Galaxy Z Foldシリーズの横開きタイプが8世代目で初めて2モデルとなりました。縦開きのFiipは以前からありましたが、これは通常スマホがコンパクトになるというコンセプトなので全く別物。でも開くとタブレットサイズになるFoldで2つのアスペクト比が登場するというのは初めてですね。
iPhone を意識した2モデル化ではあるものの・・・
折り畳みiPhoneが発売されるという情報が出続けており、今回のGalaxy Z Fold8は従来のアスペクト比を踏襲したUltraと、iPhoneを意識したアスペクト比として無印を出したという声も聞かれます。
もちろんiPhoneを意識しなかった訳ではないでしょうが、純粋にアスペクト比としてこの2種類の選択肢が出来たことはある種必然だったのではないか?と考えています。
Galaxy Z Fold8は神アスペクト?
今回登場したGalaxy Z Fold8は神アスペクト比と言って良いモデルとなっています。
左がGalaxy Z Fold8(5.5インチ)右がGalaxy Z Fold8 Ultra(6.5インチ)です。

まず閉じた状態のディスプレイを見るとGalaxy Z Fold8はワイドになり、今どきのスマホと比べれば幅広です。でも実はこの閉じた状態のアスペクト比も神なのです。
Galaxy Z Fold8 約16:10
Galaxy Z Fold8 Ultra 21:9(ウルトラワイド)
Youtubeなどを初め、一般的な動画コンテンツの基準アスペクト比16:9に非常に近いのがGalaxy Z Fold8です。コンパクトサイズながら横向きにして動画を視聴するとほぼ余白なくピッタリ収まるケースもあると思います。一方Ultraは従来通りの縦長でSNSなど情報コンテンツを見るならこちらの方が適しています。
開くとGalaxy Z Fold8(7.6インチ)、Galaxy Z Fold8 Ultra(8.0インチ)となります。

アスペクト比では
Galaxy Z Fold8 約4:3
Galaxy Z Fold8 Ultra 約11:10
Galaxy Z Fold8が横長に開き、Galaxy Z Fold8 Ultraが縦にやや長いスタイルですが、Galaxy Z Fold8 Ultraを横にするとこんな感じになります。

Galaxy Z Fold8の4:3というのは電子書籍に最適なサイズ。見開きでもピッタリ、縦向きにすれば単ページでピッタリになるサイズ(厳密には4:2.8がベストなので若干だけ余白が出来ます)
一方Galaxy Z Fold8 Ultraは縦向きでも横向きでもほぼ変わりません。11:10なのでもはや回転させる意味がほとんどない。
世間ではこのGalaxy Z Fold8の4:3が電子書籍などに最適なので神アスペクト比であると評価されています。
コンテンツに合わせれば4:3が神アスペクト比なのはとっくの昔に分かっていた事
なぜかGalaxy Z Fold8の登場で「4:3は理想のアスペクト比だ!」と急にもてはやされていますが、4:3が神なのは遥か昔に分かっていた事です。なぜなら初代Galaxy Foldはほぼ4:3だったからです。
初代Galaxy Fold

Galaxy Z Fold8で急に4:3が登場したかのように語られていますが、実際は初代Galaxy Foldのほぼ4:3から逆に徐々に正方形に近づいてきているという歴史があります。
初代Foldから利用している私は、初代購入時に「理想のアスペクト比だ」と評価し、世代と共に徐々に正方形に近づいてくるのを残念に思っていました。Galaxy Z Fold3の頃2021年にも「コンテンツが長方形なのだから、Foldも長方形であるべきだ(正方形に近づくべきではない)」との主旨の記事を書きました。
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「折り畳みスマホ」理想のアスペクト比を考えてみる
続きを見る
記事より抜粋
世の中のほとんどすべてのコンテンツは「正方形」じゃないんです。私は断言します。「写真」「動画」「マンガ」「雑誌」「ゲーム」あらゆるコンテンツにおいてディスプレイは「長方形」の方が良い。と。
「動画」や「写真」は様々なアスペクト比がありますし、ブラウザやSNSは純粋に縦長だと見やすい、というだけですので「アスペクト比が固定されている電子書籍」に最大フォーカスすべきです。
そして当然なんですが、これは縦にして単ページ表示させた時のアスペクト比と完全一致します。まさに黄金比ですね。4:3よりもう少し細くしてやる。これが目指すべきアスペクト比じゃないでしょうか。

なので約4:3がコンテンツの理想アスペクト比なんてことはとっくの昔に分かっていて、何なら初代Foldは実現していたという事です。初代FoldからGalaxy Z Fold7までのスペック比較をした記事も書いていますので御覧ください。
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【徹底比較】Galaxy Z Fold7 を歴代全モデルと比較して分かった事
続きを見る
理想アスペクト比は一つではなくなった
ではなぜGalaxy Z Foldシリーズは理想アスペクト比から離れてどんどん正方形化していったんでしょうか。
一つはカバーディスプレイが「細すぎた」のでカバー側を使いやすくするために、開いた状態を正方形化せざるを得なかったという事です。大は小を兼ねますので広い分にはいいでしょ?という発想ですが、実際はブラウザ情報などを見ると横に広がってしまって見づらい事もしばしば。そこでGalaxy Z Foldシリーズはアプリごとにアスペクト比を「フル」「4:3」「16:9」の3種類から指定できるようにしました。どうしても4:3や16:9で表示させたい時はアプリ側で設定する方法です。私も一部のゲームやブラウザでこの設定を利用しています。これが出来るので確かに「大は小を兼ねる」を実現しています。
確かにレガシーコンテンツ「旧来からの書籍アスペクト比」「旧来からの映像アスペクト比16:9」という目線で言えば4:3というアスペクト比は神と言って良いと思います。ですがそれが縦なのか横なのかどちらか一方向に長いとは限りません。
一般的にブラウザなどで情報を閲覧する時は縦長のウインドウの方が読みやすいと思います。また最近の映像コンテンツは縦長のものも増えました。ショート動画を初めとして一般的な縦長スマホの為に作られたコンテンツはそもそも縦長に作られるケースが出てきたのです。マンガなども縦スクロール型のマンガも出てきています。
そうなると長方形のスマホはレガシーなコンテンツは横に向け、今どきのコンテンツは縦にするという持ち替えが発生してしまいます。この持ち替えというのは結構面倒だと私は感じています。例えば、SNSなどでも縦長の写真、横長の写真は入り混じって出てきます。動画も縦長の動画(ショート動画)、横長の動画(通常動画)が入り混じっています。その度にスマホを持ち換えるなんて面倒なことはしない訳です。そうなったときに実は「正方形(に近い)」アスペクト比に意味が出てきます。
Galaxy Z Foldシリーズが4:3から正方形に近づいてきたもう一つの理由は、レガシーコンテンツからモダンコンテンツにスタイルが変わってきている事への対応でもあるのです。これに気づいて昨年このような記事を書きました。
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【解説】Galaxy Z Fold7のアスペクト比が正方形に近づいたのは正解だと思う理由
続きを見る
記事より抜粋
今の若者たちは縦長に持ったスマホで写真を見るので縦長の写真の方が画面にフィットする訳です。LINEで送る時も、インスタを見る時も、Xを見る時も、スマホを横回転する人なんていないですよね?これは写真だけでなく動画も同じです。みんな動画撮影も縦長で撮るのが当たり前になっています。
元々動画は横長という当たり前のコンテンツルールの世界に縦型動画が急速に普及したことにより、縦動画と横動画が混在して流れてくる時代になりました。tiktokなんてスワイプしてどんどん動画を切り替えていくと縦動画と横動画が入り混じっていることに気づきます。
今どきのSNSは縦動画と横動画が頻繁に入り混じります。


確かに映画を見る時は横回転、SNSを見る時は縦持ちなんて使い方が今までの主流でしたが、現在のように「縦動画」と「横動画」が混在して次々と出てくるようなスタイルになってきた時にいちいちコンテンツごとにスマホを持ちかえるでしょうか?きっとそんな事しないですよね?
Youtubeも通常は横長コンテンツがメインですが、ショート動画は縦長です。
ディスプレイの縦横比はどちらか方面に長い長方形ではなく、縦でも横でも無駄の少ない「正方形」がモアベターな比率という事になってくるのです。通常動画とショート動画でどちらかの画面サイズを大きく妥協したり、頻繁に持ち換える必要がなくなる。それが正方形に近いGalaxy Z Fold7の強みだと気づきました。
つまり、レガシーコンテンツに最適化した横長4:3で頻繁にスマホを回転させるか、持ち替えなくても縦横どんなコンテンツも汎用的に楽しめる正方形のどちらが「理想アスペクトなのか?」は一概には言えません。
例えばブラウザ表示の際、横長なGalaxy Z Fold8は明らかに情報量が減ります。これは見づらい。

そこで縦回転してスマホを持ち換えればGalaxy Z Fold8の縦の情報量はUltraよりも更に伸びます。ただGalaxy Z Fold8 Ultraだってアプリで縦横比指定をしておいてやれば同じことは実現可能です(私はSamsungブラウザはフル画面、Chromeは4:3指定などブラウザによってデフォルトアスペクト比を変えています)

コンテンツのアスペクト比に合わせるのが最適なのか、持ち替えなくても良くすることが最適なのか、どちらを好むかは人それぞれです。だから2種類用意したという事には意味があります。
どちらを選ぶか?
コンテンツによって縦横持ち替えるのは面倒です。これは7年間Galaxy Z Foldシリーズをメインスマホとして使い続けている私の実感です。もう私はGalaxy Z Foldを使っていてスマホを回転させるという事が「一切なくなりました」。Webもマンガも動画も縦持ちのまま楽しむ。これがGalaxy Z Foldシリーズが正方形に近づいた価値です。

確かに昔は一旦横長にしたらしばらく横長(Youtubeやゲームなど)という時代でしたが、今は先ほど示したように縦アプリの中に縦コンテンツと横コンテンツが混ざります。そうなると長方形のスマホが唯一解とは言い切れません。むしろ、どちらのコンテンツもなるべく大きいサイズで観たいとするなら正方形に近い方が「大が小を兼ねる」事になります。
普通のスマホは片手持ち、片手操作する事も多いですが、Foldは左手で持って右手で操作する事が多いです。そうなると頻繁に縦横持ち替えるのは億劫です。長く使っている人ほど、頻繁に持ち替える4:3よりも、持ち替えなしで使い続けられる正方形の方がベターであると共感してもらえるんじゃないでしょうか。
とはいえ、今回のGalaxy Z Fold8にめちゃくちゃ惹かれるところがあるのも事実です。きれいに4:3に収めてコンパクトにした事。まさにピッタリサイズ。無駄のない完璧さを感じる美しさ。今までとは違う新しさには惹かれざるを得ません。

なので今回Galaxy Z Fold8に行くという人の気持ちはとても分かります。私も欲しい。でも長期間の利用をちゃんと考えるなら、今回はGalaxy Z Fold8ではなくGalaxy Z Fold8 Ultraを選んだ方が良いかなとも思います。
ちなみに、今回Galaxy Z Fold8は、カメラに望遠がない、2億画素がない、フレックスモード(途中まで折って立てる)がない、などスペック的にGalaxy Z Fold8 Ultraより劣るのは非常に残念です。
Galaxy Z Fold8の劣っているところは見過ごせない
先ほど書いたように「望遠」「2億画素」「フレックス」この3つがないのは結構致命的です。Galaxy Z Fold7には全てあったので乗り換えた時に明らかに劣化点となります。
なくなって困る劣化点
望遠
ちょこちょこ使います。遠く離れたところを撮る場合だけでなく、近くても調整で光学ズームはよく使いますし、遠くのものを見る望遠鏡代わりに30倍ズームを使う事もあります。
2億画素
もちろん本当に2億画素で撮影する事なんて稀です。というか皆無です。でも素子が違う事で1200万画素で撮影した時にも5000万画素仕様の無印より2億画素仕様のUltraの方が高精細に撮影できるのです。これは実際にYoutubeなどでも比較例が上がっているので比べてみて頂ければと思います。
フレックスモード
半分立てた状態で写真や動画撮影する機能を私は結構使います。タイマーで写真を撮る時、何かの動画を固定角度で撮る時、など。これがなくなったのは本当に痛い。
そしてかつては神アスペクトと評価していた4:3がモダンコンテンツの世界では必ずしもそうとは言えなくなってきている事。を考えると、Galaxy Z Fold8は惜しいけど今回は買う判断には至らない。との結論にしました。
とはいえGalaxy Z Fold8はもう一つの理想アスペクト比のFoldであって、そのどちらにも優劣はないと思っていますので、両方フルスペックにして「どうぞお好きなアスペクト比を選んでください」として欲しかったですよね。いや、むしろそうなっていれば今年は私はGalaxy Z Fold8購入を選んでいた可能性もあります。
Galaxy Z Fold8を新しいアスペクト比の登場と位置付けるのではなく、なぜか入門者向け、廉価版、のように表現したことは非常にもったいないです。
Galaxy Z Fold8 Ultraも見送り
ではGalaxy Z Fold8 Ultraを買うか?というと、悩ましいところですが今回はこちらも見送りかな?と思いました。最近は毎年買い換えていたGalaxy Z Foldですが、久々にステイとなります。
Galaxy Z Fold7と比べて明確に進化したところは「45W高速充電」くらいだと思います。他に超広角が5000万画素になったり、最大輝度が3000nitになったり、バッテリーが5000mAhになったという地味な進化はありますが、そのために30万円出すか?と言われたら、Galaxy Z Fold7をもう一年使っても良いかなと感じてしまいました。
今回はSamsungもワイドな新アスペクトのGalaxy Z Fold8の登場を目玉にしたので、Ultraが地味になってしまったのも致し方ないと思います。
| Galaxy Z Fold8 | Galaxy Z Fold8 Ultra | Galaxy Z Fold7 | |
| カバー画面 | 5.5インチ(約16:10) | 6.5インチ(21:9) | 6.5インチ(21:9) |
| メイン画面 | 7.6インチ(約4:3) | 8インチ(約11:10) | 8インチ(約11:10) |
| 重さ | 201g | 215g | 215g |
| サイズ | 123.9×161.4×4.5 | 158.4×143.2×4.1 | 158.4×143.2×4.2 |
| 閉じたサイズ | 123.9×81.9×9.7 | 158.4×72.8×8.9 | 158.4×72.8×8.9 |
| カメラ(広角) | 5000万画素 | 2億画素 | 2億画素 |
| カメラ(超広角) | 5000万画素 | 5000万画素 | 1200万画素 |
| カメラ(望遠) | なし | 1000万画素 | 1000万画素 |
| ズーム | 光学相当2倍 デジタル10倍 | 光学3倍 デジタル30倍 | 光学3倍 デジタル30倍 |
| バッテリー | 4,800mAh | 5,000mAh | 4,400mAh |
| 充電 | 45W | 45W | 15W |
| ピーク輝度 | 3000nit | 3000nit | 2600nit |
| フレックスモード | 非対応 | 対応 | 対応 |
そんな事よりインカメラのパンチホールを早く無くしてください。Galaxy Z Fold9シリーズでインカメラ排除あるいはアンダーディスプレイカメラを復活させてくれたらそれだけでも買う理由になります。
まとめ
Galaxy Z Fold8の登場で「理想のアスペクト比は?」という話題が出てきましたが、初代Foldは4:3から始まったものであり、Galaxy Z Fold8のアスペクト比は全く新しいものではないという事、そして色々変遷の末、理想のアスペクト比は一つではないという事から「2モデル出した」という事こそが新しい視点であったと思います。
この2モデルというきっかけを作ってくれたのはもしかするとAppleかもしれませんし、今後もフォルダブルスマホの進化と各社の切磋琢磨に期待したいですね。