据え置き用のパワーアンプを半ば衝動買いで購入してしまいました。
ROTELのRB-1582MK2です。
●すっとパワーアンプが欲しかった
これまでずっとAVアンプのみでスピーカーを鳴らしてきたんですが(セパレート型のAVアンプを使ってたことはありますが)、メインスピーカーがinfinityの大型スピーカー(今はIRS-OMEGA、以前はKappa9.2i)なので、到底AVアンプで鳴らしきれているとは言えない状態でした。
とはいえ、同じAVアンプでも今のSC-LX86はなかなかパワフルなD級アンプを搭載していて、これまでに比べれば断然良い音を出してくれていたのです。逆に言えば、まだまだアンプを強化すれば隠れたポテンシャルを発揮してくれるスピーカーだと感じていたんですよね。
ただ、AVアンプの中でもトップレベルのパワーを持つSC-LX86を買ってしまったので、乗り換えて明らかなグレードアップを感じる為には数十万円クラスのパワーアンプが必要なんじゃないかとイメージしていたのです。10万円そこそこのパワーアンプを買ってほとんど効果が得られないとガッカリですしね。
そんな中、非常にコストパフォーマンスが良いとされるROTEL社のパワーアンプに目を付けた次第。
●アンプの選択
パワーアンプと言えば、やっぱり目が行くのはAccuphaseやLUXMANといったメーカーでしたが、海外ではメジャーながらも日本では陰に隠れて目立たなかったROTEL社を見つけてから、これは手の届く価格で「乗り換える価値」が生まれるかもしれない。と感じました。
同じROTEL社でも「RB-1592TM2」は非常に評判が良く、ネットで見ると欲しくて堪らなくなりますが、さすがに50万円規模は今は厳しいです。
まずは単体パワーアンプの力を見極める為にも、リーズナブルな「RB-1582MK2」に目を付けました。それでも、その実力からすればinfinityのスピーカーを今までよりしっかり鳴らしてくれる期待を感じさせました。
そして「2015年4月から値上げされます!」という単純なメッセージも、ポチらせるのに十分な理由でした(笑)
ホント、何を買っても箱を開ける時のワクワク感は堪りませんね。
サイズはそこまで大きくありませんが17kgオーバーの重さがありますので、さすがパワーアンプ。という存在感です。
背面はこんな感じ。接続は、バランスとアンバランスの2種類。スイッチで切り替え出来ます。
何と電源ケーブルが2本入ってました。2又と3又です。3又の方がケーブルも太く、構造的な安心感もありますので我が家では3又を採用しました。
AVアンプとの接続はRCAケーブルで。一応今回用に新しいものを買いました。安価で鉄板のBELDEN 88760です。
設置するとこんな感じ。SC-LX86のプリアウトからRB-1582MK2へ繋ぎます。
●音の変化
正直なところプリ部はAVアンプに任せたままなので「最上の音」とは言えないのかもしれませんが、それでもパワー部が変わる事で全く音が変わりました。
パワーアンプだけの音質変化というよりは、パワーが増してIRS-OMEGAのポテンシャルも更に引き出された。という感じがします。
実は、買ってすぐの時点では、確かに解像度は高いけれど軽くてスッカスカな音でした。これには軽くショックを受けたんですが、わずか1時間程度鳴らすだけで音の厚みや低域の力強さが出てきてホッとしました。
じっくり聴いてみて従来から明らかに強化されたのは「解像感」「音の力強さ」「リアリティ」です。高域、中域、低域すべてにおいて音の精密さ、存在感が増した印象です。正直なところ、期待していた以上に音が変わって驚かされました。
SC-LX86では音楽鑑賞は「Extra Stereo」モードにしていました。マルチチャンネルで包み込まれるような音楽の楽しさを味わえたからです。一方、本来もっともフラットな音質である「PureDirect」モードは、比較すると少し音場が狭く、華やかさに欠ける印象で常用していなかったのです。
ところが、RB-1582MK2を間に立たせると「PureDirect」モードが全く別物になりました。純度が格段に上がり、輪郭のしっかりした繊細且つ厚みのあるクリアな音で、広がりも出ているのです。
つまりアンプの能力×隠れていたIRS OMEGAの本来の力が発揮され、PureDirectモードが「本来あるべき姿」を描き出してくれた。という事なんじゃないかと思います。今迄はそこまでの能力が出ていなかったので「ExtraStereo」というエフェクトに頼っていた部分もありますが、純粋に音楽を聴くなら「PureDirect」がメインになります。
とはいいつつ、淡泊な曲や、包囲感を楽しみたい時には「ExtraStereo」&7chスピーカーで楽しむのも元々ホームシアター思考の私のとっては"アリ"ですね。
衝動買いに近い買い物ではありましたが、また一つ良い買い物をした気分です。