さて、その3では、アンプ「SC-LX86」の機能について注目してみます。
●基本機能について
SC-LX86は現在のAVアンプでも評価を受けています。
http://pioneer.jp/homeav/award/index.html#amp
まず、高音質・高効率のダイレクトエナジーHDアンプがパイオニア機の目玉の一つです。
中でもフラグシップのLX86は定格4Ω250W×9ch(最大4Ω360W×9ch)という高出力で同時出力も最大810Wを誇ります。AVアンプとしては破格の出力量じゃないでしょうか。それでいて370Wの消費電力で済んでいる。というのもクラスD級デジタルアンプのおかげ。例えばDENONのAVR-4520はアナログアンプで780Wも消費しますから半分以下の電力です。
次に規格上の高音質へのこだわり。
192khz/32bit化処理により、24bit音源も32bit化して再生。LEF成分の遅れや位相を調整するオートフェイズコントロールプラス。帯域間の遅延を調整するフルバンド・フェイズコントロールなど、独自の機能も搭載しており、とにかくビシっとした音を鳴らします。
更にはUSB DAC機能も搭載しており、PCからUSBケーブルで繋げば192khz/32bit対応DACとして機能します。USBメモリからDSDファイルの再生も可能。将来に向けた映像の4Kパススルー(4K入力をそのまま4K出力)機能も搭載されています。DLNA1.5にももちろん対応していてネットワークプレイヤーとしての利用も快適です。
これら機能面から見ても、他社のアンプと比べて非常に完成度の高いアンプだと思います。
詳細はこちら。
http://pioneer.jp/components/avamp/lx86/
●iPhone/iPadからの操作について
さて、実際に使っていて私が非常に便利だ!と思っているのは、iPhone/iPadからのコントロールです。iControlAV 2012というアプリをダウンロードして使用するんですが、これを体験するともう昔の「棒状リモコン」とは全くの別世界だという事がわかります。
iPadの基本コントロール画面がこちら。
そもそもアンプの電源自体をこのアプリから起動でき、終了時もこのアプリから電源が切れます。本体やリモコンを触る必要は一切ありません。
入力切り替えも自由に配置、リネームできますので下記のように「PS3」「WiiU」「XBOX360」というように好きな名前に変えておけば間違える心配もありません。
各機能の設定もここから簡単にできます。
LX86に搭載された様々な音場/音質に関する設定を簡単に切り替えながら視聴もできます。
マルチチャンネルの時には、チャンネル間の音量バランスも直感的に調整可能。
少しリアのサラウンド感を強めたいな。というときにはリスニング位置を指ですっと移動させるだけ。各チャンネルの音量調整なんて面倒な操作は要りません。
先ほど紹介した帯域毎の遅れの自動調整なども各チャンネルごとにグラフで表示させる事もできます。実用性はほぼありませんがマニア心をくすぐられる機能ですね(笑)
設定されたパラメータなんかも表示させられます。本製品は最初にリスニングポイントにマイクを設置する事で、スピーカーとの距離や音量、帯域調整などを自動で行ってくれます。今どきのAVアンプにはよくある機能なんですが、こうしたパラメータなんかもここで表示されています。
さて、DLNAによるネットワークプレイの場合、そのファイル選択もアプリから行えます。画面の下半分にパソコン上のフォルダ表示がされ、タッチでフォルダ階層を辿って曲選択が行えます。
曲再生も一時停止や次曲送りなんかが可能。残念ながら曲内での早送りや巻き戻しが出来ません。PS3のDLNA機能だとできるのでちょっと残念なところ。
ソファにもたれかかりながらiPadで操作して曲を探したり聴いたりするのが本当に心地いいです。こんな世界があったのか!と驚くレベル。これまではPS3のDLNA機能を使っていましたが、PS3の場合は「TV画面に映し出してコントローラで操作する」という形でスマートさに欠けたんですよね。手元のコンソールからタッチ操作というのが堪らなくスマートな気分です。
もちろんiPhoneアプリも同様の機能があります。
これぞ本当にポータブルリモコンの完成形といってもいいと思いますね。
普段はiPadで。それすら邪魔な時は片手でiPhone操作。という感じです。
iPadで出来ることは全部iPhoneでも可能。
昔みたいにCDを入れてリモコンで操作。という時代から比べれば、iPodの登場で時代が変わったポータブルオーディオの世界と同じように、家庭の据え置き環境もここまで変わったか!という驚きを感じます。
パイオニア以外でもこうしたスマホ対応アプリは出ていますし、使い比べた訳ではありませんがパイオニアはその中でも出来が良いみたいですね。
●音場設定について
音楽を聴くときには前回紹介したように「ピュアダイレクト」か「EXTRA STEREO」のほぼ2択です。が、映画やコンサート映像などを観る時には結構モードを切り替えながらベストなものを探すことになります。
今のところの使い分けとしては大体下記3つ
1.包囲感/空気感を重要視するときは 「Dolby Pro Logic2x + THX」
2.もう少し音を鮮明に解像感を求める時は 「NEO:X + THX」
3.更にすっきり高い純度の音にしたい時は 「THX」 のみ
同じ映画でも壮大なBGM/効果音などは「1」を、歌や楽曲自体が中心となる作品では「3」といった感じでしょうか。さらにそれぞれに「MOVIE(CINEMA)」「MUSIC」などの味付け設定がありますので、ここでも質重視ならMUSIC、包囲感重視ならMOVIEという形で選択すると良いバランスになります。
モード設定の種類も多いですが、以前使っていたSONYよりも種類の組み合わせが分かりやすいのでおよそ「このモードならこういう音になるだろう」という事が想像出来ます。ゲームなんかの場合だと素直に「ADVANCED GAME」のモードで十分良い音になっていますね。良く設定されていると思います。
ということで、今回はアンプの機能的な部分に注目してご紹介してみました^^