Nintendo

Wii U 試遊してきました

Wii U の発売が近づいてきましたが、まだ店頭で実物を見かける事は少ないですよね。

ということで、今日は店頭で試遊出来るところがあったので遊んできました。

デジ物趣味

<試遊したゲームについて>

試遊できるのは本体と同時発売の「NintendoLand」の中からマリオチェイスというゲームです。

http://www.nintendo.co.jp/wiiu/alcj/index.html

デジ物趣味

最大5人までプレイできるゲームで、1人がマリオとなってフィールドを逃げ回ります。

残りのプレイヤーは鬼となってマリオを追いかけ、制限時間内に捕まれば終了。

制限時間中逃げ切ればマリオの勝ち。というものです。

画面はマリオカートの複数人プレイのように最大4人分まで画面分割され、鬼達はテレビ画面を見ながらマリオを追いかける訳ですね。プレイヤーは自分のキャラクターを真後ろから見るような視点(まさにマリオカートをイメージして下さい)でプレイします。一方、マリオ役の人は液晶画面が付いたWii U GamePadで操作します。このゲームパッドにはマリオのプレイ画面(鬼役とは違ってマリオを俯瞰視点で見ます)と、フィールド全体のマップが表示されていて、マップ全体の構造、自分の位置、鬼の位置と動きなどを全て把握することができます。

ですから、逃げるマリオは全ての情報を手にして鬼の動きを先読みしたり、かいくぐったり、マップの構造を利用して逃げる事が出来る訳ですね。一方鬼達には「今マリオまで何mの距離にいるか」という情報だけが与えられています。

つまり、鬼は限られた情報ながら、複数人で声を掛け合いながらマリオを追い詰める事ができる。

マリオは全ての情報を手にして、その優位さを武器に逃げまくる。

逃げる者と追う者にメリットが与えられ、絶妙のバランスが作られているのです。

これはみんなが見るテレビ画面と、パーソナルなパッド画面の両方がリンクするからこそ実現できる遊び方ですね。ゲームパッドはテレビ画面の複製を作ったり、あるいはテレビ画面の補助情報を表示させる。なんて使い方も想定されていますが、このゲームでは「ゲームパッドがあるからこそできるプレイ体験」を実現させています。

これには素直になるほどな~。と思いました。

ゲームパッドにテレビ画面とは異なる情報を表示させる。また、他人には見せず自分だけが知り得る情報を表示させる。というのは実は色んな遊びに繋がりますよね。ボードゲーム、カードゲームなんかで使えるよね。っていう誰でも思いつく発想だけでなく、今回の試遊では「ほら。こういう発想なんですよ」っていう任天堂の提案をストレートに見せてもらえた気がします。これはアイデアによって色んな遊びを生みだしてくれる予感がしました。

<グラフィックについて>

わずか10分程度の限られたプレイでしたので、スペックについて評価する程の体験はできませんでしたが、パッと見てグラフィックが向上しているのは分かります。そりゃフルHDを謳ってるんですから良くなってないとおかしいです。

ただ、既に何年も前からPS3やXBOX360でハイレゾ画面は見慣れているので、全く驚きも新鮮さもありませんんでした。むしろ昔ながらのシンプルな画面がクッキリしたな。という雰囲気。フルHDになったからといって、急に「グラフィックすげー」なゲームデザインをしないあたりが任天堂らしさですね。「それよりも新しいゲーム体験をしてみてください」という視点でゲーム作りされるのは好感が持てますね。

そして、では「グラフィックすげー」なゲームが出ないか。というとそんな事はもちろんありません。ようやくフルHD機になった。という事で、サードパーティーから「マスエフェクト3」や「アサクリ3」などグラフィックでも評価が高いゲーム達がラインナップに登場しています。

つまり、Wii Uは、従来の任天堂のビジョンを踏襲して新たなゲーム体験を提供してくれると同時に、PS3やXBOX360クオリティのゲームも十分対応できる万能マシンになったという事です。もちろんPS4が登場すれば、さくっとまた突き放されるのかもしれませんが、現時点でWii Uは非常に興味深く、また十分な性能を持ったゲーム機になっているんじゃないかと思います。

<GamePadについて>

GamePadはパッと見がゴツイので重そうなイメージがありますが、持ってみると想像よりは大分軽かったです。少なくとも試遊した限りでは「重さ」に抵抗を感じる事は全くありませんでした。

ただ、実際の重量は500gとそんなに軽くはありません。ちょうどiPadとiPad miniの間くらいの重さです。これをずっと持ちながら操作する。という事になると長時間プレイだとちょっと辛くなってくるかもしれませんね。

また、解像度は800×480とされています。

6.2インチで800×480というのは今時のモバイルディスプレイとしては結構貧弱ですよね。

dpiでいうとおよそ150dpi程度でしょうか。

他のデバイスと比較するとこんな感じです。

●dpi順

3DSLL   95dpi (4.88インチ)

PSP    128dpi (4.3インチ)

3DS    133dpi (3.5インチ)

Wii U    150dpi (6.2インチ)
iPad mini 163dpi (7.9インチ)

VITA    217dpi (5インチ)
iPad    263dpi (9.7インチ)

iPhone5  329dpi (4インチ)

大体、画面が大きいほど目からの距離が遠くなる(精細に見えやすくなる)ので感覚的には3DSやiPad miniに非常に近い解像度感になるのではないかと思います。最新ゲーム機としては物足りない解像度と言わざるを得ませんね。特にテレビ表示ではフルHDを実現しているのですから、それに近い解像感を味わいたいところです。

とは言いながら、今回の試遊では全く粗いという印象は受けませんでした。この辺りも各メーカーの使い方次第で好印象にも悪印象にもなるでしょうね。

実はそれよりも気になったのは、画面がノングレアだった事です。

もしかするとノングレアの保護シートがついていたのかもしれませんが、もし何のシートもなしでノングレアなのだとしたら非常に残念です。テレビ画面と目線を行き来させる事が多いものですから、発色が良く美麗なテレビ画面に対して、あっさり淡泊で何とも色味が薄く見えました。その分解像度の粗さが気になりづらいという面もあるかもしれませんが、これはまた見る機会があれば確かめてみたいところです。

ということで試遊してみた感想でした。

これまで「ちょっときれいになったWii」という程度でしか捉えていなかったWii Uですが、実際プレイしてみて想像していた以上に期待できそうなゲーム機だなぁ。と感じました。現時点で十分なグラフィック表示が出来る事で、PS3とのマルチプラットフォームで様々なゲームも参入してくれそうですし、パッドによる新しい体験も色々生まれてくるでしょう。

Wiiが発売した時、私は「リモコンの目新しさで最初は面白いが、すぐにリモコン操作は飽きられるだろう。なぜならリモコンによる操作はどうしても大雑把にならざるを得ず、精密なコントローラー操作の方が楽しめるゲームの方が多いから」と予想しました。そしてそれは概ね当たっていたと思います。

今回のWii Uのゲームパッドは「あくまで補助」としても使える点で、私はWiiの時よりも利用度が高くなると考えていますし、非常に期待しています。「ならでは」のゲームはもちろん、マルチプラットフォームで会ってもPS3よりもWii Uでやった方が快適だよね!楽しいよね!と思わせるゲーム作りを行って欲しいと思います。

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