世間では失敗として叩かれているMicrosoftの「Surface RT」を入手しました。
でもこれ、モノとしては全然失敗なんかじゃないと思います。
●Surface RTへのネガティブな印象
実は私もどちらかというとSurface RTにはネガティブな印象を持っていました。
・フルHDではない。
・一般PCソフトのインストールも出来ない。
・CPUがtegraというスマホレベルのスペック。
・ロクなアプリがないWindowsストア
と、これを買って何に使うのか??と相当な疑問を持っていました。
「あーマイクロソフトやっちゃったな」って感じです。
どうせなら、一般PCソフトもインストールできて、CPUスペックも十分、フルHD対応のSurfaceProの方が使えるんじゃないか?と思っていた訳です。
ところが実際に使ってみると「Surface RT。これ、実はいいんじゃない?!」な感想に変わった次第です。
●デスクトップPC&iPadでは何かが足りない・・・
我が家ではデスクトップPCのほか、タブレットとしてはiPad(第3世代)を使っています。
以前、AndroidタブレットのICONIA A500も持っていましたが、あまりの使えなさっぷりに手放してしまっています。
デスクトップPCは、通常のWeb閲覧、ブログ作成、メールの他、動画編集や資料作成、音楽など様々に活用しています。一方、iPadはほぼゲーム機扱いです。ほとんど家族がアプリで遊ぶ事に使用され、当初想定していたWeb閲覧やSNSなどの用途には使わなくなりました。
何故か?
結局、Webを見るのもパソコンの方が楽だから。なんですよね。また娘もiPadはFlashが使えないからイヤだと言います。実は娘がやっている「チャレンジ小学生のWebサイト」や他、子供向けのWebサイトには結構な頻度でFlashが使われています。いかにAppleが「Flashは終わった技術だ」と言っても、いかにコアユーザ達が「Flashサイトなんて閲覧する必要もないだろ」と言っても、事実、子供がiPadじゃ見たいサイトが見れない!と言ってる訳ですから、これはもうどうしようもありません。
結局、娘はデスクトップPCの前に座ってWebサイトを見、iPadはYoutubeを観たり、ゲームをする為だけのデバイスとして使用しているようです。
うちの奥さんも一緒です。楽天やセシールなど通販サイトをよく見る妻ですが、iPadで閲覧しているのを見たことがありません。なぜなら購入した履歴をデスクトップに保存したり、マウスとキーボードで快適にブラウジングする事と比べると、iPadは使いづらいみたいなんですよね。かくして妻も、Webを観るためにデスクトップPCを立ち上げているのです。
他にも、例えば何かのサイトで「eチケット購入!」とか「予約確認!」とか手続き系になると、iPadだとうまく動作しないサイトがあったりして、結局パソコンを立ち上げる。というケースがちらほらあります。
●実は使える「Surface RT」
Surface RTは確かにPCソフトのインストールは出来ません。
でも、逆に言うとそんな用途で使う必要はないんです。
まず何の制限もなく自由にWeb閲覧できる。このストレスフリーさが大事です。
例えば、娘は先述のチャレンジWebや色んなWebサイトを楽しみます。マウスもキーボードもあってパソコンと同じ感覚です。
キーボードはタイプカバーなので薄くて軽い。でも使い勝手は普通のノートPCと同レベル。
この気軽さと快適さなら、妻も十分使えると評価していました。iPadにはほとんど見向きもしなかった妻が・・・です。
Surface RTには標準でExcel2013やWord2013等のOfficeアプリケーションも付いています。
パソコンと同じ感覚でブラウジング操作をし、様々な情報を保存したり、加工したり、ファイルにして整理したり。まさにパソコン的に使えますよね。
気軽にソファに腰かけてブラウジングする程度ならタイプカバーも外してタブレット仕様で使えばいいんです。
家族それぞれのユーザ環境を作れば、アプリやファイルやWeb設定(お気に入りや履歴)などを個人専用に設定できます。PCとしての視点で見ると当たり前の事ですが、これiPadじゃできません。iPadはパーソナルなデバイスであって、ファミリー向けデバイスじゃないので。
以上です(笑)
何その限定的なタブレット利用は!
と怒られるかもしれませんが、それでいいんです。
いや、それこそがSerface RTの真骨頂なんです。
●Proじゃなく、やっぱりRT
逆にSurfaceProじゃダメなんです。まずあれは高い!(笑)
「高い分、完全にノートPCとして使えるでしょ?」
って言いたい気持ちもわかります。自分もそうでした。
でも、あれ10万円もするくせにストレージが128GBか256GBしかありません。
確かに、タブレットとしてみればなかなかのストレージ容量です。
でも、10万円のノートPCとしてみたらどうですか?
今どき10万円のノートPCを買ったら、1TBくらいのHDDが入ってます。
5万円のノートでも500GBくらい積んでます。
10万円も払って256GBとは何事ですか(笑)
そう。SurfaceはノートPCになろうとしちゃダメなんです。
音楽ファイルをこれで管理したり、様々なデータを放り込んだり、ソフトをインストールしたり派手なPCとしての利用には向いてないんです。多分そういう用途だったら廉価ノートPCの方が良いです。
Surfaceは、Flashサイトも含めた快適なブラウジングと、Windowsのデスクトップ環境(ファイルを置いたり、Officeアプリを使ったり)というパソコンライクな使い勝手を持ちつつ、しかもタブレットとして気軽に使える「いいとこ取りでリーズナブルなデバイス」としてこそ光るんじゃないかと思うんです。
Surfaceを「PCになれなかったWindowsデバイス」と批判する人もいますが、見方を変えればSurfaceは「PCを目指さなかったWindowsデバイス」なのです。
そういう意味で、Proはちょっと道に迷っちゃったモデルな気がしますね。
なので私は「RTこそがSurfaceだ」と言いたい訳です。
●Surface RT のススメ
デスクトップPCが手放せない我が家としては、もう一台ノートPCを買うというのはどうにも無駄です。重複部分が多すぎるからです。でも、Surface RTは、デスクトップPCから「切り出したい機能」だけが絶妙に切り出されているのです。そして、タブレットとしての使い勝手も兼ね備えています。
ノートPCもiPadもこの「絶妙の切り出し」がされていないんですよね。
確かに、万人にSurface RTをお薦めするという訳ではありません。
いわゆるパソコンが欲しい人は、5万円出して廉価ノートPCを買った方がいいでしょう。
アプリを楽しみたい!という方は断然iPadを買うべきです。Windowsストアアプリは本当にダメです。
でも、自分と自分の家族が欲する環境の最適解が実は「Surface RT」だったりする。という事は十分あり得る話です。そして一度「そうかも」と思ってしまうと、逆にSurface RTは、他に選択肢がない唯一無二のデバイスとなるのです。
・Office2013が使え
毎日使わないけど、ふとした時に便利
・普通のデスクトップ環境の快適さがあり
デスクトップやフォルダ階層を作って自由にファイル管理も出来ます
・Flashも含めて快適にブラウジングが出来
ブラウジングで制限を感じることはないと言っていいでしょう
・タイプカバーを付ければほぼノートPCと同じ感覚で操作でき
持ち運ぶならタッチカバーもいいですが、快適に使うなら絶対タイプカバーがいい。
ノートPCと同等のキータッチが可能です
・単体ではタッチパネルのタブレットになる
廉価ノートPCを買ったら、もうキーボードやマウスで操作する事になるので
ソファでお手軽ブラウズには向いていません
・これが、3万円台(タイプカバー付きで4万円台)で買える
ノート&タブレットの両機能を備えたPCは軒並み10万円クラスですからね
この絶妙な機能の切り出しとコストパフォーマンス。
他にありますか?いや、ないです。