PS3/XBOX360で発売された「キャサリン」
なかなか大人センス溢れたゲームで素敵です。
●まず設定。
主人公ヴィンセント 32歳(SE)
彼女 キャサリン 32歳
もう5年の付き合いになり、彼女も結婚を暗にほのめかしてくる。
ヴィンセントは、まだこの自由さがよく、結婚に歯切れ良い返事はできない。
↓
悩みつつ深酒した翌朝、ヴィンセントの隣に若い美女が裸で寝ていた。
…意図しない浮気…
こんなタイミングで浮気してしまった自分に困惑。
↓
浮気相手は小悪魔的な女の子で、自分には別の彼女がいることも告白できず
ズルズルと関係が続く。しかも偶然名前は彼女と同じ「キャサリン」
↓
そんな中、5年付き合っている方の彼女から妊娠した事を告げられる。
2人のキャサリンに翻弄される主人公。まぁ、自業自得。
的な泥沼ストーリー。
そこかしこで、プレイヤーは選択を迫られたり
どんな文面のメールを返信するかを考えたりするんですけど
正直、素の自分で答えていくのが恥ずかしいくらいです。
「今の彼女は傷つけたくないし、バレるのも怖い。
でも、浮気相手からの誘いにも断れない」
なぜか、そんな選択をついしてしまいます。ずるい。
マルチエンディングらしいのでどうなるか楽しみですね。
●パズルアクション
話は一転しますが、主人公は毎晩悪夢にうなされます。
その悪夢部分が、パズルアクションゲームになってます。
レトロゲーで例えますと、倉庫番のように立方体を引いたり押したりして
組み合わせて、バベルの塔のようにゴールに向けて登っていく。
ただ、それだけなのに、いざやってみると凄くよくできたパズルです。
しかも、土台となる立方体が下からどんどん崩れていって
トラップも仕掛けられた中登って行くのは想像以上にドキドキです。
今、難易度Normalでやってるのに凄く難しいです。
じっくり考えればブロックの組み合わせ方も思いつくんでしょうけど
どんどん下から崩れていくプレッシャーの中で
いかに冷静かつ迅速に動くことができるかを試されます。
ボス?エリアでは
結婚を迫ってくる彼女や、妊娠してできた赤ちゃんなんかが
主人公への精神的プレッシャーを隠喩して登場します。
主人公の現実を見ても
彼女が結婚を迫ってくる。もう時間もない。どうする。
焦ると失敗する。取り返しがつかないことになる。でも猛スピードで適切に判断しなければいけない。
つまり、この悪夢のパズルは主人公の現実世界での「精神的圧迫」の
メタファーとして存在しているとも言えます。
そして、悪夢でブロックから落ちたり、彼女の姿をイメージしたボスに
潰されたりすると、悪夢から目覚めず現実世界でも死ぬ。という設定。
これも「結婚」「子育て」=人生の「死」という意味合いをシニカルに
持たせているとも考えられます。
まだ途中なのでオチはわかりませんが、
子供より、大人がやった方が、いろんな感情をくすぐられる気がしますよ。
時折出される問題も面白い。
「結婚を前提としない同棲はアリかナシか?」なんて質問に答えたりもします。
他にも、
クラシックをアレンジしたBGM
モヤさまでおなじみの淡々とした合成音声
など、細かな部分にも拘りとセンスを感じます。
2010年のベスト大人ゲーは「ヘビーレイン」でしたが
2011年は「キャサリン」かもしれませんね。