-C
メモリ:4GB内蔵
1年以上も前のモデルなのに充電がType-C。さすが世界№1スマホを作るSamsungです。内蔵メモリ機能はソニーもありましたが、こちらは更に面白く、左右のイヤホンそれぞれにメモリが積まれていてそれぞれに置かれたファイルを同時再生するので原理的に絶対に左右の接続による音切れが発生しないとの事です。ハイレゾ音源は置けないけど一般音源なら内蔵で聴くのが一番いいかもしれません。またGalaxyとの親和性がとても高いのでS-Helth(トレーニングアプリ)ともマッチングして様々なトラッキングをしてくれます。機能面の充実が凄いですね。

さて実際の試聴ですが、これまで聴いたイヤホンの中で一番不満が少ない音でした。何かに突出した感じもないし、SP900のキレッキレな音と比べたら見劣りする部分もあります。でも低域も含めたバランスで言えばこれが最も好みに合う印象(性能が上というより聴き心地がいい)です。

世間的にはIconXってもう話題にも上らなくなり、お店の人から見ても「旧世代機」という扱いですから自分としてもあまり選びたくないなぁ。と思っていましたが実際に音を聴いてみるとどうしても嫌いになれない。こちらも別日、別の店で違う個体で聴いてみましたが印象は変わらず良い。ネットでもGalaxyユーザの評価としては他の高評価モデルよりもIconXの方が良かったというコメントもあり、このGalaxy専用コーデックがかなりヤバいんじゃないか。という結論に至りました。

だから、Galaxy以外のスマホで聴いた人にはSBC接続での並以下の音という評価になってるんじゃないかと思います。

ゼンハイザーもオーテクも期待ほどじゃなかったし、だからと言ってソニーSP900でお茶を濁すのもしっくりこないので、ここはGalaxyNote9ユーザとしてしっかり専用コーデックを堪能するのが一番いいんじゃないか。ということで本機の購入を決定しました。

では次回は、実際に使用してみてのレビューをしていきたいと思います。

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