Nintendo

ドラクエ10 賛否両論

最近ずっとドラゴンクエスト10をやっております。

個人的には結構楽しんでやってるんですが、世間では評価が大きく割れていますね。

どちらかというと批判的な人の方が多い気もします。

(まぁ、楽しんでいる人は特段大きな声をあげない。という法則もありますが)

今回のドラクエはオンラインという事で、実際やってみるとこれが完全なる「MMORPG」でした。

ここが様々な批判を生んでいる根本です。

色々な批判の意見を見ていると、いくつかのパターンに分かれる事がわかりました。

1.今作が「MMO」だと知らずにプレイして、従来のドラクエとの違いにがっかりした人達。

2.今作が「MMO」だと知ってはいたが「ソロプレイもできます」という情報を見てプレイするも

   実質ソロプレイでは退屈&難しい状況にがっかりした人達。

3.今作が「MMO」だという前提でプレイしたが、MMOとしての出来が酷い。と感じた人達。

この1~3では全く感覚が違っているようです。

---------------------------------------

1.今作が「MMO」だと知らずにプレイして、従来のドラクエとの違いにがっかりした人達

これは「MMO」とはどんなジャンルのゲームか?を全く知らずに初体験しているので

・レベルがなかなか上がらない

・ストーリーが進められずレベル上げばかりしていて退屈

・お金も全然貯まらない

・知らない人と一緒に冒険するなんて出来ない

・今までのドラクエと全然ちがう。こんなのドラクエじゃない。

なんて感想を漏らしています。

今回これだけの批判にさらされた原因の一つは、スクエニの告知不足にあります。

特に、子供でも遊べる。というイメージで売ってきたドラクエですから、ここまで本格的なMMOを制作するなら、MMOがどんなものか?をもっともっと事前説明すべきでした。

店舗にはMMOとしてのドラクエ。について簡易冊子を置き、購入者にもきちんと理解した上で買ってもらう。という構造が必要だったんじゃないでしょうか。

私も、今回のドラクエの事前情報だけでは「何か、ドラクエらしいオリジナル要素のある擬似MMOなのでは?」という想像をしていましたが、実際に購入するとバリバリのMMOだったので結構驚きました。私自身はMMOに抵抗はありませんが、このノリは想像していなかったユーザにはかなりショックだったと思いますし、まして、チュートリアル的なものも少なく、操作を覚えたと思ったらいきなりオンライン世界に放り出されるので、とまどうユーザも多かったと思います。

でも、改めてMMOというカテゴリのゲームだったという事を認め、今までの1人プレイとは違って仲間たちとワイワイ言いながらその世界を楽しんでみると新しいドラクエの姿が見えてきます。

自分のレベルがなかなか上がらなくたって、仲間のレベルが上がったら一緒に喜んであげる。

仲間が新しい装備を手に入れたら、早速試そうよ!と一緒に盛り上がる。

こうした仲間とともに成長していく初めてのドラクエだと考えてみて欲しいと思います。

逆に、オフラインゲームのようにどんどんシナリオが進んで20時間とかでクリアできてしまうRPGだと、

仲間と一緒にあれこれ楽しんだり、冒険したりする時間がなくなります。

一つの町を拠点に、何日もそこでアレやコレや話をしながら一緒にレベルを上げる。

そんな冒険の楽しみがMMOにはあるので、このくらいゆっくりとした成長になっています。

つまり、MMOはオフラインRPGとは全く「楽しみ方」が違うんです。

そして、それゆえに「こんなのドラクエじゃない」と思う人が出てくる気持ちもわかります。

「社会人は忙しいんだ!そんな時間は取れない!」という気持ちもわかります。

でも、私はMMOだって1つのRPGの楽しみ方だと思いますし、この世界にドラクエが足を踏み入れたのは凄い事だと評価しています。

例えば、低レベルの時に、強い先輩冒険者に助けてもらったりします。

あるいは、道端で死んでしまったら、見ず知らずの人に生き返らせてもらったりします。

こうした優しさに触れる。という事はオフラインRPGでは一切ありません。

そして、自分がその先輩冒険者と同じレベルになった時に思うのです。

「ああ、あんなに頼もしかったあの人も、最前線では強い敵に苦労していたんだなぁ」

「また、低レベルの新人冒険者がいるから、今度は自分が助けてあげよう」

こうした優しさの連鎖や、単なるレベルだけではない、その世界にいることで成長していく自分。

これこそ本当の意味でのRPGじゃないか?

という事に気付きだしたら、むしろ、今までのレベルを上げて、武器を揃えて、魔王を倒しに行く。という

オフラインRPGの行程こそ、逆に全て作業ゲーだったじゃないか。とさえ思うようになります。何度話しかけても決まった事しか喋らない住人。自分が分からない事を質問しようにも誰も答えてくれない。そんな閉ざされた世界で孤独に冒険しているのがオフラインRPGです。

でも、オンラインRPGなら「塔ってどこにあるんですか?」と聞けば、親切な人が場所を教えてくれます。場合によっては一緒に連れてってくれたりもします。同じ町にいてもいつも違う人たちと出会え、無限のコミュニケーションが生まれます。

生きた人間がそこにいる。自分もそこで生きた人間として振る舞える。

ドラクエという国民的RPGが、この世界に踏み込んだ事、MMOに不慣れなライトユーザを引きこもうとした事は凄い事だと思います。だから「こんなのドラクエじゃない」なんて批判は「自分がやりたかったものと違う」というだけの批判であって、新しいものや、今までと違うものを拒絶しているだけの反応だとも思います。

確かに、ナンバリングでオンラインを持ってきたのはチャレンジだと思いますが、同じ事はFF11でも既に行われていますし、制作サイドから見た時に、これもドラクエの1つの形であって、外伝ではなく、ナンバリング作品の1つだ。オフラインのドラクエで育った人たちに、また新たなRPGを体験してもらいたい。と考えて作られたのであれば、むしろ、ナンバリングとして出す必要があったという事になります。

「月額課金の儲け主義に走った」なんて批判する方もいますが、本当に儲けたいなら従来通りのオフラインRPGを数を稼げるDSで出していたはずです。オンラインRPGはサービスの提供、メンテナンスをいつまでやるか、まで踏まえると不安定でリスクもあるビジネスモデルです。しかも、ドラクエというビッグタイトルですから下手な終わらせ方もできません。また「ドラクエにオンラインは求めていない」という声が挙がるのも初めから分かっていて、且つ売上本数が落ちる事も初めからわかっていた、それでもスクエニは本作をナンバリングとして出した訳です。

だからユーザも「期待していたシステムと違う」という批判だけではなく、MMOならではの面白さ、新しいゲームの楽しみ方を発見してもらえると嬉しいと思います。

他のMMOだと、レベル1つ上げるのに1日がかりなんてのも平気でありますし、

経験値2倍などを課金アイテムとして用意しているのが普通です。

ドラクエは、パッケージの値段や月額費用は確かに安くありませんが、

アイテム課金しない。という事で、自制の利かない課金地獄になる事を防いでいます。

あ、フレンドにレベル2つも開けられてしまった!課金アイテム買って追いつかなきゃ!

なんて心理がズルズル課金にはまる理由の一つでもあります。

それが出来なくしてある。というのはそれだけで十分良心的、初心者向けMMOだと思います。

---------------------------------------

但し!先にも挙げたようにスクエニのプロモーションの仕方には問題があります。

2.今作が「MMO」だと知ってはいたが「ソロプレイもできます」という情報を見てプレイするも

   実質ソロプレイでは退屈&難しい状況にがっかりした人達。

「ソロプレイでも楽しめます!」なんて中途半端な宣伝をしてしまったのは、批判を受けるポイントの一つになっていると思います。ソロプレイというのは、いわば従来のオフラインRPG的な楽しみ方です。オフラインRPGとしてこのゲームを見てしまうと、これは確かに「レベル上げにひたすら苦労する」バランスの悪いRPG。にしかなりません。

従来のオフラインでも、コンプを目指す。全職業99を目指す。なんていうプレイが好きな人なら耐えられると思いますが、普通にクリアして終わらせたい。という感覚でソロプレイをやると「今回のドラクエはつまらない」という感想になるのも当然です。

MMOは「仲間との出会いや冒険を楽しむ」というバランスで作られているのだから当たり前です。

「サポート仲間システムによってソロプレイでオフラインRPGのようにも楽しめます!」ではなく、

「友達がいない日や時間でも、サポート仲間を使って一人で進める事もできます」という感じで理解すれば、この仕組みは非常に良いものだと感じると思います。

従来のMMOは仲間ありき、なので、仲間がいない日は野良PTを組むか、本当に単身で冒険するしかありませんでした。でも、ドラクエのサポート仲間システムは擬似PTをNPCと組む事で、それを程良く補ってくれているのです。

---------------------------------------

そして「3」です。

3.今作が「MMO」だという前提でプレイしたが、MMOとしての出来が酷い。と感じた人達。

他のMMOと比べて出来が悪い。と言われているのは、特にチャット周りです。

サポート仲間の為の酒場は用意されているのに、生身の人間とパーティーを組む為の勧誘システムがなかったり、チャットも吹き出し式ですぐ消えていくのでログ確認をしながら会話を進める事も困難です。

それに加えて、サーバ混雑による不具合でPTチャットが使えなかったりするので、確かに厳しい状況です。

好意的に見れば、MMO初心者にもシンプルに理解してもらえるように吹き出し式になっているのかもしれませんが、これは今後インターフェイスや仕組みの改善を行ってもらった方が良い点です。

そして、サーバの混雑は現時点では相当酷いです。

緊急メンテナンスがいきなり入る事もザラで、これでは怖くてボス戦やクエストに挑めません。今日(8/16)の23時前後の状況は無茶苦茶といってもいいレベルです。サービス開始からまだ2週間程度なので、もう少し様子を見ても良いと思いますが、課金ユーザが本格的に出てくる来週以降もこんな感じだとさすがに問題だと思います。無償期間延長も視野にいれないと、呆れて止めてしまうユーザも出てくるでしょう。

細かな点では、敵が硬い、経験値がなかなか溜まらないのがMMOだ。といっても、ただ単にそういうバランスで作れば良い。というものでもありません。

それでも戦闘や冒険を飽きさせない作り、敵のバリエーション、少しずつでも強くなっていく実感。

こうしたものは丁寧すぎるほど丁寧に調整していくべきだと思いますが、まだ今作ではそこまで細かな気遣いを感じられません。特に大陸を渡っても敵の強さにバラつきがあるのは、各種族の土地だから仕方がない事とはいえ、成長の実感を得づらい構成になっています。新たな大陸に一歩踏み出したら敵の強さに驚いて帰ってくる。というような開拓感がなく、シナリオ的にもそうした段階性がない為、単なるクエスト巡りのような印象にもなってしまいます。

---------------------------------------

ということで、批判されている点を中心に記事を書いてみました。

どこまでいっても「オンラインは馴染めない」という人もいます。MMOが素晴らしいジャンルだと押しつける事はできません。従来のドラクエファン達に、そこを理解してもらった上で購入してもらわないと、絶対「裏切られた」と思う人達が出てきます。

また、MMOだとしても作りこみの甘さが多い。という点もあり、トップレベルのMMOにもなれていない。という残念な点もあります。

こうした全般的な流れを見ると、スクエニのやり方は成功したとは言えませんし、MMO初経験者から「つまらない!」と批判を受けるのも仕方ありません。

これは非常に残念なことですし、MMOの本当の面白さを知る前に「だるい作品だった」という印象だけでMMOから去っていくユーザが増えてしまうのは勿体ないと思います。

まずはサーバを安定させ、インターフェイスやシステムの改善にも取り組んで欲しいと思います。

初心者への配慮。という意味では、もっとサーバを目的別に細分化したり、レベル限定サーバを作ったり、初心者同士が楽しめる環境作りもしていってもらいたいところです。

廃人達と初心者を両方満足させるのは非常に難しく、とかくMMOは廃人仕様になりがちです。しかしドラクエはライトユーザが多い相反するブランドですので、そこに拘ってMMOとドラクエの見事な融合を実現してもらいたいですね。

もう一度書きますが、私個人としては十分楽しめています。

元気玉の仕組みや、酒場に預ける仕組みなど、プレイしていない時間にもメリットがあったり、Webサイトでその状況が確認できたり、3DSと連携したり、と良い仕組みもたくさんあります。初心者が課金地獄に陥らない配慮もしっかりされています。

それだけに、現在のドラクエ10批判は残念な部分も多いなぁ。と思っています。

オススメ記事

1

ロボット掃除機の進化が目覚ましく注目を浴びていますが、実は自分で操作するスティックリーナータイプもグングン進化を遂げています。今回はその中でも最先端となる4way水拭き掃除機「H12 Dual」をレビ ...

2

Galaxy Z Fold3からGalaxy Z Fold5へ移行して確認したいのはやっぱりカメラ性能です。特に写真の画質がどのくらい変わったのか?は検証しないわけにはいきません。 スペック上の進化 ...

3

パナソニック史上「最強のUHD プレイヤー」であり且つ「最強のBlu-rayレコーダー」と呼ばれる「DMR-ZR1」を購入しました。 私が購入に至った理由は公式サイトや様々なWebサイトで語られている ...

4

ついに買ってしまいました。ずっと欲しい欲しいと思っていて二の足を踏んでいた「Philips Hue Play HDMI Sync Box」とその仲間たち。しっかりレビューしていきたいと思います。 Ph ...

-Nintendo