さて、次はサウンド編です。
こちらは大きく2つ興味がある点がありましたので早速検証。
●イヤホンで聴く
今回Z3ではハイレゾ音源対応。という事がアピールされていましたが、そもそもまずDAPとしては十分な力を持っているのか?が大事です。
色々音質についてもいじれますので、それらをチェック。結構Z1から変わってますね。
まずは「ClearAudio+」要するに、サウンドエフェクトなどを細かくいじる事なく「一発でいい音にしますよ!」というオート設定です。試しましたが味付けが濃くなった割に音は軽い感じになりましたので私の好みには合わず。チェックは常に外しています。(こちらにチェックを入れると、サウンドエフェクト機能が使えなくなる排他機能になってます)
次に、サウンドエフェクト。イコライザー、DSEE HX、サラウンド(VPT)の3種類がいじれます。中でも「DSEE HX」は今回の音質機能の中でも注目されるもので、圧縮音源をハイレゾ音源レベルに引き上げる。というものです。ハイレゾ音源では非常に高い周波数帯(可聴音域外)の音まで再現していますので、DSEE HXではその辺りの音再現まで取り組んでいます。
実際試してみましたが、聴感上の変化としては「荒削りだった音が、まろやかに艶やかになり、奥行きが出てくる」という印象です。曲にもよるかもしれませんが、これは常にオンにしておくべきスイッチだと思いました。
次はイコライザーです。これは基本的にいじると露骨に音が変わりますし、高音質になるというものでもありませんから、あまりいじらない方が良いと思います。下記のような感じで自由に設定可能です。
サラウンド(VPT)は、リスニング環境をイメージした響きなどの効果を加える機能です。「クラブ」何かは響きが増して雰囲気も出ますが、基本的にこれも「オフ」にしておく方が良いと思います。遊び心を持って聴くときに変化を楽しんでみると良いでしょう。
という事で、色々音の変化を確認したうえで、Xperia Z1と比較。更に、我が家のメインDAPである「HM-901&ハイエンドアンプカード」とも比較してみました。
結論から言います。音質比較でいうと下記のような感想でした。
HM-901 >>>>>>>>>> Z3 DSEE HX > Z3 ノーマル >> Z1
Z1・・・音がガチャガチャして荒っぽい。一つ一つの音も綺麗ではない。
Z3ノーマル・・・各楽器の質感がぐっと出てくる。でも音楽全体としてはノッペリしている。
Z3 DSEE HX・・・音がまろやかになり、艶と奥行も出てくる。音の輪郭がクッキリする。
この3環境で比較すると、明らかにZ3 DSEE HXが優秀だと言えます。一般的なユーザであればこれだけの音で十分なんじゃないでしょうか?
HM-901・・・楽器の質感、奥行き、音の深みと厚み、アタック感などの次元が一つ違う。
特に、ドラムやベースの力強さ、スピード感、また編成の各楽器の音の分離感と深みはやっぱり別物。という印象。どんなにZ3で低域をブーストしても、本質的な低域の音の厚みは再現できません。ここがイコライザーでは到達できない音の違い。ですね。
Z3 DSEE HXで「おお。いい音鳴ってるじゃん。スマホでも十分だね!」と思わせておいて、HM-901を聴くと「うーん。やっぱりステージが全然違うか・・・」と実感させられる。そんな感じでした。
でもこれは「比較してしまうから」であって、比較しない方々からすればZ3はZ1と比較すると断然優秀ですし、音楽プレイヤーとして十分な音を出してくれていると思いますよ。
●内蔵スピーカーで聴く
次は、内蔵スピーカーです。私のZ3への期待度トップ3に入るのが「フロントステレオスピーカー」でした。アンバサダー記事でも書きましたが、Z2で搭載されたフロントスピーカーに見直しが図られ、Z3では更に音質が向上しているというのですから期待せずにはいられませんでした。
前回の記事でも紹介した構造ですが、Z2に対してZ3ではスピーカーの真上に音が出る穴が設定され、よりクリアなサウンドが聴こえるよう構造が見直されています。
早速卓上ホルダにセットして聴いてみましたが、さすがフロントステレオスピーカーです。やっぱり音の明瞭さ、ステレオとしての音楽の情報量がZ1とは全く違います。
少し低域が弱い気がしますが、気になる場合は軽くイコライザーをいじるのと「S-Force Front Surround」をオンにする事で立体感と迫力のある音になります。
Z1と聴き比べましたが、これはもう歴然とした差ですね。一度聴くと、もうZ1の音は「籠った片チャンネル」としか言いようがありません。テレビなら「このテレビのスピーカー壊れてるんだよね」と言われるレベルです。
さて、私の期待は単に「Z1より良くなる」というだけではありません。フロントステレオスピーカーのパイオニア&王者である「HTC機」との勝負です。SONYのエンジニアの方は「勝っている」と自負されていました。
我が家にある「HTC J ONE」とガチンコ勝負でじっくり聴き比べです。
うーん。
もう一度。
うーん。
もう一度。
すみません・・・HTCの圧勝です・・・(涙)
Z1・・・音がざらざらして籠っている。音量を上げると音も濁る。
Z3・・・音がクリアになり、情報量も倍増、声や楽器の緻密な音が再現される。
J ONE・・・更に音に深み、厚みが加わり、輪郭もクッキリする。
もうどうやっても、J ONEの音の厚みに追いつきません。Z3の音は比較するとペラいです。J ONEの世代でこれなんですから、ひょっとして Butterfly 2は更に凄いスピーカーになってるんでしょうか?だとしたら凄く悔しいです。音の数で言えば、J ONEをも凌いでいる。と言えなくもないですが、一つ一つの音の生々しさ、音楽を音楽として聴かせるクオリティではZ3はまだまだです。
まぁ、そうはいっても、やっぱりフロントステレオスピーカー。Z1はもちろんの事、iPhoneやその他大勢のスマホとは比較になりません。Z3は他のスマホと比べて圧倒的に優秀なサウンドを手にしています。これで、動画を観たり、ゲームをしたりする時の「音の楽しみ」が増すことは間違いありません。
●まとめ
まずDAPとしては、なかなかに優秀だと思いました。普段スマホや2万円くらいのDAPで音楽を聴いている方であれば、Z3は十分メインDAPとなりうる力を持っていると思います。ハイレゾ音源も再生できますし、是非色々楽しんでもらえればと思います。私も、HM-901の方が優れていると感じましたが、それは当たり前の事であって、Z3では聴くに堪えないか。というと全くそんな事はありませんでした。十分に音楽を楽しめると思います。
内蔵スピーカーも期待通りの価値は提供してくれました。ゲームやちょっとした動画閲覧であれば、これまた十分に楽しめます。欲を言えば、J ONE以上の音を・・・というところではありますが、これは将来に期待しましょう。
という事で、サウンド編でした。