映える白PCを組む。というコンセプトではCPUよりグラボよりなんといっても「ケース」と「クーラー&ファン」が何より大事です。肝中の肝。という事でここは他のパーツよりも更にじっくり考えて選定を行いました。
ケースの候補
やっぱり映えるケースといえば最近流行りのピラーレスですね。ガラスとガラスが繋ぎ合わされてPCの中を見る為の邪魔な支柱を取り払ったタイプです。
更に今回はこだわり条件をいくつか掲げました。
ケース選定ポイント
- ケースの上から下までガラスパネルになっていて欲しい
- フロント端子がケース下部にある事(映えるケースはテーブルの上に置きたい。とするとフロント端子は下部にあった方が使いやすい)
- 電源部収納部が表側に張り出してきてスペースを圧迫しないこと
- サイド&ボトムには120mmファンがそれぞれ3つ搭載できる事(コンパクトなケースを敢えて選ぶなら2つでもOK)
もちろん妥協する部分も出てくるかもしれませんがこれ
らを条件として見ながら検討を始めました。
Corsair
一番最初に目を付けたのはColsairの「3500X」です。正直パッと見てもうこれでいいじゃん。と思いました。
中でも最上位のiCUE LINK対応のRGB3連ファンが付いているものがコスパ抜群。これでいくならクーラーも他のファンも全部CorsairのiCUE LINK対応モデルで揃えたい。と思いました。今回メモリもCorsairを選びましたし全部を一元管理できます。
ただ惜しむらくはコンパクトなケースだけに電源収納部が前面にグッと張り出してきているんです。ケース内に弁当箱のように箱が置かれている感じが美しくない。ボトムファンもきれいに並べませんし。そしてフロント端子もケース上部にあるので使いづらい。iCUE LINKファン最高なんですが次のケースを探すことにしました。
Thermaltake
次はサーマルテイクです。何といっても目を引いたのはThe Tower 300ですよ。
縦型ピラーレスという超斬新なデザイン。Micro ATXながらこれはアリだと思いました。
ただこれもフロント端子は上に付いているのと、上部に2つ付いているファンが光らないファンなんですよね。これまた惜しい。とはいえこれは他と比較して条件を付けるべきではない唯一無二のケースだと考えました。実は最後まで候補として残ったケースです。
Thermaltakeからはもう一つ。普通の形状のピラーレスも候補になりました。
ただこちらはフロント端子が上なのと、ケース下部に分厚い電源などの収納スペースがあり好みが分かれるケースだなと思いました。これによってサイドのファンも120mmが2つしか搭載できません。
これはこれでアリなんですが、せっかくならケース下部まで全てガラスになっている方が映えるかなと思いましたので保留としました。安くていいんですけどね。
Antec
次はAntecです。AntecではC8とC7の2つのケースが候補になりました。
これぞ私のイメージするザ・ピラーレスです。ケースの上から下までガラスになっていて前面と側面まできれいに透けています。ただやっぱりこれもフロント端子が上なんですよね。上に端子があるとType Cケーブル等を挿したときにだらんと垂れてしまいますよね。また他のケースより少し大型で幅が30cmを超えます。さすがにもう少しコンパクトな方がよいなと。
そこでC8のコンパクト版C7です。
C7では幅も24.1cmとコンパクトになり、フロント端子も下部に付き、弱点がなくなりました。なのに今度はさっきのサーマルテイクのように下段に分厚いスペースが出来ちゃったんですよ。なんという一長一短。
NZXT
次はNZXTです。簡易水冷クーラーのKRAKENシリーズも出しているメーカーなのでクーラーやファンまで揃えたくなりますよね。
このケースはとても面白くてサイドファン部分が斜めになっているんです。上から見ると5角形になっているケース。これはおしゃれだなーと思いました。フロント端子も下にありますしパッと見はかなり惹かれました。デザインだけで言えばトップレベルに悩んだケース。
ただ致命的な問題がありまして、このケース3.5インチ HDDベイが1つしかないんです。我が家では3.5インチHDDはミラーリング用に必ず2つは必要なのでこのケースを採用すると外出しで接続ケースが必要になります。うーん。それはそれでもいいんだけど・・・というところ。
もう少し大きいH9 Flowというケースもあります。
こちらは5角形ではなく普通のピラーレス。個性はないですが非常にオーソドックスな作りです。ただこちらはフロント端子が上になっています。またどうやら付属のサイドファンは光らないタイプのようですので実際に運用するとすれば別のファンに付け替えることになるのもやや無駄です。あちらを立てればこちらが立たず。ですね。
ちなみにさらに上位のH9 ELITEというモデルもありますがこちらもフロント端子が上ですので我が家のニーズには合いませんでした。
Zalman、CPS、XPG、Deepcool
他にも比較した白ピラーレスはあります。まとめてご紹介。
ZALMANのP50 DS 下部が分厚いタイプですね。
CPSのC3T500 高さが低くてコンパクト。なのでサイドファンは120mm×2つまで。コンパクトなケースが良ければ良い選択肢になると思います。
XPGのINVADER-X フロント端子はしたにあって良いんですが、ケース内に電源収納部が張り出しているタイプ。
同シリーズでminiがあってそちらは電源部が張り出していないんですが今度はフロント端子が上にあるタイプになってしまいます。またグラボも33cmまでしか対応していないのでパーツを選ぶ感じですね。
次はDeepcoolのCH-780 こちらもフロント端子が上でした。
ここまでのまとめ
とまぁ、ここまで様々なケースをご紹介しましたが全部どこかが惜しいんです。どのケースも次のどれかに当てはまります。
- フロント端子が上にある
- ケース内に電源収納部が張り出している
- 下部が分厚くなっている(裏側に電源が収納されるため)
- 小さくて3.5インチベイが足りない(120mmファンがサイド、ボトムに3つずつ配置できない)
全ての条件をクリアするケース Lian Li
そして最後に私が買ったケースに辿り着く訳ですが、それがLian Liです。ピラーレスケースの立役者といっていいメーカーでやっぱりその完成度も抜群でした。
まずはO11D EVO RGBです。フロント端子は下にあり、電源部は張り出さず、下までガラスパネル。120mm×3がサイドにもボトムにも置けます。一切死角がありません。この当たり前のケースが他メーカーにはなかったというのが不思議でなりません。ただやや大きいのでもっとコンパクトなケースで大丈夫です。
そして更に「映え」を強調したのがO11 Visionです。先ほど同様一切の死角がなく、そして何とこのケースは天板までガラスという3面ピラーレスなのです。これは映える。幅が30cmを超えるのでやや大きいですがほぼ完璧です。
そして最終的に買ったケースがこちら。O11 Vision Compactです。
もちろん一切の死角なし。全条件を満たしていて、幅も30cmを切り、そして天板がガラスという3面ピラーレス。正直これしかない。と思いました。
一般的に天板側には簡易水冷のラジエーターとファンを搭載される方も多く、熱い空気は上に流れますので天板から排気するのがエアフロー的には効率的です。天板をガラスにしてしまうとそこにファンを設置することができず上に空気を逃がせないという弱点もあります。
ですから本ケースにはちゃんと天板が2枚付いていて、1枚はガラス、もう1枚は一般的なメッシュの天板となっています。天井部にファンを付けたければ付けることもできるハイブリッド仕様。
でもやっぱり「映え」にこだわるならこの天板のガラスは圧倒的に美しいと思います。どこからでもケース内が見えるというのはほかに代えがたい魅力ですね。
そしてこのモードでは簡易水冷のチューブを後ろ側に回すことができてラジエーターのチューブ接続部を裏面に配置できるという画期的な構造にもなっています。これによってサイドに簡易水冷のファンを設置したときに邪魔なチューブがファンに被る事がなくなるわけです。徹底した美の追求。
その他、先代Visionよりも構造的に様々な個所が考慮されたVisionの進化系がVision Compactだと感じました。今回の映え白PCで採用するケースは Lian Li O11 Vision Compactで決まりです。
購入した Lian Li O11 Vision Compact 外観
購入したケースの外観を一通りご紹介しておきます。箱は非常にシンプル。
取り出したケースがこちら。真骨頂は3面ガラスですが、最初の梱包は天板がメッシュボードタイプになっています。
メッシュ状の天板は取り外しが可能です。
そして別途天板用のガラスが同梱されていて、ハイブリッドに付け替えられます。3面ピラーレスでいくか、メッシュにして天板側に3連ファン(主に簡易空冷ファン)を取り付けるスタイルで行くか。私はもちろん3面ピラーレスでいきます。
作業準備も兼ねて解体していきましょう。側面パネルはネジ1本で止まっています。
こんな感じで取り外し
背面は御覧の通り。PCIeスロットから右側がガラスの中になります。ぽっかり空いた左の電源スペースはデュアルチャンバーで裏側作業場所になりますね。
ガラスの反対側の側面はメッシュ状になっています。ほぼこちら側を見ることはないのでシンプルで良いと思います。
前面からのビューです。
前面ガラスも取り外せますがやや面倒なのと、実際の作業時にさほど困らないので一旦置いておきます。
購入時は破損防止のために支柱(ピラー)が付いていますが、これは実際に使うときには不要です。
天板も簡単に取り外せますし
不要な支柱も取り外してしまいましょう。
底面には防塵フィルターが付いていて、更にファン取付用のフレームも取り外し可能になっています。これは作業が楽になりますね。
そして裏側のメッシュパネルも取り外し。ここはネジなどもなくパカンと取り付け可能なので非常に楽。よく考えられています。
中央のパネルはパカパカ稼働するようになっていて、2.5インチSSDを2つ取り付けられるようになっています。このパカパカパネルはマグネットで閉まるようになっているのでケーブルをしまい込むのにとても便利。
中には3.5インチHDDを設置できるフレームが2つ。これも簡単に取り外せるのでHDDを取り付けた後にケースにセットできるので簡単です。
取り外しの様子はこんな感じです。
またケース上部にはケース内と裏側とを結ぶ穴が開いており、ゴム製の仕切りが付けられています。特にこの穴は簡易空冷クーラーのチューブを通して裏側にラジエーターを置くことができるユニークな構造になっています。
ざっとケース外観も紹介してきました。あとは実際の組み立てとともに詳細紹介してみたいと思います。
3面ピラーレスという派手な特徴だけでなく、構造的にも本当によく考えられた最先端の超おススメケースです。