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「秋のヘッドフォン祭2014」に行ってきました

久々にヘッドフォン祭に行ってみました。

今回の目的は下記3点。
・NobleのK10カスタム&ユニバーサルを聴いてみる事。
・FITEARの新作を聴いてみる事。
・その他DAP&イヤホン物色。

●Noble Audio Kaiser10(K10)
今一番個人的に気になるイヤホンです。

カスタム版の試聴機がこちら

ユニバーサル版がこちら

K10の音は、とても死角のない音でした。低域は厚み十分でありながら主張しすぎず、高域までクリアで綺麗に鳴らしてくれる感じです。透明感があり、どの音域にもマスキングされないのでとても情報量が多く、隠れた音を感じ取れる印象があります。カスタムもさることながら、同スペックでユニバーサルモデルとして購入できるのも驚きです。

ユニバーサルとカスタムの比較はカスタム側が試聴機だった為何とも言えませんが、ユニバーサルの方が鋭い感じで、カスタムは耳型で作ると中域~低域の量感が増すものと思われます。

買えばすぐに使えて、嫌になれば売り払ってしまえるという意味でユニバーサルモデルは非常に魅力的です。特にK10は沢山のユニットを積みながら非常に小型に仕上がっているので耳へのフィット感も悪くなさそうです。この中に片耳10個ものドライバが入っているとは信じられません・・・。

ただ値段もそれなりで、カスタムが約21万円するのに対し、ユニバーサルで初回価格約18万円(通常価格19万円)もします。差額2~3万円で自分の耳型でカスタムが作れてしまう。と考えるとどう考えてもカスタムの方がリーズナブルです。

カスタムは時間がかかる。飽きても売るのが難しい。差額が小さいと言っても2~3万差は大きいと難点を挙げられますし、一方、ユニバーサルはここまでの価格を出して「所詮ユニバーサル」という事も言えます。ユニバーサルの登場が悩ましい選択肢となりましたね。

●Fitearのfitear
次にFitearの新作、その名も「fitear」です。ややこしい。こちらもユニバーサルモデルという事で注目していました。

今回のFitearブースでは、試聴できるのがこの1モデルという拘りぶり。

実際の音ですが、少し低域が強めで厚みのある音。それでいて中高域が弱いという訳でもない音作りで「低域がしっかりしたバランス機」という私が一番好みのタイプのイヤホンでした。K10も良かったのですが、自分の好み、という捉え方ならこちらの方が理想に近い音かもしれません。

K10と比較して弱点といえるのは、情報量と音の立体感でしょうか。何となくK10より淡泊な音に聴こえました。

そして値段は特別価格で8万5000円との事で、さっきのK10と比べれば圧倒的なコストパフォーマンスです。好みにも近い音で、100点ではないにせよこの値段でこの音が出せるのなら買ってしまっても良いクオリティじゃないかと思いましたよ。

http://fitear.jp/music/product/fitear.html

●Fitear新製品発表会
そして夕方16時からは、そんなFitearの新製品発表会がありましたので、須山氏のご説明もぜひ聞きたい。と思い会場へ。

会場は何とチャペル(笑)ここで最初に約40分間、須山氏のイヤホンへの取り組みの歴史が語られました。非常に軽妙なプレゼンでなかなか興味深い内容でした。

続いて本命の新製品発表です。さきほどブースで聴いた「fitear」が紹介されました。

全く新しいアプローチによる音質設計。という点と、ハードウェアスペック(ドライバ構成など)は非公開。という事で、自信の表れなのか、スペックでバイアスが掛かるのを防ぐ為なのか、なかなか特殊なご紹介となりました。

確かに昨今、どの帯域のドライバが幾つ入っている。なんていうドライバ数と価格とのバランスで性能を評価してしまいたくなる傾向もありますから、多ドライバ競争から一線を引いているFitearとしてはあえてドライバ構成などは見せないようにしたんじゃないかなぁ。と思います。

そして発表会はこれで終わりかと思いきや、最後にもう一つ目玉がありました。久々のカスタム新製品「Aya」の発表です。

前作「萌音」の開発コンセプトとしてボーカルを敢えて沈めた事で評価が割れた。という点を振り返りつつ、今回は良く言うなら「万能型」の音作りをされたと理解しました。

Fitearでは「335DW」に惚れながら様子を見て、その後発売された萌音よりも335DWの方が好みだったので、結局どれも買っていない。という現状がありますが、久々のカスタム。という事であれば期待せずにいられません。

萌音と同じキャラネタに走ったあたりは、須山氏らしいという感じもしますね!

最後に「Ayaの試聴がFitearブースで出来ます」という説明とともに、会場ではなぜか最後の数分だけ、モデルの女性がAyaを持ち歩いて紹介する。という謎の演出もありました(笑)

●Fitear Aya
発表会終了後ブースに戻ると、先ほどまで置かれていた「fitear」が取り除かれ、試聴機もチラシも全て「Aya」に変更。17時という終盤になってなかなかのサプライズ登場です。

今日の試聴は「fitearだけです」と思わせておいて、新製品発表とともに「Aya」を登場させるなんて、もう今日はFITEAR Dayでいいや!とその演出にすっかりやられてしまいました。

そして「Aya」の試聴機がこちら。

音を聴くと、さっきなかなか良い音だ!と思った「fitear」を上回る好みの音でした。335DWと近い気がしましたが、あちらより全体のバランスが良い印象です。私の勝手な予想では、335DWよりもドライバ数は少なく、価格もリーズナブルに登場するモデルになると思うんですが、音の好みという意味ではこれはまさにドンピシャな感想。

いや、発表会からサプライズ試聴機の登場で、それこそ色々バイアスが掛かった状態での試聴だったので評価が高くなってしまっただけかもしれませんが、いずれにしても試聴を忘れて「これでずっと音楽を聴いていたい」と思わされてしまいました。

最初に聴いたK10との比較では、やっぱりK10の方が情報量が多く、高域の伸びもあった気がしますが、Ayaは音の完成度とリスニングの心地よさが見事に噛み合っている印象を受けました。fitearと比べるなら、低音の量感に対して中高域の主張も強くなり、低域にマスキングされるような印象もなく音の情報量が増えたイメージです。最後は結局「聴いてて気持ちいいか」という判断基準になると思いますので、そういう意味では「Aya」はとても好みに合う音でした。

気になるとすれば、実際にAyaをカスタムで作った場合、更にフィット感が増して低域が強くなるのではないか?というところです。もしこの試聴機以上に低域が強まるとすれば私にとっては盛りすぎ(今の試聴機がベスト)なので、この辺りの判別がカスタムの難しさですね。

値段はまだ決まっていませんが、13万~15万くらいの間で出てくれればとても興味惹かれるモデルになると思います。

http://fitear.jp/aya/

今回紹介された「fitear」と「Aya」どちらも良いイヤホンだと思いました。

他にもいろいろ聴こうと思ってたんですが、今回は時間もなくSonyの新製品くらいしか聴けませんでした。Sonyの新製品はNobleやFitearと比べればあまりピンとくるものではなく、6万円台で登場するフラグシップのXBA-Z5も何となく眠たい音に感じました。

http://www.sony.jp/headphone/products/XBA-Z5/

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