Galaxyを色々触ってきて、最も度肝を抜かれたのがこのDeX機能です。
この機能は、Galaxy S8/S8+/Note8のUSB Type-C端子からHDMIに変換してディスプレイに繋ぐと「DeXモード」というPCのデスクトップ画面のようなUIで操作できるようになる機能です。
http://www.galaxymobile.jp/apps/dex-station/
Windows10Mobileにも「Continuum」という機能でディスプレイに繋ぐとあたかもPCのように表示される。という機能がありましたが、このDeXはよりPCっぽさが増してますね。
接続方法
一応公式には「Dex Station」というドックがあり、先行して海外で販売されていましたが日本でも2017年11月1日発売する事になりました。
ドックにはHDMI端子の他、USBポートなどが付いており、ドックに挿すだけでディスプレイへの出力、マウスやキーボード操作、また同時に充電も出来るようになっています。ただ、1.5万円(並行輸入品なら1.2万円くらい)とそこそこいい値段がするんですよ。
実はDeX機能はHDMIで接続さえできれば勝手に作動するのでサード品でこちらのような安いドックも販売しています。約6,000円程度で端子類も同等ですのでちゃんと動くならこれで十分ですよね。
さて、私はというともっとケチりまして、単なる変換アダプタで済ませました。十分なんです。これで。お値段2,000円以下。
ただ、ドックと違ってUSBポートが1つしかありませんので下記も一緒に買いました。240円です(笑)
アダプターはこんな感じ。質感含め十分ですよ。
USBハブも届きました。これ挿す部分がくるくる回るのでどっち向きのUSBポートにも対応するんです。
挿すとこんな感じ。ほら、もし向きが逆だったらハブとHDMIポートが干渉するでしょ?このハブならどっち側にあっても回転させられるので安心でした。
そしてもう一つ重要なポイントがあります。純正ドックもサード品ドックも本体を挿したら底面にある「イヤホンジャック」を塞いでしまうんです。本体ではなく外出しで音を聴きたいときにもこのアダプタならイヤホンジャックを殺しません。
接続してみる
HDMIで接続しディスプレイの電源を入れると、何のアプリ操作も設定もなく自動的にDeXが起動します。
この時点でスマホ側は消灯。自分で設定していたロック解除方式が再現されるようで私の場合はジェスチャーと顔認証どっちでもOKというスタイル。
顔認証を選ぶと消灯したスマホ上に「ここを見てください」というメッセージが現れて、顔を向けると認証されます。まるで2段階認証みたいですね。1段階ですけど(笑)
色々起動させてみました。
標準のSamsungブラウザなら最大化表示もでき、まさにPCと同じ感覚でWebサイトを閲覧できます。ゲームはスマホの画面をミラーリングしたような形でWindow表示されました。こうなってくるとPCと同じ感覚で使えますので、ファイル管理などもやりやすいですね。
Excelやメールももちろん使えますし、物理キーボードがなければソフトキーボードで簡単に操作する事も出来ます。
色々起動させて気づいたのは、アプリ毎にDeXへの対応度合いに様々な段階がある事が分かりました。
1.完全にDeX対応している(解像感も最適化される)
2.ウインドウの大きさも自由に変えられて適用度が高い
3.スマホ表示のアスペクト比のまんま変えられない
4.ほぼ使えない(起動するが操作できないなど)
私のスマホには数百個のアプリが常時入っていますが、実際触っていると標準系アプリは1で、その他大半は2か3。4はほとんどなかった気がしますが、ゲーム系はそもそもマウスとキーボードじゃどうしようもないものもありますから4に当たるものも多いですがそれは仕方ないですね。
一番左はアプリ一覧。ここから全てのアプリを起動させられます。そのあと順に「乗換案内」「SmartNews」この2つはアスペクト比やウインドウの大きさが変えられない「3」でした。その続きがどちらもテーマカラーをダーク系にしているのでわかりづらいですがChMate(5ちゃんブラウザ)、LINEです。この2つはウインドウ表示を自由に変更できる「2」です。LINEは自由に大きさを変えられてもあんまり意味はないですがスタンプは選びやすくなりますね(笑)
また、例えばLINEを開きながらでも届いたメールが右下に通知されるといった感じで、スマホのように狭い画面領域で邪魔しあわないのも良いと思います。
他にも見てみましょう。
グーグルマップは「2(自由に大きさを変えられる)、標準カメラは「1(解像感まで最適化)」、SNOWは「3(アスペクト比変えられない)」といった感じでした。
完全対応アプリは解像感も非常に高く最適化されています。上記画像のカメラ機能ですが左が標準カメラです。解像度も高く、ウインドウの大きさも変えられます。上のバーに四角い「最大化表示ボタン」があるので見分けが付きやすいですね。右のカメラ画像はSNOWです。ウインドウの大きさは変えられず、解像感も落ちます。もちろん、どちらも普通に撮影は出来て撮影された写真の解像感はもちろんスマホで撮影した時と同じです。
写真のギャラリー系アプリも最大化表示出来て使いやすいですね。こちらはサード品のQuickPicですがしっかり対応出来ています。
さっき撮った写真を開いてもちゃんと大きく表示できます(撮影の為にインウインドウにしましたがもちろん最大化出来ます)
スマホ同様そこからクラウドにアップロード、同期なんかもできますので「やりたいことはそのままに、大きい画面で快適に操作できる」という拡張です。
DeXを解除して、スマホ側で操作するとさっきまでの操作そのままの状態でシームレスに続きが出来ます。この心地よさはPCとスマホを使い分けていては味わえません。何となく新しい時代のデジタルデバイスの使い方を予見させます。
マルチタスク挙動
マルチタスクで動くのか試す為に動画系コンテンツを観てみました。AbemaTVとYoutubeの同時再生を試したらあっさりできました。更に両方再生したままWebサイト閲覧も可能です。ただこの辺りもアプリの対応に依存するようでニコニコ動画アプリなど上手く動かないものもありました。
そして極め付けはこちらです。リネージュ2レボリューションを攻略サイトを見ながらプレイ。同時に別のゲームもプレイしつつ、Youtubeも再生しています。これ全部同時に動くんです。
もちろんPCだと思えば「普通の事」ですが、今まで2つのスマホゲーを一つの端末で同時プレイなんて絶対できませんでしたよね?!今、2画面ディスプレイのAXON Mなんていうのも発表されていますが、遥かに上回るマルチタスク度です。スマホでしかできないアプリになってくるとPCでの代用も利きません。まさにDeXだから実現できたスマホ拡張です。
※ソシャゲなんて画面に6個くらい開いて同時に処理していけばめっちゃ捗るのでは?!と想像される方もいるでしょうが、さすがにそこまでは今は難しそうです。例えば、今回表示させているリネレボは何が表で走ってようが止まらず動き続けますが、ゲームアプリによっては「アクティブ状態(今操作しているウインドウ)」じゃないと動かないタイプのものもあります。この辺りは、どんどん最適化されていけばあとはスペック次第。という時代もやってくるかもしれませんね。
このDeX機能は相当感心しました。もちろんまだ対応が十分でないアプリもありますが、それはアプリ側の都合であって、DeXというインフラ機能そのものの完成度は相当高いです。今後更にスマホのスペックが上がって、アプリも最適化され、高解像度でマルチタスクがガリガリできるようになればほとんどの方はPCが要らなくなる気がします。いや、むしろ普段触っているスマホとシームレスに連携する方が利便性が高いとさえ言えると思います。ブラウザのようなアプリは確かにクラウド連携でタブ同期なんかもできますが、全てのアプリの挙動状況がそのままシームレスにPCライクな操作性と行き来できるというのは今後のスマホが目指す標準環境になってもいいと思います。
10月30日追記)
DeX MAXというアプリによって、DeX上にウィジェットが置けるようになったり、サイズ変更できなかったアプリのウインドウサイズを変えられるようになる事を発見しました。
それでも全てのアプリが対応した訳ではありませんが、標準だとDeX対応してなくて拡大できなかったアプリもウインドウサイズ変更できるものが出てきています。これはありがたい。