Amazon echoシリーズの特徴として「音声の外部出力」があります。
GoogleHomeは他のデバイスの音声出力先として利用する事は可能ですが、GoogleHomeの音を外部出力するにはChromeCastAudioの利用が必要です。一方EchoシリーズはBluetoothで外部デバイスに接続する事もできますし、3.5mmミニジャック端子を搭載していて物理的にケーブルで外出しも出来るんです。
スマートスピーカーの音質って所謂オーディオ機器と比べればチープですが、外部出力してしまえばどうとでもなります。これが出来るから私はechoではなく敢えてecho dotを選んだとも言えます。
1.メインオーディオ環境への出力
まず一つ目は我が家のメインオーディオ環境への出力です。
echo dot → LUXMAN C-8f(コントロールアンプ) → ROTEL RB-1592SE(パワーアンプ) → infinity IRS-SIGMA(スピーカー)
へ繋いでみます。
接続にはミニジャック→RCA端子へのケーブルを使います。
echo dotのミニジャック端子へケーブルを挿します(こんなことGoogleHomeやLINE Clovaじゃ出来ません!)
そしていざアンプへ
メインオーディオ環境で聴くecho dotのAmazon Music Unlimitedは、とてもスマートスピーカーによるストリームサービスとは思えないほどの高音質!
早速同じ音源をPCオーディオと比較してみました。
[比較対象]
PC(flac)TuneBrowser → NorthStarDesign Supremo(DAC) → LUXMAN C-8f(コントロールアンプ) → ROTEL RB-1592SE(パワーアンプ) → infinity IRS-SIGMA(スピーカー)
PC経由の音に比べて、echo dotからのストリーミング音源は「やや籠る」「やや低域が沈み切らない」「やや立体感に欠ける」といった全体的な劣化はあるものの、約50万円のDACを通した音に対して、単純なアナログ接続しただけのecho dotでこれだけの音が出せるなら十分満足です。普段使いのBGMとしてはほとんど不満はない出来です。
音楽鑑賞をしっかり楽しみたい!且つ、音声指示で気軽に色んな曲を楽しみたい!というワガママな要望に応える最高の答えがコレだと思います。GoogleHomeのChromeCastAudioも良いと思いますが、echoの有線接続もまた良しです。
但し、1つだけ大きな弱点がありました。
ミニジャック端子に接続すると、echo dotの音が全部外部出力になってしまうんです。要するに「明日の天気」などをAlexaに聞こうと思うと、アンプの電源を入れて、echoのインプットに切り替えないといけない。という訳です。そんな事してたらスマートスピーカーの利便性が台無しですよね。かといって毎回ケーブルを抜き差しするのもスマートじゃない。
そこで、常時電源オンで待ち受け状態にできるスピーカーとして、小型のBluetoothスピーカーを物色する事にしました。
2.JBL Charge3 への接続
購入したのはJBLのCharge3です。
大きくなりすぎなず、且つ、現在発売済みの他のどのスマートスピーカーよりも音質で上回るレベルを最低条件としました。
比較したのは
BOSEのSoundlinkシリーズ(mini2やRevolve)
SONYのSRS-XB30
です。
実際に店頭で比較したり、Youtubeでのデモ動画などを見た印象では下記のような特徴を感じました。(★は何となくのイメージです)
BOSE Soundlink mini2
低域に力強さとスピード感がある。中高域は少し寂しく平面的。
明瞭度 ★★★
立体感 ★★
広がり ★★
中高域 ★★
低域量 ★★
低域キレ ★★★
BOSE Soundlink Revolve
360度対応で部屋のどこに置いても楽しめる。mini2と比べると少し籠っているとも言えるし、柔らかく包まれる音。とも言える。低域はBOSEらしくしっかりしている。
明瞭度 ★★
立体感 ★★
広がり ★★★
中高域 ★
低域量 ★★★
低域キレ ★★
SONY SRS-XB30
音が非常にクリア。悪く言えば硬い。低域はタイト。エクストラバスをオンにすると低域がかなり強くなるがやや歪む印象。
明瞭度 ★★★
立体感 ★
広がり ★★
中高域 ★★★
低域量 ★★
低域キレ ★★★
JBL Charge3
BOSEよりも低域に厚みがあり、中高域にも立体感がある。派手な音で楽しく音楽を聴かせる印象。
明瞭度 ★★
立体感 ★★★
広がり ★★★
中高域 ★★
低域量 ★★★
低域キレ ★★
音の好みではJBLが突出していたのでこれにしてみました。
付属品は電源ケーブルだけ。6000mAhのバッテリー内蔵なのでしっかり充電していればかなり長時間ワイヤレスでの再生も可能です。
本機の特徴は左右にパッシブラジエーターを搭載している事です。
ここがBOSEやSONYと全然違うところで再生しているとブンブン震えて低域を再生します。タイトな低音ではなく自然な響きがここから生まれるんですね。
そしてその分メインユニットに低域の悪影響を与えないので、中高域もしっかり主張し、小さいボディなのに立体感も生むのです。
ところがこの接続をするとなぜか盛大にノイズが乗ります。ピュルピュル~ととてもうるさい。全く原因が分からなかったのですがTwitterでフォロワー様が「同じUSB給電器から電源を取るとノイズが出る」と教えて頂き、ちゃんと別々で給電したところすっかりノイズは消えました。良かった!
ノイズも解消したので、じっくり音楽鑑賞をテストしてみました。当然、echo dot本体からの音とは比べ物にならない厚み、立体感です。普通に音楽を聴く分にはこれでも大幅強化と言えます。ただ、先にメインオーディオ環境での再生を試してしまっていたので、どうしても比較すると音質が低く感じてしまいます。
小型Bluetoothスピーカー特有の低域を太くしたボンボンサウンドで、ピュアオーディオの品質には遠く及びません。となると、もう少し音楽をしっかり聴きたいときにはやっぱりアンプ接続という選択肢も残しておきたいところです。
ただCharge3に有線で繋いでしまうと、毎回抜き差ししないとアンプと繋げない。よしこうなったら分配だ!!と荒業を使ってみました。
確かにこれで両方同時に出力されるようになりました。同時再生もできますし、片方の電源を落としておけば当然片方だけで鳴らすことが出来ます。普段はCharge3を常時接続しておいて、しっかり音楽を聴きたいときはアンプ側をオンにする。なんて使い方が出来ます。
でもここまで来たら折角なのでCharge3は部屋の中で移動させたり、隣の部屋に持ってったりしたいなぁ。と思ってたところ「echo dotからBluetooth接続すれば良い」という事を発見しました。(それまで外部デバイス→echo dotにBluetooth接続できるのは知っていましたが、逆にecho dot→外部デバイスにBluetooth出力できるとは気づいていなかったのです)
そしてBluetooth接続は音声指示で制御できるので、ほぼ完璧な環境が出来ました。
つまりこうです。
1.普段はCharge3に繋ぎっぱなし。echoの音声指示も音楽鑑賞もCharge3のスピーカーを通して可能です。
2.「Alexa、JBLの接続解除して」と言うと、有線に切り替わりアンプ経由でechoを利用できます。(音楽鑑賞だけでなく音声指示もメインスピーカーから聴こえます)
3.音楽鑑賞を終えればまた「Alexa、JBLに接続して」と言うと、またCharge3の待ち受け状態に戻ります。
これはスマート!!!という事で、我が家ではこの環境に決定です。
ちなみにJBLのCharge3は先般検証したGalaxy S8+のDEXを使うときの外部スピーカーにも兼用したいと思っていましたのでPCモニターの中央下に設置しました。普段はこの環境で利用しつつ、Charge3は必要に応じて部屋を移動させる運用です。