ロボット掃除機の進化が目覚ましく注目を浴びていますが、実は自分で操作するスティックリーナータイプもグングン進化を遂げています。今回はその中でも最先端となる4way水拭き掃除機「H12 Dual」をレビューします。
公式サイト
必要な機能全部入りの4wayモデル!
まず何より本機最大の特徴は、非常に高いレベルの掃除機機能4つを1台にまとめてしまったところです。早速次の2枚の写真を見てください。
ほう。1枚目は今どきの水拭きタイプ、2枚目は昔からあるスティッククリーナーかな?と思われますよね。これそれぞれ別の掃除機じゃないんです。
2台の掃除機に見えるこの写真、実は「H12 Dual」が1台で実現する2つのモードなんです。
つまり本機は1モデルでありながら本格的な水拭き掃除と、軽快な吸引掃除のどちらにも対応しているという事です。加えて次のように「ふとんクリーナー」「ハンディクリーナー」にもなってしまうこれが4way!
最近の掃除機で「水拭き掃除機だけど、吸引モードもある」といったものは見かけることがありますが、やっぱり水拭き掃除機って重さもあるじゃないですか?それが、本機の場合は完全吸引だけの軽量クリーナーになってしまうので汎用性がまるで違ってくるわけです。
Dreameでは他に水拭き掃除機専用モデルとして「H12 Core」そして上位の「H12 Pro」というモデルが販売されています。
どちらも優れた水拭き掃除機ですが今回の「H12 Dual」は上位の水拭き掃除機「H12 Pro」をベースに3つの機能を加えたスーパーマルチクリーナーなのです。H12 Dualはまさにこれ1機あれば他は要らないというコンプリート掃除機と言えます。
スティックタイプの水拭き掃除機にもモップ自動洗浄&熱風乾燥が付いている
まずメインの機能は「水拭き」です。これまでは吸引型のクリーナーの後に水拭きモップで掃除したり、最近ではロボット掃除機が水拭きの機能を搭載したり、と選択肢があった訳ですが、その中の有力な選択肢がスティックタイプの「水拭き」です。H12 Dualはモップの自動洗浄&乾燥を行ってくれるのでとても快適。
水拭きモップ | ロボット掃除機 | H12 Dual | |
掃除の手間 | 自分でセット、自分で掃除 | 自動的に掃除してくれる | ドックから取り外して自分で掃除 |
きめ細やかな掃除 | 先端が届くところを隅々まで | 障害物回避などでどうしてもムラは残る | 先端が届くところを隅々まで |
水拭き後のお手入れ | モップの水洗い、交換など | 自動洗浄&乾燥が主流 | 自動洗浄&乾燥 |
給水と汚水処理 | モップ自体を濡らす必要あり | 水タンクへの補充、汚水廃棄は手作業 | 水タンクへの補充、汚水廃棄は手作業 |
やっぱり自分で障害物を避けながら端っこまで丁寧に掃除はしたい。だけどロボット掃除機のように自動で洗浄、乾燥までやってくれたら楽なのにな~。という良いとこ取りをしてくれるのが本機のようなスティックタイプの水拭き掃除機です。
ロボットはもちろん楽で便利なんですが本当に家の隅々まで掃除してくれるかというとそこはさすがに限界があります。床に何もない家庭であればロボットでも非常に高い精度の掃除結果が得られると思うんですが、我が家の場合あちこちにケーブルが這っていたり障害物がたくさんあるとロボット掃除の前に障害物退避をするか、そこは掃除されなくても妥協するかです。スティック型は何といっても「自分で掃除しないといけない」という圧倒的な弱点があるわけですが、一方で、自分の目で見て、障害物もその場でかわしながら直接モップを当てにいく事で隅々まで綺麗に出来るというのはやっぱり強みだと思うわけです。
水タンク
本機のボディ部分前後は水タンクになっています。新しい水を補充するタンクと、汚水が溜まるタンクの2種類。
前面の大きなタンクが「汚水用」背面のスリムなタンクが「浄水用」となります。
取り外しはとても簡単。レバーをクイっと押さえて傾ければ取れます。
タンクを取り外した後の本体ボディです。1枚目は汚水が上がってくる穴。2枚目は給水する方の穴ですね。
浄水タンクの先端部にはキャップが付いていて、ここを開けて水を注ぎます。
一方、汚水タンクの方は上部にフィルタが付いていました。この黒いパーツ部分全体を外して中の水を捨てることが出来ます。
ローラー型モップで水拭き開始
モップ部分はローラータイプになっています。ロボット掃除機ではモップは前後に動かしたり、振動させたり、回転させたりと色んな構造がありますが、スティックタイプはとにかくシンプル。でもこれが一番強力に水拭きできる構造だと思うんですよね。
強力な掃除力
吸引力 16,000Pa
高速ブラシレスモーター 98,000rpm
ローラーブラシ 13,000回転/分
床を擦る 520回/分
もうロボット掃除機と比べて圧倒的じゃないでしょうか?
種類 | 吸引力 | 水拭きモップ | |
ECOVACS X2 OMNI | ロボット | 8,000Pa | デュアル回転 1分180回転 |
Roborock S8 Pro Ultra | ロボット | 6,000Pa | フラットモップ 1分間3000振動 |
Roborock Q Revo | ロボット | 5,500Pa | デュアル回転 1分200回転 |
Dreame U20 Ultra | ロボット | 7,000Pa | デュアル回転 |
H12 Dual | スティック | 16,000Pa | ローラー 1分間13,000回転 |
やっぱり掃除力という面ではロボット掃除機は全くスティック型に追いつけていないという事がよくわかります。さて、では早速動作させてみましょう。
電源を入れると本体にバッテリー残量や現在のモードが表示されます。また音声でも説明してくれるのが親切。手元のボタンを押すことでモードを変更することが出来ます。
水拭き3つのモード
オートクリーニングモード:水拭きを行いながら吸引力を自動調整
除菌モード:自動的に電解水を生成、30秒後に床面の除菌ディープクリーニングを実施
吸水モード:床面の水分を吸水するモード(水気のあるものを零した時の拭き取りに)
※説明書では「吸引モード」と書いてありましたが、音声ガイドはどう聞いても「吸水」と言っています。
後ろにローラーも付いているのと、モップ部分が高速回転するので動きは本当にスムーズ。自分で力を入れなくても掃除機が勝手に自走してくれます。本機は約5kgもあるので重いんですが水拭きしているときは本当にスムーズで逆に掃除機の後ろを着いていくだけという雰囲気です。
グングン水拭きでフローリングが艶やかになっていきます。専用の洗浄液も付いていましたので頑固な汚れを取りたいときは給水タンクにこちらを10ml入れておくと良いそう。また、除菌モードで「電解水」にしておけば水拭きするだけで除菌できるのも優れモノ。
本当にモップや雑巾がけをしたように水拭きされていきます。タンクから自動的にモップに給水されていくので、定期的な水補充やしゃがみこんでの作業は皆無。ずっと立ったまま掃除機を押しているだけで部屋の水拭きが進むんですから快適になったものです。
そして本当に端っこまでモップがあるので壁ぎりぎりまできちんとモップ掃除が可能。気になるところがあれば角度を変えてモップを当ててやればOK。
しかも細かいゴミ類、髪の毛やホコリなどはそのまま汚水タンクに放り込んでいってくれるので、いわゆる乾燥吸引の掃除機を先に掛けておく必要もありません。まさに万能掃除機。
水拭きが終わったらドックで自動洗浄&乾燥
さて、快適な水拭き掃除が終わるとドックに戻します。
ドックに置くだけで自動的に充電が開始されます。
そして、取っ手先端部にあるクリーニングボタンを押せば勝手に「モップ洗浄」が始まります。洗浄中ローラーも前回転、後ろ回転と切り替えながら徹底的に洗浄。そしてその後55度の「熱風乾燥」へ移行します。
洗浄から乾燥に移行するまでの一連の動作をノーカットでご紹介しましょう。
大体洗浄は3分くらいでしょうか。この後30分ほど乾燥して自動停止してくれるので、セルフクリーニングが終われば汚水を捨てに行き、あとは乾燥完了まで放置です。
浄水タンクの水は徐々に減っていきますのでミニマムラインまで来ていたら水の補充も行う。というサイクルですね。音声ガイドでも「浄水タンクに水を補充してください」と教えてくれるので便利。
モップの取り外し洗いも可能
基本的にはモップは自動洗浄&乾燥でクリーンに保ってくれますが、定期的にモップ自体を手洗いしたいという事であればもちろん取り外しも可能です。
▼矢印ボタンを押すとパカっとサイドのカバーが外れます。
するとモップだけを取り外し可能。洗い終わったらまた元通り挿してサイドカバーをパチンと閉じるだけ。これでいつまでも綺麗に使えますね。
スティック吸引モード
さてここまででも十分高性能な掃除機。という事なんですが、水拭き無しでカーペットの吸引掃除をしたい!なんてシーンももちろんあります。ただ吸引をしたい時にいちいち水の入ったタンクのボディを連れまわすのは無駄。という事で、この掃除機は普通の吸引タイプスティッククリーナーにもなります。
注目頂きたいのはこちら。取っ手がついた黒い円柱。
なんとここが取り外しできるんです。この大きな黒ジョッキのような存在がエンジン部分。
これが本機の心臓部。吸引エンジン本体です。
そしてこの吸引エンジンをもう一つのパイプパーツにカチャっと取り付けます。
すると見てください。あっという間にいわゆるスティッククリーナーに変身するんです。
もちろんこちらも本格的な吸引掃除機です。ローラーと吸塵ようのフィルタ付きタンクによって構成されています。
普通掃除機のアタッチメントって、まぁオマケみたいなところがあるじゃないですか。でもH12 Dualは違います。吸引力が16,000Paもある強力クリーナーになるんです。やっぱりロボット掃除機と比べると手動のクリーナーの吸引力は圧倒的ですね。
こちらも操作動画をご覧ください。
強さも2段階で調節可能。フローリングからカーペットまでいわゆるスティッククリーナーとして利用可能。水拭き用と乾拭き用の2台所有する必要なんてないんです。シーンによって1台を使い分け。これが本当に素晴らしい。
ちなみに重量は2.7kgでした。スティッククリーナーとして最軽量とまではいきませんが、水拭きのタンク付ボディと比べれば圧倒的に軽快サクサクです。
まさに何でも来いな4way機
冒頭でも紹介した通り、更に加えて本機は「ふとんクリーナー」や「ハンディクリーナー」にもなります。
ハンディクリーナーは先端部分をブラシタイプとプラスチックタイプに可変可能。スライドさせるだけなのでブラシパーツを紛失するようなこともありません。
そして掃除用の専用ブラシも付いていました。柄の部分は収納式のカッターになっています。
そして、これらのパーツは充電ドックとは別にアクセサリーラックに立てておくことが出来ます。
もちろん手で掃除するという煩わしさはありますが、ロボット掃除機よりもハイパワーに、ロボット掃除機よりも隅々まで細やかに、と考えると短い時間で完璧な掃除を実現してくれるのは「本機&あなたの操作」に勝るものはありません。
特に部屋の中を電源ケーブルや障害物がちょこちょこあるぞ?!という事であれば、ロボット掃除機に任せずに本機で一気にやりきってしまうというのも一つの選択肢だと思います。
そして本機は水拭き後のモップ洗浄&乾燥を自動で行ってくれる、最先端のロボット掃除機と同じクリーニング機能を搭載していますから作業の大変さもほとんどありません。
H12 Dualの凄いところ
- ハイパワーロボット掃除機と比べても2倍の吸引力
- ローラー回転による強力な水拭き&除菌
- モップ自動洗浄&温風乾燥によるメンテナンスの楽さ
- ふとんもハンディも4wayであらゆるシーンに対応
あとは「あなたの手」により、隅々まで丁寧に掃除が出来る万能掃除機・・・それが「H12 Dual」
さて、最後に本機の弱点はあるか?という点ですが、これはやっぱり重量だと思います。本機は重さが約5kgあります。水拭きは自走してくれるとはいえ、一度持ち上げたり、ドックに置いたり、というときはその重さがモロに掛かって来ますからそこは機能性とのトレードオフになるかな?と感じました。また吸引スティッククリーナー時も2.7kgですから最軽量クラスとは言えません。水拭きと切り替えられるハイパワーな掃除機としてここもそのマルチバランスの対価として許容出来る範囲だと思います。
ロボット掃除機だと隅々まで掃除できないしなぁ。水拭きはしたいけどメンテナンスは楽な方がいいなぁ。普段の吸引もちゃんとできて欲しいなぁ。などあれもこれもを欲しがる欲張りさん。これ1台で全部解決できます。
他社からも水拭き掃除機は出ていますが、吸引用のスティッククリーナーを独立させているハイブリッド構造はなかなかないんじゃないでしょうか?
これだけの機能を1台のモデルに詰め込んで、あらゆるシーンの掃除を完結させてくれるスティック型掃除機の一つの完成形が「H12 Dual」だと思います!
製品名 | Dreame H12 Dual 4wayコードレス水拭き掃除機 |
定格出力 | 300W |
吸引力 | 16,000Pa |
モーター | ブラシレス |
重量 | 5.13kg スティッククリーナー時は約2.7kg(筆者調べ) |
浄水タンク容量 | 900mL |
汚水タンク容量 | 700mL |
バッテリー容量 | 6x 4000mAh |
充電時間 | 約4時間(乾燥と充電が同時行える) |
最大稼働時間 | 35分 (水拭き掃除機) 60分 (スティッククリーナー/ハンディクリーナー/布団クリーナー) |
モップ洗浄&乾燥時間 | 洗浄 約3分(筆者調べ) 熱風乾燥 約30分 |
ブラシタイプ | デュアルサイドブラシ(壁際5㎜まで) |
汚れ検出 | Y |
モード | オートクリーニングモード/吸引モード/除菌モード(水拭き掃除機) 標準モード/強力モード (スティッククリーナー/ハンディクリーナー/布団クリーナー) |
セルフクリーニング | Y |
セルフ乾燥 | 熱風 |
ディスプレイ | LED |
音声ガイド | Y |