映像機器

SONYのヘッドマウントディスプレイ HMZ-T1 を被ってみた

2011年11月11日に発売されたSONYのヘッドマウントディスプレイ

HMZ-T1を体験してみました。

http://www.sony.jp/hmd/products/HMZ-T1/

古きを知る人からすれば

「あー。グラストロンでしょ。あれイマイチだったよね」ってイメージの人もいると思いますが

どうやら今回のSONYは本気っぽいです。

まず、コンセプトは従来のHMDと同じです。

かけるだけで目の前に大画面が!ってやつです。

ただ、今回SONYのこだわりは凄いです。

1.本当に視野角を広げて、視界いっぱいに大画面を感じさせる。

これで、20m先に750インチのスクリーンを見ている感じを出すそうです。

デジ物趣味

2.そしてこの擬似映画館にとって興ざめなのは外界からの光。

今回のHMDでは、左右200度に渡って光を遮り、下にもカバーを付けて

外界からの光を完全にシャットアウト。まさに目の前の映像だけが視界に飛び込んできます。

デジ物趣味

3.画質にも音質にもこだわる。

更に、その映像に「有機ELパネル」を左右それぞれ分(2枚)用意し、

それも720p(1280×720)という解像度で製品化している点です。

それだけで普通にキレイなディスプレイですよねw

音も5.1chのバーチャルサラウンド機能搭載で、このディスプレイを掛けるだけで

音もサラウンドが味わえます。

4.本物の3Dが体験できる

個人的にはこれが一番の目玉だと思ってます。

普通の3DTVは、ディスプレイが一つです。当たり前です。

で、その一つの画面に「右目用」「左目用」の両方の映像を用意するわけですから

メガネなしだと2重に見えます。これを専用メガネで強制的に左右の目に振り分けてるんですよね。

この仕組みのせいで、ちらつきが発生したりします。これがクロストークです。

ところが、今回のヘッドマウントディスプレイは、左目用の映像を左目で、右目用の映像を右目で

ダイレクトに見ることができるので、もともと1画面に2重に表示させる。なんて必要はりません。

なのでクロストークが発生しないのです。これ凄い。

なぜ凄いかって、もうディスプレイが1つしかないTVでは絶対実現できない訳ですから。

こいつでしか味わえない、本物の3D。

自然世界で私たちが味わってる「右目」と「左目」との距離差による立体認識手法を

そのまんま持ち込んでるんですから、そりゃ凄いですよね。
デジ物趣味
それでいて、完全にその画面しか見えない没入感。巨大画面。

そして有機ELによる美麗な映像。

まさに、本物の3Dを楽しむための機械といっても過言ではないと思います。

ということでワクワクしながら店頭で試聴してみました。

●試聴の印象(光)

店頭ではきちんと光対策されてない状態、かつやたら店内が明るい環境で見たのでやたら光が入ってきます。

また私は元々近視で眼鏡を着用しているので、外部からの光が自分の眼鏡に反射するという弱点も。

ただこれは、一般室内で、ちゃんと光対策カバーを付ければほとんど問題にならないだろうな。と想像しました。

ほんとに没入したいなら部屋も暗くすると良いかも。

●試聴の印象(画質)

さすが有機ELという感じです。非常に鮮明な色で、720pという精彩さも感じます。

・・・が、解像度。ドット。という意味でいうと物足りないですね。どうしてもドットを感じます。

本物のフルHDTVと比較すると、なめらかさが全然違います。

フルHDTV・・・iPhoneのRatinaディスプレイ

HMZ-T1・・・4インチなのに800×480しか解像度のない一般的なAndroidスマホ

って感じの解像度の差です。

気にならない人は気にならないでしょうが、私は気になります。

HMDでここまでやったら立派。という気もしますが、どうしても期待のハードルを上げてしまいますね。

●試聴の印象(音質)

音質についてはネットで「ペラい」「スカスカ」なんて評価もありましたが

実際に聴くとスカスカってほどではありません。低音という意味では十分出ています。

が、こっちも解像感は低いですね。

これは5.1chのバーチャルサラウンドになっているからだと思います。

ネットでもサラウンドをオフにすると音が断然良くなる。というコメントも見かけるので

ソースによって、サラウンドは切り替えたほうがよさそうです。

●まとめ

個人的な感想としては「数百インチある巨大画面の前にいる」というよりは「目の前にある数メートルの3D空間に飛び込む」という方がしっくりきます。映画なんかは「別に巨大ではないが、自分だけのパーソナル3Dシアター」といったところ。
確かに50インチのテレビより、視界を占める大きさは大きいですが、それはスマホの画面を目の前5cmで見たら巨大画面に見えるか?っていうのと一緒で、別に「大きい」とは思わない訳です。
感じ方は人それぞれでしょうし個人的にはそれによって評価を下げるというものでもないと思います。

実際に入手した人の感想を見ると

「この没入感は半端ない」「今まで体験した事のない世界」「SONYはとんでもないものを作った」

なんて絶賛コメントも結構見かけます。

ソース評価としては、ディズニーのラプンツェルの立体感が凄い。

PS3のチャイルドオブエデンは本当に吸い込まれるような体験。

なんて言われるので、超興味津々ですよね。

ホラーゲームのSIRENが怖すぎて進めない。なんてコメントも。

一方では、おでこが痛くなる。2時間以上はしんどい。って評価もあります。

4時間以上でも全然平気って人もいますが、視聴環境は大事そうです。

我が家の場合は、元々50インチフルHD&7.1サラウンド環境が物理的に揃っているのですぐには踏ん切りがつきませんが、そんな環境は揃っていない!とか本物の3Dを体験したい!とかって人にはかなりいいオモチャだと思います。

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