今年もGalaxy Z Foldシリーズの新作が発売されることになりました。実は3つ折りの発表も楽しみにしているんですが今回のFold7は次のステージに移行した感があり、なかなか興味深い進化をしています。
Galaxy Z Fold5、6、7のスペック比較
まずはスペックを並べてみましょう
Galaxy Z Fold5 | Galaxy Z Fold6 | Galaxy Z Fold7 | |
SoC | SnapDragopn 8 Gen2 for Galaxy | SnapDragopn 8 Gen3 for Galaxy | SnapDragopn 8 Elite for Galaxy |
メモリ | 12GB | 12GB | 12GB/16GB |
輝度 | 1,750nit | 2600nit | 2600nit |
メインディスプレイ | 7.6インチ 2176×1812 | 7.6インチ 2160×1856 | 8.0インチ 2184×1968 |
サブディスプレイ | 6.2インチ 2316×904 | 6.3インチ 2376×968 | 6.5インチ 2520×1080 |
メインカメラ | 50MP/12MP/10MP | 50MP/12MP/10MP | 200MP/12MP/10MP |
インカメラ | 4MP(UDC) | 4MP(UDC) | 10MP(パンチホール) |
光学/デジタルズーム | 3倍/30倍 | 3倍/30倍 | 3倍/30倍 |
折りたたみ状態サイズ | 154.9×67.1×13.4 | 153.5×68.1×12.1 | 158.4×72.8×8.9 |
開いた状態サイズ | 154.9×129.9×6.1 | 153.5×132.6×5.6 | 158.4×143.2×4.2 |
重さ | 253g | 239g | 215g |
バッテリー | 4400mAh | 4400mAh | 4400mAh |
連続動画再生時間 | 21時間 | 23時間 | 24時間 |
S Pen対応 | ○ | ○ | × |
SoCは今回も順当進化。トップクラスのパフォーマンスを発揮してくれると思います。そしてメモリは1TBモデルのみ16GB搭載。せっかくなので私がいつも購入している512GBモデルでも16GB行ってほしかったところ。
そしてカメラはついにFoldで2億画素を搭載。正直2億画素モードで撮影することはほぼないと思いますが、カメラも本気を出してきた感があるのは嬉しいですね。S25 Ultraとの比較が楽しみです。
本体サイズ
今回まず大きな変化を感じるのは本体サイズと重量です。一番の売りは「薄さ」と「軽さ」。Fold6と比べても圧倒的な進化を見せてくれています。

これはFold5からFold6への変化度合いと比較すればよく分かります。
Galaxy Z Fold5 | Galaxy Z Fold6 | Galaxy Z Fold7 | |
厚さ | 13.4mm | 12.1mm(10%薄く) | 8.9mm(26%薄く) |
重さ | 253g | 239g(6%軽く) | 215g(10%軽く) |
Fold5からFold6の時も10%薄く、6%軽くなりました。結構追い込んだなーと当時も思ったものですが、なんとそのFold6から更に26%も薄く、10%も軽くなったのです。進化の加速ぶりがヤバい。Fold6が順当進化だったのに対し、Fold7は大きくブレイクスルーした印象です。
更に驚きなのはFold7は薄く、軽くなっていながら、本体や画面サイズは大きくなってるんです。

ここでもFold7は一気に進化した感じがしますよね。縦にも横にも伸びています。特に幅がしっかり広がったことが大きいですね。Fold7ではアスペクト比21:9、幅解像度1080になりました。まさに普通のスマホと言っていい解像度です。
開いた時のサイズもFold7はついに8インチに到達。従来より縦横ともに大きくなっています。

実はFold5からFold6の時は7.6インチというサイズは変えずに、縦を短く横幅を長くという縦横のバランスを変えてきたんですが、今回のFold7では縦も横も大きくしてきました。
特に横幅の変化が大きくFold6より1cmも広がっています。横に倒して見た時の印象がぐっと違いますよね。

Fold6まではミニタブレットとしてみるとやや小さいか?という印象でしたが、Fold7ではしっかり「ミニタブレット」と言えるサイズになったと思います。
ただここまで正方形に近くなると長方形型のコンテンツを楽しむには無駄も多くなりますが、左右分割で2つのウインドウを開いて活用するには面白いサイズになってきたかなと感じますね。
S Pen非対応に!
そしてこれも大きな変化で、ついにS Pen非対応になってしまいました。実は初代と2代目Foldまではペン非対応だったんですよね。これが3世代目からS Penに対応するようになり、今回Fold7でまた非対応に戻るという事になります。
初代 | Fold2 | Fold3 | Fold4 | Fold5 | Fold6 | Fold7 | |
ペン対応 | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
私はS Penが大好きで、毎日使うというほどではありませんが図を描いたり、何か書き込んだり、という時にS Penは重宝していました。これが非対応に戻るというのは非常に残念ではありますが、おそらくS Pen利用者はFoldユーザの中でも少数派だったんだろうと思います。今回、薄さを実現するためにトレードオフされたと考えれば止むを得ないところなのかもしれません。
展示機に触れてみました
発売前に店頭で実機に触れてみました。

手にしてみてやはり驚きだったのはこの薄さですね。

写真で見ても薄さが伝わると思いますがそれでも2枚の板が貼り合わされていると見えますよね。これが手に持ってみると更に驚きます。まさに1枚のスマホを持っているのと全く同じ感覚なのです。

そしてこの画面の大きさ、アスペクト比のバランスの良さも感じます。薄さ、軽さも相まってこの状態で持つと完全に普通のスマホを手にしている感覚。

逆に薄くなったことで従来以上に開きづらい感じもしました。ピタッと張り合わされすぎていて。でも開き始めるととても滑らか。

開いてみた時の大きさは体感ではFold6との違いはそこまで感じませんでした。あ、いい感じ。という感覚。中央の折り目もこの写真では光の反射で目立ちますが、確かにFold6より更に目立ちにくくなっているなと感じました。

パンチホールのインカメラは少し残念ですが、この薄さを実現するために必要な選択だったのだとすれば受け入れましょう。単に1000万画素にするためだけにアンダーディスプレイカメラを捨てたのであれば、個人的にはアンダーディスプレイカメラの方が良かったな・・・と思います。
Fold7は新しいFoldシリーズの1世代目と考えられる
ざっとスペックと実機を見てきましたが、今回のFold7を見てこれはFold6の後継というよりは、新しいFoldシリーズの第1世代と呼んだ方が良いかもしれない。と感じました。
これまでの進化に対して、Fold7がガラッと様相を変えてきた点をあげてみます。
今までと様子が違うぞ?
- 一気に薄さと軽さを変えてきた
- 一気にサイズを変えてきた
- 一気にカメラ性能を引き上げた
- アンダーディスプレイカメラを捨てた
- S Penを捨てた
まず閉じた状態で8.9mmという薄さを実現できるようになり、重さも216gと「折りたたまないスマホ」と同等の薄さ、軽さを手に入れました。(iPhone 16 Pro MAXが8.25mm、227gですからほぼ同じ)
手にした感覚も「完全に普通のスマホ」に到達したと言えるレベルでした。
これが大きな転換期なのだと思います。つまり「閉じた状態で普通のスマホとして使ってください」というコンセプトに急転換してきたように感じるのです。
Galaxy Foldシリーズがこれまで貫いてきた「開いた状態こそがメイン」で「閉じた状態はあくまでサブ。おまけ」というコンセプトから「閉じた状態で普通にスマホとして使ってください。サイズも、薄さも、重さも普通のスマホのそれと同じです」というコンセプトに変わったのです。
となると当然閉じた状態で撮影するカメラ性能を上げる事にも連動性を感じます。そしてS Penを捨て、インカメラをパンチホールにするというトレードオフを受け入れる形になりました。なるほど致し方ない部分なのかもしれません。
その上で、薄く軽くなった恩恵を最大限生かしてディスプレイサイズの拡大にも踏み込めたと考えられます。つまり閉じた状態を強化しつつ、開いた状態も拡張した完全ハイブリッドモデルを実現出来たという事になります。
こう見てみると従来までのGalaxy FoldはFold6が最終形であり、一気に薄さと軽さを手に入れたFold7はそれゆえに方向性を少し変え、新しいFoldシリーズの第1世代と呼べる位置づけになったんだと思います。
では、開いた状態こそがメインとなるスマホはどこに行ったのか?もしかするとその答えが「3つ折りスマホ」なのかもしれません。本気のタブレットを目指すなら「3つ折り」こそが本命。逆に「2つ折り」のFold7は、薄くて軽くて閉じた状態でも快適に使えて、かつ広げても従来より大きく楽しめる。というハイブリッドとしてのバランスに拘ることにしたと考えてみるのも面白いですね。